解放されたっていう本館、別館の三階を探索しようという事になった俺達は二手に別れて探索する事にした。
そして、本館を俺、龍野、木枯、嶋野、影山。別館を瀬戸内、桃瀬、猫屋敷、熱宮、のメンバーが探索する事になった。
鈴木崎はする事があると言って鷹倉を連れて自分の研究教室に向かった。きっとロボット造りだろうな。
沢風は今は休んでいた方が良いと判断し、自室で休んでもらう事になった。
最初は渋っていたが、全員から休んだ方が良いと言われたので申し訳なさそうに了承してくれた。
俺達は瀬戸内達と別れ、本館の三階に上がった。本館の三階は別に他となんら変わった所はないな。
モノフォンでマップを確認してみると三階には美術室、超高校級のネット配信者の研究教室、超高校級のアルバイターの研究教室、そして死体保管室なんて奇妙な教室もあった。
俺達はまず美術室に行ってみる事にした。
ーーー美術室ーーー
大小様々なキャンバスが置かれておりキャンバスには綺麗な絵が描かれている。
絵を描くのに必要な絵の具や筆やペンは沢山あり、道具には困らなそうだ。
他にも彫刻が飾られていたりする。モノクマの彫刻があるのが腹立たしいな。彫刻刀で刻んでぼろぼろにしてやろうかな。
「ひょわー!これ凄く綺麗な絵だね!あ、この彫刻は腹筋パッキンチョじゃんか!」
「し、嶋野さん。そんなべたべた触っても良いの?」
「へ?何か駄目なの?」
「…もし壊したりしたらモノクマから何されるか分からないよ」
「ひょへ!?そ、それは全力ノーサンキュー!」
嶋野は苦い顔をしながら触っていた彫刻から手を離した。あいつらならもし壊したりしたら難癖つけてきて、最悪オシオキとかあり得そうだしな。
触るのを止めた嶋野は木枯と龍野を連れて絵を見始めた。
「ここは普通の美術室のようですね」
「そうみたいだな」
声を掛けてきたのは俺の横に居る影山だ。嶋野は美術室の絵に夢中になって影山の事を忘れてそうだな。まあいつも通りか。
「ここは特に何もなさそうだな」
「そうですね…あ、砂糖さん。これを見て下さい」
「ん?」
影山が指を指す方を見てみればそこにはある絵が飾られていた。
見るとそこには俺達の姿絵が人数分飾られていた。
「俺達が描かれてんな」
「凄い上手に描かれてますね」
「ああ、これモノクマが描いたとかか?」
「モノクマがこんな綺麗な絵を描けるとは思えませんね」
「確かに」
俺の絵まであるぞ。俺の邪魔くさい癖っ毛もリアルに描かれてんな。
龍野とか背景も黒にしてるから全身黒尽くめの龍野は背景と同化してんぞ。
「シュガー!シャドーちゃん!」
「なんだ、どうしたよ?」
嶋野が元気そうに龍野と木枯を連れて戻ってきた。
「この教室なら全部調べたよ!」
「…何故か僕達をモデルにされた絵や彫刻とかあったけど、それ以外は怪しいものはなかったよ」
「そうか」
「ここにも絵があるんだね」
「そうなんです、ここまでリアルに描かれてると不気味ですね」
特に何もなかったので俺達は次に行くことにした。そして次に美術室から近く、気になったのが死体保管室と書かれた物騒な部屋だ。
ーーー死体保管室ーーー
やけに頑丈そうな鉄の扉を押して入る。入った瞬間に感じたのはとてつもない程の冷気、止まっていると凍りそうな程の寒さだ。周りを見てみると凍っており、つらら等が出来ていた。
「…寒いね」
「お前そう言いながらも平気そうじゃねえか?」
「龍野さん寒さにお強いんですね」
「何だよ、お前丈夫だな」
「…まあね。これ位ならなんて事ないよ」
驚いたな、案外男らしい所あんじゃねえか。
「お前のそういう所好きだな!惚れ直すぜ!」
「…んな"!?」
「やだちょっとシュガーそれ完璧にラブチューな告白じゃんか!」
「やですね嶋野さん。そんな事あり得る訳ないじゃないですか」
「まあ砂糖君の天然発言ってやつだろうね」
あん?木枯の方が天然だろ?龍野も何を顔真っ赤にしてんだよ…こんな寒いのに顔を手でパタパタ扇いでられるな。
「ちょっと、あなた達五月蝿いんだけど?」
「あ、プリンセスちゃん居たんだ!」
「だからそのあだ名で呼ばないでって言ってるでしょ…」
白いため息を吐きながらおでこに手をやり、顔をしかめさせ困った表情をする藤。どうやら最初に本館を探索してたみたいだな。
「よう藤!お前はこの寒さは平気なのかよ?」
見た所、龍野の同じで全く寒くなさそうだ。
「は?こんなの我慢よ。我慢してれば済む話よ」
「やせ我慢ってやつだね」
「じっと見ていたら震えてますね」
影山の言葉を聞き、藤をよく見てみると確かに小さく体を震わせていた。いや、寒いなら寒いって言えよ、素直じゃねえな。
「それでここは何でこんなに寒いんだ?」
「死体保管室ですから…腐らせないように冷凍保存する為ですかね」
「でも死体なんてここにはねえだろ?」
「あら、死体ならあるわよ」
「は?」
「何をお馬鹿な顔をしてるのよ」
「だってよ、お前が今死体があるって」
俺の言葉を藤はクスリと笑いながら指をクイッと動かし、着いてこいと俺達に合図をして奥の方に進んでいく。
訳が分からず俺達は顔を見合わせる中、龍野は慌てることなく進み出す。釣られて俺達も前進する。
藤に着いて歩いていくと死体保管室の奥に着いた。そこには巨大な鋼鉄製の引き戸型冷凍庫があった。
冷凍庫の数は20個ある。
「ま、まさかこん中にあるってんじゃねえよな?」
少し声が震えながら溢した俺の言葉を聞いた藤は薄く笑いながら冷凍庫の一つを指差した。
これは開けろって事か?訝しみながらも俺はゆっくりと進み藤が指差す冷凍庫に向かう。
「…砂糖君待って」
「な、何だよ」
「…危ないから僕が行くよ」
「あら?お砂糖ちゃんは怖くて出来ないのかしら?」
「は、はあ!?そ、そそんなの出来るに決まってらぁ!おい龍野!俺が行くからな!」
「…あ、うん分かったよ」
ここは男気を見せなきゃだ!俺は意を決して目的の冷凍庫の前まで着き、取っ手を掴みゆっくりと引いた。するとそこには…湯上の死体があった。
体の色々な箇所が折れ曲がっており、骨まで見える。顔はぼこぼこになっており、顔だけ見たら誰か分からねえ程だ。
「ひっ!?」
「シュガー!」
「さ、砂糖さん!」
「砂糖君!?」
「…砂糖君!!」
俺は思わず悲鳴を上げてしまい、心配した皆が駆け寄ってくる。
「…大丈夫?何が、あった…」
「え?ちょっとどうしたのさ、りゅうと、きゃあぁぁ!?」
「し、嶋野さん!?どうしたんですか!」
「嶋野さん!大丈夫!?」
「…影山、木枯!お前らはこっちに来んじゃねえ!」
龍野は湯上の死体を見た瞬間、息を飲み黙った。嶋野は悲鳴を上げ、腰を抜かせてしまった。
影山と木枯の二人には見せないように叫んだが…間に合わず二人とも惨たらしい湯上の死体を見て叫び声を上げた。
「くすくす、予想通りね。でも大丈夫かしら?まだ死体は入ってるわよ?」
「…という事は他の冷凍庫にも?」
「ええ。死体が入ってる所にはランプが点いてて、数えてみたら丁度六個点いてるから…ここまで言えば分かるわよね?」
それはつまり…湯上を含めた今まで死んでいったあいつらが入ってるって事か。
死体保管室っていう位だから死体を保管するってのは分かってたが…まさか湯上達が入ってるなんてな。
「どうするのかしら?私は全部見たんだけどあなた達は見るの?」
「ご、ごめんね。ウチはもうギブアップ…」
「私も無理」
「すみません。私も遠慮します」
「…僕もだね」
俺も湯上の死体の衝撃が強くて、他の奴等のを見る余裕なんてねえ。
「あら、意気地なしね…まあ良いわ。それじゃあ私は別の場所に行くから」
「あ、待ってくれよ!」
さっさと出ていこうとする藤の前に立ち、藤を止める。
「やっぱり止めるわよね。貴方の性格上分かってたわよ」
「なら俺が言いたい事も分かるよな?」
「一緒に探索しよう、でしょう?」
「ああ、正解だ。じゃあ一緒に行こうぜ!」
「嫌だって言っても無駄でしょうね…」
分かってんじゃねえか!丁度よく会ったんだ。離すわけがねえ!藤は心底嫌そうな顔をしながら俺を見てため息を吐く。
「…言っておくけど私はあなた達に着いていく気はないから。あなた達が勝手に着いてくるのは止めはしないけどね」
「プリンセスちゃんのデレキター!ってやつだね?」
「何よその『でれきた』って?それとプリンセスって呼ばないで」
嶋野のあだ名呼びをやめさせるのは無理だと思うぞ。
まあつまり藤の後を着いていくのは良いって事か。ならそうさせてもらうぜ!
俺達は死体保管室から出て藤の後を着いていく事にし、歩き出した。
藤はモノフォンを片手に画面を見ながら歩いていくが進みが遅い。
亀のようにゆっくりと一歩歩いてはモノフォンを見て、また一歩歩いてはモノフォンを見るを繰り返している。
「…なあ藤」
「何よ?」
「お前もしかして…地図が読めねえの?」
「…………」
気になって聞いてみると藤は黙ってしまった。ついでに足も止まってしまった。
後ろから藤を見ていたら気付いたが耳が真っ赤になってやがる…丸分かりじゃねえかよ。
「どうしたのさプリンセスちゃん!ウチが手伝おうか!?」
「…………」
「あれ!?顔真っ赤だよプリンセスちゃん!?何でどうしてどうしたの!?」
「ちょ、み、見ないでよ…」
「あ、あの…藤さん。私もお手伝いしますよ?」
「大丈夫だよ。地図が読めない人結構居るからね。それでどこに行きたいの?」
「…………ここよ」
見かねた嶋野、影山、木枯が藤に駆け寄り、藤の行きたい所を聞く。
静かに呟きながら地図のある場所を指差した藤に嶋野達は優しく教えながら歩いていく。
「…まるで幼児」
「言うな」
「…うん、ごめん」
流石にそれは藤に聞かれたらヤバいからな。俺と龍野も歩き出し、藤が行きたかった場所まで着き、入っていった。
ーーー超高校級のアルバイターの研究教室ーーー
扉はまず自動ドアだった。入ると聞き覚えのあるハンバーガー店のお馴染みな入店音が聞こえてきた。
すぐに目に着いたのはレジだった。そしてレジにはモノクマが立っていた。
「やあ!いらっしゃいませ!」
「ここが超高校級のアルバイターの…研究教室?」
見たところ何処にでもあるハンバーガー店だけどな。
「そうだよ!妻夫木さんは接客系のバイトが好評だったからね!奥にはスーパーもあるよ!」
「何でんな無駄に広い造りになってんだよ…」
「そこは頑張った結果だよ!なのに当の研究教室を使う妻夫木さんがもう死んでるんじゃ意味がないよね~!」
「そっ!それはテメーらのせいだろ!!」
「えー?ボク達のせいにするの?ていうかまだそんな事言ってるの?」
「でもその通りじゃない!こんな所に閉じ込めたあなた達のせいだよ!」
「木枯さんまでそんな事言うんだね、およよよ…まあ今更言っても何も変わらないよね!死んじゃったものは死んじゃってるんだし!」
こいつらはとことん人の神経を逆撫でしてくるな…一思いにぶん殴ってやりてえけどそれすら出来ねえなんて歯痒いな。
「まあそんな無駄話は良いんだよ!」
「無駄話だと!?」
「ああもう!いちいちめんどくさいな!ここにある物は自由に使ったり持ってったりしていいからね!」
それだけ言うとモノクマは消えた。くそ、苛つきだけが残っただけだ!
苛ついてるのは俺だけではなく他の奴等もだった。
「何よあのロボックマ!超ムカつくっ!!」
「本当ですね。苛立ちを隠せません!」
「いつかギャフンと言わせてやらないと気が済まないよ!」
「ここには特に何もなさそうね」
「…藤さんはモノクマ達の言い方には腹が立たないの?」
平常運転の藤に龍野は語り掛けるが藤は嘲笑しながら「あんなゴミの言う事なんかに何も思わないわよ」と返した。
そもそも俺達を信用していない藤にはさっきのモノクマの言葉にはなんも思わねえか…藤にどうにかして信用してもらいてえな…。
「一応スーパーの方にも行ってみましょうか」
「奥の方にあるって言ってましたね」
「…あ、また自動ドアがあるね」
ハンバーガー店の奥の方には龍野が言った通りまた自動ドアがあった。
自動ドアを通り、スーパーに入ると確かにどこにでもあるようなスーパーだった。
一応一通り見て回ったがなんの変哲もない普通のスーパーだ。
「拍子抜けね」
「うん。特に怪しい物とかはないね」
「でもこれでハンバーガーが食べられるし、手に入る物が増えたじゃん!」
「…でもハンバーガーを作るとしてあの機械の動かし方とか誰か分かるのかな?」
「それなら鈴木崎が分かんじゃねえか?機械の事ならメカニックの得意分野だろうし」
「なら後でメカ子に教えてもらおう!」
まあ鈴木崎なら多分分かるだろ。嶋野の奴はスゲー嬉しそうにしてんな。俺も久々にハンバーガー食べたくなってきたな。あとポテトにナゲット。これが定番の黄金トリオだろ。
「ちょっと木枯さん。次はここよ」
「あ、うん分かった」
もう恥ずかしさもなく堂々と聞いている藤に木枯は優しくマップの見方を教えながら歩を進める。
俺もマップを見て次の目的地であろう、ここから近い所を見てみる。次も研究教室だな。
ーーー超高校級のネット配信者の研究教室ーーー
木造のドアを開けて中に入る。中には大きなテレビや高そうなパソコンや椅子に机、マイクとかがあった。
ネット配信者の研究教室だから教室ってよりは家っぽいし、配信に使う道具が置いてあるだけだな。
広さ的にはこの学園のどの部屋よりも狭いな。
「…靴箱があるよ」
「本当だ。靴は脱ぐようになってるんだね」
なら靴を脱いで入るかな。全員靴を脱ぎ、中に入る。
「ほえーこの椅子、座り心地良すぎるわ~」
「テレビは…一応点きますけど砂嵐しか映りませんね」
「押入れがあったけど…中には敷き布団しかないや」
なんかここに居ると家に居る感が増すな。俺も近くにあったロッカーを開けてみる。中には色んな衣装があった。確かに鷹倉は顔出し配信もしてるし色んな服を着ていたな。
「狭いからあっという間に調べ終わったね」
「ここも特に何もないですね」
「はぁ、次行くわよ。ほらここよ、ここが最後ね」
本館三階は残す所後一つとなった。そこは唯一???と記され分からないようになっていた。
ーーーお化け屋敷ーーー
本館三階の一番奥にあった???と記された場所に着いた。外観を見たら一目で分かるな…というか看板にデカデカとおどろおどろしい文字で書いてある。
「『お化け屋敷』か」
「…何で学園の中に?」
「あいつらのチョイスはどこから来てんだよ…カラオケルームやらお化け屋敷て」
他に造る場所はあるだろよ。独特のチョイスやめろよな。
「これ…入るのか?」
「あら?まさか怖いのかしら?」
「まああんまり強い方じゃねえけど…藤は平気なのかよ?」
「当たり前でしょう?作り物の驚かせに怖がるわけがないじゃない」
堂々と嘲笑しながら言い放つ藤だが…微妙に手震えてねえか?
「じゃあ藤先に入ってみてくれよ」
「…………何でよ?」
「いや怖くねえんだろ?なら一番手で入れるだろ」
「……男の癖に意気地がないわね…分かったわよ」
お前絶対に怖いだろ?見るからに顔色悪くなっていってんぞ?強がってるのが丸分かりだぞ。
「お前らは入るのか?苦手なら入らなくても良いぞ?出口がそこにあるしそこで待ってりゃあ良いしよ」
他の奴等に聞いてみたが特に問題もなく、全員入る事になった。
お化け屋敷とかあんま入った事ねえし怖い系は苦手な方だが、男として逃げるのは格好悪いよなぁ…。龍野の奴は特にビビってる様子がねえし、こいつ強そうだな。
藤を先頭に俺、龍野、嶋野、木枯、影山の順で入っていく。
「うおー…真っ暗だな」
「ぁぁぁぁ明かりがぁぁ!!薄いぃぃいい!!?」
「…嶋野さんもうガタガタ震えてくけど早くない?」
「龍野君、服が真っ黒だから同化してるよ」
「おい藤、お前歩くの遅すぎじゃねえか?」
「何を言ってるのかしら?全然遅くないわよ?貴方が怯んでるからそう見えてるだけじゃないかしら?全くこの位で怯えてるなんて情けないわね私は別に平気よ?こんな陳腐な物全く怖くないわよ」
スッゲー早口で捲し立てんなよ。お陰で怖さが薄れてきてるよ…なんて思いながら藤が角を曲がるのを見ていたら、角からいきなりモノクマをでかくしボロボロにして、ゾンビの様にさせたものが呻き声をさせながら飛び出してきた。
「うおお!?」
これには油断していた俺は素直にビビり思わず声を上げてしまった。
「…まあ予想してた」
「おんぎゃあ$+@&%#!_]¥@>?*!?」
「きゃあ!」
「ええ!?嶋野さんのお声の方が驚くのですが!?」
それぞれ驚いていたり特に驚いていなかったりしている中、藤だけはピクリとも反応を示さない。どうしたのかと藤に近付いてみる。
「…………これは作り物これは作り物これは作り物これは作り物これは作り物これは作り物これは作り物これは作り物怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない怖くない」
……早口でぶつぶつ呟きながら震えてるのが見える。お前が一番怖がりじゃねえか?
「大丈夫か藤?場所変わるか?」
「な、なななななななな何を言ってるのかしら?だ、だだ大丈夫よ」
声まで震えまくりじゃねえか。変わると何度も言ってみたが藤は断り続け仕方なく藤を先頭に進み始める。相変わらず進みは遅いが。
すると頭上からモノクマの頭だけが現れた…瞬間。
「これは作り物これは作り物これ、きゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「ふぎゃっはぁんびゃばばばばばばぁぁぁ!!?」
「あ、おい藤!?」
「嶋野さんどこから出してるのその声!?」
藤が叫び声を上げながら走り去ってしまい、嶋野は藤の叫び声に驚き、連鎖的に女子が上げては駄目そうな叫び声を上げた。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!……いやぁぁぁぁぁぁ!!!……やだぁぁぁぁぁぁ!!!」
走り去った藤の叫び声が先から聞こえてくる。心配になり俺も龍野に先に行くと伝え、藤を追い走った。
途中驚かせる仕掛けに驚きながらも藤を追い掛けていると出口まで辿り着いた。
「藤はもう出てんのか?」
一本道だったしすれ違ったとかはないからもう出口に出てる筈…居た。出口から出た隅に直立不動の状態でガタガタ震えていた。
「……大丈夫か藤?」
「ひうぅ!?…………何がかしら?」
いやもう今更強がっても無理だっつの。しかも未だに震えてるし。
まあ深く言及すんのも悪いしスルーしといてやろう。怖がってる藤と二人で居ると龍野達も出口から出てきた。
まあ嶋野のデケー叫び声が聞こえてたからそろそろだろうなと思ってたが。
「ふぅーふぅー!こ、こここここここっけこっこー!じゃなくて怖かったー!」
「嶋野さんまだ余裕ありそうだね」
これで本館三階の探索は終わりだな。別館は瀬戸内達が調べてるし、食堂に戻ってみるかと皆に言う。
「藤も一緒に食堂に行こうぜ」
「仕方ないわね。今回だけよ?暇潰しに付き合ってあげるわ。本当に仕方なくだけどね」
「…怖いからだ」
「怖いからだね」
「龍野!嶋野!そこは黙っておけ!」
「くすっ」
「木枯は隠れて笑ってんじゃねえ!」
「ご、ごめん。藤さんの怯え方が…ツボで…!!」
「べ、別に怖くなんてないわよ?あんなの作り物だし、ある程度どこで出てくるかなんて予測出来てるから全く驚かないわねそもそも」
藤は今も震えながら早口で捲し立ててるし、カオス過ぎだろ。
俺は何とか皆を引き連れて食堂に戻った。
ーーー食堂ーーー
食堂に入るが誰も居なかった。瀬戸内達はまだ戻ってないようだな。
とりあえず適当に座る。藤も大分震えがおさまったようだ。
「結局、脱出に繋がる手掛りはなかったですね」
「まあ仕方ねえさ。きっとどこかに穴はあるさ」
「…諦めずにいけば見つかるよ」
「そうだね」
そこから少し談笑をしていると瀬戸内達が戻ってきた。探索した結果を報告するので一旦鈴木崎、鷹倉に和良井、沢風に探索報告会をすると伝えに行った。
鈴木崎と鷹倉に沢風は来てくれたが、和良井は何度もチャイムを鳴らしたりノックをしたが、開けてくれなかった。
なので食堂には和良井以外の面子が揃った。
「んじゃあ報告会すっか!」
「どっちからしよっか?」
「ならウチら本館グループからするよ!」
嶋野が元気よく報告を始めた。流石は超高校級の放送部、心地よく聞き惚れ分かりやすい報告だった。普段の様子からは想像できない程、クールな雰囲気だった。いつもそんな感じだったら良いのに…。
「これで本館三階、ウチ達の報告は以上だよ」
「ぉぉ…いつもうるせー奴がこんな喋り方出来んだな」
「瀬戸内あんた失礼な事言ってるよ」
「なははー!まあ自覚はあるし大丈夫だよ!それじゃあお次は別館グループお願いね!」
「おうよ!」
嶋野からバトンを渡され、瀬戸内が勢いよく立ち上がる。
「別館の三階はホログラムエリアになってたぜ!」
「ホログラム?」
「おゥ。三階の廊下全体にはァ、立体映像がずっと映し出されていてなァ。通る度にィ色んな映像がァ3Dの立体映像がァ浮かんでェ見える様になってたぜェ」
「だから別館三階の廊下は全体的に暗めになってるよ」
なら足元に気を付けねえとだな。
「暗めって事なら背後から殺したりとか出来そうね」
「おいおい!今んな事言わなくても良いだろ!?」
「何よ、私は親切にも言ってあげたのよ?分かってなさそうなあなた達の為にも殺しが起きやすそうねって忠告をね」
「…確かにこれで皆気を付けるよね」
まあ確かに藤の言う通り暗めなら騙し討ちしやすそうだけど…モノクマ達はそれが狙いでホログラムエリアにしたんだろうな…。
「ほら、早く次の報告をしてくれないかしら?」
「全く、我が儘姫だねぇ。それで私達は一番近くにある場所に向かったのさ。そこは私の研究教室だよ」
という事は超高校級の氷彫刻家の研究教室って事か。
「設備は充実してたけどあれは私の作業場と瓜二つだったねぇ…多分モノクマ達が真似て作ったんだろうねぇ」
「ん~熱宮さんの研究教室だけどね~凄く寒かったんだ~」
「そうかい?」
「いやありャァとんでもなく寒かったぞォ!あんな所にィお前みたいな薄着が居たら風邪引くぞォ!?」
そんなに寒いのか?死体保管室とどっちが寒いんだろうか。
熱宮が言うにはあれぐらいで風邪なんか引かないらしい。まあ極度のあせっかきだし平気なんだろうな。
「それで次に私達は超高校級のリア充の研究教室に行ったんだよ」
「俺の研究教室か……どんな感じだったんだ?」
「なーんか不思議な造りだったぞ?教室があったと思いきやサッカー場に生徒会室とかあってな」
沢風は色々な才能を持ってるからな。無理矢理一つに纏めたんだろうな。
「何か脱出に関係ありそうな物とかなかったかい?」
「いやァ、特にはなかったなァ」
「そうか…ありがとうね」
「ん~そんなガッカリしないで~元気出してこ~」
「……うん、ありがとう」
あの様子じゃ当分は沢風は立ち直れそうにないな…。
「それでさ~次に近いとこに行ってみたんだけどさ~開かなかったんだ~」
「マジか。その教室はマップでは何て表示されてんだ?」
「それがね~???って書かれてて~分からなかったよ~」
「そうか…」
今は入れないって事か。気になるが入れねえんじゃしょうがないよな。
「それで最後に残った部屋だけどな、映写室ってのだったぜ。ふっかふかの映画館にあるみてえな椅子に大画面モニターがあったし、隣にも部屋があってよ。入ったら映画のDVDがスゲー沢山あったぜ」
「てことは映画見れたり出来るの!?」
「おうよ!ちゃんと動くか確認して、映画見れたぜ!」
「やったー!ウチ映画見るの好きなんだよね!」
そんなもんまで用意されてんだな。本当に無駄に設備を整えてんな。
だが映画見れるのは良いなって思った。俺も映画見んのは好きだしな。今度暇があったら龍野でも誘って映画見に行くかな。
「これで俺達の報告も終了だぜ!」
「こッちもォ脱出に役立つもんはァなかっぞォ」
「まあ…モノクマ達がそんな簡単に抜け穴を用意してる筈はないよね…」
沢風は悲しそうな顔をしながら呟いた。
「だけどよ、諦めずにいけばきっと打開策は見付かるだろ!」
「……そうだと良いね」
「沢風…」
「全く…さっさと諦めなさいよね」
「何だとォおいィ!?」
困った顔をしながらやれやれと首を振るのは藤だ。桃瀬が藤の物言いに噛み付くが藤は涼しい顔をしている。
「脱出に繋がるものなんてないに決まってるわよ。私は殺しに使われそうな場所の下見として解放された場所に行ってただけよ」
「んな事がァ起こる筈がねェだろォ!」
「そうだぞ藤!」
「俺達はもう殺し合いなんてしねえ!」
「貴方達のその根拠もない根性論には吐き気がするわ」
藤は俺達に冷えた目を向けてくる。思わずその目に怯んでしまう。
「やっぱり貴方達とは合わないわね…それじゃあ私は部屋に戻らせてもらうわ」
「あ、藤!」
藤は俺の呼び掛けに反応してくれず、食堂から出ていってしまった。
藤は根拠もないなんて言われたがそれでも俺は信じてたい。憧れでもあり、今は仲間でダチである皆を信じ続けんだ。
「…俺も部屋に戻るよ」
「あ、ああ。あんま無理するなよ?」
「うん、ありがとう…それじゃあ」
沢風も力弱い足取りで食堂を後にする。一日でも早く沢風が立ち直ってくれる事を願う…。明日和良井の説得しに行った後、沢風と話に言ってみるかな。話を聞くだけでも楽になれるだろうしな。
それから鈴木崎と鷹倉がロボ造りに戻り、俺達はまた各々夜飯まで自由に過ごす事にした。
後ちょっとで夜飯の時間だが俺はホログラムエリアに行ってみる事にした。どんな立体映像か気になるし軽く行ってみよう。
別館の方に行こうと渡り廊下を歩いていると別館に向かっている影山を見掛け、声を掛ける。
「よう影山」
「あ、砂糖さんも別館の三階に?」
「おう、夜飯まで後少し時間があるし、軽く見に行こうってな」
「私もです。良ければご一緒に行きます?」
「良いぜ!」
了承すると影山は朗らかに笑い、ありがとうございますと言った。
そして影山とホログラムエリアまで行くとそこは確かに真っ暗という訳ではなく、暗めで周りは見えるっちゃ見える。
すると目の前が光りだし、現れたのは綺麗な魚だった。
「おお!綺麗だな!」
「本当に生きて海を泳いでる様ですね」
「ああ…お、今度は犬になったぞ!」
魚から犬に映像が変わり、俺達の周りを走り回る。本当に生きてるみてえに見えるな。こんな凄い技術をモノクマ達はどうやってんだろうな。
「このお犬さんは私の事も気付いてくれてるんですね…」
嬉しそうに頬笑む影山に疑問を問い掛ける。
「影山って犬にも気付かれねえのか?」
「はい。動物にも認識されなくて、スルーされるんです」
「本当に影の薄さはスゲーよな」
「そうなんですよ…でも今は砂糖さんには認識されてますから平気です」
そう言って優しく笑う影山。やっぱ影山の笑顔は見てて癒されんな。こう、和むんだよな。
ーーー影山との親密度が1上がったーーー
影山とホログラムを楽しんでいると後ろから物音がし、見てみるとそこにはしまったと顔をしかめさせる和良井が居た。
「…最悪や」
「和良井さん…」
「よ、よう!何だ和良井、お前も探索しに来たってか?」
「やかましい、話し掛けんなや。やっぱり夜中に来れば良かったわ…」
「まあまあ、奇遇だしよ、俺達と一緒に探索するか?」
「あ?アホなんか?するわけないやないか」
和良井は親の仇の様に俺を睨み付け大きく舌打ちをした。
「で、でもよ…和良井はこのまま一人で過ごしてて良いのかよ?今まで一緒に協力して来たじゃねえか」
「そりゃあお前らを信用しとったからな…今じゃ馬鹿な選択しとったと思うわ」
「そんな事はねえだろ…」
「私達は協力しあった方が良いですよ」
「その結果が今の状況になってんやないか!?信用しとったらいつ寝首を掻かれるか分からん恐怖と戦うんよりも、始めから信用せんとした方が楽や!」
「あ、待ってくれ和良井!?」
踵を返し、走り去ろうとする和良井に何とか伝えたいことを叫ぶ。
「俺は諦めねえぞー!ずっとお前を信じてるからなぁぁ!!」
聞こえたかは分からねえがずっと信じてる。特に才能も何もない俺には前向きに信じて、突っ走る事しか出来ねえからな。
「砂糖さん…和良井さん大丈夫でしょうか?」
「ん?和良井の奴なら大丈夫だ。今は不安とかで攻撃的だけどよ、話続けてたら不安も消えてなくなるさ」
「そうなれば良いですね…」
「ああ。絶対に和良井に信用させてみせる……っとそろそろ夜飯だな。戻るか」
「はい、そうですね」
俺達は夜飯の時間だしと食堂に戻る事にした。そして何事もなく、夜飯を食べ終わり、あっという間に夜時間になり、就寝した。
またいつも通りの朝がきた。何度起きても閉じ込められている現状は変わらず、モノクマの腹立つアナウンスが流れる。
苛つきながらも食堂に向かい、朝飯を食べる。今日も沢風、藤、和良井は来なかった。
そして、嶋野は沢風の元に、藤の事を気に掛けた熱宮が藤の元に、俺と木枯と瀬戸内は和良井の元に向かった…が和良井は出てくれなかった。
何度も力強くノックをしたんだがな…それもドアを壊しそうな程…しかしモノクマが途中で出てきて、これ以上はドアが壊れるし止めろ、じゃないとオシオキだぞと言われ渋々今日は諦める事にし、する事もなく俺は気分転換にお菓子を作る事にした。
食堂には猫屋敷と見張りの瀬戸内と桃瀬に影山が居る。俺はお手製のクッキーを大量に作り、食べていた。
「お前ら食うか?」
「絶対にいらねえ」
「遠慮するぜェ」
「お腹一杯だから~ごめん~」
「す、すみません。私も今はいりません」
何だよ、こんなに美味いのによ。俺はクッキーを食べながら瀬戸内達とたわいもない事を話す。
「瀬戸内は将来実家の寺継ぐのか?」
「まあそうなるだろうな。特に嫌って訳でもねえし、むしろ好きだからな」
「へえ、好きなんだな」
「まあな、修行やら寺の事も尊敬してる親父の跡を継げるのも嬉しいしな」
「でもお前煩悩まみれじゃんか。継げれんのか?」
「それは関係ねえだろ!?」
関係ありそうだけど…まあ瀬戸内だし良いか。
「なんか今酷く雑な扱いをされた感じがするな…」
「気のせいじゃね?」
「感度良好で~感じすぎな感じ~?」
「へへ…敏感肌だからな」
「気持ち悪いなァ」
「まあ瀬戸内だからな」
「だから俺の扱いが雑なんだっての!」
いやだって瀬戸内だし。でも案外親父さんの事尊敬してたりするんだな。見た目チャラついてんのに。
ーーー瀬戸内との親密度が1上がったーーー
「んじゃあ瀬戸内と桃瀬は親の仕事を継ぐんだな」
「そうか、桃瀬も継ぐんだな」
「まァな。今はァ好き勝手すんのがァ許されてるのもォちャんと跡継ぐッて言ッてるしなァ」
「二人とも~なんか~似てるよね~」
「そう言われてみればそう見えますね」
確かにどことなく似てるっちゃ似てるな。
「力自慢な所も似てるよな。でもどっちが力強いんだろうな?」
その一言で二人の目の色が変わった。後気のせいか分からないが背後に熱い闘志のオーラが見えてくるな。
「実はよ、一度桃瀬とは力比べしてみたかったんだよな!」
「おゥ!奇遇だなァ…俺もお前のォ筋肉をォ見たときィウズウズしてたんだぜェ!」
「なら丁度いいじゃねえか!今からやろうぜ!!」
「おゥ!!受けて立つぜェ!!」
「お二人とも凄い熱気ですね」
影山の言う通りだな。今居る食堂の気温がぐんぐん上がってる気がするぞ。
「ならさ~手軽に出来る腕相撲とか良くない~」
「おっ、良いじゃんか!やろうぜ桃瀬!」
「よッしャァ!!」
猫屋敷の提案により突如、瀬戸内VS桃瀬の腕相撲が始まった。二人とも力を込めてテーブルに肘を置くもんだから、ミシッて音が聞こえたぞ…壊れねえよな?不安になってくる。
「砂糖ォ、お前が合図してくれェ!!」
「へいへい…それじゃあ準備は良いな?」
「おうよぉ!!」
「いつでもこいやァ!!」
力強く握り合う二人の拳に俺は軽く手を置く。力込め過ぎてカチカチになってんな!?
「そんじゃあ…レディ……ファイト!」
「ふんぬぅぅぅぅりゃあぁぁぁぁ!!!」
「どりャあァァァァうォォォォォ!!!」
「お~闘魂突破~」
「何ですかその闘魂突破って?」
二人は全力で力を込める。しかし二人の力は拮抗していて、ピクリとも動かない。少しだけ瀬戸内側に傾いたと思えば巻き返し桃瀬側に傾き、また動かなくなるを繰り返す。
長い間、その熱き激闘を眺めていた。そして最後には瀬戸内が粘り勝ちを果たし、決着が着いた。
「はぁはぁ…お、俺の勝ちだな!」
「ぜェぜェ…くそォ!負けたぜェェェ!!」
汗だくになり疲れ果てている様子だが顔を見れば清々しい顔をしていた。
そして二人は顔を見合わせ、熱く握手をした。
「良い闘いだったな!」
「おゥ!またやろうぜェ!」
「勿論だ!今度も俺が勝つ!」
「次はァ俺が勝つゥ!」
「うんうん~美しき男の魂の~ぶつかり合いだったね~」
「お前はどこ目線なんだよ」
なんか良いもんを…見れたのかな? まあ仲良くなったのは良いことだよな。
なんか知らないが、食堂には一体感というか熱い仲間意識が生まれたな。
ーーー瀬戸内、桃瀬、猫屋敷、影山達との親密度が1上がったーーー
そして瀬戸内と桃瀬のトレーニング話を聞いていると鈴木崎がやって来た。
真っ直ぐ俺達の方に歩いてき、俺の近くまで来ると立ち止まった。
「皆、今は暇?」
「今か?特にやる事もねえし暇っちゃ暇だな」
「ならちょっと来てくれない?見せたいのがある」
「まァ良いけどよォ。どこに行けば良いんだァ?」
「私の研究教室、とりあえず鷹倉にも皆を呼びに行ってもらってる」
そうして、俺達は鈴木崎に呼ばれ、鈴木崎の研究教室である超高校級のメカニックの研究教室に向かった。
ーーー超高校級のメカニックの研究教室ーーー
入るとそこには沢風が既に居た。そして少し待っていたら次々と皆がやって来た。
藤も無理矢理鈴木崎に手を引っ張られ、嫌そうな顔を全面に出しながら来た。
「和良井は部屋から出てきてくれなかった」
どことなく雰囲気がしょんぼりとしているように見える鈴木崎が言うには和良井は部屋から顔を見せてはくれなかったらしい。
「まあ仕方ねえんじゃね?」
「鷹倉はお気楽」
「お前が真面目なんだってえのー」
一緒に作業をしていたからかどことなく距離が近くなってるよな鈴木崎と鷹倉の二人。
「それで私を無理矢理連れてきてまで見せたい物ってなによ?下らなかったら許さないわよ?」
「それは大丈夫。下らなくない…じゃあ出てきてハク」
「はく?」
「いえすまいますたー」
鈴木崎が誰かを呼ぶと、奥から聞き覚えのない声が聞こえ、見知らぬ女子が出てきた。
一目見て抱いた印象は真っ白。短めの白髪の上にゆるキャラっぽい生き物の帽子を被っており、顔色も白い中赤く淀んだ瞳が目立つ。
若干体のサイズに合わずだぼっとしている白いワンピースを着ているその女子に全員驚いていた。
「え?え?ウチ達以外にも居たの!?」
「でもさ~どこに居たっていうのさ~?」
「解放された三階とか?」
「でも解放されてすぐに私達が探索したじゃないか」
「てか鈴木崎と鷹倉はなんか知ってんだよな?」
「なあ鈴木崎…これってもしかして?」
「うん、待たせたけど完成した」
「あ?何だよ砂糖。お前もなんか知ってんのか?」
知ってるさ。百澤から託される事になってしまった鈴木崎と鷹倉の三人の努力の結晶であるロボット造りが…完成したって事だろう。
説明下手そうな鈴木崎と説明する気が無さそうな鷹倉の代わりに俺は皆に説明をした。
「という訳で鈴木崎と鷹倉はここから出れるかもって可能性があるロボット造りをしてたんだ」
「それがやっと完成した」
「まあーこいつがその超ハイテクロボ」
まあ俺もまさかこんなに人間っぽいロボットが出来上がるとは思っていなかったが。
「名前は何にも染まってない白色に百澤の想いを受け継いでいくって事で百澤の百から白を取って
「はい。初めまして、ますたーとお兄様、そして死してしまったなるはちにより造られたハクです。よろしくお願いございます」
流暢に喋るハク。ロボットと聞かされた今でも人間じゃねえかって思える位だぞ。
表情はピクリとも動かねえけどそれは鈴木崎も同じだしな。ていうか気になる所があったぞ…。
「なあ鈴木崎?」
「なに?」
「マスターは鈴木崎だろうけどお兄様ってのは…」
「俺の事だが?」
何故かドヤ顔で言う鷹倉。
「何でお兄様って呼ばせてんだよ…」
「いやだって呼ばれたいだろ?分かんねーこの気持ち?」
「いや分からねえ」
見ろよ、皆若干引いてるぞ。まあ鷹倉が満足なら良いけどよ。
「これでネットに繋いで脱出に繋がる事やら外の事を知れるんだよな?」
「はい。ハクにお任せを。必ずやますたー達をここから脱出させますので」
「そりゃあ頼もしいな!」
「ウンウン!オマエラの士気も高まっていて良いね!」
「おう!そうだよな…ってモノクマぁ!?」
瀬戸内は驚き叫ぶ。俺も他の皆もいつの間にか俺らの輪に入っていたモノクマに驚いた。
モノクマはトコトコとハクの隣まで歩いて、俺達の方を振り返った。
「いやーボクも結構ワクワクと楽しみに待ってたんだよね!」
「お前もしかして完成すんの待っててハクを壊すのが楽しみだって事か!?」
「嫌だなー!ボクがそんな酷い事をするように見えるー?」
見えるに決まってんじゃねえか!だがやっぱ壊しに来たって事か?
「安心してよ!別に校則違反じゃないし、ここを調べる事は規制してないし!」
「じゃあ何の為に来たの?」
「良い質問だね木枯さん!ボクはハクさんの転入を認める為に来たんだよ!という訳でここに【超高校級のロボット】の
【超高校級のロボット】
「じゃあ、それだけ言いに来ただけだから!ハクさんを好きに使いなよ!それに外の事を知った所で絶望するだけだろうしね!うぷぷぷぷ!」
言いたいだけ言って消えたモノクマには誰も反応せず、俺達はハクに注目した。
そして早速技術室に行き、外の情報や脱出に繋がる事を見つけに行ってもらおうと皆で技術室に向かう事にした。
ーーー続くーーー
ー登場人物ー
【予備学科生徒】
【超高校級の???】
【超高校級の芸人】
【超高校級のリア充】
【超高校級のメカニック】
【超高校級の幸運】
【超高校級の放送部】
【超高校級の殺戮者】
【超高校級の氷彫刻家】
【超高校級の僧】
【超高校級のモブ】
【超高校級のネット配信者】
【超高校級の折り紙講師】
【超高校級の保険委員】
【超高校級のロボット】
生存者 14 ➡ 15人
ついに出ました超高校級のロボットのハク!活躍をご期待下さい!