ーーーコトダマ一覧ーーー
《モノクマファイル④》
被害者となったのは【超高校級の???】龍野 竜斗
死体発見現場は本館二階にあるプールの一番大きな水泳場。
死亡時刻は夜時間の間、死体には身体中至る所に複数の傷痕があり、脳や心臓等を貫通している。
薬物投与の形跡なし。
《モノクマファイル⑤》
被害者となったのは【超高校級の幸運】木枯 苗
死体発見現場は本館二階にある女子更衣室。
死亡時刻は夜時間の間、首から大量の出血をしている。
薬物投与の形跡なし。
《ハクのスリープモード》
鈴木崎と鷹倉が設定したハクの機能の一つ。夜の11時から朝の5時まで動かなくなる。
《連れ去られた龍野》
捜査時、瀬戸内の怒鳴り声を聞きプールへ行ってみるとモノソノが龍野の死体を連れ去ったらしい。モノソノ曰く、龍野の死体がこのままあるとクロが不利になるらしい。
《急激な眠気》
夜時間になる直前、直後に急に眠くなったと言う人が多数居る。眠くなった者の証言によれば眠気がくると意識が朦朧とし始め体がふらつき気を抜くとすぐに眠ってしまいそうになる程との事。
《影山の証言》
別館一階の空き教室で何かに怯えている様子の和良井を見たとの事。
《女子更衣室の血痕》
女子更衣室にはベンチに横たわる木枯の首から流れ落ちて出来た血溜まりと木枯がいる場所から廊下に出る扉までの間を引き摺られた血痕しかなく、明らかに木枯の首から飛び散ったであろう血の量が足りない。
《死体が浮かぶ理由》
溺死の場合は肺に水が貯まるので沈んではいくが、ある一定時間立つと自然と死体は浮かび、地上で殺されたなら肺に空気が残っているのですぐに浮かぶ。
《更衣室前の血溜まり》
更衣室前には夥しい程の血が飛び散っている。特に男子更衣室に繋がる扉前を中心に血が散っている。他にも女子更衣室側にも血痕がある。
《焦げた床》
男子更衣室前に血の痕の中に黒く淀んだ痕があり、焦げ臭い。
《緑色の睡眠薬》
保健室にある蓋が緑色の遅効性の睡眠薬。
効果は中に入っている粉を振り掛ければすぐに染み込む。食べ物にも飲み物に入れても効果を発揮する。
薬を接種してから個人差があり約二時間から三時間の間で強烈な眠気が訪れる。
必ず七時間はぐっすり安眠が出来るので眠れぬ夜を過ごす人には打ってつけの一品。
協力無比の眠気が体を襲い、体が鉛の様に重くなり気を抜けばすぐに夢の中へ旅出すらしい。
《動機》
今回クロが学級裁判で勝てば、生き残っている者の中から誰か一人を指名して絶望ヶ峰学園から共に卒業が出来る。
《熱宮の証言》
夜時間の10時40分位にハクにおぶられた鈴木崎の二人が鈴木崎の部屋に急いで入っていくのを見た。
《龍野の本》
龍野がお薦めの本として砂糖に貸す予定だった本。本の最後のページには誰かが残したメッセージがあり
『夜12時本館二階更衣室前まで来い拒否すればお前の隠している秘密をバラす』
と書いてある。
急いで書いたのか走り書きで誰が書いたのか判別が分からず読むのも困難。
《睡眠薬を盛られた人と盛られなかった人》
夜時間になる直前に眠気に襲われたのは猫屋敷 沢風 桃瀬 嶋野 影山。
夜時間の直後は鈴木崎 瀬戸内 熱宮。
不明が鷹倉
眠気がなかった人が砂糖 龍野 木枯 藤 和良井 ハク
《事件時刻時の皆》
全員殆どが眠気に襲われ寝ていた。
《夜時間間際の皆》
食堂には猫屋敷、桃瀬、熱宮が居り、猫屋敷が眠気に襲われたので部屋に帰った。その後桃瀬も眠気に襲われ体がふらついていたので熱宮と偶々通り掛かった瀬戸内が桃瀬の部屋まで運び届けた。
瀬戸内と熱宮も程なくして眠気に襲われたので部屋に戻った。
鷹倉は夜時間より早い時間に寝てしまっていて、鈴木崎とハクはずっと一緒に居り、眠気に襲われた鈴木崎をハクが部屋まで運んだ。
沢風は日課である自主トレ中に眠気が来て、自室に帰っていた途中で同じ症状の嶋野と会い二人で部屋まで戻った。
影山は眠気に襲われ部屋に戻っている途中で和良井を目撃、和良井に確認した所確かにその時間に目撃場所に居たとの事。
藤は夜時間間際まで図書室に居て、その時龍野も居たらしい。その二人を瀬戸内が見掛けている。
砂糖と木枯は二人で部屋まで戻っている。
《昨日の夜ご飯時の状況》
昨日の夜ご飯、調理担当は龍野、影山、桃瀬。桃瀬から調理中は一人最低一回はトイレに行っているらしい。
食堂に居たのは瀬戸内、猫屋敷、沢風、嶋野、木枯。遅れてきたのが砂糖、鷹倉、鈴木崎、ハク、熱宮。
瀬戸内と猫屋敷は先にご飯を食べていて、嶋野は沢風のトレーニングに付き合いへろへろに疲れていた。鷹倉は自身の研究教室で怠けていたから遅れたらしい。
《プールに沈んであったナイフ》
猫屋敷が見付けた漆黒のナイフ。龍野が浮かんでいたプールの底に沈んでいたのを見付けた。。
小型のナイスだが切れ味は抜群で隠し持つには便利な大きさで全身真っ黒なデザインをしている。
ーーーコトダマ一覧ーーー
また来てしまった。俺は自分の席に歩きながら学級裁判上を横目で見てそう思った。
今まで一緒にこの忌々しい場に来ていた三人の姿は居ない。全員が席に着き皆の顔を見渡す。
そして目に入り気になった所が先程も思ったこの場所にもう居ない三人の空席。
前回クロとしてオシオキを受けた剣の席には大胆不敵の笑みを浮かべ自信に満ち溢れている剣の写真が飾られている。
信頼出来る相棒の龍野の席には無表情だが前を見据えている龍野の写真が飾られている。
励まし前向きに居てくれた木枯の席には微笑みを浮かべ穏やかな表情を浮かべた木枯の写真が飾られている。
「流石に三度目ともなればスムーズにご自分の席に着きますね!」
「皮肉のつもりかしら?」
「うっぷっぷ。そう思うならご勝手にどうぞ!」
「あらそう」
「それじゃあまずは学級裁判のルール説明から始めるね!教頭、説明おねがーい!」
「はい、お任せを!」
三度目となれば学級裁判のルールなんて知ってるが、別にここで噛み付く様な事でもないか。黙って聞いておこう。
「学級裁判とは、秩序を乱し殺人を犯したクロを見付け出す場です。
ミナサマにはそのクロを議論を交わして頂き決めてもらいます。議論の終わりにはクロだと思う人に一人一票投票して頂きます。
一番多く票を集めた方をミナサマの決めたクロとします。
正しきクロならば、違反者としてオシオキを受けて頂き、ミナサマはまた元の生活に戻って頂きます。
ただし!間違えてしまわれた場合はクロを除きますミナサマ全員がペナルティとしてオシオキされ、勝ち残ったクロだけが絶望ヶ峰学園を卒業となり外の世界に出ていけます」
「ちなみになんだけど今回は動機としてクロが勝ったら特別にここに居る生き残った皆の中から一人だけ一緒に卒業出来る人を選ぶ事が出来るからね!」
「そう言えば~そんなのあったね~」
この動機を目当てで二人を殺したのか?それを解き明かす為にも俺は仲間を糾弾し追い詰めクロとして吊し上げる。
「それじゃー早速始めよっか!視聴者もボクらも待ち過ぎて耐えらんないんだから!」
「それでは学級裁判の開廷を宣言します!」
「そんな事今まで言ってたか?」
「瀬戸内クン空気を読んで!?」
三度目の学級裁判が、始まる。
ーーー学級裁判、開廷!ーーー
【瀬戸内】「うっし!んじゃあ何から始めっか!」
瀬戸内が腕をぐるぐると回しながら気合いを込めた声で言う。
【影山】「ええっと……何から話し合えば良いんでしょうか?」
【嶋野】「はれひろはらほろ?前までどんな感じで進めてたっけ?」
【猫屋敷】「ん~そう言えば~今まではさ~剣君頼りだったよね~何を話すかを~決めるのもまずは剣君だったし~」
確かに今までは剣に聞いてから話始める事が多々あった。だが今はもう剣は居ないんだ。猫屋敷の言葉に自然と全員黙りこくってしまう。
でもここで俺が黙っていては前に進めねえ。二人の死を知る為には一歩踏み出さなければなんだ。
【砂糖】「まずはモノクマファイルを読むって事で良いか?」
【猫屋敷】「あ~それは助かるな~僕さ~まだ読んでなかったんだ~」
【熱宮】「はあ!?まだ読んでもないのかい!?」
【猫屋敷】「んはは~うっかり~」
【熱宮】「うっかりじゃないよ…」
【沢風】「あはは。じゃあまだ読めてないって人は今から俺が読み上げるからさ、ちゃんと聞いててね」
【猫屋敷】「は~い~ありがとね~」
沢風が読んでくれる様で自身のモノフォンを手に持ちモノクマファイルを読み始める。
【沢風】「まず最初に読むのが龍野の方の④だね。発見した場所は本館二階にある更衣室から入ってすぐ目の前にある一番大きなプールに浮かんでたんだ。
死亡時刻が夜時間の間、龍野の死体には至る所に傷痕があってその傷は心臓、肺等に貫通してるらしいよ。薬物を投与された形跡はないらしい」
【嶋野】「夜時間の間ってざっくりしてるよねー」
【砂糖】(お前が書いた癖に何を言ってやがるんだよ)
【沢風】「モノクマの事だから意図的にだろうね」
【モノソノ】「ミナサマはもう三回目なのですから難易度は上げていきませんと」
【鈴木崎】「上げないでほしい」
抜け抜けとクロを知っていやがる癖に言う嶋野に苛つきはするが、今は俺に出来る事はない。逆らえば嶋野は俺達の大事な人達を殺すんだ。
今はぐっと我慢をしてクロを探す事に集中だ。
【沢風】「それで次が⑤、木枯さんの方だよ。発見場所が本館二階の女子更衣室にあるベンチに横たわっていて首から血が流れていた。桃瀬からの検死結果からこれが致命傷で死んでしまったんだ。
死亡時刻は龍野と同じで夜時間の間に殺されたらしい。木枯さんも薬物投与の跡はないって」
沢風が読み終わり皆はモノクマファイルの内容と自分の知り得た情報を照らし合わせて考える。すると桃瀬が頭を傾げて唸りながら話始める。
【桃瀬】「あのよォ木枯のォ首からの切傷痕調べたけどよォ、該当する形状の刃物はァ見当たらなかったんだよなァ」
【鈴木崎】「なかった?」
【桃瀬】「おゥ厨房の包丁でもねェしよォ倉庫とかァ売店にあるモンも違ッたんだよォ」
【鷹倉】「なら何を使って切ったって言うんだよ?」
【桃瀬】「それが分かれば苦労しねェよォ」
桃瀬の言う木枯の首の切傷痕の刃物ならもしかしたら俺は知っているかもしれねえ。
ーーーコトダマ提示ーーー
《プールに沈んであったナイフ》
「こいつだぁ!」
ーーーコトダマ提示ーーー
【砂糖】「桃瀬、もしかしたらこれがその刃物じゃねえか?」
【桃瀬】「あァ?んだそれはァ」
俺は猫屋敷から預かった真っ黒のナイフを取り出す。そして桃瀬に渡して見てもらう。
【砂糖】「そいつは龍野が浮かんでいたプールに沈んでいたらしいナイフで、猫屋敷が見付けて俺に教えてくれたんだ」
【猫屋敷】「にゃは~プールを調べてたらね~偶然見付けちゃってね~」
【和良井】「……お、お前が捨てたもん拾っただけちゃうんか」
消え入りそうなか細い声ながら猫屋敷を睨み付け全身に力を入れているのか怖くて震えているのかプルプル体を震わせて和良井が突然呟いた。
【砂糖】「そんなまどろっこしい事を猫屋敷がするか?」
【瀬戸内】「確かにこいつにんな巧妙な事が出来るとは思えねえな
【和良井】「な、何を言うてるんや…そん、そそんな事何で分かるんや!?こいつは人を簡単にころ、殺す…最低の殺人鬼なんやで!」
【藤】「黙りなさい」
叫ぶ和良井に一喝。藤の静かながら迫力がある威圧に和良井は思わず言う通りに黙る。しかし歯を食い縛り睨み付けるのは止めない。
【藤】「人殺しさんの過去の殺害時の手口を見れば分かるわよ」
【瀬戸内】「藤はそいつが分かるってのか?」
【藤】「書庫に行けば自由に読めるじゃない」
俺も軽くだが読んだな。あれに猫屋敷が今回のクロじゃないと分かる事でも書いてあったのか?
【藤】「人殺しさんは毎回残忍な方法で人を殺すの。死体の損傷が激しすぎて誰なのか分からない程にね」
【猫屋敷】「いや~興奮してくると~いつの間にかグチャグチャにしちゃってるんだよね~」
【沢風】「さらっと凄い事言ってるね……」
【藤】「才能不明さんは分からないけど幸運さんは首の切傷一つだけでしょう?なら幸運さんを殺したとは思えないわ」
木枯の体は首の傷一つ。これは桃瀬からの検死結果でも分かっている。
【和良井】「そ、そんなもん…バレへんように今回は変えたとかやないか?」
【藤】「今まで警察に捕まる可能性が高くなるのに殺しの手口を一切変えなかった人殺しさんがここで変えると思える?そこの人殺しさんを見てみなさいよ」
【猫屋敷】「ん~?」
【藤】「こんな人が今更殺人の手口を変えるとは私は思えないわね」
【猫屋敷】「あはは~殺人鬼冥利に尽きるね~」
いやそんな冥利に尽きられても困るんだが。でも猫屋敷の殺害方法が残忍な手口だとしたら木枯の殺害方法と一致しねえな。
和良井も渋々と引き下がったので、次に何を話すかと思っていたら桃瀬から声があがる。桃瀬の手には俺が先程渡した漆黒のナイフがある。
【桃瀬】「どうやらァ木枯をォ殺した刃物はこいつでェ間違いねェぞォ」
【沢風】「それは確かかな?」
【桃瀬】「おゥ、俺の記憶に間違いねェ。傷痕とォナイフがァぴったり合うぜェ」
【砂糖】「じゃあ木枯を殺した凶器はそのナイフって事か」
これで木枯の方の凶器は判明したな。でもこのナイフは誰が持っていたんだ?こんなナイフ俺は見た事がねえんだけどな。
【砂糖】「なあ、皆はこのナイフがどこにあったかとか見覚えねえか?」
【嶋野】「えー?ウチはないね!」
【瀬戸内】「俺も全くそんなの見た事ねえや」
【桃瀬】「珍しいナイフッぽいしなァこんな綺麗なァ黒色のォナイフなんてェ一度見たらァ忘れねェんだがなァ」
【藤】「見た事ないとすれば誰かが隠し持っていたっていう事でしょうね」
【瀬戸内】「それって…誰だ?」
【藤】「私ばかりに頼らないでよ。あなた達で考えて頂戴」
そうは言われてもな…藤は冷てえよな。考えてもあのナイフを誰が持っていたかなんて分かる筈がねえよ。
【沢風】「今話しても分かりそうにないし別の事を話し合おう」
【ハク】「そうですね。他の事を話し合えば分からなかった事も分かるかもしれません」
【影山】「では何を話し合うんですか?」
【砂糖】「次は龍野の凶器の事を話そうぜ」
木枯の凶器が分かった。なら龍野の方の凶器も判明出来りゃグッと犯人に近付くかもしれねえ。
ーーー議論開始ーーー
【沢風】「龍野は身体中に貫通された傷があるんだよね」
【熱宮】「でもその傷で本当に殺されたのかい?」
【砂糖】「どういう事だ熱宮?」
【熱宮】「いやね、龍野の傷は《殺された後》に付けられたんじゃないかって思ってねえ」
【鷹倉】「なら他の方法で殺されたって事かー?薬で殺されたとか?」
【砂糖】「それはないだろ。モノクマファイルには龍野は薬物投与はなしってんだから」
【嶋野】「じゃあじゃあ《絞殺》?」
【和良井】「プールに浮かんでたんや、なら《溺れて死んだ》んやろ」
《溺れて死んだ》⬅《死体が浮かぶ理由》
「そいつは違えぞ!」
【砂糖】「龍野は溺死じゃねえ」
【和良井】「な、なんやねんお前、なら説明してみいや!」
【砂糖】「捜査してる時に桃瀬から聞いたんだけどよ、溺れて死んだんなら浮かんでたらおかしいんだよ」
【嶋野】「ほえ?そうなの?」
【桃瀬】「あァ、溺れた時はなァ肺に水がたらふく入って酸素がねェから沈むんだァ。なのにィ龍野は浮かんでやがッたァ。普通ならァ何日も掛けて浮かんできやがるのにだァ」
【沢風】「つまり龍野は水の中で殺された訳じゃなく、陸で殺されたから肺に酸素が残ってる。だから浮かんで死んでいたんだ」
【瀬戸内】「なるほどなー。なら龍野の奴はプールじゃなくて違う場所で殺されたって訳になるよな」
瀬戸内の言う通りだ。桃瀬のお陰でその事が分かって良かったぜ。
【沢風】「違う場所か…」
【鷹倉】「わざわざ別の場所で殺してそこからプールまで連れてったってめんどくせー事するよな」
【猫屋敷】「ん~ややこしいね~殺され方も~ややこしそうだし~」
でも薬殺でも溺死でもねえって事は分かってきたし着実に龍野の死の真相が分かってきている。それに龍野の傷は身体中にある無数の傷だ。
貫通してるって所が鍵になっているだろうな。体の至る所を貫通させられらもんなんてこの封鎖された場所では限られてくる。
ーーー議論開始ーーー
【猫屋敷】「龍野君の~殺された場所か~《龍野君のお部屋》かな~」
【砂糖】「それはねえんじゃね?」
【桃瀬】「そういやァ殺された場所でェ思い出したんだけどよォ木枯もォ《女子更衣室でェ殺された》訳じャァなさそうだぜェ」
【沢風】「発見場所ではあるけど殺された犯行場所じゃないから違っても不思議じゃないよね」
【熱宮】「そう遠くはなさそうだし《二階のどこか》だよねえ」
【影山】「《図書室技術室に空き教室が四つ》ありますがそのどこかでしょうか?」
【瀬戸内】「誰かどっかに心当たりあるとか言う奴は居ねえのかぁ!?」
【藤】「情けないわね…」
【沢風】「うーん……《発見場所のすぐ近く》…とかかな」
《発見場所のすぐ近く》⬅《更衣室前の血溜まり》
「それに賛成だぁ!」
【砂糖】「龍野が殺された場所は男子更衣室の前じゃねえか?」
【沢風】「すぐ近くとは言ったけど本当にそんな近く?」
【砂糖】「だってよ、お前らも見ただろ?男子更衣室の前から広がってた飛び散ってたスゲー量の血溜まりを」
【嶋野】「う"っ…思い出したらぎぼぢわるぐなるぅぅ」
【沢風】「だ、大丈夫?」
【嶋野】「なんとかぁ…」
【瀬戸内】「確かに見たけどよーあそこで間違いねえのかよ?」
【砂糖】「間違いないと思うんだ。あそこには気になるものもあったしよ」
【白】「気になるものとは?」
最初に更衣室前に来た時も捜査の時に調べた時も気になった事だ。
ーーーコトダマ提示ーーー
《焦げた床》
「これだっ!」
ーーーコトダマ提示ーーー
【砂糖】「俺が気になったのは焦げた床だ」
【影山】「焦げた床ですか?どこにあったんですか?」
【砂糖】「更衣室前だ。血溜まりに目がいって気付かなかった奴も居るだろうけど俺は血の匂いと一緒に焦げ臭い匂いも感じたんだ」
【沢風】「焦げた床なら俺も確認したよ。男子更衣室の扉の前に出来ていたよ」
【桃瀬】「俺もォそこら辺調べてみたけどよォ確かに見たぜェ。それとォ血溜まりの出所もォ男子更衣室前を中心にィだと思うぜェ」
【沢風】「血の出所もなのか?」
【桃瀬】「あァ。焦げた床辺りから広がッてェいやがるゥ」
なら間違いなさそうだ。龍野は男子更衣室前で殺された。だがそれでも凶器はまだ分かりそうにねえな。
【猫屋敷】「そう言えばさ~桃瀬君さっき~木枯さんは~女子更衣室で殺された訳じゃな~い~って~言ってなかった~?」
【桃瀬】「ン?あァ、確かに言ッたぜェ」
【沢風】「俺達は捜査時間の時にも聞いたよね」
【砂糖】「ああ、聞いたな」
捜査時間の時に桃瀬から聞いたあの事だな。
ーーーコトダマ提示ーーー
《女子更衣室の血痕》
「こいつだぁ!」
ーーーコトダマ提示ーーー
【砂糖】「女子更衣室の木枯が横たわっていたベンチ周辺には木枯が殺された時に出る血の量が明らかに足りてねえらしいんだ」
【嶋野】「ええ?でもナエトンの下に血溜まり出来てたよ?」
【桃瀬】「いやァ普通首から切られたんならァあの傷だしよォもッとォ血が飛び散ッてもおかしくねェ」
【鷹倉】「つまりよー簡単に言えば殺された場所は女子更衣室じゃねえって言いてえのか?」
【砂糖】「ああ、その通りだろうよ」
【鷹倉】「具体的にどこで殺されたとかは分かってんのか?」
具体的な場所…多分だがあそこではないかと予想をしているんだが…一応言ってみるか。
ーーーコトダマ提示ーーー
《更衣室前の血溜まり》
「これだっ!」
ーーーコトダマ提示ーーー
【砂糖】「他の場所に血痕も無かったし俺は木枯も更衣室前で殺されたって思う」
【瀬戸内】「木枯もかよ!?」
【鈴木崎】「なら二人ともあそこで殺された?」
【沢風】「確かに龍野が殺されたんだろう場所以外に女子更衣室側にも血痕があったね」
【砂糖】「桃瀬、そこは調べてくれたか?」
【桃瀬】「一応なァ。確かにあの量ならァ首からの出血量にィ該当するなァ」
【白】「つまりりゅうととなえの二人は男女それぞれの更衣室前辺りで殺され、それぞれ発見時の場所に運ばれたのですね」
桃瀬からの証言により、ハクが説明した様にこれで龍野、木枯の二人は男子、女子のそれぞれの更衣室前で殺されてから発見された場所に運ばれ置かれたんだ。
コトダマゲット!《殺害場所と発見場所》
【鷹倉】「そう言えばよー気になったんだけどな」
皆で話し合っていると鷹倉がいきなり声をあげた。
【鈴木崎】「なに?」
【鷹倉】「いやな、最初に二人の死体見付けた時の事ってどんな感じだったんかなーって思ってよ」
【沢風】「ああ、確かに死体発見アナウンスが鳴るまでの流れを知っていた方が良いよね」
そういやまだ話してなかったな。発見した当時の事で何か発見出来るかもだよな。
【砂糖】「なら俺が話すぞ」
【猫屋敷】「うん~お願いね~」
【砂糖】「えっとな、俺は今日早起きしちまってよ、六時半位だったな…そんぐらいに目が覚めてたまには朝飯作りを手伝おうかって思ったんだ」
【影山】「でもまだ食堂が開く時間じゃないですよね」
【砂糖】「ああそうだな。時間的にまだ開かねえって思った俺はそれまで軽く散歩にでも出掛けようって思って廊下に出た。そしたら猫屋敷の部屋の扉が開いてたんだ」
【瀬戸内】「猫屋敷…お前流石に扉は閉めてようぜ?」
【猫屋敷】「にゃはは~」
【熱宮】「よく笑ってられるね」
俺もあの時は嫌な想像が頭をよぎって身体中から汗が出たわ。でも結果的には猫屋敷はピンピンしてっから良かった。
【砂糖】「それで猫屋敷が心配になってすぐに俺は部屋を見た。そしたら猫屋敷は部屋の玄関前で寝てたんだ」
【瀬戸内】「お前は扉も閉めねー布団で寝ねえって何してんだよ!?」
【猫屋敷】「まあ~まあ~落ち着いて~落ち着いて~」
【鷹倉】「落ち着けってお前はー呑気な奴だなー」
【嶋野】「ヴィヴィやんも負けず劣らずの呑気さんだけどねー」
【猫屋敷】「にゃへへ~呑気仲間だね~」
【鷹倉】「にゃへへー」
【鈴木崎】「ふざけるな」
【鷹倉】「んな怒んなってのー」
鈴木崎にジト目を向けられながら怒られて、ブスーッと顔を膨れさせる。男がやっても誰も得しねえんだけどな。
【砂糖】「話を続けるぞ?それで猫屋敷を起こして話してたら猫屋敷が血の匂いがするって言ったんで猫屋敷に案内してもらってた」
【白】「そこにハクが出会したという訳ですね」
【沢風】「ハクさんはそんな朝早くから何をしてたの?」
【白】「ハクもたろうと同じ散歩をしていました」
【沢風】「そうなんだ、ありがとう」
【和良井】「ロボットが散歩すんのかい…」
【鈴木崎】「ハクなら自律して行動するから当然」
無表情なのにドヤ顔してるって分かる程キラキラしてやがる。ほんとにハクの事になるといつもより何倍も感情的になるな。
それほど大事に想ってるんだろうけどな。
【砂糖】「それで三人で更衣室前まで来たらあの血溜まりがあって男子更衣室の中に続いてたから俺らは男子更衣室を通ってプールに入った」
【沢風】「そして…龍野を見付けたって訳だね?」
【砂糖】「…ああ。そこから少しボーッとしてたらまたアナウンスが鳴って気付いたら桃瀬に呼ばれてた」
話していて思い出したが俺は龍野の死体を見て龍野が何故殺されたんだって事で頭が一杯になった。そのすぐ後に別の誰かも殺されたってアナウンスを聞いたショックで意識がぼんやりしていた。
【砂糖】「木枯の発見者は誰なんだ?」
【熱宮】「私だよ」
【桃瀬】「熱宮がァ見た瞬間アナウンスがァ流れたんだとよォ」
【砂糖】「なら熱宮と他に二人が見たから鳴ったって事になるな」
【熱宮】「じゃあ私より先に木枯を見たって奴は誰なんだい?」
熱宮の問い掛けに誰も返さなかった。これはおかしいんじゃねえか?
【熱宮】「誰も何も言わない何て変だねえ」
【瀬戸内】「ハクは見てねえのかよ?」
【ハク】「ハクはたろうとこまいと一緒に男子更衣室から入りました」
【鈴木崎】「……なに?砂糖、猫屋敷。どういう事?」
【砂糖】「うぇ!?そ、それはその、一刻を争う事態だったしよ…その…すまねえ…」
【鈴木崎】「次からはちゃんと女子更衣室から入らせて」
まさかそこで怒られるとは思わなかった。
【熱宮】「ハクは見てないんなら残りの二人は誰なんだい?」
【沢風】「……誰も言わないって事は怪しいね」
【藤】「そうね、例えば今回はクロが発見者に含まれているから…他にも考えられる理由はあるわね」
【瀬戸内】「その理由ってなんだよ?」
【藤】「それはあなた達で考えてくれないかしら」
【鷹倉】「ケチだな」
【藤】「何ですって?」
藤は教えてくれそうにねえな。なら俺らで話し合ってみるしかないな。
ーーー議論開始ーーー
【沢風】「《クロが発見者に含まれている》か、また別に考えられる理由か…」
【猫屋敷】「《相討ち》しちゃった~とか~?」
【白】「それは違うと思います」
【鈴木崎】「《熱宮が嘘を言った》…?」
【熱宮】「何を言ってるんだい!そんな訳ないじゃないか!」
【瀬戸内】「だあぁぁぁ!分かんねえよ!」
【藤】「よく考えなさいよ。今回はクロの他にもメリットがある事を忘れてないかしら?」
【白】「……《共犯者》ならどうでしょうか」
《共犯者》⬅《動機》
「それに賛成だっ!」
【砂糖】「共犯者ならクロ含めて二人になる。なら木枯を殺したクロと共犯者、そして最後に熱宮が見たってんならアナウンスが鳴る条件を満たしてるよな」
【鈴木崎】「流石はハク」
【瀬戸内】「でもよ、共犯者にメリットって何があるんだよ?」
【砂糖】「忘れたのかよ?今回はクロが学級裁判に勝てばクロは俺達の中から一人だけ選んで一緒に卒業出来るって動機を言われただろ」
【瀬戸内】「あ!そういやそうだったな!」
【藤】「やっと分かったかしら?今回はその動機もあるんだし共犯者が居る可能性は高いわ」
だけどこの中にクロだけじゃなくて共犯者までもが?疑いたくはねえけど…見付け出すしかねえんだよな…。
【沢風】「それじゃあ今回は木枯さんの方はクロを含んだアナウンスって事になるのかな?」
【瀬戸内】「龍野の方はどうなんだろな?」
【鈴木崎】「そもそも本当にクロは含まれてる?」
【白】「ではここはくま校長に聞いてみてはいかがですか?」
【モノクマ】「ん?ボクをお呼び?」
【白】「はい、呼びました。お答下さい、なえ、りゅうとの死体発見時のあなうんすは犯人は含まれているのですか?」
【モノクマ】「えぇー?それを聞いちゃうの?聞かれたら教師として言わなきゃじゃないのー。でも言っちゃったらクロが不利になって簡単に分かっちゃうしー」
【白】「お願いします。お答下さい」
くねくねと体を気持ち悪く、くねらせながらニヤニヤしているモノクマに苛々してくる。こいつ教える気なさそうじゃねえか。でもハクは諦めずに聞いていく。
【鈴木崎】「おい」
【モノクマ】「はにゃ?」
【鈴木崎】「私のハクが頼んでやってる。早く教えろ言え」
【モノクマ】「ひ、ひいぃぃぃぃぃぃぃ!!?」
痺れを切らした鈴木崎が舐めた態度のモノクマにキレた。ど迫力の鈴木崎にめちゃくちゃビビるモノクマに多少気持ちがスッキリした。
【モノクマ】「もー!分かったよ教えるよ特別に教えてあげるけど……」
【沢風】「けど?」
【モノクマ】「そう簡単には教えないよ!ボクはオマエラの思い通りには動かないからねー!」
ハクと鈴木崎のお陰で有力な情報を得れるかもと思ったが、モノクマがそう易々と教える訳ないよな。
【モノクマ】「安心してよ!教えるものは教えてあげるからさ!」
【砂糖】「ご託は良いから早く言えよ」
【モノソノ】「もう砂糖クンは敏感で早いですよ!」
【モノクマ】「早すぎる男は嫌われるよー?」
【砂糖】「うるせー!今そんな事は関係ねえだろが!」
【白】「ますたー、たろうが敏感とは何の話なんですか?」
【鈴木崎】「あなたは聞いちゃ駄目」
【白】「いやらしい話なのですか?」
【鈴木崎】「ハク……あんたらのせいで…」
おい鈴木崎、何で俺まで睨むんだよ!ハクが興味持ったきっかけは俺のせいじゃねえだろ!モノクマを睨めよ!
俺はむしろ被害者だろ!?
【モノクマ】「やれやれ砂糖クンが敏感なせいで話が脱線しちゃったね」
【砂糖】「その表現スゲー嫌なんだが!?」
【瀬戸内】「恥じるな砂糖!敏感だからって恥じるんじゃねえ!」
【砂糖】「お前も絶対に俺と同じだろ!」
【瀬戸内】「おい馬鹿!俺まで巻き込むなよな!」
【熱宮】「あんたら黙りな!」
【砂糖&瀬戸内】「はい!すみませんでしたぁ!」
モノクマ達のせいで無実の俺まで余計に怒られちまったじゃねえか!気持ちをしょんぼりと落ち込ませながら続くモノクマの話を聞く。
【モノクマ】「じゃあ言うね!良く聞いといてよね!今回は龍野クン木枯サンどちらかのアナウンスにはクロを含んでアナウンスしてるよ!」
【桃瀬】「なるほどなァ…素直にャァ教えねえッて事かァ」
【モノソノ】「当たり前ではないですか」
【藤】「それでも大分役立つ情報じゃない」
【白】「どちらかにはくろが含まれている…もしりゅうとの方ならハク、たろう、こまいの中に居るかもしれないという訳なのですね?」
自分も犯人に含まれているかもしれないと淡々と喋るハクに驚くが、やっぱりそこはロボットだよなぁ。
【白】「ですがハクは殺してはいません」
【和良井】「はん!どうやろなー?共犯の可能性が高いんやったら作った親である鈴木崎に命令されてそれに従ってとかあり得そうやないか?」
【鈴木崎】「私とハクはそんな事はしない」
【和良井】「そんなんで信用出来るかいな!」
和良井の奴…何が何でも鈴木崎達がやったと決め付けているな。これは和良井の考えを何とかしねえと話が進まねえよ。
ーーー議論開始ーーー
【和良井】「鈴木崎と白は共犯で白はアナウンスが鳴っとる時に居ったから鈴木崎が命令して《白が二人を殺した》んや!」
【白】「ハクは殺していませんしますたーからその様な事は命令されていません」
【鈴木崎】「いい加減にしろ」
【和良井】「何がいい加減にしろや!ネタは上がっとんねん!!」
【藤】「でもまあ確かにそうすれば悪くてロボットだけが処刑で自分は殺されないで勝ったらロボットに自分を指名させてここから出られるわね」
【猫屋敷】「あ~それは良いアイデアだね~自らの手を汚さずに~《第三者》として~安全に出れる~って訳か~」
【影山】「言われれば言われる程納得してきますね…」
【砂糖】「ま、待てよお前ら!んな簡単に決め付けんなって!」
【和良井】「諦めえや砂糖!《白は夜時間の間に殺した》って事で決まっとるんや!」
《白は夜時間の間に殺した》⬅《ハクのスリープモード》
「それは違えな!」
【和良井】「なんやねんまた邪魔するんか!」
【砂糖】「いいや邪魔なんかしてねえよ。俺はお前の間違いを指摘しただけだ」
【鈴木崎】「砂糖、言ってやって」
【和良井】「な、なんやただのハッタリやろ…」
【砂糖】「ハッタリでもブラフでもねえよ。ハクはどうやっても二人を殺せねえよ」
【沢風】「それってハクさんのあの機能の事だね」
【影山】「機能?」
【砂糖】「知らねえ奴は知らねえだろうけどハクには夜の11時から朝の5時までスリープモードに入って動かなくなるんだよ」
【和良井】「はぁ!?な、なんやてぇ!?」
【鷹倉】「俺も手伝ってやったから証言してやるぜーそいつの言う事は間違ってねえ」
【和良井】「で、でも夜時間は10時からやろ!11時にスリープモードいうやつに入るには一時間も猶予あるやんか!」
【瀬戸内】「一時間あれば不可能じゃねえよな…」
【和良井】「そ、そうやろ?」
【沢風】「確かに一時間あれば可能かも…だけどね」
【和良井】「ぐっ……まだ何かあるんか」
和良井はどうやっても鈴木崎とハクの二人が共犯して龍野達を殺したと言いたいらしいがそれも俺と沢風が調べた時に知った情報を言えば良い。
【砂糖】「鈴木崎とハクは昨日の10時半まで技術室でハクのメンテナンスしてたんだ。そうだよな鈴木崎」
鈴木崎に聞くと頷き、皆を見渡しながらその時の状況を言ってくれる。
【鈴木崎】「うん。夜時間過ぎてから眠気したけど、我慢してメンテを終わらせたのが10時半位」
【白】「正しくは10時31分57秒でした」
【熱宮】「そこまで細かくなくて良いんだけどねえ……」
【沢風】「まあその時間に鈴木崎さんはメンテナンスを終わらせて自室に戻ろうとしたんだよね?」
【鈴木崎】「うん…だけど眠すぎて体が動かなくて…それでハクにおぶって…部屋まで運んでもらった」
【猫屋敷】「にゃら~殺す時間はにゃ~いね~」
【和良井】「ぐぐぐぐぅ……ま、まだや!そもそもお前らの言うメンテナンスをちゃんとやっとったか何て誰もわからんやろ!?」
こいつまだ認めねえつもりかよ!?でも焦るな、あの事を言えば流石に納得するだろ。
ーーーコトダマ提示ーーー
《熱宮の証言》
「こいつで証明出来る!」
ーーーコトダマ提示ーーー
【沢風】「鈴木崎さん達がメンテナンスをしていたかは分からない」
【和良井】「そやろ!なら」
【砂糖】「だがハクが鈴木崎をおぶってたのを見た奴は居るぜ」
【和良井】「なんやとぉ!」
【砂糖】「そうだよな熱宮!」
【熱宮】「へ?…ああ、確かに見たよ。昨日の10時40分位だったねえ……ハクが鈴木崎をおぶって部屋の方に走ってたのをしっかりと私は見たよ」
【砂糖】「なら二人を殺す事は到底出来そうにねえよな?」
【和良井】「ぎぐぐぐぅぅ……」
【沢風】「反論も無さそうだしこれで鈴木崎さんとハクさんの共犯って事は無しって事で進めよう」
しかし和良井の奴は意外と頑固なんだな。今は疑い深くなってるから余計になのかもな。
【沢風】「じゃあ次は俺が気になってる事を話しても良いかな?」
【嶋野】「ほえ?何々何の事?」
【沢風】「心当たりがある人の方が多いと思うけど昨日の重い眠気の事だよ」
【藤】「さっき鈴木崎さんも夜時間を過ぎてから眠気がって言っていたわね」
【鈴木崎】「うん。なんか体験した事のない眠気だった」
【砂糖】「その話なら俺と沢風が詳しいぜ」
ーーーコトダマ提示アシストーーー
《急激な眠気》
「これだね!」
ーーーコトダマ提示アシストーーー
【沢風】「昨日の夜時間になる前と夜時間後に酷く重くて意識を強く持たないとすぐに眠ってしまいそうな眠気に襲われた」
【砂糖】「俺はそんな酷い眠気はなかったけどよ、沢風は夜時間になる前に眠気が来たんだってよ」
【瀬戸内】「おお、その事か!俺も夜時間なった後に眠くなってよー自分の部屋に居たからすぐに眠っちまったぜ」
【影山】「私は夜時間になる前ですね。このままでは危ないと思いすぐに部屋に帰り眠りました」
【藤】「私はそんな眠気なんて知らないわね」
【嶋野】「そもそも何で眠くなっちゃったんだろねー?」
【沢風】「それについては俺から話すよ」
【嶋野】「おー!さっすがはしゅんやくんだね!」
【沢風】「あははは、そんな俺一人じゃなくて砂糖も藤さんも知ってるから」
ーーーコトダマ提示アシストーーー
《緑色の睡眠薬》
「これだよ!」
ーーーコトダマ提示アシストーーー
【沢風】「保健室に危ない薬があるのは知ってるよね」
【影山】「初日にここを調べ回り見付けた毒薬ですよね」
【砂糖】「致死性の薬があったりしたけど今回使われたんだろう薬は遅効性の睡眠薬だ」
【嶋野】「あー!!あったねーそんなの!」
【沢風】「昨日の眠気と薬の効果がピッタリ合うんだよ。強力な眠気が襲い、体が重くなり気を抜けばすぐに眠ってしまう…」
【鈴木崎】「確かにそうだった」
【瀬戸内】「でもそんなのいつどこで入れられたんだ?」
【影山】「……恐らく昨日の夜ご飯の時だと思います」
【藤】「何で分からないのかしら?大人数が一気に薬を盛られてそれを食べるなんて昨日の夜ご飯の時に決まってるでしょう」
【瀬戸内】「あー確かにそうだ!藤はスゲーな!」
【影山】「…………」
……見事に影山をスルーされて同じ事を藤が言いやがった。これも俺以外気付いてなさそうじゃねえか。影山も何とも言えない微妙な顔をして申し訳なさそうにしてやがる。
大丈夫だ影山、俺は聞いてたからなと影山に軽くグッジョブとアピールした。
影山も気付いてくれて微笑んでくれたから良かった。
【嶋野】「夜ご飯の時にぃぃぃ!?」
【沢風】「そうだんだよ。驚くと思うけど薬のラベルに貼ってある説明文に薬を接種してから約二時間から三時間って書いてあるし昨日の夜ご飯を食べた時間から夜時間前から後に合ってるし間違いないよ」
【藤】「薬は粉状で何かに振り掛けても飲み物に混ぜても大丈夫って書いてあるからまあそうでしょうね」
【砂糖】「効果も必ず7時間はぐっすり安眠って書いてあるから犯人は安心して夜時間に行動が出来るって訳だ」
【嶋野】「じゃあ誰が薬飲んだの?誰が飲んでないの?」
【沢風】「それなら俺と砂糖が全員に聞き回ったから今から伝えるよ」
【嶋野】「わー!あっりがとうさんー!!」
ーーーコトダマ提示アシストーーー
《睡眠薬を盛られた人と盛られなかった人》
「これだね!」
ーーーコトダマ提示アシストーーー
沢風が皆に伝えてくれた事を纏めると夜時間になる前に薬の効果が出たのは猫屋敷、沢風、桃瀬、影山、嶋野。
夜時間後に鈴木崎、瀬戸内、熱宮。
鷹倉は夜時間になる大分前に寝たらしく薬の効果が出たかは分からないらしいが夜ご飯の時には食堂に居たから多分鷹倉も睡眠薬を盛られてるだろう。
睡眠薬の効果が出なかったのは俺、藤、和良井に食事を取らなくても大丈夫なハク。
龍野と木枯はモノクマファイルに薬物投与の形跡はなしって書いてあるから薬は盛られていない事は明らかだ。
【瀬戸内】「つーかよ、その薬ってどのタイミングで入れられたんだよ」
【猫屋敷】「それは多分~夜ご飯作ってる時じゃな~い~?」
【熱宮】「なら夜ご飯を作ってる人が怪しいってなるねえ」
【藤】「昨日夜ご飯を作っていた人は誰?」
【桃瀬】「俺とォ…龍野とォ影山のォ三人だなァ」
【嶋野】「りゅうとんは殺されたって事は…ピーチベリーちゃんかシャドーちゃんの内のどっちか!!?」
【桃瀬】「あァ!?」
【影山】「え…私に気付いて頂けた事は嬉しいんですけど疑われているこの現状はあまり喜ばしくないですね…」
聞いていて心が締め付けられ心苦しくなる事を言ってくる影山に芋虫を噛み潰した様な顔を浮かべてしまう。
安心しろ…俺は最近普通に影山に気付いてるから!!
【瀬戸内】「でもよ…共犯つっても影山に話し掛けようにも一人の時にどうやって話し掛けんだ?」
【影山】「はう!?」
【猫屋敷】「確かにね~影山さんって~持ち前の~影の薄さで~気付かれないよね~」
【鷹倉】「逆に話し掛けられても気付かないし」
【影山】「うぅ!あぅぅ!!」
【砂糖】「やめろやめろお前らやめろぉ!影山のライフはもうゼロだぞ!?」
いたたまれない!見てるこっちまで泣きたくなるわ!影山は何とか俺が守るぞ!なんか変な使命感にかられてるけど放っておけねえ!
【沢風】「あはは…それに調理時には龍野が居るんだ。龍野は警戒心強いだろ?何か変な物を入れようとしてたら気付くと思うんだよね」
【砂糖】「確かにあいつは妙に鋭いよな」
【猫屋敷】「にゃはにゃは~同意だわん~」
【沢風】「なあ和良井、これなら桃瀬と影山さんの共犯は可能性が低いだろう?」
【和良井】「……ふ、ふん!」
【鷹倉】「拗ねちまったよ」
【和良井】「やかましい!!」
【嶋野】「だけどさ、ならいつの間に入れられたのかな?」
誰が薬を入れたのか…話し合いは平行線になり解決しないまま時間が過ぎていってしまった。
【影山】「……分かりませんね…うーん今考えても分かりそうにありませんし別の事を話し合いませんか?私、気になる事があるんです」
特に進展が無かった場に影山から新たな議論の種を蒔いてくれた。
【砂糖】「なんだ影山、その気になる事って」
【嶋野】「びっくりしたー…シュガーいきなり喋り出すからどうした!?ってなったよ」
【熱宮】「なんだい影山が気になる事があるって?」
【影山】「あの…はい。龍野さんの事で気になりまして」
龍野の事?何だろうか…今は影山の話をちゃんと聞いていこう。
ーーー議論開始ーーー
【影山】「何故龍野さんは夜時間に更衣室に行ったのでしょうか?」
【熱宮】「単純に《散歩》じゃないのかい?」
【藤】「《脅されて呼び出された》って所でしょう」
【瀬戸内】「もっと単純じゃね?」
【沢風】「と言うと?」
【瀬戸内】「あいつ《泳ぎ》に来たんだろー!俺らとは泳がなかった恥ずかしがりやの龍野はやっぱり泳ぎたくなって」
【藤】「馬鹿じゃないの?」
【瀬戸内】「何だとテメー!」
【鷹倉】「案外あいつが《殺人を企んでた》とかどうよ」
《脅されて呼び出された》⬅《龍野の本》
「そいつに同意だ!」
【砂糖】「皆、これを見てくれ」
俺は龍野は部屋にあった本の最後のページを開いて見せた。
そこには
『夜12時本館二階更衣室前まで来い拒否すればお前の隠している秘密をバラす』
と書いてある。
【砂糖】「これを見てもらったら分かる通り龍野は誰かに脅され呼び出された」
【瀬戸内】「スゲー汚え字だな」
【嶋野】「急いで書いたって丸見えだね」
【桃瀬】「誰がァ書いたかッてェわかんねえなァ」
【砂糖】「そこが分かればすぐに分かるんだけどな」
【影山】「……でも男性が書いた様に見えません?」
【嶋野】「確かにー!」
【沢風】「だけどこれだけじゃ分からないよね」
【瀬戸内】「まあこれで龍野が呼び出されたって事が分かったから良いじゃねえか!」
だけど誰が書いたのかって事は不明だ。そういやこの本、昨日龍野が夜飯の時に置いてあった場所から無くなってたって探していたな。
あの時は龍野の勘違いとかだと思ったけど、今考えれば龍野が夜飯作ってる時に誰かが盗んで書いたって事じゃねえか?それ以外であいつが手離すとは思わないし。
【瀬戸内】「……てか今んところ犯人に繋がりそうな事一つも出てなくね?」
【沢風】「犯人に繋がりそうな事は出てるんだけどあと一歩が出ない…って感じだね」
【砂糖】「…………」
恐らく今回は共犯者が居る。動機に釣れられてだろう。木枯の凶器は判明したけどどこにあったのかは不明だ。龍野に至っては凶器すら分かってない。殺害場所は分かってるしあの血の量だったら凶器が限定されるけど全く思い付かねえ。
アナウンスにクロが含まれる…多分木枯の発見者だと思うが熱宮を除く二人、恐らく共犯者とクロだろう。だがここまで分かってるのに誰かはわかんねえ。
睡眠薬を盛った盛られてないって事、いつ誰が盛ったのか、龍野の本に誰が書いたのか……このままじゃ分からず仕舞いじゃねえか…。
【モノクマ】「ねー話し合いは終わりかなー?」
話し合いが止まり全員口を噤んでしまい数分経った時、モノクマが暇で退屈で飽々した声で喋りかけてきた。
【砂糖】「そ、そんな訳ねえだろ!」
【モノソノ】「そうは言われましても有益な議論をしていないではないですか。これ以上停滞していましたら問答無用で学級裁判を閉廷致しますよ?」
【沢風】「ま、まだ話し合いは終わっていない!」
【モノソノ】「でしたらさっさと議論を再開してもらえませんか?退屈なのですよ」
【モノクマ】「折角議論が進みそうな情報も言ったのにさーオマエラがっかりさせてくれるよ」
モノクマらに苛つく事を言われても次に進める話題が出てこない。考えろ、何かが足りねえんだ。俺の考えは何かが欠落してんだ。
決定的に何かを見落としている。簡単な事の様に感じるが分からない。
周りの皆を見ると苦しそうな顔をしている。ただ一人、藤だけは涼しそうな顔をしている。
藤なら何か分かっているかもしれないと声を掛けてみる。
【砂糖】「藤…」
【藤】「あら、何かしら?」
【砂糖】「お前は……何か分かってないか?」
【藤】「随分大雑把に聞くわね…まあ大体は分かってはいるわよ」
【砂糖】「え…本当かよ!なら!」
【藤】「でも言わないわ」
俺の続く言葉を遮り、藤は断った。
【砂糖】「……は?何でだよ?」
【藤】「もう少しあなた達は自分で考えなさいよ。他人に甘えないで。私は本当に話し合いが止まって終わってしまうってなったら仕方ないから言うわ」
【瀬戸内】「スパルタ過ぎるだろ…」
【藤】「最後に頼るのは自分なのよ?ちょっと行き詰まったからすぐに助けて下さいは甘えすぎなのよ」
ピシャリと取りつく島もない藤の言葉に態度に雰囲気に俺は何も言えずに黙ってしまう。
悔しいが藤は教えてくれそうにない。なら俺が考えるしかねえ。皆も思い付いた顔をしていない。
だけど何も出ない。絶望的な空気が漂う
龍野、木枯の死の真相を
解き明かすなんて意気込んでいたのに
何も分からずに死んでしまうのか?
ここで藤に頼ってしまっても良いんじゃないか?
俺は良くやった方だろ
特に才能もねえ平凡な俺にしては頑張ったんだ
もう……手詰まりだ
すまねえ…龍野…木枯…
俺にはお前らの死の真相は分からなかった……
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………。。。。。
「あの、ちょっと良いですか?」
?ーーーーーー?
シーンと静まり染まった学級裁判の場に一人、声を出す。
「あの、ちょっと良いですか?」
決して大きな声ではないその声は一人の者に届いた。
【砂糖】「……影山?」
砂糖 太郎はその者の名前を呼び、目を向けた。そこには確かに確信に満ちた顔がこちらを見詰めていた。
【影山】「もしかしたらって思った事がありまして…良いですか?」
【砂糖】「……な、なんか分かったのか?言ってくれ…教えてくれねえか?」
藁にもすがる思いで砂糖は影山 琥珀に問い教えを請う。自分はもう八方塞がりに陥ってしまい、迷っていた所、影山による新たな道が照らされようとしていた。
【影山】「龍野さんの死因…というか凶器が分かったんです」
【沢風】「え!?」
【熱宮】「それは凄いじゃないか!」
【白】「ハクはまだ分かっていません…こはくはやりますね」
【鈴木崎】「ハクはまだ知識が足りないだけ。これから成長する」
皆が驚き、今まで注目を浴びてこなかった少女にスポットライトが照らされ琥珀に美しく輝く。
心臓が高まり心拍数が早まり脈打つ。落ち着き静めようと深呼吸を一つ。
そして前を向き唇を動かし声を奏でる。自身が思い付いた可能性を示す。
ーーー閃きアナグラム・隠ーーー
Q.龍野を殺した凶器とは?
ジ ド ウ シ ョ ウ ジ ュ ウ
《自動小銃》
「これです」
ーーー閃きアナグラム・隠ーーー
【影山】「龍野さんが殺された凶器…それは更衣室に備え付けられている自動小銃です」
【沢風】「えっ!?」
【嶋野】「おひぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」
【白】「確かに更衣室にはありますね」
【猫屋敷】「まさかの~あれが凶器~?」
影山から告げられた凶器にまた皆は驚いた。しかし中には合点がいく者も居り、藤 織姫は驚いた様子は一切なく不敵な笑みを浮かべて余裕そうだ。
桃瀬 一護は驚いた顔を浮かべたものの、すぐにその可能性を考えなるほどと口にした。
【桃瀬】「龍野のォ外傷はァ自動小銃つうんならァ納得すんなァ」
【影山】「そうです。龍野さんには身体中に傷痕があり、そのどれもが体内部を貫通しているんです。自動小銃ならその身を撃たれ、貫通させる事が出来ます」
【鈴木崎】「それは確かに納得」
【桃瀬】「あの血の量にもォ合点がァいくなァ」
【砂糖】「…ま、待てよ影山!」
影山からの凶器について段々納得していく者が増える中、焦った様子で砂糖は待ったをする。彼にはどうしても納得出来ない理由があるからだ。
【影山】「はい、どうしました砂糖さん?」
【砂糖】「龍野の死因が自動小銃の銃殺っていうのは色々と一致するもんがあるけどよ!俺らの話し合いの結果なら自動小銃は決定的に違うだろ!」
【瀬戸内】「はぁ?何を言いてえんだよお前は」
【白】「たろう落ち着いて下さい。一体何故違うのですか?」
【砂糖】「龍野の殺されたって場所を思い出してみろよ!」
【瀬戸内】「殺された場所?」
瀬戸内 太陽を含めた数人は何を言ってるのだろうと疑問に思う。先程その事について話し合い議論の末に見つけ出した事を思い出せと言われても別に忘れてはいない。瀬戸内は仕方ねえなと溜め息を吐きながら分かりきった事を言う。
【瀬戸内】「龍野が殺された場所ってんなら…男子更衣室前だろ?扉のすぐ真ん前だって桃瀬からも言ってただろ」
【嶋野】「何々シュガーこれがどったのさ?」
【熱宮】「更衣室前だから自動小銃が作動して撃たれたんだろう?」
【砂糖】「………やっぱりおかしいじゃねえか」
【熱宮】「はあ?ちょっと砂糖…あんただけ納得がいってもどうにもならないよ。私達にも分かるように言ってくれよ」
ハッキリと言わずに勿体付けたような言い方をする砂糖に熱宮 燐火が先を促す。
言われた砂糖は全員の顔を見渡して口を開く。
【砂糖】「龍野が自動小銃で殺されんなら男子更衣室の前じゃなくて女子更衣室の前だろ!?だってあいつは男なんだぜ!?」
【桃瀬】「はァ?……あァ…」
【沢風】「……あ、そっか」
【嶋野】「え?何々何がどうなってそっかなの?訳わからナイトな眠れない夜だよ!」
【瀬戸内】「後半何言ってんだよ!だが俺も良く分かってねえんだけどどういう事だ?」
【沢風】「簡単な事さ。自動小銃の作動条件が龍野に当てはまってないんだよ」
【砂糖】「自動小銃が作動すんのは男子更衣室に女子が近付くと、女子更衣室に男子が近付くと作動する。だが龍野は男子なのに男子更衣室前で自動小銃に撃たれて死んだとかおかしいだろ?」
【瀬戸内】「あ…ああ!そ、そうか!そうだよなぁ!?」
ここで砂糖の疑問の正体が分かった。自動小銃は作動しない筈なのに龍野が男子更衣室前で自動小銃に撃たれたという謎が出てきた。
【影山】「……それは龍野さんが女性だからではないでしょうか?」
瞬間、静寂が訪れる。
そして静寂は破られる。
【砂糖】「…………は?」
【沢風】「…………ん?」
【嶋野】「え………えええええぇぇぇぇぇぇぇ!!?」
【瀬戸内】「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
【猫屋敷】「わ~お~それはすっごく~びっくりだ~」
【桃瀬】「そうはァ全く見えねえけどなァ…」
影山が告げた龍野 竜斗は女であるという驚きの言葉に皆は驚き騒いだ。砂糖は狼狽えながらも影山に問い掛ける。
【砂糖】「い、いやそれはねえだろ!?龍野が女って…そんな…そんな事が…」
【影山】「砂糖さん落ち着いて下さい。冷静に考えれば龍野さんは女性だと分かります」
落ち着いてと言われるも砂糖は混乱し、とても冷静にはいられずに影山の言葉を否定してしまう。
【砂糖】「これが落ち着けるかよ!………龍野が女だって証明してくれよ…お前は龍野が女だって言う根拠があるんだよな!?」
砂糖は荒れ狂う自らの感情に突き動かされながら影山へと反論をする。
ーーー反論・シュガートークーーー
【砂糖】「龍野が女!?」
【砂糖】「それはありえねえだろ!」
【砂糖】「あいつは男だ!」
【砂糖】「今までだってあいつが女だって言った事があるか!?」
【砂糖】「自分の性別間違われてんなら普通否定するだろ!?」
【砂糖】「そんな突拍子もねえ事で納得出来ねえよ!」
《発展!》
【影山】「ですから落ち着いて下さい」
【影山】「龍野さんは今までご自身の性別の事を言った事はありましたか?」
【影山】「女性だと言われた事はありませんけど、ご自身を男性だと言われた事もありませんよね?」
【影山】「見た目が中性的でしたし私達は勘違いをしていたんですよ」
【影山】「そしてその事に訂正をなされなかった龍野さんは何かご自身の性別を偽る理由があったのでしょう」
【砂糖】「それでも…それでも俺はあいつは男だと思う!」
【影山】「いえ、龍野さんは女性なんです」
【砂糖】「それならよ…お前が龍野は女だって言うんならよ…」
【砂糖】「《龍野が女だって根拠》を言ってくれよっ!」
《龍野が女だって根拠》⬅《連れ去られた龍野》
【影山】「そのお言葉、斬らせて頂きます!」
【影山】「龍野さんが女性だったなら龍野さんのご遺体を連れ去った理由にも説明がつきませんか?」
【桃瀬】「………なァるほどなァ、だからアイツらはァそうしたのかァ」
【猫屋敷】「え~?龍野君を持ってった理由~?確か~龍野君の~死体があったら~クロが不利になっちゃうんだよね~」
【影山】「そうです、今猫屋敷さんが仰った、犯人が不利になるという事です。その事が龍野さんをより女性だと断定出来る根拠になります」
【沢風】「ふむ…段々見えてきたね。砂糖も分かってきたんじゃないかな?」
【砂糖】「…………」
黙り込み静かに影山に目線で続きを促す。影山もその目線に気付き静かに続きを話し始める。
【影山】「龍野さんのご遺体をそのままにしていたら桃瀬さんに検死をされて女性だとバレる。そうなれば龍野さんは女性だから男子更衣室前で自動小銃に撃たれて殺されたとすぐに判明する事に繋がります」
【鷹倉】「こいつらなら学級裁判が早く終わるかもしんねー可能性も潰せて俺らの悩む姿も見れるってお得しかないって事だなー」
【モノクマ】「ギクギクー!」
【モノソノ】「な、ななななんの事ですかな!?」
モノクマとモノソノが分かりやすくわざとらしい焦りを浮かべる。勿論全員モノクマ達に反応は示さない。
【影山】「どうですか砂糖さん?これで納得して頂けましたか?」
【砂糖】「……ぅ…ああ、すまねえ影山…納得出来た…です」
それは良かったですと微笑み混じりに言う影山。これでまた一つ真実に近付いた。龍野 竜斗は女子である…これは今まで共に生活をしていた者には衝撃の事実だった。そして議論は新たに知った話題に移っていく。
【瀬戸内】「確かにそういや龍野って絶対に大浴場にもプールにも覗きにも参加しなかったよな」
【鷹倉】「つまりどれも女だったからって事だな」
【藤】「まあ男子更衣室前で殺されたで分かるわよね」
【瀬戸内】「けっ!どうせ俺は分かりませんでしたよー!」
【藤】「安心なさい。貴方が分からないでしょう事は簡単に予想出来たわ」
【瀬戸内】「うがぁぁぁ!うるせぇぇぇぇぇ!!!」
藤に煽られて瀬戸内は吠えるも相手にされずに瀬戸内の苛立ちだけが増えた。だが全員共通した思いが瀬戸内ならば放っておいても大丈夫だろうという思いだった。
そしてまた影山から話が出る。
【影山】「それとなんですけど、もう一つ気付いた事がありまして」
【白】「それは何ですか?」
【影山】「犯人と共犯者の目星が…ある程度分かるかもしれないんです」
【桃瀬】「マジかァ!?お前意外とォ凄い奴だなァ…」
【影山】「い、いえいえ!そんな私は別に特別凄いなんて事はないですよ…」
褒められなれてない影山は桃瀬からの素直な言葉に照れて頬を赤く染める。
【影山】「あの、それで何ですが恐らく今回犯人と共犯者は」
《男と女》⬅
《二人とも同性》
《モノクマとモノソノ》
「これです」
【影山】「今回犯人と共犯者は少なくとも男性と女性だと私は思います」
【熱宮】「男と女って…何でそんな事が分かるんだい?」
【影山】「それは被害者のお二人の状況から考えたら見えてくるんですが、龍野さん木枯さんはそれぞれ男女の更衣室前で殺され…そこから龍野さんは男子更衣室を経由してプールへ木枯さんは女子更衣室に移動されています。これは血の痕を見て頂いても分かる事です」
【猫屋敷】「そうだね~一目瞭然って~やつだね~」
【影山】「このお二人を移動させた人はそれぞれ男女の更衣室に入っているんです。という事はその犯人と共犯者は男性と女性じゃないと入れないんです」
男子更衣室に龍野を運ぶには男子が女子更衣室に木枯 苗を運ぶには女子ではないとその者も自動小銃の餌食になってしまう。
そうなると必然的にクロとクロに協力する共犯者はそれぞれ男子と女子になる事が分かる。
【砂糖】「それじゃあ…大分絞られるよな」
【和良井】「は、はよ見つけ出せや!」
【鷹倉】「おーまえは特になんもしてねえ癖に命令してくんなよな」
【鈴木崎】「それはお前も」
【鷹倉】「なぁんだとー?」
【沢風】「まあまあ二人とも今は喧嘩してる場合じゃないよ」
【砂糖】「とりあえず可能性がある奴を挙げてくか?」
【影山】「まず睡眠薬が盛られて居ない方が砂糖さん和良井さん藤さん白さんに殺されました龍野さん木枯さん」
【瀬戸内】「お?犯人と共犯者が男か女かだったら男で薬盛られてねえ砂糖か和良井の二人の内の…どちらかって事になるよな?」
【砂糖】「なっ!?」
【和良井】「ひぃっ!な、何で俺まで!」
ここで突如怪しいと浮上したのは今まで二人を殺したクロを見付けようと奔走していた砂糖とずっと何かに怯えて全員を疑っている和良井の二人だ。
【熱宮】「なら女子は藤かハクって事かい?」
【和良井】「あ、ちょ、ちょっと待てや!そういやそこのロボットは男女どっちの更衣室にも入れるらしいやないか!」
【白】「はい。確かにハクはどちらの更衣室にも入れる事は実証済みです」
【和良井】「ほ、ほら見てみい!ならやっぱり鈴木崎がこいつに命令して」
【鈴木崎】「でもハクにはスリープモードがある」
和良井 笑平がまた先程の鈴木崎とハク共犯説を推すも鈴木崎 美佳子に一刀両断される。それは先程も言われたハクが今回の事件に関係がないと分かる証拠だ。
【和良井】「ぬ、ぐうぅぅぅ!」
悔しそうに鈴木崎を睨む和良井だが、涼しい顔をして受け流される。
【熱宮】「ハクは無理だとしたら…藤じゃないか?」
【藤】「あら、私じゃないわよ?」
【和良井】「そ、そんならなんか証拠でもあんのかいな!」
【藤】「何よ貴方も疑われているのよ?それにさっきの痴態をまた繰り返す気?貴方は学習が出来ないお馬鹿さんなのかしら?」
【和良井】「ぬぐぅ…ぅぅ」
それからも藤の罵倒が続いていく。和良井も顔を真っ赤にし、涙目で今にも大泣きしそうなので沢風がやんわりと止めに入った。
【影山】「あの…藤さんは違うと思いますよ」
【和良井】「はぁ!?ど、どうしてお前がひ、否定すんねん!?どう考えてもこいつがクロやろ!?」
藤は犯人でも共犯者でもないと影山は言う。何か根拠でもあるのかと砂糖は問う。
【影山】「あの…藤さんって毎回一人でご飯を作り食べるじゃないですか。なら龍野さんを呼び出す為の龍野さんの本を奪えないじゃないですか」
【和良井】「そ、そんなもんはもう一人の奴に協力させて書いてもらったとかやないんか!?」
【影山】「藤さんが誰かを頼る何て信用が大事な事をしますか?」
【瀬戸内】「確かにこいつの人を信用してなさに共犯者と協力してとか出来ないわな」
【嶋野】「プリンセスちゃんワガママだし協力する位なら一人で殺人した方がバレないとか思いそうだもんね」
【藤】「……何でこんなに好き勝手言われないといけないのかしら?」
口の端をピクピクとさせて怒気を含めた声色で睨み付ける。
【沢風】「まあまあ、藤さんが犯人じゃないって皆も言ってるんだし疑いが晴れてきたんだから良いんじゃないかな」
【藤】「全く良くないわよ」
【鷹倉】「おいー藤姫さんじゃなきゃ一体どいつになんの?」
鷹倉の言い分に皆も頭をまた悩ませる。薬を盛られていない女子が当てはまらないのなら一体誰がとなるのは当たり前である。
【影山】「その事何ですけど私から良いですか?」
【和良井】「な、なんやねんお前…何でそないなガンガンいくんや…?」
【嶋野】「何々これはシャドーちゃんのフィーバータイムゥゥ!?」
【瀬戸内】「よっしゃ!もうその調子でどんどん言ってくれよな!」
【影山】「はい…考えたんですけど…木枯さんを殺害した方がどなたか分かりました」
【沢風】「えっ!?」
どんな有益な事を言ってくれるのかと思っていた全員の想像を超える事件の核心に迫った事だった。
砂糖は慌てながらも影山に話し掛ける。
【砂糖】「おま、ちょっと待て、待てよ!?木枯を殺した奴が…分かったってのかよ!?」
【嶋野】「ウッキャアァァァァ!シャドーちゃん凄い凄い凄いよぉぉ!」
【熱宮】「一体誰なんだいそいつは?」
【影山】「は、はい…その方は…」
影山はその人物が居る席を見つめ、指差す。
《クロ指名》
【木枯を殺したクロは?】
【砂糖 太郎】
【嶋野 恵子】
《泊 進》
【熱宮 燐火】
【沢風 俊也】
《龍野 竜斗》
《湯上 健》
《木枯 苗》
【瀬戸内 太陽】
《妻夫木 弥生》
《百澤 成八》
【和良井 笑平】
【藤 織姫】
【鈴木崎 美佳子】
【白】
《剣 星光》
【猫屋敷 狛犬】
【鷹倉 ルゥ ヴィクトー】
《シャルロット・ド・ベルジック》
【影山 琥珀】
【桃瀬 一護】
【砂糖】「……は、はぁ!?」
影山が指差す先には誰も居なかった。
そこは以前までは居た空席。
写真だけが飾られていた。
【影山】「龍野さんです」
影山から発せられた犯人。その者の名前を聞いた皆は影山の指差す先を見て固まる。
【沢風】「…た、龍野…が木枯さんを殺した…だって?」
【瀬戸内】「おいおいそれって本当かよ…」
【鈴木崎】「信じれない」
【白】「……たろう、大丈夫ですか?」
【砂糖】「…………」
口々に疑問を発する皆の中で砂糖だけは驚いた顔をし、無言で影山を見つめていた。流石に心配になりハクが声を掛ける。
【砂糖】「……お前がそう言うって事は…なんか理由があるんだよな?」
【藤】「あらさっきみたいに取り乱したりしないのね」
【砂糖】「俺が騒いじまったら影山が話を進められねえしな。今は影山の考えを聞かないとだろ」
【藤】「どこかの誰かさんとは違ってちゃんと学習は出来るみたいね」
【和良井】「………」
藤が言うどこかの誰かさんは藤を睨み付けて険しい顔を浮かべるも、先程罵倒されたからか特に何も言わずに黙ったままで居る。
【影山】「あの、これを見て下さい」
【沢風】「……それは…」
影山が懐から取り出したのは真っ黒のナイフ。そのナイフは全員見覚えがあった。
【猫屋敷】「それって~俺が見付けた~プールのやつとおんなじだね~」
猫屋敷 狛犬の言う通り、それは木枯を殺害した時に使われたとされる黒に包まれた小型だが殺傷能力はあるナイフ。
【猫屋敷】「あれ~でもさ~そのナイフって~今は桃瀬君が~持ってるよね~?」
【桃瀬】「おゥ、とりあえず俺がァ責任もッてェ預かッてるぜェ」
そう言って桃瀬も懐から全く同じナイフを取り出した。
【砂糖】「同じナイフが二つって事は…影山、それってどこで見付けたんだよ?」
【影山】「龍野さんのお部屋です」
【沢風】「俺と砂糖も龍野の部屋に行ってみたけどそんな物は見付からなかったけどな…」
【影山】「私は捜査時間になってすぐに龍野さんのお部屋を調べましたから見付ける事が出来たんです」
【沢風】「そうだったんだ」
【影山】「はい龍野さん木枯さんお二人の部屋に何か証拠があるかもしれないと思い、行ってみたら見た事がないナイフが引き出しから見付かりまして、もしかしたら学級裁判で使えるかもしれないと思ったんです」
【砂糖】「それって本当に龍野の部屋から見付かったのか?」
【影山】「はい、勿論です」
【瀬戸内】「ならマジで龍野が木枯を殺したって事かよ?」
どこにも見た事が事がなかった真っ黒のナイフが殺された龍野が所持されていたという驚きの事実。
【鷹倉】「でも言われりゃ全身真っ黒のあいつにピッタリ似合う黒のナイフだよな」
【嶋野】「で、でも何でりゅうとんがナエトン殺さないといけないのさ?」
【桃瀬】「普通に考えりャァ木枯がァ龍野をォ呼び出したけどォ返り討ちにあッたとかかァ?」
【沢風】「でも木枯さんが龍野を呼び出すには本に呼び出すメッセージを書かないとなんだよ?木枯さんはいつ本を龍野から盗んだのかな?」
【影山】「それは分かりませんが…でも証拠は揃っていますから」
【砂糖】「……」
【猫屋敷】「ん~?砂糖君どうしたのさ~ずっと黙ってるけど~?」
猫屋敷からの言葉に全員砂糖に注目する。先程まで驚いたり慌てたり騒いだりと騒がしかった砂糖が急に落着き考え込んでいる。
【影山】「砂糖さん…?」
【砂糖】「……」
【瀬戸内】「おい、どうしたんだよ?」
【沢風】「具合でも悪いのかい?」
【砂糖】「……なあ沢風」
【沢風】「うん?」
急に呼ばれた沢風は不思議に思いながらも返事を返す。
【砂糖】「俺らが龍野の部屋を調べに来た時に鍵が掛かってたからモノクマを呼んだよな?」
【沢風】「開けるために仕方なくね」
【砂糖】「鍵を開けて入った時にモノクマがふざけた事を言ってたよな」
【沢風】「……?…あ、ああ確かに龍野の部屋に入った瞬間に変な音が鳴ってその後現れたモノクマがクラッカーを鳴らしてきたね」
【嶋野】「それならウチも聞いたよー!もー超びっくり驚き荒削り紅葉おろしだよ!」
【白】「何故くま校長はそんな事をしたのですか?」
【モノクマ】「それはサプライズだよ!」
【瀬戸内】「何で部屋に入っただけでサプライズすんだよ!?」
【沢風】「それでその事に何かあるのかい?」
砂糖の意図が分からない皆の考えを代弁して沢風は砂糖に聞く。
【砂糖】「その時のモノクマの言った事…覚えてるか?」
【沢風】「え?うん…ええっと……『いえーい!おめでとーう!オマエラはこの部屋に訪れた初めての人でーす!』だったけど……あれ?」
【瀬戸内】「なんだそのふざけたサプライズは…」
【影山】「…………」
【砂糖】 「ありがとな。これで何人かは分かったよな?」
【藤】「むしろ分からない人は居ないんじゃないの?」
【嶋野】「………???」
【藤】「ごめんなさい、愚問だったわね」
数名は段々砂糖の意図が分かり始めてきていた。そして砂糖は最後にモノクマにこう聞いた。
【砂糖】「モノクマ、お前のあの時の言葉は本当の事だよな?」
【モノクマ】「うん?あの時ってどの時?砂糖クンの言う時がボクには分からないなー」
【砂糖】「……さっき沢風が言ってた俺らが捜査時間の時に龍野の部屋に入った時にお前が言った内容だ。あれはお前の言った事は本当なんだよな?」
【モノクマ】「うぷぷ……本当だよ」
【砂糖】「分かった…影山、お前嘘を付いたな?」
【影山】「………」
突然砂糖は影山を糾弾した。
【瀬戸内】「え?おいおい影山が嘘付いたってなんだよ?」
【藤】「まだ分からないの?」
【瀬戸内】「し、しかたねえだろ!」
【沢風】「まあまあ、俺が説明するよ。俺と砂糖が龍野の部屋に入った時にモノクマは『龍野の部屋に入ったのは俺と砂糖が初めて』って言ったんだよ。その内容はモノクマから今嘘じゃなく本当だと言ったね」
【瀬戸内】「お?おうそうだな」
【沢風】「じゃあここでさっきの影山さんの言葉を思い出してみてほしいんだけど、影山さんはプールに浮かんでいた木枯さんを殺した凶器である黒色のナイフと全く同じナイフを捜査時間始まってすぐに龍野の部屋を調べて見付けたらしいんだ」
【瀬戸内】「ふむふむ……お?おかしいじゃねえか」
ようやく瀬戸内にも合点がいき、納得した。そして全員が疑いの目で不気味に黙る影山を見る。
【砂糖】「なあ影山。正直に言ってほしいんだけどよ」
【影山】「…………」
【砂糖】「お前は本当に龍野の部屋に入ったのか?俺らは捜査時間の丁度中間位に行ったんだけどよ…その時にモノクマは俺らが初めて龍野の部屋に入ったって言ったんだぞ?」
【影山】「…………」
【砂糖】「お前はどこでそのナイフを見付けたんだ?」
《クロ指名》
【怪しい人物を指名せよ】
【砂糖 太郎】
【嶋野 恵子】
《泊 進》
【熱宮 燐火】
【沢風 俊也】
《龍野 竜斗》
《湯上 健》
《木枯 苗》
【瀬戸内 太陽】
《妻夫木 弥生》
《百澤 成八》
【和良井 笑平】
【藤 織姫】
【鈴木崎 美佳子】
【白】
《剣 星光》
【猫屋敷 狛犬】
【鷹倉 ルゥ ヴィクトー】
《シャルロット・ド・ベルジック》
【影山 琥珀】
【桃瀬 一護】
【砂糖】「俺は今回、確実にこの事件に関与してる…俺はお前が二人を殺したクロだと思うぞ」
俺は影山がクロだと断定した。影山がクロなら不思議と納得していく事がある。段々鮮明になっていく、事件の流れが見えてきた。
【影山】「…………………………………………」
【瀬戸内】「……お、おい影山?」
影山は黙る
【熱宮】「ちょっと!早く何か言ったらどうなんだい!?」
ずっと沈黙している
【藤】「今嘘を付いて、それがバレたら黙る…しかも幸運さんを殺した凶器と同じ物を持っている…貴女、相当怪しいわよ?」
何も言わず
【沢風】「頼むよ!何か言ってくれないと君が怪しまれるだけだよ!」
動かず
【和良井】「………ぅ……ぁぁあ、あいつが、あいつがは、は、犯人やろ!」
ただ砂糖を見る
【鷹倉】「これゃあ反論もないってかー?決まったもんだな」
砂糖も影山を見る
【藤】「私も甘党さんと同じ意見ね。貴女が殺した犯人だと最初から思ってたわ」
交わる視線、発さぬ言葉
【砂糖】「何か、反論はあるか?」
そして影山は俯く
全員黙り混む
………………………………………。。。。。
?ーーーーーー?
影山はずっと黙って俺を見つめてくるだけだ。さっきまであんなに話していたのに今は無表情で俺を見てくる。感情なんて始めから無かったかの様に思えてくる程、感情が読めねえ、と思っていたらいきなり顔を俯かせた。
【影山】「………やっぱり………………ですね」
【砂糖】「は?」
俯かせたままやっと影山は何か呟いた。しかし小さすぎて何も聞こえなかった。
「……やっぱり貴方は……ですね」
小さくか細く今にも影に消えて無くなりそうな声で呟き続ける影山だが、一言一言呟く毎に悪寒が身体中を駆け巡る。
息が苦しくなっていく。汗が止まらない。今すぐにでも逃げ出したくなる。
そしてピタッと呟くのを止めてこちらに顔を向ける。瞬間、俺は体を動かせなくなる。
「ふふふふ、ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
急に笑いだす影山。止まらない、笑い声は止まらない。怪しくどこまでも妖しく決して大声ではない笑い声が裁判上で発せられる。
【砂糖】「……か、影山…?」
【影山】「ふふふふふふ……………」
何かを呟いたかと思えば途端に笑いだす。だが俺が呼び掛けるとピタッと止まった。
その顔は、皆に疑われ、追い込まれている奴の顔ではなくまるで今から凄く楽しい事が起きるんだと思っている無邪気な顔だ。
そして、まるでこの場に俺と影山しか居ないかの様に錯覚を覚えながら影山は俺だけに話し掛けてくる。
【影山】「…やっぱり…貴方は……太郎さんは私の運命の人」
今度はハッキリと放った言葉。
頬を朱色に染め無邪気に楽しそうに愛おしそうに言った影山。俺はその意味を理解出来ずに思考が、俺の全てが時を止める。他の奴等も同じ様に動きを止める。
【影山】「ふふ、それでは太郎さんに質問です」
未だ影山に追い付けないでいる俺達を置いて影山は俺に問い掛ける。
【影山】「私は一体何なんでしょうか?」
【砂糖】「ぅあ……あ?」
【影山】「分からないですか?私の正体です。でも太郎さんならきっと分かると思いますよ」
【砂糖】「…………」
【影山】「でも…私の正体の前に私が犯人だと思っている太郎さんの推理をお聞かせ願えませんか?」
先程まで俺達を引っ張って議論を進めていてくれた普段の優しい影山の姿とは打って変わって、今は妖しく微笑む得体の知れない初対面の奴と会っている気分だ。
俺は声を詰まらせながらも自分の推理を話していく。
【砂糖】「お、お前がクロだとお、思う理由は」
【影山】「お前、だなんて言わないで下さい。琥珀と…呼んで頂けませんか?」
構わず俺は話続けると影山は小さく笑い、仕方ないですね…と呟いた。俺は気合いを入れる。ここでこいつを追い詰める!
ーーー反論ショーダウンーーー
【砂糖】「まずはお前が龍野の部屋に先に入ったって嘘を付いたって事だ」
【影山】「その事でしたら確かに私は嘘を付きました。申し訳ありません」
【砂糖】「素直に認めやがったな…」
【影山】「他にもあるんですよね?」
【砂糖】「…当たり前だ。お前なら龍野の本を盗む事が出来るよな?」
【影山】「私がですか?ご冗談を言わないで下さいよ」
【影山】「龍野さんは相当警戒心が強い方です」
【影山】「私の記憶では龍野さんが本を手離したのは昨日の夜ご飯の時だけです」
【影山】「私は夜ご飯を作っていました」
【影山】「私が《盗める暇はない》ですよね?」
《発展!》
【砂糖】「それだけじゃねえ」
【砂糖】「お前が睡眠薬を盛られてねえって可能性は高い」
【影山】「何を仰ってるんですか」
【影山】「私も昨夜は皆さんと同じ様に夜ご飯を食べていましたよね?」
【影山】「太郎さんはご自身で眠気等はなかったと仰っていましたけど」
【影山】「私はちゃんと《薬の効果は現れました》。嘘偽り等はありません」
《盗める暇はない》⬅《昨日の夜時間時の状況》
《薬の効果は現れました》⬅《夜時間時の皆》
「お前の言葉、ぶった斬るぞ!」
【砂糖】「盗める暇はねえって言ってるけどよ、お前夜飯作ってる時トイレに行ったよな?」
【影山】「トイレにですか?」
【砂糖】「これは桃瀬から聞いたから間違ってねえぞ」
【桃瀬】「おゥ、夜飯作ッてる時はァ俺と龍野と影山はァ最低でも一回はァトイレに行ッてたぜェ」
【影山】「確かにトイレには行きましたけど、それがどう関係があるのですか?トイレに位は行きますよ?」
【砂糖】「お前なら、超高校級のモブであるお前なら誰にも気付かれずに本を盗めるよな?ましてや影山にすぐに気付く俺が居なかったんだからよ」
【桃瀬】「なるほどなァ、しかも龍野はァ俺と一緒に夜飯作ッてるからァ易々と盗めるッて訳かァ」
【砂糖】「ああ、それでお前は龍野の本に呼び出すメッセージを書いたんだろ」
盗まれたと思われる時に影が薄くて気付かれねえ影山なら盗める可能性はすげー高い。
それにまだクロだと思える事はあるんだ。
【砂糖】「それだけじゃねえ。本を盗める可能性の高いお前には薬の効果で眠気に襲われてる姿を誰にも見られてねえ」
【影山】「そうでしたか?」
しらばっくれるつもりか…そうはいかねえ。
【砂糖】「お前は眠気に襲われ、部屋に戻ってる最中に和良井を見てはいるがお前自身は誰にも見られてねえじゃねえか。和良井は見られただけで影山を見たとは言ってねえ」
【沢風】「確かに…俺は嶋野さんと会ったし鈴木崎さんはハクさんと、猫屋敷は桃瀬と熱宮さんに薬の効果が現れている所を見られてるよね」
【熱宮】「それで次に桃瀬が眠気でふらついたから私と偶々会った瀬戸内で運んだねえ」
【瀬戸内】「そしたら俺らも眠くなったからすぐに部屋に戻ったよな」
【砂糖】「俺は木枯と部屋に戻った。まあそれを証明出来るのかって言われたら無理だけどよ」
【藤】「なら私も才能不明さんとは会ったけどね」
【砂糖】「それなら瀬戸内がお前らを見たってよ」
【瀬戸内】「おう!しっかりと図書室に居たのを見たぜ!でもすぐに藤が図書室から出てたけどな」
【鷹倉】「俺は夜飯食ってすぐに寝たから誰とも会ってねえや」
これで大分絞られる。影山は俺達の話をただ黙って聞き続けている。
そして今の話の中で新たな可能性も見付けた。
【砂糖】「それと俺はもう一人、今回影山の共犯者である奴が分かった」
【嶋野】「ええー!?シュガーすっご!」
《共犯者指名》
【怪しい人物を指名せよ】
【砂糖 太郎】
【嶋野 恵子】
《泊 進》
【熱宮 燐火】
【沢風 俊也】
《龍野 竜斗》
《湯上 健》
《木枯 苗》
【瀬戸内 太陽】
《妻夫木 弥生》
《百澤 成八》
【和良井 笑平】
【藤 織姫】
【鈴木崎 美佳子】
【白】
《剣 星光》
【猫屋敷 狛犬】
【鷹倉 ルゥ ヴィクトー】
《シャルロット・ド・ベルジック》
【影山 琥珀】
【桃瀬 一護】
俺は先程からずっと青褪めた顔で黙り込む奴に顔を向ける。
【砂糖】「和良井、お前だな?」
【和良井】「……っ!!?」
俺からの共犯者だと指名された和良井は汗を滲ませ、瞳を揺らしながらガタガタ震える。それは自白しているも同然の反応だった。
【和良井】「な、な、ななな何を言うてんねん!?」
【砂糖】「思えばお前はずっと何かに怯えてたけど事件に関わってたから、共犯者だとバレるのが怖いから怯えていたんじゃないのか?」
【鷹倉】「あー…やたらすぐに誰かを疑って騒ぎ立てたのはクロの影山を庇う為ってかー?」
【熱宮】「途中で影山が積極的に議論を進めたのも自分から容疑を逸らすためって訳だね」
【白】「それに今回は犯人と共犯者は男女です」
【鈴木崎】「ちゃんと当てはまってる」
【和良井】「ぅ…ちゃ、ちゃうちゃうそんなもん全部間違えとるっ!!」
【砂糖】「影山、黙ってるけどよ…お前はどうなんだ?」
ずっと静観している影山に問い掛ける。このまま黙っていても和良井がどんどん墓穴を掘っていくだけだ。
口を滑らすのも時間の問題だと思うが…。
【影山】「太郎さん、そろそろ私の正体は分かりましたか?」
【砂糖】「……」
影山の正体…正直に言えば心当たりはある。だけど確証はねえからな……でも言ってみるか。
影山もヒントは出してやがる。
俺は影山を睨み付けながら言う。
【砂糖】「お前は……お前の正体は…【超高校級の愉快犯】何じゃねえのか?」
【瀬戸内】「へ?ゆ、愉快犯って……え?影山が?」
俺の出した答えは影山は【超高校級の愉快犯】である。それを聞いた影山は口を三日月に変えてどす黒い雰囲気を纏いながら答え合わせをする。
【影山】「正解です。流石は太郎さんですね」
認めた。自分が愉快犯だと、猫屋敷の正体を知った時以上の衝撃が俺を襲う。どこかで認めたくないと思っていた自分が居たからだ。
構わず影山は紅潮しながら艶やかに心底楽しい嬉しいといった感情を全面に出して言う。
【影山】「ああ、長かったです……ようやく……太郎さんに見付けて頂けましたね。…それでは改めまして【超高校級のモブ】で【超高校級の愉快犯】でもあります。影山 琥珀とは私の事です」
【超高校級の愉快犯】影山 琥珀
そう自身の事を言い、お辞儀をして俺を見つめてくる。
【藤】「貴女が犯人だと思ってはいたけど…まさかあの愉快犯であったなんてね」
【影山】「…………あの、何か勘違いをされていませんか?」
【藤】「勘違いって…今更言い逃れしようって言うの?」
藤の言葉に首を小さく傾げる影山に藤も疑問を口にする。
【影山】「太郎さんも皆さんにも言っておきますが、私は誰も殺していませんよ?」
【藤】「…何ですって?」
【沢風】「誰も殺していないだって?それは自分が犯人じゃないって言っているのかな?」
沢風の疑問も尤もだ。クロだと全員が思っている中で誰も殺してないと言われても誰も信じないだろう。だが影山は慌て震える和良井とは正反対で落ち着いている。
【影山】「ええ、私の手は純白の白です。今回の犯人は和良井さんですから」
【瀬戸内】「……はあ?」
【和良井】「なっ!?おま、ま!?」
影山は今回のクロは和良井であると言う。それに一番大きく驚いたのは和良井だった。
【嶋野】「ちょっと!それはないでしょー!もうネタは上がってるんだから大人しくお縄に」
【和良井】「お前、裏切るんか!?何を言うてるんや!!」
【嶋野】「ふぇぇぇぇぇぇ!!?」
【和良井】「俺を勝たせてくれる約束やないんか!?そうすればここからお前も出れるんやぞ!!?」
【鷹倉】「え、何でお前がキレてんだ?」
和良井は叫ぶ。この事態に俺は混乱する。何故和良井が取り乱すんだ?何かの作戦か?普通ならここは共犯者の和良井ならクロである影山を庇う場面だろ。
…は?まさか本当に?嫌な汗が体を伝う。ここは落ち着いて影山に聞いていこう。
【砂糖】「何で和良井がクロなんだよ?なんか納得出来る証拠でもあんのかよ?」
【影山】「それはありません」
【鷹倉】「はあ?ねえのに、んな事言ってんのかよ」
【影山】「それは仕方ありません。これは信用してもらう他ありませんから」
【和良井】「い、嫌や!俺は死にたくない!そ、その女がクロや!はよ投票せえ!」
【影山】「私はクロではありません」
どっちを信じれば良いんだ?どっちが二人を殺したクロだ?影山がクロだと思っていたが尋常じゃない和良井の焦りに庇うって場面で庇わずに逆に影山を売るか?
【影山】「太郎さん、私は最初から正直に言っていますよ?木枯さんを殺したのは龍野さん。龍野さんを殺したのは和良井さん」
【和良井】「お、お前がこの事件の犯人やろが!お前が犯人や!犯人犯人犯人犯人犯人犯人犯人犯人犯人なんや!!」
和良井は影山を憎しみを込めて睨み付け叫ぶ。
【砂糖】「……一応話は聞くがどういう事だ?」
こうなりゃ俺はもう手詰まりだ。まずはこいつらの話を聞いてから判断するしかない。
【影山】「やはり太郎さんは私を見てくれますね……それではもう少し太郎さんとの時間を浸りたいですが、和良井さんでは冷静に話してくれそうにありませんし、私が一連の流れをお話しします」
【クライマックス推理】
act.1
今回の事件の発端は私、影山 琥珀の殺人計画からです。私は今回、龍野さんを殺そうと企みました。龍野さんをターゲットにした理由は単純です。
龍野さんの偽った性別と才能を前回の動機であるゲームで獲得出来ましたから…これは打ってつけの使える情報でしたし。
ですが私は知っての通り超高校級の愉快犯。自分の手では殺しません。
act.2
そこで私が目を付けたのが今回の犯人さんです。犯人さんなら今は精神的に弱っていますし簡単に騙して協力させる事が出来ますから。
私は皆さんに気付かれない様に犯人さんに近付き言葉巧みに言い、協力させる事に成功しました。
内容は殺人計画を話して、私が皆さんを誘導して犯人さんを勝たせますと言ったら簡単に信じてくれました。
act.3
次に私達は殺しやすい様、邪魔である皆さんが来ないよう保健室から遅効性の睡眠薬を持ち去りました。幸いにも私は夜ご飯を調理する担当ですから薬を入れるのは簡単でした。
桃瀬さんと龍野さんにバレない様に薬を入れるのは緊張しましたけど成功はしました。
後は私が薬が盛られた料理を出すだけです。
でも私は太郎さんには薬を盛りたくなかったので太郎さんと私自身、そしてターゲットである龍野さんには薬を盛りませんでした。ですから何故木枯さんに効果が出なかったのか不思議に思っているんですけど…まあ分かりませんし無事に死んでくれましたから良しとしますね。
act.4
薬の効果が現れ皆さんが眠りにつかれた後、夜時間に龍野さんは私と物陰に隠れた犯人さんが待つ本館二階にある更衣室前に来ました。
龍野さんが来た理由は先程の太郎さんの予想通りですよ。私がトイレに行くフリをしてこっそり龍野さんの本を盗み、外に居た犯人さんに渡して龍野さんを呼び出すメッセージを書いてもらったんです。
私が書くと字で分かりそうですから、緊張や恐怖で怯える犯人さんに書いてもらえば誰が書いたか分からなくなると思ったんですけど、ちゃんと私の想像通りに事が運んでくれました。
act.5
そして龍野さんがやって来た後は私が注意を逸らしてる途中で犯人さんに隙を見て龍野さんを殺してもらおうとしていました。
ですが私が煽りすぎてしまい龍野さんが激昂して私を殺そうと持っていた黒く染まったナイフを取り出して向かってきました。
流石に焦りはしましたけど、襲ってきて私が殺されたとしても龍野さんはクロになりオシオキ対象になりますから別に殺されても良かったんです。太郎さんから邪魔な龍野さんを排除出来るならそれ位どうって事はないです。
act.6
犯人さんも突然の事で反応が遅れ、これは私は死んでしまうなと思っていましたら私も予想外だったんですがいきなり木枯さんが私と龍野さんの間に入り込んで来て私を庇ったんです。
龍野さんも突然の事で止める事が出来ずに木枯さんの首を斬り付けてしまい、木枯さんを殺害してしまったんです。
act.7
木枯さんを殺してしまった事に動揺した龍野さんは動きを止めて呆然としていました。そこを見逃さなかった犯人さんが龍野さんを押したんです。
龍野さんも普段なら対応出来たんでしょうけど木枯さんを殺害してしまったショックで対応が出来ず、男子更衣室前までよろけてしまい、女性である龍野さんが男子更衣室に近付いてしまった為、自動小銃が作動し撃ち殺されました。
act.8
後は私が死んだ木枯さんを女子更衣室のベンチまで運び、犯人さんは龍野さんの死体をプールまで運んで捨てて頂きました。
死体ってあんなに重いんですね…運ぶのに苦労しました。これで後はどなたかに発見されるまで待つだけです。
【影山】「さて、これが私が引き起こした事件の全貌です。ですが今回罰せられるのは私ではなく木枯さんを殺害した龍野さんを殺害しました、私の共犯者であり犯人さんである超高校級の芸人の和良井 笑平さんです」
影山は事件のあらましを言っている時も和良井を犯人だと言っている時もずっと俺を、俺だけを見つめて微笑んでいた。まるでここには俺と影山しか存在していないかの様な振る舞いに不気味さが際立つ。
俺は横目でちらりと和良井を見る。そこにはただ呆然と影山を見て…いや、あれは最早虚空を見つめていた。甘い誘惑に誘われ協力をしてしまったばかりに己の破滅を招いてしまった事を悔いる事すら今は出来ない。
【和良井】「ぁ…………ま、まだ…まだや」
虚空を見つめながら小さく呟く和良井。
【和良井】「まだや…俺はまだ終わらへん……おま、お前が犯人なんや…だってそうやろ?皆もそう思うてるやろ?こいつが…こいつが考えた殺人計画なんやから…こいつがクロや…さあ…投票をしよか?」
【影山】「仕方ないですね。ならその和良井さんの希望も潰してあげますね。私は先にモノクマさんに聞いていますけど皆さんにも知ってもらわないとですね」
【和良井】「な、なんや……まだ…なんかするんか?やめ…やめてくれや…頼むから…」
【影山】「すみませんモノクマさん」
【モノクマ】「はいはい何ですか?」
和良井の制止も懇願もまるでいつも存在が気付かれない影山の様に、和良井の存在すら気付いてないかの様な対応。取りつく島もない。
【影山】「殺人計画を考えた人が他の方にその殺人計画を実行させて殺害をしましたら犯人は誰になるんですか?」
【モノクマ】「そりゃあ勿論、被害者を直接手を下した人がクロだよ!どんなに計画を立てても直接手を下してなかったらそれはシロになるよ!」
【影山】「だそうですよ」
モノクマからの宣告により、逃げ場を失った和良井。最早抵抗の意思は微塵もない。座り込み魂が抜けてしまった様に動かない。
【影山】「これで決まりましたね?和良井さんは既に私に対して裏切ったと言っていますから共犯者だと皆さんもお分かりになるでしょうし、和良井さんの焦り具合を見てもどちらが犯人か等一目瞭然ですよね?」
【瀬戸内】「……な、なあ。本当にこれで大丈夫なのかよ?これで影山が嘘とかいうオチじゃねえよな?」
【影山】「何を言ってるんですか?和良井さんの状態を良く見て下さい。あれが演技をしている様に見えますか?」
【和良井】「あいつが犯人や!犯人や!犯人や!犯人や!犯人や!犯人や!犯人や!犯人や!犯人や!犯人や!犯人や!犯人や!犯人や!犯人や!犯人や!犯人や!」
【鷹倉】「…………見えねえ」
【白】「色々と理解が出来ませんが納得する他ない様です」
【モノクマ】「…あ、やっと終わり?長かったよね今回は。もっとコンパクトに纏めてほしいものだよ!」
【モノソノ】「校長、それは仕方なき事です。諸悪の根っこは作者にありますから」
【モノクマ】「なんか色々と長ったらしくしたのは確かにそうだね!ってあれ?作者って何?」
【モノソノ】「おや、本当ですね。作者とは一体何でしょうか?ワタクシは何を言っているのでしょうかね?」
下らないモノクマ達の茶番を耳にしながら俺は影山を思わず睨んでしまう。こいつが…こいつが龍野を殺すなんて計画立てなければ龍野も木枯も死なずに済んだんだ。
そして俺は頭の片隅で思えば木枯は幸運が続いてしまったから不運にも殺されてしまったんじゃねえかって思い始めた。
黒幕である嶋野が居た隠し部屋を偶然見付けたり、睡眠薬の効果が幸運にも出なかったりし、偶然龍野と影山を見付けてしまって、不運にも二人の間に入ったばかりに…死んじまった。
木枯が何故夜時間にも関わらず外に出たのかは俺は知る由もない。眠れなかったから散歩でもしてたのか、何かを感じ取ったのかは分からねえ。
俺はもうこの場に居たくなかった。ずっと俺を見てくる影山も呆然としている和良井も混乱する皆も視界に収めたくねえ。
【和良井】「ま、待てやおい!まだ投票やあらへんぞ!!俺は犯人やない!!!」
【モノクマ】「それじゃあオマエラ!お手元のスイッチで投票お願いしまーす!!」
【和良井】「話を聞かんかおい!!!やめ、お前ら止めてくれや!!?砂糖!俺は仲間なんやろ!?なあ!?」
和良井から必死に縋り付かれる…だが……俺は………和良井から…顔を背けてしまう。
【和良井】「な、なあ皆!ちょっと落ち着けや!お、俺な訳ないやないか!!俺は天下のお笑い芸人和良井 笑平やぞ!?人を笑かす事はあれど殺すなんてする訳あらへんに決まっとるやろ!!!」
皆辛い顔をしながら顔を俯かせる。
【和良井】「………っ!!?な、なんやお前ら!!結局仲間や信じるや言うとってこれかぁ!!?」
【モノソノ】「投票の結果!クロとなるのは果たして誰なのか!?」
【和良井】「おい止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろぉぉぉぉぉぉぉ俺は被害者やぁぁぁ!!!!!」
【モノクマ】「まずは木枯サンを殺したクロに投票お願いしまーす!」
和良井の声を聞きながら俺は木枯を殺したクロ…龍野のボタンを見つめる。これを押してしまったら龍野が木枯を殺したという最悪の事実を確かなものとしてしまう。
だが反論する材料は俺にはなく悔しく情けない気持ちを抱えてボタンを……押した。
【モノクマ】「全員押したね!?じゃあ次は龍野クンを殺したクロに投票をお願いねー!」
【和良井】「認めへん認めへん認めへん認めへんぞぉぉぉぉぉ!!!」
慟哭が耳に貫き痛い…だが押さなければいけない…俺はいつの間にか和良井のボタンを押していた。
【モノクマ】「投票結果、オープン!」
結果は決まっている。和良井に投票をした俺は、それは影山を信用してしまった事を裏付けていて吐き気がしてくる。
投票結果は龍野を殺したクロ投票は一票影山に入っていたものの、その他全員から票が入ったのは和良井だった。
木枯の方は龍野に全票入っていた。
そして鳴るのは祝福を鳴らす音。俺には嘲笑の様に聞こえる。
【和良井】「あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……ああああああああああああああああああああああ"あ"あ"!!!?」
気合いを入れて挑んだ学級裁判だったが、蓋を開けてみたらとんだ結果だ。生き残れ、真実を知れたが失った代償はでかかった。
自分を睨む俺を見ていた影山はゆっくりと俺以外の皆を見渡し嘲笑冷笑侮笑、あらゆる侮蔑を込めた笑いを皆に向けた。
今まで何度も何度もその存在に気付かずに居た皆もこの時は影山に意識を奪われていた。
一通り皆を見渡した影山は最後にあえて視界に入れないようにしていた俺に目を向ける。
その目には先程までの侮蔑を込めた笑みはなく、海よりも深きどこまでも澄んでいる清らかで見るものを魅了する美しい微笑みを浮かべて熱を込めた瞳を一心に俺に向けていた。
そう感じながらも俺の心は冷えきったままだった。
【学級裁判 閉廷!】
ー次回オシオキ編に続くー
ー登場人物ー
【予備学科生徒】
【超高校級の芸人】
【超高校級のリア充】
【超高校級のメカニック】
【超高校級の放送部】
【超高校級の殺戮者】
【超高校級の氷彫刻家】
【超高校級の僧】
【超高校級の愉快犯】
【超高校級のネット配信者】
【超高校級の折り紙講師】
【超高校級の保険委員】
【超高校級のロボット】
生存者 13人
少々長くなってしまいましたが次回オシオキ編お楽しみにです!!