ハイパーダンガンロンパ   作:ゲップ助かります

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短めですがどうぞよろしくですー!!


第四章 (非)日常編3

沢風、猫屋敷が行方不明になり、次にハク、熱宮、藤も行方不明になってしまってから次の日の夜。

 

俺達は沢風達に加えてハク達も探したが特に見つかる事もなく夜飯の時間になってしまった。

 

皆の顔は暗い。影山は普通だけど…。本当にどこに行ったのやら…めぼしい場所は探したが見つからないって事は俺の研究教室みたいに何かのボタンでもないと出ないのか?

 

(でもそれならそもそも見つからない可能性の方が大きいよな…)

 

モノクマらの言う動機だとするなら、俺達には動機を見つけてもらいたい筈だ。ならそこまで難しい場所にはないと思うが…わかんねえな。

 

「はぁー…」

「全く見つかんないねー」

「そうだなーもう探したぞって自信持って言える位探したんだけどなあ…」

「もうモノクマにギブアップですー!って言って教えてもらうー?」

「そんなんでェアイツらが教える訳がねえとォ思うぞォ」

 

あいつらが教えないと言ったんだしな。俺達の手で見つけるしか道はないんだ。すると瀬戸内は急に叫んでから料理をバクバク食って、完食したと思ったら自身の食器をすぐさま片付けた。

 

「どうしたの?」

「考えても俺じゃあこんがらがるだけだ!なら俺なりに出来る事、動き回って探すしかねえよって事ですぐに探しに行ってくるぜ!」

「なら私も」

 

鈴木崎も瀬戸内と同じ様に夜飯をガツガツと食っていく。

 

「見つけたら知らせるが見つかんなかったら明日の朝早くにまた探してやるぜ!」

「あんまり無理はァすんじャァねえぞォ?」

「お前は無茶しがちなんだからよ」

「大丈夫だっての!じゃあ探してくる!」

 

瀬戸内は気合いを入れて元気に飛び出していった。あいつの底抜けの元気さにはいつも助けられるな。俺も居なくなった奴等が心配だし、早く探しに行かなくちゃな。

 

「んむんむ。ごひほうはま」

「オメーハムスターみてえだな」

「だみゃれ」

「ちゃんと噛んで喋れっつの」

「んむ…ほれはへいろん」

「へいへい、俺はいつも正論しか言わねえよー」

 

鷹倉の言った様にちゃんと噛んで食べ終わってから鈴木崎は瀬戸内に続いて探しに行った。

 

「ごちそうさまでーす!という訳でウチも行ってくるねー!!」

 

続いて嶋野が元気良く食堂から出ていくが、あいつ一人にして大丈夫か?不安はあるが俺がずっと監視してる訳にはいかないしな。

 

こうして食堂には俺と影山にゆっくりと食べていく桃瀬とだらけながら行儀悪く食べる鷹倉の四人だ。

 

「鷹倉ァ…お前は食事の間位はァもうちッとピシッとして食えねえのかよォ」

「んが?……俺なりのピシッとがこれなんだが?」

「ほゥ?なら俺が鍛えてやろうかァ…」

「あー…………勘弁しちくり~」

 

桃瀬の迫力に負けてだらけていたのを止めてちゃんとした姿勢で食べ始めた。鷹倉も桃瀬の迫力には負けるんだな。

 

「…………ご馳走さまでしたァ」

「ごっそさーん」

「ご馳走さま」

「皆さん食べるのが早いんですね」

 

影山以外の俺らが食い終わるも、隣の影山はまだ食べていた。ちびちびとした食べ方をする影山は毎回食べるのは一番遅い。

 

「はいはい…待ってるからゆっくりお前のペースで食え」

「はい、すみませんありがとうございます」

「そんじャァ俺も探しに行くぞォ」

 

桃瀬は鷹倉の分も食器を片付けてあげて食器を出ていく。出ていく前に鷹倉に話し掛ける。

 

「おィお前の分も片してやッたんだァ…ちャァんと探しに行けよォ?」

「……あーはいはい俺だってやるときゃやりますー」

 

頭をボリボリ掻きながら桃瀬と一緒に出ていく。残されたのは俺と影山だ。そこから暫くして影山も食べ終わり皆から遅れて俺達も探しに向かう。

 

俺の研究教室で隠し部屋が見つかるって事はそんな広くなくてもあるって事だからと俺の研究教室と同じ広さの空き教室を調べて探そうと各空き教室を影山と二人で調べるが特に何も見つからないまま夜時間を迎えてしまう。

 

「はぁ…見つかんなかったか…」

「これだけ探して居ないとしたら……もっと探す場所の視点を変えないといけませんね」

 

探す場所の視点を帰るって言っても…他に探してねえ場所とかあるか?もう何度も全体的に探し回ってるしな。

 

「これだけしらみ潰しに探していて何も見つからないのでしたらもう少し見方を変えなければですよね…」

「…………」

「どうしました?そんな見つめて……あの、恥ずかしいです」

 

俺から一方的に見つめてると恥ずかしくなんのかよ。いや、それよりも疑問に思ったことは…。

 

「お前が妙に協力的なのが気になるんだよ」

「私がですか?」

「この前は別に居なくなっても良いとか言ってたじゃねえか」

「はい、言いました」

「なら何で探すのに協力的になったんだよ…何か考えてんじゃねえだろうな?」

「何を言ってるんですか、私はただ太郎さんのお役に立ちたいだけですよ」

 

堂々とした態度で言いきる影山。俺は唖然とする。

 

「……まさかそれだけ?」

「私とっては大事な事ですので。探して発見してしまったらまた人数が増える…それは嫌ですが太郎さんが望まれているのなら私は一緒に探して案も考えます」

 

…これは頼もしいっちゃ頼もしいけどもまだ影山に対しては不安感と不信感が多大にあるんだよなあ。でもこう言ってくれてんだし俺一人じゃ見つかりそうにはねえからな。

 

「…なら明日も頑張るぞ」

「それではまた明日もご一緒に居て下さるんですね!ありがとうございます」

「只し、妙な真似をしたら承知しねえからな」

「はい分かりました。それではまた明日お会いしましょう」

 

影山は明るい足取りで自室に入っていった。三度目の学級裁判が終わってからは俺の部屋で寝ようとかしてたから、ちゃんと自室に戻る様になってくれて良かった…。

 

また明日も影山と探す事になっちまったがそれはもう諦めてるし、明日も気合い入れて探そう。不安は増すが信じて探せばきっと見つかる。

 

俺は不安で不安でたまらない気持ちを圧し殺して自室に入り、中々寝付けない中やっと眠りにつく。

 

……………………。

 

……………………………。

 

………………………………………。

 

 

『オマエラおはようございます。絶望ヶ峰学園校長が朝7時になった事をお知らせしてやってるよ。今日も良い絶望を!』

 

……あー、体が重い気分が良くねえ。ストレスか?最近こんな感じで目覚めるのが多くなったな。嘆いていても始まらねえし今日も沢風達を探しにいかねえと。

 

その前に飯だな。今日は桃瀬の朝食作りには参加出来なかったな。

 

ー食堂ー

 

「おはようございます」

 

食堂に入るとすぐさま影山が駆け寄ってくる。続けて既に席に座っている桃瀬と嶋野から声が掛けられる。

 

「よォ」

「おっはぁぁぁぁよぉぉぉ!!!」

「おー…はよー」

「何だァ砂糖朝から辛気くせえ顔しやがッてェ」

「およよーどったのさー具合悪い?」

「い、いや…別に」

「何かありましたら私に言って下さいね」

「そんなんじゃねえって…ただ沢風達が心配なだけだ…」

 

こうして俺らが沢風達を見つけれてない中、あいつらが何か不吉な事が起こっていたら…。

 

「砂糖ォ……」

 

俺が場の空気を重くしてしまい、誰も何も話さない中、食堂に入ってくる奴が一人。

 

「んふぁーっとーねみーねみー……んあ?何だこの空気?」

「鷹倉…」

「て言うか俺で最後なん?」

「いやァまだ鈴木崎とォ瀬戸内がォいねえけどよォ」

「……それならあいつらも行方不明じゃね?」

「え?え?な、何でそうなるの!?」

 

二人も行方不明って…確かに鷹倉より後に来る奴なんて今の面子の中には居ないけど…。

 

「鈴木崎もドスケベハゲも朝はちゃんと朝食来るだろ?」

「でも…そんなまさか…」

「ここではそんな、まさかって可能性を信じなきゃだろ?」

 

……ならあいつらは見つけたのか?動機になってるだろう沢風達が閉じ込められているだろう場所を?

 

「なら…早く…早く見つけねえとじゃねえか」

「まァ待てェ…先ずは腹ごしらえからだろォ?何も食わずに行こうざなんて俺がァ許さねえからなァ」

「う…分かってるよ」

 

桃瀬の有無を言わさない雰囲気に圧されて俺は今すぐに探しに行きたい気持ちを耐えて、朝食を取る。こうして朝食を取っていると今この場に俺、桃瀬、鷹倉、影山に嶋野だけと寂しい状況になっている。

 

いつもなら馬鹿騒ぎしている瀬戸内が居ないとこんなに静かなんだな…それに沢風や猫屋敷達も居ないと人数は減っていっている現状、更に気持ちが沈んでしまう。

 

「ご馳走さま…」

 

俺はさっと食い終わると食器を片付ける。そして片付けと終わり、食堂を出ようとする。

 

「悪いな影山、俺は先に探しに行くわ」

 

昨日一緒に探すと約束的な事はしてた影山に断りを入れる。なんか言われるか?と思ったら影山は穏やかな顔を浮かべていた。

 

「大丈夫ですよ。私は後から追いかけますので」

「…場所わかんのかよ」

「そこは…私、太郎さんの居場所は何となくわかるので」

「…そ、そうなのか…?」

「これぐらい普通ですよ」

「いやァ…普通じャァねえぞォ」

 

だよな、影山は超能力者か何かかよ…でもこれで探しに行けるな。俺は皆に一言言ってから探しに向かう、前に瀬戸内、鈴木崎の部屋に向かって居るかどうかを見に行く。

 

ノックをするがいつまで待っても出てこない…。やはり居ない様だ。そこから影山に言われた様にテキトーに探し回るのではなく、考えて探してみる事にする。

 

どこかに、何か手掛かりがあるかも…スイッチとか隠しされてるかもと細かく探していく。物が多い場所と言えばと俺は倉庫にやって来た。

 

「ここの何かに隠されたスイッチとかあったりするだろ!」

 

そこから俺は一つ一つ手に取り、探していく。その途中鷹倉も倉庫にやって来た。

 

「おーう」

「鷹倉、お前もここが怪しいと見たか」

「まーな…物が多いとこに何か隠してんのはお決まりだろ?」

「そうだよな!そういや影山はまだ食ってんのか?」

「あー…お前が居なけりゃわかんねえけど…まだ食ってると思うぜ」

 

そうだった…俺が居ないと気付かれる事がほぼねえんだった。でもまだ俺の所に来てないって事は多分食ってんだろうな。

 

「いやー…来たは良いがここを調べんのは骨が折れる作業だなー……まあ編集作業とかで根気は強い方だけどよ…」

「編集作業ってそんなに大変なのかよ?」

 

二人で一つ一つ物を手に取り調べながら話す。

 

「あったり前だろがーむしろ撮ってる間はあっという間に過ぎるけどそこからの編集がバチクソ大変なんだぞー?見られる為に凝った編集をすればその分時間は掛かりやがって寝る時間がガンガン削られんだー」

「へーそうなんだな。俺は動画のアイデアとか考えるのが大変だとか思ってたわ」

「まーそこも大変だけどよ…俺は色々な配信してんのは知ってるだろ?お前ここで会った時に俺の活動名とか言ってたし」

「おう!大好きでファンだぜ!そりゃもう更新されたら速攻見る位にはな!だって超高校級に選ばれるだろうなって思ってたしよ、ヴィクトの話はおもしれーし!」

 

弟と良く一緒に見て笑ってたな。ハマりにハマって初めてやり始めた時の動画も見返したしな!

 

「…ほー」

「あ…わ、悪い……」

「あー?何がだよ何で謝るんだよ?」

「いやだってお前ヴィクトって呼ばれんの嫌なんだろ?」

 

体育館で会った時にヴィクトと呼んだら止めろと言われたし。

 

「あー……そりゃあん時は初対面だったしよー。まあ実は初対面じゃ無かったらしいけどな」

「記憶失ってるからな。でも俺は予備学科だから面識は無さそうだけどな」

「いやー…お前のその希望ヶ峰に関しての熱量的に絶対俺らの所に入り浸ってるだろー」

「あははは、確かに俺なら入るなとか言われても本校舎に入ってお前らに話し掛けに行きそうだ」

 

果たして学園に居た空白の期間にどんな事があったのか…今の俺が知る由はないが、こうして鷹倉と、皆と笑いながら話してたりすれば良いなって思うわ。

 

「だろー?なら別に初対面でもねえしこんだけ濃い生活を共にしてんだ……だからよー………あー……呼んでも良いぜ…」

「は?声が小さくて聞こえねえぞ?何て言ってんだよ」

 

見れば渋い顔を浮かべてちょっと頬が赤く染まってる?何だこれはもしかして鷹倉が照れてんのか?あの鷹倉が?

 

俺が聞き返すと鷹倉はキッと俺を睨んだかと思えば頭をガシガシ掻き始めてため息をドッと吐く。

 

「そうかーお前は本当に鈍い奴なんだなー」

「何で馬鹿にされてんだよ…最近鈍いのは自覚してきたけどよ……」

「そんなニブチンのお前にちゃんと言ってやるよ!良く聞きやがれー?」

「お、おう」

 

妙に真剣な鷹倉に俺も自然と真剣な面持ちになる。

 

「……別にヴィクトって呼んでも良いぜ」

 

…………へ?

 

「な、何だよそのポカンとした顔はよー」

「いや、だって…よ、呼んで良いのかよ?」

「俺本人がそう言ってんだから良いんだよ」

 

…………まさかあの鷹倉から…最初はあんなに冷めててめんどくさがりだったのによ~!!

 

「……おうヴィクト、これからもよろしくな!」

 

俺は嬉しくて思わずたかく…ヴィクトに手を差し出す。

 

「ったくよーこんなんで握手とかお前はよー…まあ別にそのノリは嫌いじゃねえけどよ」

 

ヴィクトも俺の手を握り返してくれる。朝の時より大分晴れやかな気持ちになって清々しく思う。しかしヴィクトは暗い顔を浮かべ始める。

 

「…どうしたよ?」

「いや…鈴木崎も…他の奴等にもだけどよ…裏切った事が……な」

 

ポツポツと喋り出すヴィクトに俺は黙って話を聞く。

 

「バラされた時は正直終わったって思ったなー疑われて殺されっかもとか……なのに鈴木崎はよー」

 

あの時、俺も皆もヴィクトを疑っていた中、鈴木崎は信じると一言言った。それが俺も信じさせる要因にもなったんだ。

 

「最初は何を言ってんだと思ったけどよ…あいつは言葉足らずで伝える事が苦手な癖に俺を信じるって一言言ってくれた事が頭に残ってよ…あと…お前の信じるって言葉もだ…」

 

照れくさそうに頬をポリポリ掻くヴィクトに思わず笑ってしまう。

 

「あー俺のキャラじゃねえのは知ってるよ。だけど俺も変わんなきゃいけねえだろ?」

「……」

「信じてくれる奴等を俺も信じてみる事にしたんだよ。確かに黒幕の野郎からある事を餌に脅されて裏切り者になってお前らを裏切ったけどよ…」

「でもそれはお前の記憶がない時にじゃねえか。今のお前は何もしてねえんだろ」

「そう言う事でもねえだろー。それに今の俺の手だって汚れちまってんだ」

「え?」

 

ヴィクトは何かしたのか?

 

「ハク…あいつに細工をしちまったんだよ」

「ハクに?細工って…どんな事をしたんだよ?」

「モノクマから言われてな…あいつから受け取った不明のチップをハクに内蔵したんだよ…」

「それって今んところは何も起こってねえのか?」

「ああ、あいつが渡したチップが何なのか分かってねえけど…ずっと後悔してんだ……だから隙を見て取り外そうと思ってたらハクが居なくなっちまうし…」

 

そうだったのかよ。ならハクに何かおかしな事が起こってるかもしんねえ可能性も出てきたな。モノクマから受け取ったチップってのも絶対にハクに悪影響が出る物だろうし…やっぱ早い所見つけねえとだ。

 

「なら、俺らも頑張って探さないとだぞ」

「……分かってっけど……鈴木崎に何て言えば良いか」

「鈴木崎なら謝れば許してくれるだろ……ボコボコで」

「ボコボコにはされんのかよー」

「いやむしろそれで済むんなら安いもんだろ?」

「あー…やむを得ないか…分かったよ早い所見つけて謝ってハクからチップを取り除く…これで良いか?」

「おう!なら探してこうぜ」

「そうですね」

 

ん?今ヴィクトの声じゃねえ奴が返事をしたな…って一人しか居ないわな。もうこの感じに慣れてしまった自分が居てその事に驚いてるわ。

 

「おい影山…」

「はい何でしょう」

「は?何だよあいつ居んのか?」

 

俺も話に夢中で気が付かなかったからヴィクトが気付かねえのも無理はないな。

 

「お前はいつここに来たんだよ」

「ええっとですね…鷹倉さんがキャラに似合わず照れていた所からですね」

「そこからかよー…めちゃ恥ずいじゃんかぁ」

「あ、私全くこれっぽっちも微塵も興味は無いので気にしなくても大丈夫ですよ?」

「それはそれで複雑だなおい」

 

まあこれで影山も加わり三人で時間を掛けて調べていく。途中昼飯の時間になり昼飯を食べてからまた倉庫の捜索に戻る。昼飯の時は桃瀬達は居たが、何も見つけれていないとの事だ。

 

そこから夜飯まで頑張るが、倉庫にある物が多すぎる。ヴィクトも辛い怠いと言いながらも懸命に一人ずつ調べていくが…人数が少ないよなー。今居る奴等で探していっても時間は掛かるし…。

 

飽々しながらも諦めずに調べていく中、桃瀬が倉庫にやって来た。

 

「なんだお前らァこんなとこに居やがッたのかァ」

「……おー桃瀬」

「疲労困憊ッつう奴だなァ…」

「怠い怠い怠い怠い怠い」

「私は太郎さんと居るならそれだけで平気です幸せです」

「……仕方ねえなァなら俺が今から一息付けるゥ茶でも淹れてきてやるからよォ」

「す、すまねえ…」

「どうせお前らァ止めてもやめねえんだろォ?なら最低限のサポートはァするぜェ」

 

そう言ってくれた桃瀬は俺達に美味しい梅昆布茶を持ってきてくれた。ホッと一息付けてやる気も多少は回復したので調べるのを開始する。

 

桃瀬も手伝ってくれる様で、「お前らだけにィ任せられねえェ。もしヤバそうだッたらァ本気でやめさすからなァ」との事。本当に感謝だな。

 

そこから時間は経ち…。

 

「あァ…そろそろォ夜飯作る時間だなァ」

「…あ、そうだな」

「では一旦止めにしてご飯を作りましょう」

「俺も手伝うぜ桃瀬」

「おゥありがとなァ」

「お、俺は食堂で休むぞぉ…」

 

俺達四人は食堂に向かう。

 

「そう言えばよ、嶋野はどこに行ったんだよ?」

 

ふと嶋野の事が思い浮かぶ。今現在あいつ以外が集まってるしな。

 

「さあなァ…お前らにィ茶を持ッてく時にャァ見掛けたがよォ」

「どこら辺でだ?」

「別館の方に行こうとしてたぜェ」

「ふーん…そうか」

 

あいつ一人で何をしているやら…嶋野の言う事は何も信じれねえからな。こっそりと沢風達の所にでも行ってんじゃねえだろうな。

 

「あいつなら大丈夫じゃねえーの?」

「あァ?どうしてだよォ」

「いやー…あいつはなんかよー大丈夫そうじゃんか」

「何だよその弱い理由はァ…」

 

ヴィクトは嶋野が黒幕って事を知ってるだろうから、黒幕なら大丈夫だろうと思ってんだろうな。

 

嶋野に一抹の不安を抱えながらも食堂に着き、厨房にて料理を作る。最近の大体の流れになってきてんな。探して一旦飯作って食ってまた探してって…。

 

だけど見つからねえ限りは止める訳にはいかねえからな。人数も少なってしまい、作る量が極端に減ってあっという間に作り終わる。

 

そしてただ一人来ていない嶋野を待つ。……来ない。流石に来ないので食べ始め、そして影山すら食べ終わっても嶋野はやってこなかったという事は…。

 

「ちィッ…嶋野もかよォ」

「桃瀬さんが最後に嶋野さんを見たのは別館に向かっている所だったんですよね?」

「なら嶋野は別館の方で居なくなったって訳だ」

「夜時間なる前に見つけてえなー」

 

これで本館の可能性が限りなく少なくなったな、絞れてきたと思い早く探しに行こうと夜飯を食べていく。

 

「ンなに急ぐんじャァねえよォ喉に詰まるだろうがァ」

「んぐ、悪い」

「太郎さん、お水です」

「おああ、サンキュー」

「落ち着けって言っても今のお前にゃ無駄かー」

「いやここは落ち着けよォお前一人で見つけてよォ今度はお前が沢風達と同じ様に閉じ込められたら同じ事だァ」

「なら全員で行くって事で良いのか?」

「あァ」

 

仕方ねえか…俺はすぐに行きたい気持ちを我慢して皆が食い終わるのを待つ。多少時間は経ってから全員食い終わり、食器を片付けていく。

 

「これで皆見つかるな!」

「そうだなァ」

「私はもう少し遅くても…」

「まだ見つかってはねーんだから早まるなよ」

 

俺は自分の持てる皿洗いの能力を全力で使い洗っていく。何が起こるかは分からないから気を付けていかなければ。

 

元々少ない皿の数だ。もう後少しで終わるなと洗っていた、その時。

 

 

ピンポンパンポーン!

 

どこまでも明るい音だが、俺達にとっては今まで嫌な出来事しか運んでこない絶望の扉。その扉が…。

 

 

『死体が発見されました!一定の捜査時間の後【学級裁判】を開きます!オマエラ、死体発見現場の校庭にある柔道場まで急いで集合してください!』

 

 

開かれてしまった。

 

「……おいおーい…ちょ、っとマジでかぁ?」

 

大きく目を見開き、ヴィクトは小さく呟く。

 

「私は喜ばしい事ですね。これでまた太郎さんと二人きりになれる時間が増えますね」

 

三日月に口を開いて笑う影山は俺に向かってそう言う。

 

「あァクソがァ!!何だよォ…何があッたッてんだよォ!!」

 

悲しそうに叫び、行き場のない怒りを自身の拳に込めて握り締め続ける桃瀬。

 

そして俺は…呆然としながらも冷静にああ、またか…何て思っていた。

 

もしかして心のどこかでは悟っていたのかもしれない。モノクマらが積極的に動かない訳がない。待ちの姿勢でいる訳がない。沢風と猫屋敷が居なくなってから俺は探し続けたが、見つからずにただ時間だけが過ぎていった。

 

その間、動機を与えられた沢風が猫屋敷が熱宮や藤にハク…瀬戸内に鈴木崎…嶋野も…なのかもな…あいつらが無事で居るなんて甘ったれた考えをして蓋をしていたが、俺はこうなる事を予測していたんだろう。

 

「校庭と言われてましたが一体どこから行けば良いんでしょうか?」

「ンなモン知らねえぞォ!おィモノクマァ!!早い所連れてけゴラァ!!」

「おやおや全く呑気に過ごしていたキミタチは我が儘が極まってますね~それよりコロシアイのペースが順調で良きですなあ!!」

 

桃瀬からの呼び掛けに来たのはモノソノだ。

 

「おィ!ご託は良いからどこから行きャァ良いんだァ!!?」

「ちょ、ちょちょちょっと待ってください教えますから!教えますから今にも殴ろうとすんなよ!!」

「……殴るなよ桃瀬?」

「砂糖…あァ…分かッてるゥ」

 

殴ってしまい、桃瀬までが死んでしまうのは絶対に嫌だ。桃瀬も分かってくれて止めてくれて良かった。

 

「何だ案外砂糖クンが冷静なんですね…ツマラナイですが良いでしょう。良いですか?キミタチにはまだモノクマファイルを配っていません。ネタバレ何てツマンナイですもんねえ?」

「良いから早く案内、よろしくー」

「裏切り者のクセに何なんですかアナタも…まあ良いでしょう!それでは着いてきて下さい!」

 

モノソノに渋々着いていく事になる。そして着いた場所は本館と別館を繋ぐ渡り廊下…?こんな所に何があるってんだよ?

 

「渡り廊下に緑豊かな草木が見えますよね」

「まァ…」

「無駄に緑豊かですよね。ここにあなたの言う動機があるんですか?」

「まあまあ…とりあえずワタクシの指差す方に向かってみて下さい…うっぷっぷ」

 

モノソノの指差す方、渡り廊下の横にある草木に向かっていく。こんな所に何があると言うのか…草木をかき分け進んでいくと見えてきたのは…。

 

扉だ。普通に渡り廊下を渡っていたら草や無駄にでかい木で隠れて見えなかっただろう扉があった。これが…出現したっていう動機?

 

「それ開けて大丈夫なんか?」

「でも入りませんとご遺体がある校庭には行けないんですよね?」

 

そうだ、何があるかはわからねえし誰が死んだかもわかんねえけど…進まなきゃ始まりもしねえんだ。沢風達も心配なんだ。

 

俺は力を込めてドアノブを回す。呆気なく開く扉の先を潜っていく……この先誰か一人は無事ではない。

 

誰かは死んでいる。

 

誰かが殺した。

 

また始まるんだ…俺は先に進んでいく……。

 

 

 

 

ーーー時は少し戻りーーー

 

 

ピンポンパンポーン!

 

 

『死体が発見されました!一定の捜査時間の後【学級裁判】を開きます!オマエラ、死体発見現場の校庭にある柔道場まで急いで集合してください!』

 

 

「…………何でだよ」

 

呟く。目の前には頭から血を流して倒れている者が居る。呟いた者はふらつく足取りで一歩進む。

 

「何で君が……何でこんな事が…誰が……」

 

その問いには誰も答えない。

 

今にも倒れそうな者を見かねて見ていた一人が支える。

 

「……大丈夫ですか?」

「…………また始まるんだね…」

 

支えてきた者の問い掛けには答えず嘆き悲しむ。これで四度目になるのか…一体何度繰り返せば良いのか?

 

「うぷぷぷぷぷ…………やあやあやあやあ…オマエラの言っていた希望って…こういう事かな?」

「黙れ!」

「うぷ、うぷぷぷぷ…どうしたのさ~?一番ボクに反発してたクセにさ~ねえ?」

 

モノクマは嫌らしい笑みを持ち、近寄る。

 

「………ねえ今どんな気持ちなのかな?」

 

不快にし、深く淀んだ気持ちが自身の中に満たされていく。

 

「砂糖クン達もどんな反応をするかな~?」

 

猛毒を塗りつけてくる。

 

「いや…オマエラの方は砂糖クン達に怒りを抱くんじゃない?」

 

まだおいうちをかけてくる。

 

「オマエラの状況を知らずに居た彼等はどんな反応をするのかなー?楽しみだねー!」

 

黙り続ける者を守るように他の者が反論をする。それを意に返さないモノクマは言う。

 

「もうすぐ砂糖クン達も来るから!後は捜査を頑張ってね!」

 

モノクマは黙り続ける者を見つめてにやつく。

 

「そーんな暗い気持ちに何なんでよーオマエラがどう足掻いても無駄な事だったんだからさ!」

 

そして消える直前モノクマは言い残す。

 

「ねえ?皆のリーダー沢風クン?」

 

沢風俊也は

 

「く…」

 

力を込めて

 

「くそおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

叫ぶ。その声は響き渡る。まだ来ていない者にも届いていく。

 

叫び嘆く沢風俊也の目の前には割れたサングラスの破片が飛び散り、サングラスの持ち主である瀬戸内太陽がボロボロの姿で頭から血を流して倒れていた……。

 

柔道場である畳を赤く染めていきながら鮮血は流れていく……。

 

沢風俊也を辛そうに見つめる熱宮燐火、沢風を支えるハクは黙って沢風の慟哭を聞き続ける。間もなく現在生き残っている者達は集い、来る学級裁判に備えるべく捜査をしていく…だがその前に時間は大きく遡る……。

 

ー続くー

 

 

 

ー登場人物ー

 

【予備学科生徒】砂糖(サトウ) 太郎(タロウ)

 

【超高校級のリア充】沢風(サワカゼ) 俊也(シュンヤ)

 

【超高校級のメカニック】鈴木崎(スズキザキ) 美佳子(ミカコ)

 

【超高校級の放送部】嶋野(シマノ) 恵子(エコ)

 

【超高校級の殺戮者】猫屋敷(ネコヤシキ) 狛犬(コマイ)

 

【超高校級の氷彫刻家】熱宮(ネツミヤ) 燐火(リンカ)

 

【超高校級の僧】瀬戸内(セトウチ) 太陽(タイヨウ)

 

【超高校級の愉快犯】影山(カゲヤマ) 琥珀(コハク)

 

【超高校級のネット配信者】 鷹倉(タカクラ) ルゥ ヴィクトー

 

【超高校級の折り紙講師】 (フジ) 織姫(オリヒメ)

 

【超高校級の保険委員】 桃瀬(モモセ) 一護(イチゴ)

 

【超高校級のロボット】(ハク)

 

生存者 12人 ➡ 11人?

 

 




あらま大変な事態ですね~
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