ハイパーダンガンロンパ   作:ゲップ助かります

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お待たせしました。


第四章 (非)日常編5

校庭にやって来たハクに、粗方の事を話し終えて三人は遊具広場でこの状況を打破する為に何をするかを話し合っていた。

 

「校庭から出る事が一番の目標だね」

「次に出られなかった場合の為に食料を探す、ですね」

「あとは~何か大事な情報でも~あれば~良いよね~」

「じゃあ何をしようか…俺は怪しそうな場所を片っ端から探してみるよ」

「ならハクは食べれそうな物を探します」

「ええ~と~俺はね~俺は~~~とにかく何かを探す~」

 

それから三人は別れて探しに行った。沢風は外周を探す事にした。ハクは畑に本当に何もないのか掘って探し、猫屋敷はのんびりと遊具広場を探していたが次第に眠くなり遊具に寝転がって寝てしまう。

 

それから暫く時間が経ち、外周を見て回っていた沢風が畑近くを通り掛かると見えたのは土の山だった。驚き慎重に近付いてみると畑には大きな穴がちらほらと出来ていたので、その一つを覗き込むとそこにはハクが土を掘っていた。

 

「あ、あの…ハクさん」

「しゅんやですか、どうもです」

「うん…ずっとここで掘ってたの?」

「はい。くま校長でももしかしましたら取り忘れがあるかもと思ったのです」

「それで何か見つかった?」

「いえ…食料も虫すら発見出来ませんでした」

「虫って…見つかったら俺達に食べさせる…訳じゃないよね?」

「何を言っているんですか?虫も貴重な食料になり得ます」

 

真面目な顔で言うハクに困った顔で笑う。死ぬかどうかの瀬戸際にまでなれば虫を食べるのも手ではあるが…それでもやはり嫌なものは嫌ではある。

 

だが虫は一匹足りとて見つからなかった様だ。モノクマは周到に準備をして食べられる物を無くした様だ。ハクもこれ以上掘り続けても見つからないと判断し、穴から這い上がって戻ってきた。

 

「もし何もなければこの土や草も視野に入れないとですね…」

「…………え?」

 

服に付いた土を振り払いながらハクは言う。その言葉に沢風は愕然とする。そこまで追い込まれたら…そうするしかないのか…と。

 

「と、とりあえず猫屋敷の所に行ってみようか!何か見つけたかもしれないし!」

「そうですね」

 

このまま話を広げるのも怖いので、猫屋敷の元に行く事にした。どこに居るかと探すと遊具広場で、まだ眠っていた。

 

「ちょっと猫屋敷、起きてくれよ猫屋敷って!」

「ん~~~?あれ~沢風君にハク~」

「…一応聞くけどずっとここに居た?」

「あ~うん~気付いたら寝ちゃってた~」

 

猫屋敷らしい言葉に沢風もため息一つ吐く、とそこでグゥゥと音が鳴る。音の出所は二つ…沢風と猫屋敷だ。猫屋敷は鳴った場所であるお腹を押さえて唸る。沢風も流石にぐったりする。唯一食べなくても動けるハクは二人を見つめる。

 

「すみません…ハクが何も見つけれなかったばかりに」

「い、いやいやハクさんのせいじゃないから!こうなったのもモノクマのせいだしどうしても限界だってなったらさっき言ってた草でも食べてやり過ごすよ!」

「え~?草食べるの~?」

「食べれそうな物がそれぐらいしかないんだから仕方ないよ!」

 

ハクを気遣い、猫屋敷を嗜めていると毎度お馴染みのモノクマがひょこっと現れた。

 

「はーいこんにちはー!」

「…また来たのか」

「邪魔~」

「…………」

「うっわ酷いねオマエラ!ハクサンに至っては無視って!」

「話したくないので」

「でも今話したね!はいざまぁ!うぷうぷぷぷぷ」

 

あの鈴木崎に似ている常に無表情な顔を心底嫌そうに歪めてモノクマを横目で見るハクに表情変える機能が付いていたのかと思う二人であった。

 

「まあおちょくるのもこれ位にしてオマエラにお知らせが二点あるんだ!」

「……どうせ下らない事だろ」

「いやいやいやー!超重要だよ!オマエラ今ここの草食うとか言ってたよね?」

「不本意ながら~」

「食べても良いけど死ぬよ?良いの?」

「……毒草という事ですか」

「はーいその通りです!ここの草にもついでに畑の土も毒をたっぷり染み込ませて、汚染させた特別製の物になってるんだよ!人間追い込まれたら何でも食べて生き残ろうとか思うからねー!」

 

それはつまり完全に校庭には食べられる物はないという事だ。ここまで用意周到に草にも土にも毒を付けるとは…毒に汚染されているから虫等も居なかったのかと納得して、憎々しげに睨み付ける。

 

「沢風クンからの熱い視線にボク溶けちゃうよ!」

「……もう一つはなんだ?」

「そんなに先を急いでどうするの!もっと落ち着けば良いのにーここでは焦っていけばいくほどカロリー消費して余計にお腹減るよ?」

「良いから早く話せよ!それで早く消えてくれ!」

 

お腹が減っている事も相まって、苛々が増していく。モノクマの狙い通りになっている事は分かっているが、ニヤニヤとこちらを馬鹿にしてくるモノクマに、苛つきは止まりそうもない。

 

「全く沢風クンは駆け引きってものがないよねー。んじゃあ言ってあげるけど後少しでここに人が来るからー」

「な…お前が誘導したのか!?クソッ!」

「いやだから先走んないでって!ボクは何もしてないよ、勝手にここに繋がる扉を見つけたヤツが居たんだよ!もう中庭の扉は入ってるから本当にすぐ来るから後はよろしくね」

「え、もう入ってる!?ってあ!」

 

モノクマの言葉に驚いてる間に当のモノクマは消えて去ってしまった。そのタイミングで出入り口の扉が開きまた校庭に人が増える。

 

「あら、ご機嫌よう」

「あんたら!?それにハクもこんな所に居たのかい!」

 

やって来た二人組は腕組みをして優雅に歩いてくる藤に沢風達を見て驚きながらズカズカと近付いてくる熱宮だ。

 

「やっぱり私の予想通りだったわね」

「それなら私にも教えてくれても良いじゃないかい」

「何を言ってるのかしら?貴女は勝手に着いてきただけじゃない」

「あんたを一人で行かせてらんないじゃないか」

「えっと…二人はモノクマに教えられてここに来たの?」

 

話し合う二人の間に入り、モノクマの誘導によるものかを聞くと藤はモノクマに対して嫌悪感丸出しの嫌な顔を浮かべる。

 

「あんなのから教えられて来る訳ないじゃない。私は私自身の力で見付けたのよ」

「藤が何か知ってそうだったから私は無理矢理着いてきたって訳さ」

「なるほど~あの隠された扉を~見付けるなんて~凄いね~」

「別に少し見方を変えれば見付かるわよ」

 

そうは言っても渡り廊下の中庭に何かあるとは思わないし、茂みの相当奥に見付からない様にある扉を発見する等、簡単には出来ないだろう。藤の観察眼は思っていた以上に凄かった。

 

「それで…あなた達はここに閉じ込められたのよね?」

「うんそうなんだ…ここはさ…」

 

沢風はここに閉じ込められた経緯とこの校庭の構図、今回の動機を全て話した。すると藤は渋い顔を浮かべて首を振る。

 

「まあそんな事だろうとは思ったわ…」

「えっと…一つ聞いていいかな?」

「……何かしら?」

「……あの……ええっと…」

「…何よ…早く言いなさいよ」

 

やけに歯切れが悪い沢風は頭をポリポリと掻く。するとハクがズバッと沢風が言い淀んだ疑問を聞く。

 

「ここの事をある程度予想していたおりひめは何故ここに来たのですか?」

 

そう、そこだ。藤の口振りによれば校庭に閉じ込められると予想出来ていただろうに何故素直に閉じ込められに来たのか。

 

「…………」

「…あの、藤さん?」

「どうしましたかおりひめ」

「…………」

「具合でも~悪いのかな~?」

「別に悪くないわよ……」

「じゃあ~何でここに来たのさ~」

「あっと…それはまあ、私のせいってもんだねえ」

 

何故かその質問に黙る藤。その横に居た熱宮が申し訳なさそうにしていた。

 

「どういう事ですかりんか」

「藤と中庭の扉まで来てさ、沢風と猫屋敷が居るって言われていてもたってもいられなくてねえ…すぐに中に入っちまってねえ」

「え?な、なら熱宮さんの後を追って来たって事?」

「私がすぐ入るとは思ってなかったんだろうねえ、直ぐ様私の後を追って入ってきてくれたんだよ」

「ちょ、ちょっと止めなさい口を閉じなさい」

「凄く焦って私を心配して入ってくれてねえ…申し訳ないったらありゃしないよ」

「熱宮さん!ちょっとあなた達、勘違いするんじゃないわよ?私は生き残る自信があったから入ったのよ?」

「へ?でも私を追って入った時に、『勝手に中に入ったら駄目じゃない!きっと罠に決まってるわよ!』って本気で心配してるって」

「だから止めなさいって言ってるでしょう!?」

「もぉ!?もがもが…」

 

熱宮の口を手で押さえて喋るのを止める、真っ赤な顔をした藤。それを見て沢風は優しい笑みを浮かべる。

 

「二人とも仲良しなんだね…」

「素直じゃあ~ないよね~」

「微笑ましいとはこう言う事を言うんですね」

「違うわよ!そういうんじゃないって言ってるでしょう!」

「もがもが」

 

それから落ち着くまで少し時間が掛かった。落ち着くと一先ず辺りも暗くなってきたので、一応休む場所である柔道場に集まった。

 

「しかし食べ物が無いなんてねえ…」

「それで追い込んで殺し合わせる魂胆って訳ね」

「そんな所さ~」

「昨日今日でここに食べ物が無い事は確認済みなんだ…」

「ここの土も草も毒がたっぷりらしいので食べる事は出来ませんし今の所現状は最悪です」

 

改めて現状を知らされると、如何に理不尽な場なのかが分かる。

 

「それで…明日からどうしようか?」

「そうだねえ…諦めずに突破口を探すって手もあるけど、極力動かずに居るって手もあるしねえ…」

「私はいざって時の為に動かずに居るわ」

 

確かにそれも一つの手ではある。校庭の全体を調べ回り、どこにも穴がないと知った沢風も、今はあまり動かない方が良いのではと思ってしまう。

 

諦めずに探して行きたいとも思うが、慣れない環境に体は重く怠く、そして何よりもお腹が減っている。

 

水だけだとお腹は満たされず、水だけでもある程度生きていけるとは知っているが、空腹感は襲ってくる。それがとても辛かった。

 

「ん~俺も~あんまり動きたくないや~」

 

猫屋敷も調子悪そうにしている。空腹は人間にとって抗いようがない。今回の動機は今までで一番汚く、そして殺し合いをさせるにはうってつけの物だ。

 

「私はもう寝させてもらうわ」

 

このまま話し合っていても良い方向に進むとは思えないと藤は沢風達から離れて眠りにつく事にした。しかし熱宮が藤の側まで近付くと、同じ様に隣に寝転がった。

 

「ちょっと熱宮さん?私が離れたのが見えなかったのかしら?」

「そんな訳ないじゃないか。女子を一人で寝させらんないだろうからねえ」

「……貴女も女子でしょうに…」

 

熱宮が退かないだろう態度に、藤も仕方ないと諦める。熱宮の押しの強さに藤は弱い様で、現にここまでも押しきられて着いてくる事を許可している。

 

そんな二人にハクも近寄る。

 

「ではハクもそちらで眠らせてもらいます。ますたーからハクは女子更衣室を使ってと言われてますし女子扱い…という事でしょうから」

「ああ、良いよ。ほらおいでハク」

「……勝手に言ってくれちゃって…はぁ」

 

ハクまで来る事を断りたかった藤だが、どうせ熱宮に言っても無駄だろうと諦めて早く寝る事に専念する。

 

そんな女性陣を見ていた沢風と猫屋敷は話す。

 

「こんな状況になってもたくましいね」

「ね~でも~心強くて助かる~」

「あははは、本当に俺達が情けなく見えてくるよ」

「まあ~心強い味方も増えたし~良いじゃない~」

「うん…それより猫屋敷は大丈夫?具合悪そうだけど…」

 

先程も調子悪そうにしていた猫屋敷は、眉間にしわを寄せて辛そうな表情を浮かべていた。

 

「ん~~~大丈夫だよ~」

「そうは見えないんだけど…本当に大丈夫なのかい?」

「だぁ~いじょぶだって~ほら~明日に備えて早く寝よ~」

 

余りその事に対して言及してほしくないのか、沢風に背を向けて寝転ぶ。沢風も心配そうにしていたが、仕方なく寝る事にした。

 

(ん~これはヤバいよね~)

 

猫屋敷はいつもの飄々とした顔を潜ませて、不安げな顔を浮かべる。そして比較的腹が減っていない藤達はすぐに眠りにつき、お腹が減っている沢風達は中々寝付けなかったが何とか眠りについた。

 

そして沢風、猫屋敷が校庭に閉じ込められて三日目の朝、沢風が目覚めるとハクが何をするでもなく立っていた。怠く感じながら体を起こすとハクはこちらに気付き近寄ってきた。

 

「おはようございます、しゅんや」

「うん、おはよう」

 

一番に目覚めたのはハクの様だ。スリープモードがあるハクが目覚めているとすれば時間は五時を過ぎている様だ。

 

「皆はまだ寝てる様だね」

「はい、恐らく後少しで朝のアナウンスが鳴ります」

「じゃあそろそろ七時って事か…」

 

いつもは目覚ましを掛けているのでもう少し早くに目覚める沢風だが、モノフォンを多用出来ない現状では目を覚ます時間に違いが出るのは仕方のない事だ。

 

朝の日課である食堂に集まる事が出来ない今、これから何をするかに迷う。藤の様に勘の良い人は中庭の扉に気付き、こちらに来るだろうしそれがなくてもモノクマの誘導でここまで来てしまうのは時間の問題だろう。そうなる前に何とか現状を打破できる術を見付けたい所だ。

 

ピンポンパンポーン!

 

『オマエラおはようございます。絶望ヶ峰学園校長が朝7時になった事をお知らせしてやってるよ。今日も良い絶望を!』

 

今後に付いて考えていたら、朝のアナウンスが鳴った。その音を聞いて藤と熱宮も目を覚ました。

 

「やあ二人ともおはよう」

「ああ、おはよう」

「……」

 

寝起きも相まって鋭い目付きの藤は、挨拶は返さずそっぽを向いた。沢風は苦笑いを浮かべた。

 

「しっかし体が痛いねえ」

「当たり前ね、寝る環境ではないんだから」

「でも他に眠れそうな場所はないんだよね」

「このまま時間が過ぎればジリ貧だねえ…」

「そうね。でも今この場には有名な殺人鬼さんも居るんだし、近い内に殺人が起きて、ここから出られるわよ」

 

藤の言葉に全員で未だに眠っている猫屋敷を見る。

 

「で、でも猫屋敷は誰も殺さないって」

「そんなの信じれる訳ないじゃない。今まで何十人何百人と数え切れない程の人を殺してきた快楽殺人者さんが、この状況で殺人をしないなんて可能性は限りなく0に近いわよ?」

「…ぅ…でも…それでも俺は信じたい…」

「愚かね…私は極力殺人鬼さんともあなた達にも近付かないわ。眠れる場所も探して見付けてみせるわ」

「そんな場所、ここ以外に該当する場所はありませんよ?」

「あら、それはあなた達の判断で、でしょう?私は私なりのやり方でいくから…それじゃあ精々頑張れば?」

 

振り返る事はせず、藤は柔道場を出ていってしまった。しかし見かねた熱宮が直ぐ様追い掛けに行く。出ていく途中でこちらに振り返る。

 

「やっぱり藤一人は心配だし私は藤に付いとくよ!」

「分かった!藤さんの事は任せたよ!」

 

こうして、柔道場には沢風、ハクにまだ寝ている猫屋敷だけになった。そろそろ猫屋敷も起こそうと近付く。

 

「猫屋敷、もう朝だよ?そろそろ起きないと……」

 

しかし猫屋敷の顔を見て言葉を止めた。辛そうな顔をしていたからだ。沢風は何か猫屋敷の身に起こったのか心配して強めに声を掛けた。

 

「猫屋敷!起きてくれ猫屋敷!どうしたんだ!?」

「………ん~?」

「……っ!猫屋敷!大丈夫かい!?」

 

目を細く開けて、ゆっくりとこちらを見た猫屋敷はまだ多少辛そうながらいつもの様なのんびりした声で喋る。

 

「や~おはよ~どうしたのさ~?」

「あ、いや…猫屋敷が辛そうだったから、どうしたのかなって心配でさ」

「…あ~別に~何ともないからさ~大丈夫~大丈夫~」

 

そう言って笑う猫屋敷だが、明らかに無理をしている様子なのはバレバレだ。

 

「なあ猫屋敷…辛かったり悩んでたりしたら…相談してくれよ?」

「…にゃは~沢風君は~優しいね~」

「こまい、微力ながらハクも相談してほしいです」

「おやや~こりは~モテ期到来かにゃ~?」

「茶化さないでくれよ。自分を追い詰める前に…良ければ話してほしい」

 

沢風の真剣な顔に猫屋敷は困った様な笑みを浮かべる。

 

「いや~はは~まあ~前向きに~考えとくよ~」

「その言い方は言わない可能性が高いと思うのですが」

「ハクちゃんは~どこでそんな知識を身に付けたのかね~まあ~とりあえず今日も頑張ってこ~か~」

「あ、ちょっと猫屋敷!?」

 

結局何も言ってくれず、猫屋敷はフラフラといつもよりも調子が悪そうな足取りで逃げる様に出て行ってしまった。立ち尽くしたまま沢風は心配そうに猫屋敷が出ていった方を見る。

 

「……」

「しゅんやはこれからどうしますか?」

「あ、えっと…あはは、どうしようか…」

「でしたらしゅんやは休んでいて下さい」

「え?何でかな?俺はとりあえず助かる道を探そうかとか思ってたんだけど」

「いえ、本当はこまいも休んでいてほしいのですが、しゅんやは既に三日、ここに閉じ込められているんです。水分補給はしていますが、食べ物は一切口にしていないこの状況、休んでいた方が良いです」

 

確かに胃の中はからっぽだ。ずっとお腹は減っている。

 

「だけど…ここで休んでても落ち着かないし…俺は少しでも校庭をくまなく探して助かる術を見付けたいんだ」

 

沢風の性格上、ここで一人休んでいても落ち着かなく休めない。なら動いていた方が気持ち的には楽だ。

 

「そうですか…ですが駄目です認めません」

「え?」

「しゅんやが何を言おうとも今日は休んで頂きます」

「で、でも」

「でも、もありません」

 

有無を言わさぬ迫力を纏いハクは顔を近付けてくる。その迫力に何も言えなくなってしまう。

 

「こまいもすぐに連れ戻します。あなた方は一番危険な状態なんですから」

「……」

「不服そうな顔をされても駄目ですから。今日はおりひめやりんかにハクに任せて休んでいてもらいます。今からすぐにこまいも連れてくるので、それでは」

「……あ」

 

ハクが猫屋敷を連れ戻しに行ってしまい、柔道場には沢風一人になった。

 

「……いやでも…やっぱり休んでなんていられない」

 

元来の性格のせいでハクに言われたにも関わらず、外に出て行こうとする。

 

「…何処へ行こうとしてるんです?」

「っ!?」

 

扉を開けるとそこには仁王立ちするハクがいつもの無表情ながら、先程よりも更に凄みのある迫力でこちらを見つめてくる。

 

「えっと……」

「ハクは言いましたよね?休んでいて下さいと?しゅんやは無理をする性格ですからね…予想はしていました」

「い、いやと、トイレに行く…つもりだったんだよ?」

「なるほど…でしたら何故すぐにそう言わなかったんですか?それは嘘であるからですよね」

「そんな事」

「ではハクも見張りとして着いていきますよ?良いのですか?」

「……やっぱり今はいいや…」

「ではしっかりと休んでいて下さいね?もし戻ってきて居なかった場合は……分かってますよね?」

「……はい」

 

それでは今度こそ行ってきますと言い、ハクは猫屋敷を探しに行った。流石に自分を心配して言ってくれているし、無下には出来ないと仕方なく座って休む事にした。

 

それからモヤモヤした気持ちを抱えながら時間が経ち、ハクが猫屋敷を連れて戻ってきた。

 

「それでは、こまいもちゃんと休んでいて下さい」

「ん~了解しました~」

「では」

 

猫屋敷はフラフラとした足取りで柔道場の隅まで行き、沢風とは離れた位置に体を丸めて眠る体制に入ってしまった。

 

そんな猫屋敷におずおずと沢風は話し掛ける。

 

「ねえ…今、良いかな?」

「ん~?何かな~?」

「いや…さっきの事でさ、やっぱり心配で…だって今も猫屋敷、辛そうだし…」

「あ~にゃは~どうしても気になっちゃう~?」

「当たり前だよ!猫屋敷がどうして辛いのか…理由が分からなければ何も出来ないよ…」

「沢風君は~本当に優しいんだね~砂糖君みたいだ~」

「確かに砂糖は優しいよね…それに強い…」

「それは~沢風君もさ~……あ~仕方ないね~聞いた所で~どうにも出来ないよ~?」

「そんなの聞いてみなきゃ分からないよ!」

 

仕方ないと肩をすくめて猫屋敷は話す。

 

「この辛い顔さ~実は殺人欲求が~疼いてきてるんだよ~」

「殺人…欲求…」

「そ~僕は~もう堕ちて戻れない程の~殺人中毒者何だよ~時間が経てば~経つ程に~誰かを殺したい~って気持ちが膨らんでくんだ~」

「……」

「いつもは~まだ全然我慢出来たんだけど~お腹激減りに~好きな睡眠も~環境が悪いし~プラスで俺の愛用の鉤爪もあるもんだから~疼きが止まらなくて~無理矢理我慢してたから~辛いんだよ~」

 

そう喋る猫屋敷は今も辛そうだ。殺人欲求等、気持ちは一切分からない。だが以前猫屋敷が言っていた殺人欲求は皆で言うお腹が減った状態だと聞いていた。なので、何とも言えない気持ちになってしまう。

 

「……な、ならここから出られれば…」

「ん~でも~それでも難しいかな~」

「え…な、何で?」

「だって~もう疼いてきちゃってるんだもん~ここから出れて~お腹を満たして~フカフカのお布団で寝ても~一時凌ぎにしかなんないよ~すぐにまた疼いてくるよ~」

「なら…ならどうすれば良いんだい?」

「ん~今まで通り殺人が起きれば~疼きは止まるよ~」

「そんなの!?」

「うん~駄目な事だよね~俺は~約束だから~殺人はしたくないし~」

「そんなの…そんなのどうすればいいんだ…」

 

八方ふさがり、元々は殺人鬼の猫屋敷がここまで誰も殺さずに居られた事が奇跡なのだ。本来ならとっくに誰かを殺していただろうが、これまで定期的に殺し合いが起こり、そのお陰で何とかここまで誰も殺さずに居たが、それも限界に近かった。

 

頭を抱えてこの絶望的な状況を打破する術を考える沢風に辛い中、無理矢理穏やかな笑みを浮かべた猫屋敷は沢風に語り掛ける。

 

「でも~大丈夫だよ~僕さ~一番平和的な~解決方法思い付いたからさ~」

「……え?そんなのあるの?」

「うん~だから~安心してね~」

「そ、それってどんな方法なんだい?」

「にゃっふっふっふ~今は~言えにゃ~い~」

「ええ!?そんな言ってくれても良いじゃないか!」

「まあ~まあ~焦らない~焦らない~俺眠たいし~そろそろ寝させてよ~」

「え?…ちょ、猫屋敷?」

 

結局その後もしつこく聞いてみたが、喋ってくれず猫屋敷は寝てしまった。凄く気になるが話してくれず、更にモヤモヤした気持ちを持ったまま時間は過ぎていった。だが、暇な事も相まって時間の進みが異常に遅く感じた。

 

そんな暇な沢風、猫屋敷とは離れた場所では藤、熱宮が校庭を粗方探し回り終わっていた。二人は超高校級の僧の研究教室で休んでいた。

 

「歩いてみて分かるけどここは本当に広いんだねえ」

「お陰で疲れたわ。だけどまあ、柔道場で寝なくてもここで眠れそうだって分かったから良かったわ。それに柔道場よりもマシな物も手に入った事だし収穫は上々だわ」

「本当だねえ。後で沢風達にも分けてやんないとだ」

 

そう言う二人の手には大きな袋があった。中身はクッション。超高校級のゲーマーの研究教室のUFOキャッチャーで手に入れた物だ。食糧は一切ないが、クッションがあったのはまだ良かった。

 

手に取ってみて分かるが、安物のあまりフカフカではないクッションだが贅沢は言っていられない。何度でも出来るので時間を掛けたがある程度クッションを手に入れた。

 

藤は自分の分だけだが、熱宮は沢風達の分も少しだけ獲得していたので、後で渡そうと決めていた。

 

「それで藤はここで動かないって訳かい?」

「ええそうよ」

「そんなんで良いのかい?」

「どうせ殺し合いは止められないのよ。なら体力は温存しておかないといけないのよ」

「どうせ私が否定しても考えは変わらないんだろうねえ」

「当然でしょう?この最悪な状況ではどう生き残るかが重要なのよ」

 

藤はクッションを床に敷くとそこに座り込む。

 

「全く仕方ないねえ…それじゃあ私はこの残りのクッションを沢風達に渡しに行ってくるよ」

「別に貴女は戻ってこなくても良いのよ?」

「そうはいかないねえ、あんた一人には出来ないから」

「はあ…貴女もその考えは変わらない様ね…」

「そりゃあ私は頑固者だからねえ。それじゃあすぐに戻るよ」

 

熱宮が出ていき、藤はやっと一人になれたと思う。熱宮は砂糖よりもしつこく、そして強引だ。何度も拒否したのに結局こうして行動を共にしてしまっている。そしてその事についてそこまで嫌に思っていない自分もいるから困っている。

 

「私もまだまだね…」

 

自分を蔑みながらもその顔は嬉しさを滲ませて笑っていた。

 

そして時間は過ぎ、この日も現状を改善出来る術がないまま、夜になってしまう。沢風はハクに言われた通りこの日はずっと柔道場で休んでいた。

 

途中、熱宮がクッションを届けに来てくれて、超高校級の僧の研究教室を寝床にする事を聞いた。猫屋敷とは起きた時に解決策を何度か聞いてみたもののはぐらかされてしまい、聞けず仕舞いのままだ。

 

ハクは熱宮達の方には行かずこちらに居る様だ。そして校庭に閉じ込められてしまった三日目が終わった。

 

そして四日目…。結論から言えばこの日も何も状況を良くする事はなかった。朝は具合の悪い沢風に更に辛そうな猫屋敷。藤も熱宮もお腹が減ってはいるがまだ余裕はある。

 

ハクから今日も休んでいてと言われるも沢風は拒否し、言い合いを続けた結果、ハクが折れて自分が付き添う条件で一緒に校庭を調べ回った。猫屋敷は動いていると殺意が増してしまうので、じっと眠る事にした。

 

藤は体力温存の為に極力動かず僧の研究教室に閉じ籠った。熱宮はじっとする性分ではなく時折外に出て校庭をくまなく調べていった。

 

夜になり、沢風は重く怠い自身の体を、気合いで動かして柔道場まで帰る。モノフォンをちらと見て時間を確認すると、夜ご飯の時間だ。ご飯の事は考えない様にしていても頭にちらついてしまう。それを無理矢理見ないフリをしてハクと猫屋敷に話し掛ける。

 

「今日でもう四日だね…」

「ここまで調べて無いとすれば抜け穴等は無いんでしょうね…旧舘の扉は道具さえあれば開きそうなんですが…」

 

当然その道具がないので無理だ。

 

「いやはや~モノクマ達は~憎たらしい~完璧な仕事ぶりだね~」

「そう言ってくれるとボクも鼻高々だよ!」

「いや~褒めてないんだよね~って~あれ~?」

「モノクマ!?」

 

毎度お馴染み呼んでもないのに会話に邪魔入りしてくるモノクマ。警戒心張り巡らせる沢風を無視してモノクマは語り掛けてくる。

 

「オマエラに朗報だよ!また校庭にノコノコとやって来た奴が居るから後はよろしく!」

「何だって!?くっ…二人とも!早く行こう!」

「あ~待ってよ~」

「体調が悪いのですから急がない方が良いですよしゅんや」

 

二人の声も気にせずふらつきながらも出入口に向かって走る。沢風を急いで追い掛ける猫屋敷とハクが柔道場を出ていくとモノクマだけになる。

 

「あらら?もっとボクに罵倒でもしてくるかと思ったけどそんな余裕も無さそうだね!そんな沢風クンには後でもう少し煽ってみよっと!うぷぷぷうぷぷぷぷ!」

 

柔道場にモノクマの不気味な笑い声が響き渡る。

 

「おおぉ!?お前ら!やっと会えたぜぇ!!」

 

沢風達が校庭に入ってきた扉まで行くと、そこには既に藤と熱宮の二人が居た。そして元気な大きい声で、こちらに手を振りながら喋り掛けてくるのは瀬戸内であった。

 

「瀬戸内!?君も来ちゃったんだね…」

「当たり前よ!モノクマがお前らがヤバい状況だって言うんだからすぐに行かねえとだろ!?」

「はぁー愚直過ぎるわもう少し冷静な人だったら良かったのによりにもよって貴方なんて…」

「なんだとおいそんな言う事ねえだろ!」

「モノクマもそれを分かって誘導する人物を選んでそうですね」

「ちょ、ハク?何か失礼な事言ってねえか?」

「いえ気のせいです」

「あ、そうか。それで何でお前ら戻って来ねえんだ?」

「そんな事も分からないのかしら?」

「おう!」

「はあ…もしかして有益な事でもあるかもって仕方なく来たけど貴方じゃ無駄に決まってるわよね…私は戻るから後はよろしくね」

 

元々来たくはなかったが熱宮に引っ張られて来た藤は自分に利が無い事が分かると早々にまた超高校級の僧の研究教室に戻った。

 

「な、なんでぇあのやろー!俺に対して棘突き刺し過ぎだろ!?せめて状況を説明してくれよ!」

 

しっかりと馬鹿にされた瀬戸内は地団駄を踏みながら去っていく藤の背中を指差して文句を言う。それを宥めながら沢風は話し掛ける。

 

「まあまあ、俺が説明するよ」

「おう!ありがとうな!」

 

少しの時間を要して説明終わると瀬戸内は最初はモノクマの卑劣なやり方に怒ったが、次第に申し訳なさそうにしていく。

 

「考えなしに突っ走って来ちまった…せめて食料持って来てりゃ…」

「あんたがそんな事嘆いても仕方ないさ」

「そうだよ~気にしないで良いからさ~」

「大体それを言うなら私も食料なんて持ってきてないんだから」

「俺達は瀬戸内を責めないよ。全部悪いのはモノクマなんだ」

「え、ちょっと待ってよそれは責任転嫁も良いとこじゃないの!?」

「……くま校長は着いてきたのですか?」

 

いつの間にか皆の間に混ざり込んでいたモノクマが文句を言ってくる。

 

「着いてきちゃ悪い?それよりも沢風クンの今の発言はいただけないね!」

「そうは言っても、全部悪いのは君じゃないか」

「あーやだやだ!今時の奴等ったらすーぐに人のせい!」

「どう考えてもあんたが私らを閉じ込めて理不尽な事を強要してくるからじゃないか…」

「でもさあ!何度でも言ってやるけど殺し合うかどうかはオマエラの勝手じゃん!殺人を犯した奴等の自業自得!」

 

何度もモノクマは同じ様に自分達に非がある様に言ってくる。それに一番早く怒ったのは瀬戸内だ。

 

「その減らず口閉じやがれ!もう俺達は殺し合いなんかはしねえんだからな!」

「瀬戸内の言う通りだねえ。こんな所からとっとと出ていってやるよ」

「え?オマエラなんか秘策でもあるの?ここから出る方法は誰かを殺すしかないんだよ?」

「殺人以外にも方法はある筈です。ハクも諦めません」

「そうは言ってもハクサンはここに居ても無事だし、それにそこに居る殺人鬼の猫屋敷クンも居るんだよ?」

 

言われて皆が猫屋敷を見る。いつもより体のふらつきが大きく、今にも倒れてしまいそうだ。それを必死に我慢しており苦しそうだ。

 

(猫屋敷…)

 

沢風は知っている。今も猫屋敷は己の殺人衝動を抑えている事を。沢風以外の皆は猫屋敷を心配しながらも、猫屋敷のただならぬ雰囲気に疑い、警戒心を持ち始めていた。

 

そんな皆の空気を察したモノクマは更に顔を歪めて楽しそうに笑う。

 

「うぷぷぷ、どうやら今の状況的にコロシアイが起こるのは近そうだね!」

「そ、そんな事はねえよ!?」

「あれ?どうしたのさ瀬戸内クン?さっきまでの威勢が無くなってるよ?それに皆もどうしたのさ?」

「……猫屋敷、あんた大丈夫なのかい?」

「…………えっと~いや~あはは~」

 

熱宮に聞かれて困ったように笑う。大丈夫と言いたいが自分の現状ではもう今すぐにでも誰かを殺してやりたい、誰かが死なないかと疼いていた。我慢しようにも次に襲ってくるお腹が減っている事実、それに自分に合わない環境での睡眠に精神がすり減っていた。

 

猫屋敷は図太そうに見えて案外繊細な心を持っていた。拘りが強いとも言えた。その為に今回の動機は一番効いていた。

 

そして視線をさ迷わせ、弁解する言葉が見付からない猫屋敷と、この状況をどうしようか迷っていた沢風の視線が合わさった。沢風は不安げに揺れる猫屋敷の瞳を見てハッとさせられる。

 

「……皆、大丈夫」

「んん?何が大丈夫なのさ沢風クン?」

「モノクマ、君に言っておくよ。猫屋敷は…誰も殺さない」

 

いきなり発した沢風の言葉には猫屋敷本人を含めて驚きを与えた。モノクマは一瞬驚いたものの、すぐに調子を戻す。

 

「何で猫屋敷クンが誰も殺さないって言えるのさ!見たら分かるじゃない猫屋敷クンの様子がおかしい事は!」

「猫屋敷は言ったんだ…誰も殺さないって」

「……沢風君~」

「は?もしかしてそんな殺人鬼が言った殺さない宣言を信じてるとかじゃないよね?」

「え?逆に言えば信じる以外の他の選択肢はないよね?」

 

先程まで気持ちが揺れて不安だった姿が嘘の様に沢風はモノクマを真っ直ぐに見つめる。

 

(殺人鬼の過去を持っていたって猫屋敷は俺達の仲間なんだ。俺は今苦しそうに我慢をしてくれている猫屋敷を信じる。俺が無駄に迷っている暇なんかないんだ!)

 

「皆!猫屋敷を信じる俺を信じてくれないか!希望を持とう!モノクマなんかに負けてちゃ駄目だ!」

「えええ!?さっきまでの絶望的な弱々しい沢風クンはどこに行ったのさー!」

「猫屋敷が自分自身と戦ってるんだ!俺が弱ってる暇はないんだ!だからモノクマ…君に宣言しておくぞ!俺達は校庭から出て、この学園からも皆で出てやる!」

 

沢風は自信に満ち溢れていて力を込めながら言い放った。そんな沢風を見て他の皆の瞳にも力が戻る。

 

「ハクもサポートします」

「そうだよねえ。仲間を信じないでどうすんだって話だよ!私達は負けないよ!」

「……あぁぁぁぁ!!俺は何て情けねえんだ!ダチを信じ切れなかったなんてぇぇぇぇ!」

「瀬戸内君~そんな気にしなくても~」

「いいや猫屋敷!お前には謝らせれくれ!すまねえ!」

「ん~や~別に大丈夫だよ~僕はそう思われても仕方ないって分かってるから~」

「これで分かっただろモノクマ?俺達は君の言う絶望には屈さないからね!」

 

モノクマのペースだったが沢風の持ち前のカリスマ性により、何とか呑まれずに雰囲気を良く出来た。そんな中、当のモノクマは…。

 

「おおお!流石は超高校級のリア充だよ!人を魅了して自分の空気に引き込めるその才能!沢風クンは格好良いね!」

「……え?」

 

悔しがるかと思ったら沢風を称賛し始めた。これには全員戸惑う。

 

「何でここで褒めてくんだよ?」

「今までのくま校長でしたらどうせ悔しがると思ったのですが…違いましたね」

「と言うか人を褒めるって事が出来たんだねえ」

「いや~でもここで褒めるのって~不気味だよね~」

「うん…凄く不気味だ」

「オマエラがボクの事をどう思ってるのかが良く分かったよ…ボクも褒める事はするよ全く!」

 

やはりモノクマの行動は読めない。だが決意は固まり、団結力が深まった沢風達には今、何を言っても無駄だろうと判断したモノクマは早々に撤退する事に決めた。

 

「いやー沢風クンの良い所を見れたし満足だよ!そのキラッキラして眩しいリア充な沢風クンの絶望した姿をこれから見れると思ったら、ゾクゾクしちゃうね!」

 

興奮しながら言うモノクマは、くねくね気持ち悪い動きをしてから去っていった。

 

「ふう…やっと帰ったねえ。私は藤の所に戻るとするよ、それじゃあまた明日」

「うん。また明日だね」

 

熱宮が去っていき、沢風達も柔道場に戻る事にした。柔道場に入り、猫屋敷はすぐに寝てしまうも瀬戸内から砂糖達の様子を聞いたりや、逆に沢風達の校庭での生活を話したりしていたらあっという間に夜時間になった。

 

やはり場を明るくしてくれる騒がしい瀬戸内が居るお陰か、話し合うと時間の流れが早くなった様に感じた。

 

いつの間にやら瀬戸内もハクもスリープモードに入ってしまい、沢風も寝ようとするも空腹で眠るのに時間を要した。何とか無理矢理眠り、翌日を迎えた。

 

ピンポンパンポーン!

 

『オマエラおはようございます。絶望ヶ峰学園校長が朝7時になった事をお知らせしてやってるよ。今日も良い絶望を!』

 

「…………んん、あ…ふぁ……朝か」

「起きましたか」

「よっす沢風、後は猫屋敷だけだな」

「沢風、おはよ」

「ん、ああおはよう…………あれ?え?えええぇぇぇぇぇぇ!!?」

 

久し振りに聞いた様なぶっきらぼうな声に寝ぼけた思考が疑問を持ち、すぐにそちらの方を向けば一気に意識が覚醒して大声をあげる。その大声に猫屋敷も驚きながら飛び起きて辺りを見渡す。

 

「んにゃ~!?敵襲~?まさかの敵襲なの~?って~ありゃ~?そこに居るのは~鈴木崎さんじゃ~ないか~」

「ん、猫屋敷もおはよ」

 

いつの間にか柔道場に居た人物は鈴木崎であった。ハクの側に居ていつも通りの無表情を浮かべて猫屋敷に挨拶をしている。

 

「おはよう~鈴木崎さんは~いつここに来たのさ~?」

 

未だパニックの沢風に変わり、驚きながらも疑問を口にする猫屋敷。

 

「夜中に来た」

「よ、夜中に?モノクマから言われたの?でも何で夜中に?え?」

「しゅんやは落ち着いて下さい。ハクから説明しますと、ますたーはハク達が心配で夜時間後も探していたんです。そして偶然にも中庭の扉を見つけて、来たという訳です」

「粗方の事は校庭に来た時にモノクマから説明されて、俺らを起こすのも悪いって校庭を調べたりして時間潰してたらしいぜ」

 

そして、ハクのスリープモードが解除される時間に柔道場に来て、ハクと話していて今に至るとの事。

 

「それじゃあ私は旧舘の扉を調べる」

 

心配していたハクが無事で安心した鈴木崎は、すぐに柔道場から出ようとする。ハクはその後ろを着いていく。瀬戸内は疑問に思い鈴木崎を引き止める。

 

「旧舘の扉調べてどうすんだよ?」

「多分、鈴木崎さんは旧舘の扉が開けれるか調べるんじゃないかな」

「おお!?開けれるのかぁ!?」

 

興奮して大きな声を出す瀬戸内は顔に喜びを全面に浮かべていた。そんな瀬戸内をギロリと睨む鈴木崎。大きな声が煩かったのだろう。

 

「まだ調べてないから何とも言えない。もしかしたら持ってる工具で開くかも」

「それじゃ~期待してるよ~」

「今は鈴木崎さんしか開けれそうか人は居ないし、頼むよ」

「うん。ほらハクも着いてきて」

「いえすまいますたー」

 

鈴木崎とハクは旧舘の扉まで向かっていった。

 

「これで上手いこといけばここから出ていけるな!」

「うん…これで旧舘に食べ物があれば何とかなるね」

「ふにゃ~出来るなら~早く~限界だよ~」

「俺もそこまで飯食ってなかったからよ…腹減っちまった」

 

沢風も口には出さないが本当は腹が減っているし、猫屋敷もだが腹が減った音がずっと鳴っている。水だけではお腹はある程度は膨れはするも空腹は止まらない。

 

ここに閉じ込められ、何も口にせずに水だけで五日目だ。生きてはいられるが辛いのは辛い。それに栄養も足りてないのでフラフラしてくるし体全体が重く怠い。瀬戸内もそんな二人を心配するが、今の自分には何も出来る事はないと分かっている為、歯を食い縛る。

 

そして暫く話し合っていた三人だが、これからどうするかという話題になる。

 

「俺は~動きたくないし~ここに居る~」

「俺は…鈴木崎さん達の所に行ってみるよ」

「俺も気になるしよ、着いて行かせてくれよ!」

「うん、良いよ」

 

こうして沢風と瀬戸内の二人は鈴木崎の様子を見に行く事にした。

 

旧舘の入口まで行くと、鈴木崎は扉をガチャガチャと調べていて横にはハクがその様子をジッと見ていた。瀬戸内は元気よく二人に声を掛けると、二人は沢風達の方を向いた。

 

「やあ二人とも」

「ん。やっほ」

「どうだ鈴木崎!開きそうか?」

 

鈴木崎は珍しく分かりやすい渋い顔を浮かべると、首を左右に振った。

 

「……そっか」

「ごめん」

「鈴木崎さんが謝る必要はないよ」

「そうだ、開かねえなら……仕方ねえよ」

 

鈴木崎の表情から察して開かないと分かった二人も暗い顔を浮かべる。仄かに灯った希望の火はいとも簡単に消え去ってしまった。しかし沢風はすぐに明るい顔を無理矢理に浮かべて励ます。

 

「まだこれで道が無くなった訳じゃないよ!皆で他に何か案がないか話し合おうよ!」

「ん。私も工具はあるし何か出来るかも」

「ハクもお手伝いします」

 

鈴木崎もハクも諦めまいと火を再度灯すが、瀬戸内は暗い顔のままだった。

 

「……瀬戸内?」

「…本当に…まだなんか出来んのかな?」

「え?」

「いや…だってよ……あの用意周到なモノクマが抜け道を放っておくと思うか?そんなもんとっとと塞いでるだろ…」

「そんなの試してみないと分からない」

「でもよぉ!具体的な案も何もねえのに大丈夫とか言えねえだろ!?俺は猫屋敷が心配なんだよ!やっぱりどこかで不安に俺は思っちまってんだよ!」

 

本来の瀬戸内なら真っ直ぐに猫屋敷を信じていただろうが、今までの出来事や猫屋敷の過去、そして今の状況により揺らいでしまっている様だ。沢風は何とか落ち着かせようとするも、それより早くに瀬戸内は背を向けてきた。

 

「悪い…今は冷静でいられねえや。頭冷やしに行ってくるわ…」

「あ!?瀬戸内!」

 

呼び止めるも瀬戸内はそのまま走り去ってしまう。残された沢風達は重苦しい雰囲気が漂う。

 

「……私は持ってる物で何か出来ないか考えてみる」

「…それだったら熱宮さん達の方で一緒に考えた方が良いんじゃないかな?」

「りんかとおりひめと話し合った方が良い案が浮かぶかもしれませんね」

「ならそうする。ありがと沢風」

「いやこれ位は大した事してないよ。皆で協力していかなきゃだしね」

 

鈴木崎とハクが熱宮と藤が居る超高校級の僧の研究教室に行くと、沢風は一人ぼっちになる。沢風はそれから何をするか悩むも先程の事も心配し、瀬戸内を探す事にした。

 

猫屋敷の事も心配で、もしかしたら帰っているかもと柔道場に向かった。

 

柔道場に着き、中に入ると中には猫屋敷一人しか居なかった。どうやら瀬戸内は柔道場には居ない様だ。沢風は辛そうに寝転がっている猫屋敷に声を掛ける。

 

「調子はどうかな?」

「最悪に~絶不調~気を抜けば誰かを殺してしまいそう~」

「………」

「そう言えば~鈴木崎さんは~どうだったの~?」

「えっと…」

 

ここで本当の事を告げるべきか迷う。だがどのみち分かる事だと伝える事にした。

 

「無理そうだって…だから猫屋敷には耐えてもらうしかないんだ…」

「あ~了解~」

「ごめん…出来るだけ早く何とかするから」

「いや~あはは~それがさ~後一日耐えれるか~分からないんだ~」

「え…そ、そんなギリギリなのか!?」

「いやはや~俺も耐えてるんだけどね~もう限界だよ~」

 

沢風は焦る…だが良い案等はすぐに浮かぶ筈もない。ならこのまま猫屋敷が誰かを殺してしまうまで待つかと言われればそれだけは絶対に阻止したい。

 

「そう言えばさ~瀬戸内君はどしたの~?」

 

落ち着かない思考で悩んでいた沢風に猫屋敷は一緒に居た筈の瀬戸内が何故居ないのかを聞く。

 

「あっと、瀬戸内は…鈴木崎さん達と一緒に話し合ってる所さ」

「あ~そうなんだ~」

「うんそうなんだ!俺は猫屋敷が心配で様子を見に来たんだ!」

 

流石に瀬戸内の事は言えずに誤魔化した。

 

「じゃあ~僕も話し合いに参加しないとかな~?」

「あ、いや猫屋敷は休んでて良いよ!」

「あ~本当~?ならお言葉に甘えて~」

「う、うん!じゃあ俺は鈴木崎さん達の所に戻るね!」

「は~い~頑張ってね~」

 

嘘を付いてしまった為に沢風は柔道場から出る事になってしまった。疲れているが何とか体を動かして瀬戸内をまた探す事にした。今の瀬戸内は危険だ。気持ちがマイナスの方へ揺れている…とにかく話し合わなければ。

 

そこから出来るだけ急いで探すも既に走る元気もない沢風は、ゆっくり歩いていく。そして時間を掛けて瀬戸内を探していると辺りが段々暗くなっていき、丁度校庭の出入り口近くまで来た時に、いきなり扉が開いた。

 

「え?」

 

突然の事に沢風は体を硬直させて、ゆっくりそちらを見ると、入ってきて人物は沢風の姿を見て驚きながら近付いてくる。

 

「しゅんやくん居たぁぁぁぁ!!!やっと見付けたよー!やっほやっほっほー!!」

「し、嶋野さん…」

 

元気そうな嶋野は元気のない沢風を見て訝しむ。

 

「あんれ?やつれてるじゃんか!?どうしたのさ!それよりここはなに?偶然見つけた扉入ったらこんな場所があったとはーびっくりんごりらっぱだよ!」

「あ、あはは…とりあえずここについて話すよ…」

「うん!ありがとーしゅんやくん!」

 

そこから怠いと思いながらも気合いで嶋野に校庭での事を話し終える。

 

「なっるほどー!…ん?と言う事は超ピンチって事!?だからしゅんやくんそんなにげっそりしてるんだね!?ごめんなさいウチご飯持って来てないやー!ならここから早く出ないとだよね!どうしようかどうしようかー!?」

「えっと…嶋野さん、まずは落ち着こうよ」

「あ!そうだよね!?ウチがテンパってもどうしようもないよね!ならまずは…えっと……メカ子達の所に行ってみるよ!」

「なら案内するよ」

「ほんとに!?ありがとー!まだ来たばっかりで地形とか全然わかんないし助かる!」

 

嶋野を連れて超高校級の僧の研究教室に入る。そこには熱宮と藤が居た。

 

「なんだい…今度は嶋野が来たのかい?」

「やっほっほー!ホムラっちにプリンセスちゃん!」

「また騒がしい人が…」

「えっと…鈴木崎さんとハクさんは?」

「二人なら何か使える物がないかって外に出てったよ」

 

話し合いは平行線を辿り、特に良い考えも思い付かなかったらしい。

 

「そう言えば鈴木崎から聞いたけど瀬戸内は大丈夫かい?」

「えっと…まだ瀬戸内と会えてないんだ…」

「へ?ギラリンがどったのさ?」

「瀬戸内は…あー…何て言ったらいいかな…」

「お馬鹿さんはね、殺人鬼さんが誰かを殺さないか不安で仕方なくて怯えてるのよ」

「ちょっと藤、そんな言い方はないんじゃないかい?」

「あら事実じゃない?それで勝手に怯えて逃げちゃったんでしょ?」

「違うよ…瀬戸内は頭を冷やすって…」

「そんなの無駄な事だって分かりきってるのに本当にお馬鹿さんよね」

 

何を言っても自分の考えを変えてくれない藤に、言い返したかったが疲れていてめんどくさくなった沢風は黙ってしまう。

 

「藤は冷たい奴だねえ」

「これが私だから仕方ないわ」

「全く…それで沢風は瀬戸内を探してたんだね?」

「あ、ああ…でも見付からなくて」

「なら私も探すよ」

「え?良いの?」

「当たり前じゃないか。あんた言ってたじゃないか、助け合うのが大事だって」

「あ!ウチもウチも手伝う!だって今一番元気なのってウチだし!」

「あ、ありがとう…」

 

藤は当然探しには行かないと座り込んだままだが、熱宮と嶋野も加えて瀬戸内を探しに行く。分かれて探す事にして見付けたらここに連れてくる事にした。

 

それから中々に広い校庭を探していく。辺りはすっかり真っ暗になってしまった。モノフォンで時間を確認すると夜の8時半を過ぎていた。

 

「瀬戸内…どこに居るんだ?」

 

疲れもピークをとっくに超えていて地面に座り込む。頭も重く気分も苦しく辛い。だがそれ以上に猫屋敷は辛いだろうし瀬戸内も悩んでいるんだ。自分がここで休んでいては駄目だと力を振り絞り立った、その瞬間…。

 

「……え!?」

 

突如鳴り響く聞いた事がない音。方角的に柔道場の方から聞こえてくる様だ。沢風は謎の音に戸惑いながらもなんの音だろうと音の方へ向かう。

 

大きい音はすぐに止むが、沢風は止まらずに出来るだけ急ぐ。そして何とか柔道場まで着くと、入口にはハクと熱宮が立っていた。

 

「ハクさん!熱宮さん!」

 

二人とも呆然と立っていた。一切動かずに柔道場の中をずっと見ていた。沢風は不安な思いを抱えながらも近付く。

 

「さっきの音ってなんだったの?」

 

二人からの返答はない。そして柔道場と言えば今日ずっと中で休んでいた猫屋敷の事を思って更に不安になる。

 

「二人とも何で黙ってるのさ!?中で何が……ぁ…」

 

ようやく柔道場の中を見る、そして絶望した。

 

 

 

目の前の光景に沢風も呆然とする。

 

 

 

そして

 

 

 

ピンポンパンポーン!

 

 

 

鳴り響くチャイムに

 

 

 

『死体が発見されました!一定の捜査時間の後【学級裁判】を開きます!オマエラ、死体発見現場の校庭にある柔道場まで急いで集合してください!』

 

 

 

聞こえてくるモノクマの声

 

 

 

あの謎の大きな音を聞いてから、二人の様子を見てから予想は出来ていた。

 

 

 

だが否定をしたかった。

 

 

 

あれほど強く思っていた、殺し合いなんかはしないと誓ったのにそれは簡単に壊れてしまう。

 

 

 

「…………何でだよ」

 

呟く。

 

目の前には頭から血を流して倒れている者が居る。沢風はふらつく足取りで一歩進む。

 

「何で君が……何でこんな事が…誰が……」

 

その問いには誰も答えない。

 

疲れも相まって倒れそうになる沢風を見かねてハクが支える。

 

「……大丈夫ですか?」

「…………また始まるんだね…」

 

ハクの問い掛けには答えず沢風はボソリと呟き、嘆き悲しむ。熱宮はそんな沢風を心痛そうに見る。

 

これで四度目になるのか…一体何度繰り返せば良いのか?

 

「うぷぷぷぷぷ…………やあやあやあやあ…オマエラの言っていた希望って…こういう事かな?」

「黙れ!」

「うぷ、うぷぷぷぷ…どうしたのさ~?一番ボクに反発してたクセにさ~ねえ?」

 

沢風のすぐ側に出てきたモノクマは嫌らしい笑みを沢風に浮かべて近寄ってくる。

 

「………ねえ今どんな気持ちなのかな?」

「…………」

 

沢風を不快にし深く淀んだ気持ちが沢風の中に満たされていく。

 

「砂糖クン達もどんな反応をするかな~?」

 

猛毒を塗りつけてくる。

 

「いや…オマエラの方は砂糖クン達に怒りを抱くんじゃない?」

「…………」

 

まだおいうちをかけてくる。

 

「オマエラの状況を知らずに居た彼等はどんな反応をするのかなー?楽しみだねー!」

「…………」

「黙りな!これ以上沢風を傷付けるんじゃないよ!」

 

黙り続ける沢風を守るように他の熱宮が反論をする。それを意に返さないモノクマは言う。

 

「もうすぐ砂糖クン達も来るから!後は捜査を頑張ってね!」

「…………」

 

モノクマは黙り続ける沢風を見つめてにやつく。

 

「そーんな暗い気持ちになんないでよーオマエラがどう足掻いても無駄な事だったんだからさ!」

「…………」

 

そして消える直前モノクマは言い残す。

 

「ねえ?皆のリーダー沢風クン?」

「…………ぅ…」

 

 

 

言われた沢風は顔をグシャッと歪めて

 

 

 

「ぅぅぅうう……く…っ!」

 

 

 

力を込めて

 

 

 

「くそおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

 

 

 

叫ぶ。

 

 

 

その声は響き渡る。

 

 

 

まだ来ていない者にも届いていく。

 

 

 

己の不甲斐なさ、悔しさ、モノクマへの怒り等を込めてひたすらに叫び悲しむ。

 

 

 

叫び嘆く沢風の目の前には……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

割れたサングラスの破片が飛び散り、サングラスの持ち主である超高校級の僧、瀬戸内 太陽がボロボロの姿で頭から血を流して柔道場の壁際に倒れていた……。

 

 

 

柔道場である畳やクッションを赤く染めていきながら鮮血は流れていく……。

 

 

 

そして瀬戸内と真逆に位置する場所には……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

割れて破片が飛び散っている眼鏡に同じくボロボロの姿で頭から血を流して倒れているのは超高校級の殺戮者、猫屋敷 狛犬だった。

 

沢風を辛そうに見つめる熱宮、沢風を支えるハクは黙って沢風の慟哭を聞き続ける。間もなく現在生き残っている者達は集い、来る学級裁判に備えるべく捜査をしていく……。

 

 

ー次回、捜査編に続くー

 

 

 

ー登場人物ー

 

【予備学科生徒】砂糖(サトウ) 太郎(タロウ)

 

【超高校級のリア充】沢風(サワカゼ) 俊也(シュンヤ)

 

【超高校級のメカニック】鈴木崎(スズキザキ) 美佳子(ミカコ)

 

【超高校級の放送部】嶋野(シマノ) 恵子(エコ)

 

【超高校級の氷彫刻家】熱宮(ネツミヤ) 燐火(リンカ)

 

【超高校級の愉快犯】影山(カゲヤマ) 琥珀(コハク)

 

【超高校級のネット配信者】 鷹倉(タカクラ) ルゥ ヴィクトー

 

【超高校級の折り紙講師】 (フジ) 織姫(オリヒメ)

 

【超高校級の保険委員】 桃瀬(モモセ) 一護(イチゴ)

 

【超高校級のロボット】(ハク)

 

生存者 12人 ➡ 10人……?

 

 

 

 




次回をお楽しみに!
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