クロスオーバー世界の破壊者 NEO-DECADE 作:サルミアッキ
金閣寺…――――、黄金の屋根の上にそれはいた。星雲に映像を投影させてレオ・ゾディアーツと異世界のライダーの戦いを見ている。いつもならば派手でありながら寺院の趣を損なわない外見と雰囲気のこの場所。だが今この瞬間は、たった一体の怪物の姿が金色の建築物を絢爛でありながら趣味の悪さを引き出している。
『……この程度、なのかな。世界の破壊者っていうのは……』
彼女の言葉通り、レオと競り合うライダーにはこれといった脅威の度合いは感じられない。ダメージを与え与えられというだけの戦いだった。
【……お望みなら見せてやるのも吝かじゃないんだが?】
『……お?』
突如、アリエス・ゾディアーツの興味を引く現象が起きた。映像内のピンク色のライダーが『彼女』に向けて視線を合わせてきたのである。
【チラチラ見られてるのは鬱陶しい。次からはこっちに直接顔出せ、そこのアマ】
そしてレオ・ゾディアーツの向こうで手を薙ぐと、雲散霧消するネビュラのモニター。それに呆気にとられるアリエス・ゾディアーツだが、次第に腹の底からある感情が沸き上がって来た。
驚愕、興味、関心……そして未知。数々の思いが入り乱れる中、一番大きな鎌首をもたげた感情が溢れ出る。
『へー……もしかして…、コケにされたのかな?』
ゆっくり緩慢な様子で立ち上がった金色の王は、杖コッペリウスを掲げると強靭な脚力で金閣寺から飛び去っていた。
『……決めた、こっちのほうが面白いよね』
◆◆◆◆◆◆◆
『……どこに向かって話していたんだ、お前?』
「いや何、出歯亀が俺たちの事を見ていたみたいだったからな。お前としてもサシの勝負に割り込まれたくなかったろ」
鍔迫り合いをレオとしながらDエグゼイドが口を開く。それにレオ・ゾディアーツは苦い顔。
『ッ、アリエスか。だがどうやって……』
「聞くだけ無駄だ。俺もどうやったかなんて分からん」
剣戟を続けながら“接続を切っておいた”、となんてことなく言ったDエグゼイド。マッチョなライオンがその外見に似合わず小首を捻る。…――――『言ってる意味が解らんぞ』、と。
彼は軽く言ったが、そもそも全く別の場所からの観測者を自力で逆探知しその接触を断ったのだ。どう考えても“人間”業ではない。しかも都合よく無意識のうちに。
『ちっ……その点だけは感謝すればいいのか。戦う相手にするのも、おかしな話だが!』
「同じような輩のよしみだ、その必要は無い。俺はこれでも“良い奴”らしいから……な!」
ガシャコンブレイカーを投げ捨てると、どこかから取り出したガシャコンキースラッシャーを大きく振りかぶりダメージを与えていくディケイド。その一撃はレオの手甲をカチ上げ、コズミックエナジーの固定化を解除するほどだった。
『ぐ……』
「ついでにもう一発、ガキにはキツイお注射だ」
彼はガシャコンキースラッシャーの黄色のボタンを押しガンモードに切り替える。そしてためらうことなく引き金を引いた。
【ズキュキュキューン!】
…――――だが。
「……ん?これは」
突如発生し盾となったダスタードたちが吹き飛び、レオ・ゾディアーツに向かうはずだったエネルギーは、突如現れたゾディアーツの杖に集束されていった。
『ご苦労さん、レオ』
『……アラネアか』
クロークを脱ぎ捨てたゾディアーツがエムの傍らに立っている。キチキチと身体の各部に動く蜘蛛の足も上機嫌な様子だった。一方のレオは不満げである。今の戦闘で上下関係付き合いが面倒な女に借りを作ってしまったのは彼女のプライドが許せないのだろう。
『要石は既に壊しておいた。残るは二つだ、……!』
悪寒を感じたアラネア・ゾディアーツは左腕でソレを防ぐ。
『おっと……お前との戦いはまた今度だ、ディケイド!』
「待て待て。そいつを連れてどこ行くんだ?」
エネルギーを纏ったキースラッシャーが乱暴に、かつ的確に振るわれアラネア・ゾディアーツは装甲の堅い腕で身を守り後ずさる。
『こちとらお前に構ってる時間なんざねぇんだよ。…………けど、てめぇ等が京都にいなけりゃ始まんねぇんだから世話ねぇぜ、全くよぉ!』
「そうか奇遇だな。俺もお前らに構っている時間は無い。とっとと俺に倒されろ」
【FINAL ATTACK RIDE……――――E-E-E-EX-AID!】
コミカルな光やエフェクトがキースラッシャーに集まり、オレンジと水色の閃光を引いた斬撃の軌跡が二体のゾディアーツへと到達する。間違いなくこのままでは戦闘不能になることを彼女らは本能で感じ取った。
『……チッ』
『クソが、まだ倒れる訳には…、ッ…!』
瞬時に前に出るレオ・ゾディアーツ。二人に攻撃がぶつかるか否かというタイミングで、獅子の手の中にあった『別のスイッチ』のボタンが押され、そして…――――。
「きゃっ!」
上空から星屑忍者たちを排除していた更識楯無の悲鳴が聞こえた。空気が衝撃によって吹き飛ばされ、ソニックムーブが発生したのだ。それほどの破壊力がある技を放ったディケイドは、ゆっくりと爆破地点を振り返る。
「…――――お?」
驚いたことに両者とも無事だった。身を乗り出したレオ・ゾディアーツは片膝をついたマドカへと変化していたが、目立った外傷は見受けられない。一方のアラネア・ゾディアーツは庇った腕から煙を立たせている。
『……覚えてやがれ。おら、立てエム!』
「そっちこそ勝手に出てきて足を引っ張るな……」
彼女たちは吐き捨てるや否やアラネア・ゾディアーツが持つ錫杖の石突で地面を叩きつけ、身体を星雲に沈める。ディケイドの目の前でマドカを引き連れ虚空に消えた。
その様子に暫しの間、体の動きを止めていたDエグゼイドだったが、ドライバーのハンドルを展開しカードをデータ化させ消し去ると、身体を角谷ツカサへと戻す。ダスタードを始末していた生徒会長も彼の近くへ着地した。
「あらら、取り逃がしちゃいましたね?」
「……更識楯無。次の場所に急ぐぞ。俺の推測が正しければ…――――」
…――――――――亡国機業以外も関わっている人間がいるはずだ。
◆◆◆◆◆◆◆
秋も深まった京都。その一角にある知恩院。
「ねぇ、ゲンタロウってさ。何で皆と友達になりたいわけ?」
日本庭園を周っていたゲンタロウにシャルロットはふと浮かんだ疑問をぶつける。
「ん?そりゃ……ダチがいた方が楽しいだろ?」
「うん、そうではあるんだけどね……、“どうしてそう思うようになったの”、って話だよ」
「それはな!………――――(あれ?)」
その瞬間、ゲンタロウの視界が一気に色あせる。そして、現在いる目の前の京都の景色が『■■■■■■』に変化し、目の前に…――――――――。
【ゲンタロウ……!私のようにはなるな…――――お前は、お前が手に取るのはこれではない!“友達”の、その手だ……】
「…――――――――ロウ?ゲンタロウ!」
「どうしたのだ、ゲンタロウ?…大事無いか?」
どうやら立ち眩んでいたらしい、彼は地面にうずくまる格好となっていた。ダチであるラウラ達が心配そうに彼の顔を覗き込んでいる。
「…――――――――あっ、あー……あぁ、ちょっと、な……」
彼は言い淀みながら、ダチに心配をかけまいと咄嗟に口から出まかせを言う。
「昨日の夜楽しみで寝付けなかったからかな!」
「…―――――っ、はぁ……!心配して損した」
「全くだ。まぁダチらしくていいと思うが」
どうにも彼のキャラとぴったり合致した言い訳だったらしい、心配顔の金銀ペアは一気に表情を緩めジト目をゲンタロウに向けてきた。どんなイメージを持たれているのか問い詰めたくなったゲンタロウだが、自覚はあるのか頬を引きつらせるしかできなかった。
「あー、それで質問だったか?うん、どうしてだろうな!わりぃ、忘れちまったよ!」
なにそれー、と言う声をバックにそそくさ足を速めたツッパリ風IS学園生徒。顔には笑みが張り付いているが、心中は全く穏やかとは言えなかった。
(そういや、何で“ダチ”が欲しかったんだ、俺?)
追いかけてくる学園生徒を他所に、一瞬見えたかの声と姿に疑問を抱いた彼は、記憶の糸を手繰り寄せようとする。
(……それに、なんだ?今のビジョン…――――“冠つけた弓持ちのゾディアーツ”…?)
「待ってよゲンタロウ、ちょうど一夏から連絡がきたんだけど…――――」
「ダチよ、ここからは団体行動をだな…――――」
…――――ゲンタロウたちが通り過ぎて行った道に一匹の獣が現れた。蒼い視線は道を下って行った数人をモルモットの様に見下しており、豪奢なマントで風をきっている。
『忘れていない様だねぇ、王の星座のことを。星の運命を狂わせたことを。うん、卯月ゲンタロウ、お前は本当に、ほんっとうに……』
コロコロと鈴を鳴らすような声で呟かれた続きは、人の温かみを感じさせない途轍もなく寒い憎悪だった。
『…――――――――全く、お前達は厄介なものを残してくれた……“織斑緑郎”、“織斑スピカ”』
◆◆◆◆◆◆◆
「あら~、バイクでタンデムなんて嬉しいわね?ナツミちゃーん、特等席座っちゃってごめんなさーい♫」
「アホたれ、既に色々な世界で癖だらけのメンツを後ろに乗っけてるんだ。お前が……ましてやナツミカンがそういう特別な女なわけねーだろ」
「……ツカサさん、実はコミュ障でしょ?言わぬが花って言葉知らないわけ?」
「うるせぇな…――――てか胸くっつけんな、邪魔くさい」
「ちょっ…酷くない?どうやって身体固定しろと……事故ったらどうするんですか、もう!」
「いざとなったらISがあるだろ」
馬鹿なことを言い合いながらマシンディケイダーで京都の町を疾走する二人。だがその時、ツカサはバイクのブレーキをかけ急停止する。
「っ、とぉ。どうしました?」
「…――――なに、どうにも織斑先生様の善意も無駄になりそうだと思ってな」
腕を上げ東の方角を指し示すと、天変地異とも呼べる現象が起きていた。光の柱が一瞬だけ現れ、天へと還って行く。
「あれって……」
「三本目も壊されたか……。残るは、…――――」
鴨川、か…――――。
◆◆◆◆◆◆◆
そして夕方。IS学園の生徒が清水寺に向かわなければならない時間帯…――――仮面ライダー部の彼らは今、鴨川の河川敷にいた。
「おー、みんな揃ったな?」
「で、良いのか一夏?んなことして……」
「あぁ、これが間違いなければ…フォーゼとISが京都を去るまでこの石碑を守るか、亡国機業が手出しをできなくさせればホロスコープス部隊の目的は挫けるはずだ」
……簪はスイッチカバンを開き、どこかから手にいれたらしい情報をゲンタロウたちに見せる。その荒い画像には角谷ツカサの持つ地図、そして四つの印が映っていた。
「ゲンタロウ、フォーゼのドライバーをつけておいてくれ。どうにも嫌な予感しかしないんだ……」
「…――――何をしているんだお前たち」
その時である。
「……織斑先生、どうしてここに?」
仮面ライダー部の振り返った先にはスーツ姿の担任が立っていた。腕を組み、眉間にしわを寄せていかにも不機嫌そうに口を開く。
「お前らのような清水寺に来てない連中の為だ。……まったく、高校生なのだから時間ぐらい厳守しろ。それとも何か?お前達は言いつけも守れな……」
「千冬姉」
角のたった口調の説教を遮ったのは、一夏だった。いつものふんわりとした雰囲気が感じられず、いまや不信感丸出しの警戒態勢になっている。まるで何かを決意したように。
「……なんだ?私の言葉を遮ってまで尋ねることでもあるのか」
瞼を閉じた一夏が目を開けると、射抜くような目で姉に言葉を投げかける。
「…――――俺達に隠し事、してないか?」
「…――――一夏、一体何のことだ?」
突如として、言葉が放たれた。
「ラウラ!」
「――――ッッ、何!?」
…――――その瞬間、専用機持ちがISを展開し、織斑千冬の身体は虹色の光で身動き一つとれなくなった。
そして、彼は織斑千冬の喉元に雪片弐型を突きつけていた…――――。
◆◆◆◆◆◆◆
真っ白な羽が夕暮れに降り注ぐ。京都タワーの上にいた金色の羊の眼前に、桃色髪の天使が降り立った。ヴァルゴはいつもの穏やかな口調は鳴りを潜め、どことなく焦りと怒りを秘めた声だった。
『……見つけたぞ、アリエス』
『おやおやヴァーちゃん、何の用?』
『改めて聞きたいことができた。…――――ディケイドの事だ。お前たちは一体誰から奴のことを聞いた』
斧杖『ロディア』を突きながらアリエス・ゾディアーツの隣を通り過ぎる。無言な二人のクロークが擦れる音以外、何も聞こえない。この場を支配するのは無言の圧力であった。
『さぁ?ふらっと現れて誰とも言わず去って行った、おかしな奴だったよ』
白羊宮の怪人はヴァルゴ・ゾディアーツに背を向けると、夕陽をぼうっと眺めながらこう付け足した。
『だけどアイツはこう言ってた…――――“すべての世界を読み解き、正しき物語を記す予言者”、って』
『…“正しき物語”、ときたか。“この世界が嘘だ”とでも?ふざけた人間の戯言にしか聞こえないが』
『だよねー………――――、“この
◆◆◆◆◆◆◆
その彼はIS学園の遥か上空で、京都の方向を見て笑っていた。その顔はフードで隠され全くの不明。だが編み込みのある黒髪がその間から零れている。
「ここだけではない。あらゆる物語が角谷ツカサという異物に拒絶反応を示す。旅を終らせたまえ…――――君は消える事で、世界を正せる」
宙に浮かび上がらせたシネマフィルムで、ディケイドやフォーゼの戦いを眺めている青白いコートの癖毛の男。そして彼のその手の中には………――――『
仮面ライダー部のイメージ
織斑一夏……歌星賢吾風に変化。でもスイッチとかは作れません。若干クールになってる感じなだけ。
篠ノ之箒……城島ユウキ系女子。感性がどことなく変。
セシリア・オルコット……黒木蘭ポジ。どことなく高飛車なところが似てたので。
鳳鈴音……朔田流星。中国拳法ホワッチャ。
シャルロット・デュノア……大人しめのJK。コミュ力の塊。
ラウラ・ボーデヴィッヒ……ちっちゃい大文字隼。パワーダイザー操作もできるがISの方が機動力があり使いやすいとか。そらそーだ。
更識簪……野座間友子風不思議ちゃん。フードロイドは彼女と本音の設計。
更識楯無……風城美羽生徒会長。色々奔放。
織斑千冬……心身ともにめっちゃ強い大杉忠太先生。でも暴力ry
山田真耶……綺麗な園田紗理奈。でも多分カニスミノル・ゾディアーツになれそう。