イタリアのとある町。その公園のベンチに座る一人の子供。子供の名はキャンチョメ、「魔界の王を決める戦い」の100人の王候補の中の1人で、数少ない善の心を持つ魔物の子。
「フォルゴレ遅いな〜。」
と呟きながら途方にくれる。かれこれ三時間、待ち合わせ場所に現れない自分のパートナーを心配するキャンチョメ。すると
「あれ?」
目の前に突如鏡が現れた。
「なんだろう・・?」
キャンチョメはベンチから降りると、指先で鏡面に自ら触れようとする。すると
「・・・・・えええええええ!?」
指先が鏡面に触れた瞬間、キャンチョメの腕が鏡の中に吸い込まれる。
「バカ、何やってるだ!!」
振り向くと、荷物を持った長い金髪のイケメンがいた。イケメンの名はパルコ・フォルゴレ。イタリア出身の世界的映画スターである。 彼は突然のことに持っていた荷物を落とす。
「フォルゴレーーーーー!!!!!!!」
そうこうしているうちにキャンチョメの体が鏡の中へと引きずり込まれていく。 フォルゴレは咄嗟にキャンチョメの体へ腕を回して力ずくで鏡から引き離そうとするが、それはかなわず、二人は一緒に鏡の中へと吸い込まれてしまった。
「「うわああああああああ!!!!!!」」
鏡に引きずり込まれてから、どれくらい経ったか。 かなり長い時間のようにも感じられたし、僅か数秒の出来事だったかのようにも思えた。 その間のことは何故か記憶にない。 次に明確な意識を取り戻した時、彼は多くの人間に囲まれていることに気が付いた。
「こ、ここは一体……?」
キャンチョメは同時に驚きの声を上げた。 すぐに周囲を確認すると、自分の今いる場所は明らかに先程までの場所とは異なっている。
広めの庭のような場所で、近くに大きな建物のようなものが見えた。 自分を囲む人々もよく見れば、自分より少し年が上の少年少女である。 皆、同じような格好をしており、更にはマントのようなものを羽織っている。
一見しただけならば、何処かの宗教団体に見えなくもない。 彼らはキャンチョメを奇異な眼差しで見つめている。
「平民だ。ルイズが平民の子供を召喚したぞ!」
その声を合図にその場へ笑い声が巻き起こった。
皆が皆、何がそんなに面白いのか、というくらいに笑っていた。
「???」
するとキャンチョメの背後に誰かが近付いて来る気配がした。
振り返ると、そこにはピンクブロンドの美しい少女がいた。
背丈は自分と同じか少し低いくらいで、何処か幼さを感じさせる風貌であった。
そんな彼女が顔を真っ赤にし、小刻みに震えながらこちらを睨み付けている。
キャンチョメよりも先に、ピンクブロンドの少女が口を開いた。
「んで・・・・・・・」
「?」
「何でアンタみたいなのが召喚されるのよ!!」