冴嶋友太は勇者である。   作:前神様

5 / 6
皆様お元気でしょうか?

私事ながら友人に「芋けんぴ髪についてたよ」という漫画があるという事で調べてみた所実在していました。ただ一つタイトルだけでわかるくらい凄く違和感ありました。芋けんぴから恋に発展するとかどんだけだよ!と思った時もありましたが、タイトルだけで引き寄せるくらいには人気なのだろうと最近は思うようになりました。

という事で今回で第4話になりました、「冴嶋友太は勇者である」通称さゆゆ!お気に入り数やUAの数も増えてきまして楽しんで頂けてるのかなと感じながら書いております。


第4話 新型

「…くん、友太君。起きないとキスしちゃうぞ!」

 

「うえわぁぁぁ!危ねぇ!こんな形で初チューを取られるのは嫌だ!」

 

危機一髪。朝腹部辺りに重みを感じた為、薄目で前方を見やると何故か木崎がいた。咄嗟に顔を逸らした為避けることが出来たが油断出来ねぇ。

 

「あらら…結構ウブな反応するのね」

 

「お前がマセ過ぎなんだよ!」

 

ニヤニヤしながら見てくる木崎に対して、一言言葉を返した後部屋を出て顔を洗いに1階に下りる。

 

「朝から何やってんだアイツは…」

 

ここ数日間はアイツとマンツーマンで訓練(専属武器は使用してない)していたせいか、よく絡んでくるのだ。苦手では無いが、内心冷や冷やする。アイツは自分の可愛さを自覚しているのかどうか分からんが、勘違いさせる行動を良くするため平常心で居られる俺はもはや仏か神レベルでは無かろうか。

 

「母ちゃん、何で木崎家に上げたの?」

 

「あらぁ、だってアンタの初めての彼女でしょ?私は応援するわよ。ね?茉莉ちゃん」

 

「そうです、寧ろ拒絶する意味がありませんよね?」

 

「誰が彼女だ、誰が」

 

顔を近づけきた木崎の顔を右手で押さえつけながら払う。

 

「きゃっ♡もう!乱暴なんだから♡」

 

「キャラぶれてんぞ、最初お前クールキャラだったろ?」

 

「イチャついてないで早く食べなさいよー」

 

 

 

「んじゃ、いってきまーす」

 

家を出ると腕に絡みついてくる木崎。因みに俺の手は現在、包帯を使って上手く痣を隠しているため母ちゃんにはバレていない。流石に「怪我したの?」とは聞かれたが

 

「厨二な病に掛かったんだ」

 

と言ったら「そういうお年頃なのね」とあっさり返された。バレなかった代わりに大事な何かは犠牲にしたと思う。

 

「木崎、最近よく絡んでくるけどどうした?ストレスでも溜まってる?」

 

「『茉莉』って呼んでって言ったでしょ?」

 

「ま、茉莉さん」

 

時たま見せるあの顔はマジで恐怖だ。

 

「よろしいっとこれは…」

 

「この感じは随分と時間が空いた気がするが…」

 

俺は勇者システムを立ち上げて変身する。同様に木崎も姿が変わっていた。周りを見渡すと樹海が広がっていた。端末を見ると敵の位置が表示されていた。

 

「おお…今回も随分と…。ん?あの馬鹿でかいのはなんだ?」

 

いつも通りの星屑の大軍ともうひとつの反応は、倍くらいに大きく群れのボス的な何か威圧感を放っていた。

 

「知ってると思うけど勇者システムのアップデートによって、バーテックスの形態とか能力とか変わったのだと思うわ。今までのバーテックスよりも強力だと言うことは間違いないわね…」

 

「何にせよ、戦ってみるしかないってことだろ?」

 

「それは、そうでしょうけど…って!もう行ってるし!」

 

俺は、茉莉の言葉を待たずに先に邪魔な星屑を倒すために距離を詰める。勿論、専属武器は使わずに旧式の装備だけでだ。

 

「くっ…!思った以上にキツイな!っと!」

 

不意をつかれて背後から星屑が迫ってきていたが茉莉が撃ち落としてくれた。

 

「無茶するわね…でどんな感じかしら?」

 

「一先ず、星屑は変わりないみたいだ」

 

感触的には今までと同じだが、前よりも動きに統率が見れている。具体的には誘い込みからの制圧攻撃、不意をついた攻撃等だ。だが恐らくこいつらは支持されているだけに過ぎない。本命は恐らく…。

 

「戦いながら聞いて欲しいのだけれど何故専属武器を使わないの?」

 

不意に茉莉から通話機能を通じて話を振られる。

 

「1つは、敵戦力の把握。旧式でどの程度やれるのか知りたかったっていうだけだ。2つ目は…っと。使用時間に制限があるからだ」

 

勿論、制限時間があると言うのは嘘だ。 だが、この言い訳ならば何の疑いもなく信じるだろう。俺だけが使える専用武器という事はつまり、俺にしかこの武器の性能などを知るすべがないからだ。最も大赦側のお偉いさん方は知っているだろうが。

 

「ふーん、とにかく友太君。時間制限があるなら使い所は見極めなきゃダメよ」

 

「分かってますよ!っと」

 

引き続き俺と茉莉のバーテックスとの激しい攻防が繰り広げられる。茉莉は、防人とは言え以上に強い。普段見せる性格の悪さ…もとい、素行の悪さとは違い、戦いにおいては常に冷静かつ有効手段を自分ができる範囲で行っている。この前、鬼島さんに何であんなに強いのかと聞いた所

 

「アイツは、普段ふざけているが実は凄く努力家なんだ。戦闘訓練も率先して行っているし、何より向上心が人一倍強い。特に君のサポート任務に誰を付かせるかについて防人内で話し合っていた所自ら立候補したんだ。ただ当然実力も君と劣らないくらいには必要でな…3ヶ月程の訓練が終わった頃には今のレベルには達していたと思う」

 

あの時はよく分からなかったが今ならわかる気がする。

茉莉の動きに無駄はなく、かつ俺との力量差を感じさせない佇まい。正直一緒に戦ってくれて頼もしいと思えた。

 

(にしても…星屑の方は片付いたが問題はあの新型だ。)

 

事実、新型については全く情報はない上に攻撃もしてこないのだ。俺は手を打つために一言茉莉に伝える。

 

「少しここを任せてもいいか?少しあの新型について調べてきたい」

 

「分かったわ、任せて!」

 

群れの集合体に向けて一点集中して、銃を構えてうち放つ。流石の跳躍力で切り抜けると一気に新型バーテックスへと近づくと口みたいな部分が開き、突如"光る矢"みたいなものが無数に飛んできた。

 

「おいおい!これは凌ぐしかないだろっ!」

 

俺は咄嗟に盾を出し打ち続ける矢を受けるが、余りの矢の多さによって盾が耐えきれずに貫通する。

 

「ぐっ…!!」

 

(痛い痛い!!死ぬほど痛い!!てか貫通してるけどこれちゃんと塞がるよね?)

 

心の中でそう叫びながらも気持ちを切り替えつつ、状況確認を行う。

 

(あのバーテックスの攻撃手段の1つとして口から吐く光の矢は注意点だな…。貫通したお返しとして咄嗟に弓で攻撃してみたが、回復しているみたいだ。最悪だなこれは。自己再生能力付きとは)

 

「出血も気になる所ではあるが…専属武器を使う他ないか、やむを得ない。」

 

俺は新型勇者システムの方に切り替えると双剣を構える。

 

「お前をここで倒さなければ、皆が危険に晒される事になる。そんな事許せるはずが無い、悪いがココで倒されてもらおうか」

 

俺は、再びバーテックスへと近づくがまたも光の矢を放たれる。しかし、俺は光の矢を剣で弾き近づく。

 

「甘いんだよ!オラァァァァ!!」

 

バーテックスの口の中に手榴弾を投げ込むと爆発して吹き飛ぶ。但し、またもや自己回復が発動する。

 

「だが、これで攻撃手段はなくなった!これで終わりだ」

 

無数の弾丸をバーテックスに向かって打ち込むとやがて、動かなくなり鎮火の義が始まる。

 

「くっ!」

 

何とか倒せたが、またも痣が広がり始め痛みが走るがやがて納まった。今はどちらかと言うと腹の風穴の方が痛い。

 

「無事…ではないみたいね」

 

「ぼちぼちだ…星屑任せて悪かったな、そっちはどうだ?」

 

「見ての通りよ」

 

見る限りだとかすり傷が数箇所、痣が数箇所見える。

 

「取り敢えず鬼島さん呼ぶか…」

 

 

 

 

数分後、鬼島さんが到着した後すぐに病院へと向かった。俺は右腹部が貫通していた為大事を取って4日程寝たきりだった。

 

「友太…その痣の正体は□□□□□□によるものだ、お前が双剣…いや専属武器か。それを巧みに使えば使う程それは病の如くお前を蝕み、やがてはお前自身が人間という概念から外されてしまうものだ」

 

「そうですか…。つまりどういうことですか?」

 

「分かってないんかい!ツッコミ入れてしまったじゃねぇか!まぁ、つまりはお前自身が□□□□□□になるってことだ」

 

俺自身、何となくそうなんじゃねぇかとは薄々思っていたがまさか本当にそうだとは思わなかった。

 

「仮にそうなったとしても俺は俺ですよ、まぁ記憶が消えたりしたら流石に分かりませんが…」

 

「怖くないのか?」

 

「そりゃあ、怖いですけど。でも、俺が戦わないと世界が滅ぶじゃないですか?それにこの武器を使わないで済むくらいには強くなれば問題無いですしね」

 

「全く…はぁ、分かった兎に角伝えたからな」

 

それだけ言うと鬼島さんが出ていく。俺は腕の痣へと見やると、特に利き腕の右腕は思ったよりも侵食が激しかったみたいで完全に色が違っていた。

 

「思ったよりもこれは…」

 

「友太君…」

 

声を掛けられて咄嗟に扉の方を見ると茉莉が立っていた。表情は若干暗く何か言いたそうにコチラを見ていた。

 

「わざわざ見舞いに来てくれるとは思わなかったよ」

 

「えぇ、でも今日で退院だって聞いて…」

 

茉莉は心あらずと言った様子で話をしていたが、俺は何となく聞いてみたくなった。

 

「それで…何が聞きたい?何か俺に聞きたいことがあるんだろう?」

 

「まず…その前に謝らなければいけない事があるわ、ごめんなさい。私貴女の様態についてある程度知っているの…」

 

先程からやけに、よそよそしいとは思っていたがそういう事か。

 

「そうか…言っておくけど止めても無駄だぜ?これが俺が唯一出来ることだからな」

 

「…それでも私は、貴方に傷ついて欲しくないわ。どうしてそこまで体を張れるの?」

 

「強いて言うなら未来へと繋ぐためだ。少なくとも俺は遠くない未来…このままのペースで、敵が攻めてきた場合限界が来るだろう。そうなった時、俺の次に勇者になった誰かがこの絶望的な世界を変えてくれるような、そんな未来が見えるんだ。だからこそ、俺はこんな所で立ち止まっている訳には行かないんだ」

 

「呆れたわ…仕方ないわね私も一緒に戦うから頑張りなさいよ!」

 

それだけ言うと茉莉は、病室から出ていった。

 

「やれやれ…ありがとな茉莉」

 

いなくなった病室で1人ポツリと呟いた。

 

 




如何でしたでしょうか?
友太の侵食状態の謎、徐々に激化していく樹海での戦闘。勿論ヒロインは茉莉ちゃんです!
次回の更新は何時になるんだろうか(白目)
皆様のご期待に添えられますよう頑張らせて頂きます。(fate×ゆゆゆシリーズ最近ハマりだしました。新規作もガンガン読ませて頂いておりますので皆様におきましても1度読んでみてはいかがでしょうか?( ͡ ͜ ͡ ))
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。