翌日、俺は無事に病院から退院した後家に帰っていた。退院時、茉莉は来なかった。
「脱病院飯!そう言えば…あの武器の名前決めてなかったっけか?」
今まで
「エクスカリバー?いや、違うな…魔剣ファフニール?魔剣じゃねぇしな…」
散々迷った末、最終的にはネット検索で調べた
前回の戦いでは、旧式の装備で戦う場合バーテックスの中でも比較的に弱い星屑にしか攻撃が通用しないことがわかった。これからの特訓では、それを踏まえた上での独自の戦闘スタイルを築く必要がある。
「何はともあれ、今日は休みだから遊b「何か言ったかしら?」ぞー…。って何でいんだよ、茉莉」
グッと喜びをあらわにした所で露骨に現れた茉莉。コイツ絶対狙ってただろ…。
「まさか、遊ぶとか言おうとしてたの?」
「い、いえ!滅相もございません!
「何か無理矢理よね…まぁいいわ。この後特訓よ!」
「えぇ…でもでも俺だってこの前戦って今日退院したばっかり何ですよ?ちょっとくらい労わってくれたっt…」
「ん?何か言ったかしら?よく聞こえなかったから、もう1回言ってくれる?」
「喜んで付き合わせていただきます!」
この前の戦い以降、何かと発言権が逆転した気がするんだけどコレは気の所為じゃないよね?
嬉々とした表情をしつつ腕を持っていかれそうな勢いで引っ張られた後到着したのは、いつもの特訓場所だった。
「んで、今日の訓練は何するんですかね…。出来れば御手柔らかにお願いしたいのですが」
「今日は、多対一を想定した訓練をするわよ。今回の戦いで私も貴方も
(これは…)
俺の目の前に設置されていたのは、固定砲台型の銃装備兵だった。それも、20以上はいる。
「大丈夫、玉はゴム弾だから当たっても青痣が出来る程度で済むわよ♡」
「それは流石の俺でも…」
「ゴタゴタ言ってないでサッサと強くなりなさい!」
Pi!という音とともに、稼働音が響き出す。どうやら先程の音はあの固定砲台のスイッチを押した音だったらしい。
「おい…おいおい!おい!ヤバいってそれは!」
必死に目でゴム弾の動きを追うが軌道が早すぎて見えない。俺は目で追うのは辞めて感覚で避けることにした。
「予想して避ければ!っ!何とかなるっ!」
「それはどうかしらねぇ!」
鬼畜茉莉さんが発動。さらに追加でスイッチを押され益々激しくなる弾幕。
「…はぁ!オラオラオラァァァ!」
「もっと頑張らないと死ぬわよ」
その後、結局2時間が経った頃にようやく終わったが俺も無傷では終わらず至る所に青痣が出来ていた。幸い顔に痣が出来なかったのが救いだと思った。
(折角、治ったのに茉莉のやつ最近ドS具合隠さなくなったよな。それも素を晒してくれているってことなのかどうかは分からんが…。いてて…)
痣のある腕を擦りながら家に到着する。
「母ちゃん、ただいまー。」
「おかえりなさい!アナタ♡」
「母ちゃん…何でコイツ家に居るの…。」
ドアを開けて自宅に帰ると鬼畜茉莉さんがいた。
「だって〜茉莉ちゃんお隣だし可愛いし、寧ろ家に挙げない理由を見つける方が難しいわよ?」
「…。着替えてくるわ」
俺の味方は誰もいないのだと自覚しながら諦めの表情を浮かべ、そそくさと自分の部屋へと戻る。
「今は、そんな事よりもマジで今日筋トレやったら確実に逝くぞ」
(やらないまでも回避する方法は…)
着替えが終わった為、再びリビングへと向かうと料理が机の上に並んでいた。
「お、来たきた〜。これ食べたら筋トレだからね」
「あの〜茉莉さん俺お願いがあるんですけど… 」
「ん?筋トレの事なら譲らないぞ♡」
「そこを何とか!お願いします
それを言った途端茉莉の表情が固まった。
「あれ?おーい茉莉さんー?生きてます?」
手をヒラヒラさせて様子を伺ってみるとピクリと反応した。
「何でもとは?」
「や、やだなぁー。何でもは何でもですよ?あっ、でも俺にできる範囲だけどな」
「ふふっ…。じゃあその権利を私が使う時になったら言うわね…それまでは、取っておくことにするわ」
「という事は…今日の筋トレは無しですね?うっしゃあああ!!」
喜びも束の間、今日の晩御飯には俺の嫌いなトマトが入っていた。
「うおおぉぉ!!何でコレ今日入ってんの!?」
「あんたね、そろそろ食べれるようになりなさい?これくらい食えないで勇者やってるとかよく言えるわね」
「そうは言ってもさ〜どうにも味が…むぐっ!?」
口の中にパックごと投げ入れられて泣きそうになる。
「茉莉ちゃんったら大胆ねぇ」
「うふふっそうでしょ〜」
「むがむがむがっ!(鬼畜すぎる!)」
こうして夜が更けていった。
ゆゆゆSSの新規投稿も増えてきまして嬉しい限りです。