【NEXT CONTRADICTION】   作:インプレッサWRX STI

2 / 3
禁忌の塔

「………すーーーーはーーーーー……この扉を開けたら…遂に…遂にだね…」

 

「なんかそのセリフ前にも聞いたよルルーナ。」

 

「だ、だって!本当に緊張するんだもん!」

 

「優しくていい人だよ?」

 

ルリ「優しくて………良い人?あわわわわわわ…」

 

「二人とも落ち着きなさい、入るよ。」

 

重い扉を開けた先には緑色の軍服を身にまとった女性が立派な椅子に腰掛けていた。

「おお、三人共よく来てくれた、適当に座ってくれ」

この凛々しい女性は統合軍中佐のフィーリア・グレンハルト。生徒の間では軍神と恐れられており、その実力も凄くエースコンビの二人でさえ全く適わないそうだ。

中佐は数箇所ある窓のカーテンをサッと閉め、暗くなった部屋にガスランプを灯した。

「さて…事前に要件だけは伝えてあるはずだが…ここから先の事は我が統合軍の未来に関わる重要な案件だ。決して部外者に漏らすな、良いな?」

生唾を飲み込む音が左右から聞こえる。

中佐は長い木目のテーブルに古い地図が広げた。まるで海賊映画に出てくるようなボロボロの地図だ。

 

「ここは…D地区の地図…でしょうか…」

 

「そうだ、大分昔の物だから見えにくくはなっているがな。ルルーナ、ここには何があるか知っているか?」

 

「はい、確か禁忌の塔がある場所で有名と…」

 

禁忌の塔、そこはグリューネシルトが異変によって枯れていく中、塔の周辺だけは鬱蒼と植物が生い茂り水も潤沢に湧き出てているという場所だ。

統合軍はそこを調査し異変を解決する手がかりがないか確かめているという話は知っていた。

 

フ「お前達にはこの禁忌の塔の調査を依頼したい。」

 

リ「わ、私たちがですか?確かあそこの調査は堅物なアンドロイドのせいで全然進んでないと…」

 

フ「…ああ、それが問題なんだ。遅々として進まない調査に上が我慢の限界でな、何かしらの進展を報告しなければ予算を切ると言い出した、全く矛盾した連中だよ。」

 

ウ「…それで僕達は一体何をすれば…」

 

フ「単刀直入に言おう、お前達には裏で動いて禁忌の塔に侵入してもらいたい。」

 

普段真面目を形にしたような言動をする中佐の口から出たとは思えない内容だった。

 

フ「禁忌の塔はまだ調査が始まったばかりで危険度も分かっていない、だから上層部の連中も生身の人間を送るのを躊躇っているんだ。今回の目的は動線の確保と安全地帯の把握、この二点を頼みたい。」

 

ウ「でもそれって組織的にアウトなんじゃ…」

 

フ「責任は私が取る、安心しろ。無論他言はしない。」

 

リ「中佐、何故そこまでして禁忌の塔を?」

 

中佐は軽く口を噛んでから僕らを見つめた。

 

フ「…何、単純な話だ。私は一刻も早くこの世界から戦争を無くしたいんだ、先日もお前達のおかげでレジスタンスを退ける事は出来たが、負傷者が出なかった訳じゃない。日々奴らの攻撃も威力を増す一方、自衛では戦力に限界が来る。死傷者が出る前にこの戦争を止めなければならないんだ。」

 

フ「柄にも無いことを話してしまったな…出来れば私が向かいたいところだが、立場上何日も留守には出来ない…この案件、引き受けてはくれないか?勿論無理にとは…」

 

リ「任せてください!」

 

中佐が話終わる前にリーリヤが進言した、それもかなり強い口調だ。

 

リ「私たちはフィーリア中佐に恩があります!この機会に必ず活躍してみせましょう!」

 

ル「私も同意見かなー、なんか遺跡ってワクワクするし♪」

 

ウ「二人がそう言うなら…自分も」

 

フ「お前達…助かる、礼を言うぞ。 あそこには必ず何かある。無事に戻ってきてくれ。」

 

こうして禁忌の塔の調査に僕らが向かうことになったのであった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。