転生というよりは憑依だろうか。気がついたら俺はアークファイブの赤馬零児になっていた。
このままでは赤馬零王の手により原作通りの事件が……いや、下手したら俺が赤馬になったことでよりひどいことになってしまうかもしれない。
アークファイブはもう大まかなことしか覚えていないが、幸い原作開始よりかなり前の時代。準備する時間はまだ残っている。
……何から手を出すべきか。原作キャラとの繋ぎ?早めにランサーズ候補の発見?新たな技術の発展?
迷いながら赤馬のデッキを手に取る。中身は……エクストラ零DD!?まさか……
部屋の中にある端末機を動かしカードデータを見るが、ペンデュラムはもちろん、融合、シンクロ、エクシーズモンスターは存在していなかった。
……こんな状態じゃどうやったって他の次元と戦える訳がない。仮想敵はオベリスクフォース、融合軸のアンティークギアデッキはocgでもファンデッキの中ではあるが、すごい殺意に満ちたデッキだったはず……ん?そういえばアニメでは基本ダブルバイトドックとか言うアニオリカードだったような……。
三人組でバーン打ったり、融合立ててエンドが大体で、カオスジャイアント出した奴はエリート説とかあったような。
端末を再び動かし、カード検索をする。始めに見たのは青いカード、次に何枚かのカードを確認しながら考える。
「これなら……行けるか?」
XXXX
「まさか原作開始前にこんな戦争が始まるなんて……」
戦いの日が来た。敵が大規模進行しようとしているとの情報が、捕らえたオベリスクフォース(斥候)から得られたので、準備はできたので不意を打たれなかったのは不幸中の幸いだろうか。
俺のしてきたことが通用するか不安だが、ここまで来たらやり通すしかない。
多くの並んだデュエリストたちをモニターで見ながら現地音声の通信を入れると、現場の声が思ったより大きく響く。
『我々はこの次元を、世界を守るための団体《ランサーズ》!貴様らの好きなようにはさせん!』
『ふん、スタンダード次元のクズが。エクストラデッキも使いこなせない雑魚が俺達に敵うわけがなかろう』
オベリスクフォースがデュエルディスクを展開して、それに合わせてランサーズも展開する。
『『『デュエル!!!』』』
「赤馬社長、大丈夫でしょうか」
近場にいる黒服が不安そうに話す。確かにエクストラモンスターは強い。例えば主な利点として、場面に合わせてモンスターを使い分けられ、また手札事故の確率を下げられる。だが、エクストラモンスターはけっして最強ではない。
「大丈夫だ。俺達はこの日のために研鑽を重ねてきた」
そう、融合次元に勝てるように俺はエクストラデッキを捨てて……
『強貪発動、パキケに月鏡装備、三枚伏せてエンドします』
『ちょっと事故ったかな?モンスターセットB地区発動、強者の苦痛発動、エンドターンどうぞスタンバイスキドレ』
『バスガイドでリリーサー出します。下準備で儀式サーチ、2体リリースでハンバーガー』
完全にメタを張ってオベリスクフォースを倒す為に特殊召喚やレベルが高いことに注目してロックカード充実させた。
『汎神で汎神捨てます。除外して深淵三枚見せます。深淵で……』
『ダイナマイトKアドバンス、3伏せて命削り』
『ダンゼルホーネッ『ツインツイスターだ!』……超進化の繭で究極完全態グレート・モス』
『完璧な手札だ。……手札断殺』
もう一方ではエクストラに頼らずに圧倒的カードパワーを持つデッキ。……エクストラモンスターの開発を捨ててまで集めきった強力なカードたちは多少のアクシデントはあるが相手を追い詰めていく。そして……
『なっなぜだ!?デュエルディスクが……』
『デュエルで勝ったらデュエルディスクを無効にできるとはいえ油断するな!ディスクを回収するんだ!』
『カード化した仲間を助けろ!連れて帰れば元に戻せる!』
『必ず複数人で行動しろよー』
次元跳躍技術もリソースをあまり割かずに、相手のデュエルディスクの無効、カード化の解除に力を入れた。
お陰で個人がディスク1つで跳躍することは出来なくなったが、補ってあまりあるリターンがあった。
暫く観察していると、アンティークギア以外のモンスターが出てきて押され始めてきた。
「社長、相手のエース級が出てきました」
「思ったより早かったな」
アンティークギア以外の融合を使うものは、覚えている限りだと、遊勝のレジスタンス以外はその多くが幹部、エース級。
「此方もエース部隊を当てろ」
「わかりました」
メタだけではない、優秀なデュエリストの隊。これの結果次第で正しかったかが決まる。
敵と此方の切り札のデュエルが始まる。
『kozmo-エメラルドポリスを発動!』
『UA パーフェクトエースで月の書を無効にする』
勝負は一進一退、有利になったかと思えば
『アマゾネス女帝を融合召喚』
『古代の機械超巨人は破壊されたときに、新たな巨人を呼び出す!』
再び相手が反撃をする。
祈るように戦いを見守ると、激しい戦いの末決着がついた。
『墓地に魔法・トラップカードがない場合特殊召喚できる!』
『妖仙獣 鎌壱太刀でダイレクト!』
『オッドアイズドラゴンで与えるダメージは倍になる!』
「……此方の勝ちだな」
xxxx
その後、思ったよりも戦いはあっさり終わった。相手の戦力の中でもエリート的存在であったオベリスクフォースの多くを捕らえたのが大きかったようだ。
相手のデュエルディスクを流用、改造した状態で次元跳躍して、エクシーズ次元へ向かい結託して融合次元を押し返した。その後時間をかけずに融合次元へ攻めて数と質で押しきった。
ユウヤ達は管理して出会わないように調整をしている。もし、何かの原因でズァークが復活しても対処できるように、ランサーズ内で一部の者にはズァークについての情報と使用デッキを伝えている。
……一応何かの役に立つかもしれないと、プロのデュエルのパフォーマンスで過激なものは注意を受けるように、外部から人を呼んだりしている。ユウヤが闇落ちしてズァーク出てきたりしたら笑えないしな。
エクシーズ次元の復興やシンクロ次元に逃げてまだ戦いを続けている残党等の問題はあるが、何とかとりあえず世界は繋げた。
赤馬零王は懲役刑ですむように手を回してどうにか死刑は免れた。たまに俺を含めた家族で面会に行って、世間話をしている。……実はたまに一人で会いにも行っている。
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xx年後
『赤馬さん、ご挨拶をお願いします』
『皆さん、今日はスタンダード次元が他の次元との交流を始めた記念日を祝っての次元対抗戦です。この機械に各種召喚方や文化について学んでいってください。そして……代表選手、是非ともまた私に優勝トロフィーを渡させてくださいね』
『わかってますって、赤馬さん。スタンダード次元は四つの次元にて……』
『『『最強!』』』
おわり