兄は弟を守りたい。   作:夢食いバグ

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主人公視点、少しフェードアウト。


事件の後、未来の英雄

あの事件からすぐ後にUSJから出た僕たちは、刑事に点呼を受けていた。

 

「生徒達は全員無事か……いや、君はすぐ保健室にいきなさい。

 

そのままだと、不味い。」

 

刑事の人は、僕の個性によって負傷した指を一別した後言った。お茶子ちゃんや峰田くん、飯田くん梅雨ちゃんもその警官の言葉にうなずき。

 

「私から見ても、痛々しいわ。行ってリカバリーガールに見てもらった方がいいわよ。」

 

梅雨ちゃんは、僕の指を見ながら。

 

「そうだぞ、一番の怪我だからなっ放置するのはよくない。」

 

飯田くんは、刑事の人に同調するように。

 

「こっちから見ても怖ぇえからよ……」

 

峰田くんは怖がりながら。

 

「そうだよっデクくんっ!早く治しておいた方が安心するよ!私たちも。」

 

お茶子ちゃんは皆の目を見た。

 

「うっうん!」

 

僕は、詰まるように返事を返してしまった……

 

だけど、どうしても気になることがあった。

 

それを聞かなければ、安心して保健室に治療をしてもらいに向かえない。

 

気が緩んだのか、指の痛みがじわじわと伝わり広がってくる、それを無視して。

 

「すいません、オールマイトと相澤先生は大丈夫何ですか!?」

 

そう一つ言えば、刑事の人はスマートフォンを手に取り。

 

いくつか確認するような行動をした後。

 

「両腕粉砕骨折顔面骨折。幸い脳系の損傷は、見受けられません。

 

ただ眼窩底骨が粉々になってまして…目に何かしらの後遺症が残る可能性もあります。

 

だそうだ。

 

オールマイトは同じく命に別状はなしリカバリーガールの処置で対処可能。

 

13号とディサンドは現場で対処したヒーローで、怪我が少ないためこちらで事情を聞いているところ。」

 

そう一通りの僕たちが分からなかった先生たちの状況が伝えられた、その言葉に安心する人達もいれば相澤先生を心配する人達もいた。

 

「ありがとうございます!」

 

僕はそうお礼をして、保健室に向かった。全員命が無事な事とオールマイトは大丈夫だったことに安心しながら。

 

その後、保健室でリカバリーガールの治療を受けてすぐに帰ることとなった。

 

オールマイトに大丈夫か色々と聞きたかったけど……ヴィランに襲われた生徒として、早めに帰った方がいいとされたことと。

 

オールマイトからも。

 

「私の方は大丈夫だから、早く帰りなさい。親御さんも心配するよ。」

 

と言われてしまった。下校の時は多くの人が、直接両親のどちらかが車で迎えに来ていた。

 

僕も例外でなく、お母さんが遠いのに校門の前にいて。

 

「出久!無事だったのね!良かった、本当に良かった。警察から連絡が来てヴィランに襲われたって。お母さんビックリしちゃって。

 

本当に、良かった。

 

曲も電話で声も聞けた、本当に良かった。お家に帰りましょう、今日は疲れたでしょう?」

 

僕の姿を見た瞬間泣いていた、警察から連絡が来て姿を見るまで無事が心配で仕方なかったと。

 

思いっきり抱き付かれて、こっちもビックリしてしまった。

 

「うん、僕は大丈夫だよお母さん。」

 

そうやってお家に帰ったはいいが……お兄ちゃん(バカ)がやらかした。

 

最低限の取り調べが終わった後、細かな雑務をこなしていた最中。

 

急に倒れて意識が無くなり、病院に緊急搬送されたらしい。

 

今家に病院から連絡が来て……

 

お母さんも病院に、搬送される一人になりそうなほど号泣している。

 

「落ち着いて、お母さん!いつもの個性の反動だからっ!2.3日ぐらいで戻ってくるよっ!」

 

個性の使いすぎだ、お兄ちゃんの眼の個性は脳に大きな負担をかける。

 

普段はきちんとやっているので反動は抑えられているが、外れるとコレだ。

 

「でも、曲が……。私は、気がつかなかった。」

 

今回はヴィラン襲撃の件もあって、よりものすごい動揺している。どう収めればいいのか分からない、水溜まりが物凄い。

 

「大丈夫だから、お母さん!様子を見よう、今はどうしようもないよ。」

 

僕は、お母さんの背を叩いた。お兄ちゃんは、色々とアレかも知れないけど………

 

ちゃんと何もないように、いつもの調子でお家に帰ってくる、そういう人だ。

 

「………うん、そうね……今日はいっぱいありすぎて疲れちゃった……」

 

と涙をお母さんは拭いていた、今日の夕飯は暖めるレトルトのカレーとパックご飯だった。

 

警察から電話で急いでいて、炊飯器のスイッチを入れ忘れていたそう。帰ってから、お母さんは気がついたようだ。

 

 

「昨日雄英高校ヒーロー科の災害訓練施設で、生徒達がヴィランに襲撃を受けた事件の続報です。」

 

テレビをつけると、ニュースでは昨日のヴィラン襲撃事件の事をどのテレビ局でも大きく取り上げられていた。

 

ヴィラン連合によるUSJ襲撃事件により、学校は臨時休校になった。

 

だけれども、心は全く休まることは無い。

 

USJでは、先生たちの足手まといにしかならなかったし……オールマイトの活動時間も短くなってきている。僕が継いだのだからもっとものにしないといけない!

 

あと、お兄ちゃんも心配だ。

 

個性の使いすぎのせいだが、それ以外にも手のひらにかなりの火傷をしていた………多分火災ゾーンで負ったのだと思う。

 

「出久少し、お留守番お願いね……すこし曲の様子見に病院行ってくるから。

 

冷蔵庫にプリンあるから食べてていいよ。」

 

「うん、分かった。ありがとうお母さん。」

 

僕は病院に行くお母さんを見送ってから、癖のようにオールマイトの動画を見てダンベルを持ち上げていた。

 

何かをしていないと、落ち着かなかった。

 

ふとプリンが冷蔵庫にあることを思いだし、ダンベルを下に降ろした。

 

「えーとどこかな……、牛乳も飲もう。」

 

冷蔵庫を開けると、ひんやりとした冷気が肌をつたう。奥からプリンを一つ取り出してスプーンを台所から持っていく。

 

牛乳もコップに注いでテーブルに置いた。

 

……学校休みだし、外には禁止されてはいないがあの事件の後だ出ない方がいいだろう。

 

室内でできる、鍛練といえばダンベルを上げ下げするぐらい……それと勉強。

 

プリン食べ終わったらお母さんが帰ってくるまで、ダンベルを持ち上げる事にしよう。

 

「……静か、だねやっぱり。」

 

僕以外誰も居ないリビング、お母さんは病院に行っているし。

 

お兄ちゃんは病院で、眠りこけているのだから当たり前なのだけれども……

 

いつも休みの時は、うるさいほど話しかけてくる。正直に言えば鬱陶しいと思った事は何度かあった。

 

テレビを見ていて、楽しみにしていたオールマイトの特集の最中に話してきて……

 

呼び掛ける声とオールマイトの名台詞が被って聞こえなかった時は……

 

正直、軽くお兄ちゃんを殴りたかった。

 

だけども居ないとなると、結構寂しい気がする……やっぱりお兄ちゃんは家族で自ま……いや自慢じゃない。

 

アレが自慢の兄だったら、僕自身を疑うはめになる……うん無いな。

 

「次学校の帰り、果物でも買って見舞いにでも行こうか。電車ですこしよれば早いし……なるべく長持ちするやつがいいかな?

 

リンゴとかオレンジとか、そこら辺の……」

 

病院に入るのも、親族だと言えば大丈夫だろう……と言うより何度かお兄ちゃんが利用させてもらってる病院だから相手はもう分かっているかも知れない。

 

………あっプリン無くなった……美味しいものって無くなるの早いな……じゃあ、頑張っていこう。

 

「ただいま、出久。」

 

やっとお母さんが病院から帰ってきた……正直に言えば腕はかなり疲れた。

 

だけれども、この個性を使うには必要な行動だからきちんとやる必要がある。

 

「おかえりなさい、お母さん。お兄ちゃんの様子はどうだった?」

 

「………ぐっすり寝ているわ、お医者さんもしばらく休ませたら問題ないって。

 

全くこっちの気も知らないで。目覚めたら家の掃除でもさせようか。

 

だけど、その前に曲はしばらくはお粥ね……」

 

とすこし呆れたようにお母さんは言った、前の日と違いすこし落ち着いたみたい。

 

お兄ちゃんにも特に異常は、無いようで僕も安心した。異常が無いとは思ってはいたが……。

 

「そうなんだ。」

 

「出久は明日学校でしょ?準備はしてあるの、忘れないうちにやっておきなさい。」

 

お母さんから、心配されたのか言われてしまった。臨時休校だからといってそこら辺に抜かりはない。

 

「今日の朝準備したから大丈夫。」

 

「そうなの?」

 

「うん。所で今日の夕飯って何?」

 

「昨日はカレーだったから、サバの塩焼きかなぁ?」

 

「塩焼きかぁ。何か手伝うことあるかな、お母さん。」

 

「じゃあ……ご飯の後の皿洗いお願いしようかな。」

 

「分かった、皿洗いだね。」

 

そんな他愛もない会話を、続けていく。また明日学校だ、ヒーローになるために頑張っていくんだ。

 

そう心で思って、テレビをつけて適当なチャンネルに合わせてからこれからするべき事を思い浮かべた。

 

個性の事や勉強、戦いかた……軽く思い浮かべても沢山あり課題は山積みだ。

 

だけどコレをしなければヒーローにはなれない、けれど逆に考えればコレらを行えばヒーローに近づけると思うと楽しみになってくる。

 

 

そして、次の日。

 

朝の時間に僕のAクラスは、ヴィラン襲撃のニュースの話題で盛り上がっていた。

 

テレビで写らなかった事を気にする人や、先生たちの強さを話し合う人、今日のホームルームは誰だろうとか。

 

相澤先生は刑事さんの話を聞いた限り、かなりの重症だと思うから……よっぽどの事が無い限り学校には来ないだろう。

 

そう待っていると……

 

「おはよう。」

 

がらっと教室の扉を開けて、包帯を全身に巻いたミイラのような姿に変化した相澤先生が出てきた。

 

「相澤先生復帰早ええええ!」

 

「プロすぎる…」

 

とか、あまりの早さに言葉が上がってきていた。

 

相澤先生は教壇に立つと……

 

「俺の安否は、どうでもいい。何よりまだ戦いは終わってねぇ。」

 

そう言葉を発した、やっぱり何かよっぽどの事があったのかと神経を張る。

 

その次に相澤先生の口から出てきた言葉は、僕たちにとって大切な行事の一つ

 

「雄英体育祭が迫ってる。」

 

雄英体育祭が近いと言う、嬉しい知らせであった!




出久くん頑張れっ!頑張れって感じのデクだ。

扱いが雑なのは、曲がね色々とアレやから見捨てて無いだけ温情だと思う……嫌ってはいないんだけどね……よくあるアレだようん。(遠目で対応しても疲れるタイプの人間なのにむっちゃ近くにいるからね。

基本頭が上がらんのは、義母さんやで。)
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