兄は弟を守りたい。   作:夢食いバグ

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視点が戻ってくるよっ!


真に恐ろしきは目に見えない

病院から退院した日の夕飯は、お粥だった。

 

栄養剤をうたれているとはいえ実に3日断食状態だったのならば、腹壊すだろうしなぁ。

 

多分いつものとおりに、2日間は味気の無い食事になるだろう。その後はハンバーグを作ってくれる。

 

その代わりに暫くは豆腐や野菜生活になる、義母さんは大変だろう………お粥にお醤油入れたい。

 

体も大分鈍っているだろうしなぁ、事務等の業務は問題なくこなせるとは思ってる。

 

けれども……一瞬の判断が命取りになるヴィラン退治は、体が大事すぐに取り戻さないと。

 

その後は、歯を磨いてすぐに寝た。

 

その前にもう無くしたくない人達(家族)に声を掛ける。

 

「おやすみ。」

 

そういえば、二人はこちらを見て。

 

「おやすみ。」

 

と返してくれた、とても嬉しく思えた。

 

 

朝は、弟よりも早く起きて学校へ向かう。生徒よりも職員など働く人の方が事前の準備は多い。

 

早めの電車に乗り、会社に向かうサラリーマンと共に揺られる。

 

いつもこの暇な時間には、本を読む。逆に言えば本を読むぐらいしかすることがないし同時に出来ることも無い。

 

駅を降りてからバスへ乗り換えて、学校へ。そしてすぐに用務員室に向かった。

 

「さて……ちょっと掃除と片付けでもするか。」

 

誰もいない部屋を見て呟く、ちょっと早めに来ている。ロッカーから箒と塵取りを取り出して床を掃いた。

 

すると紙の屑ゴミが結構出てくる、ハサミやら書類を纏めるのにすこし出てしまうから。

 

部屋を掃除して回る時に俺様に割り当てられた机に、見覚えの無い紙が何枚か置いてある。

 

「ヴィラン襲撃事件にて、警備従来の5倍に強化それにおける体育祭での用務員の業務内容の一部変更のお知らせか………」

 

内容を見れば、警備増員による雇うヒーロー数が増えることやそれに伴う迅速な連絡をとるようにとの指示。

 

大まかなスケジュールや主な巡回ルート等々……

 

増えた仕事や複雑になった仕事が書かれている、俺にとって実に頭のいたくなるような内容だった。

 

「てっもう体育祭かぁ……時間って過ぎるの早いな、俺が年取ったせいなのか?

 

弟も張り切るだろうし……、すこし訓練付き合おうか…決勝戦までいけたらいつものタイマン勝負と決まっているから。」

 

弟にとってこの体育祭は、大きなチャンスのひとつである。俺の仕事量が、増えた事を悲観してはいけない。

 

体育祭が警備を5倍に増やしても、ヴィランの侵入などの大きな失態が起これば……もしかしたら中止や停止等の事態に陥る。

 

それは確実に、避けなければならない。

 

 

 

弟は決してそれを、望んではいないから。

 

 

 

突然ギイッと扉から音がなった。

 

そういえば、そろそろ同じ同業者(用務員)が来る時間だ考え事をしすぎていた。

 

俺は手に持っていた資料を机にしまい、暖かいお茶淹れる。

 

朝はいつでも寒い、それは桜がとっくのとうに落ちて蒼い葉が初々しく生えても同じ。

 

「おはようございます、3日間無断で休み申し訳ありません。

 

本日復帰いたしました一日頑張っていきたいと思います。」

 

そう扉を開けて来た同業者に挨拶をした、用務員としては一番の新入りだ。回りとの関係にはしっかり気を使わなくてはいけない。

 

さて……今日も仕事だ。

 

しっかりこなさなければ。

 

 

仕事はブランクがすこしあるとはいえ、それなりに終わったトラブルがなかっただけだけどね。

 

今日はやたらと訓練場を借りる生徒が多くやはり体育祭という行事が生徒にとって大切な物であることが分かった。

 

「さて、きりのいいところまでやったら帰るか……ロボット修理なら中途半端だと忘れるしなぁ。」

 

カチャカチャと滑りが悪いところにオイルを射したり、部品を交換する。

 

この学校ロボット自体は夜でも稼働する物もいるらしく、そのお陰でゴミはほとんど無かったり。警備面がとても強いそうだ。

 

俺には全く関係がなく、そして興味も無いことだが。マニュアル通りに最後に音声認識テストをして作動できれば完了か。

 

「あーあー、起動開始。彼処のゴミを掃除してください。」

 

そうやって紙屑を投げ捨てる。行儀が悪いとも思われてしまうだろうが……これも確認のひとつ。

 

するとロボットは動きだし、棄てたゴミを内部に入れた。動作に不備はない、これなら修繕は完了にしていいだろう。

 

「………帰るか。」

 

そうやって、扉を閉めた。駅へ向かいに電車に揺られる帰り道、人は少ない。

 

そういえば明日は、休みだったけ?土曜日のような気がする。弟とすこし話をしてみよう。

 

朝も寒いが、夜も寒い。

 

「ただいまー、すこし仕事で遅くなった。」

 

「おかえりなさい、今日は豆腐の味噌汁と焼き魚だよ。腹壊さないようにしてね。」

 

「わかりました。てっ食べてないのは俺だけか………まぁ帰るの遅かったからなぁ。」

 

家に帰る時間も含めると、大分遅くなる。俺はテーブルに座って味噌汁を暖め直す為に火をつけて、その間にご飯をすこしだけ盛った。

 

「いつも仕事頑張ってるね、曲。」

 

「そりゃあしっかりこなさないと、信用なくなっちゃうし………信用って大切だよ?」

 

義母さんがすこし心配そうに話していたので、ぼこぼこ沸騰しぎみな味噌汁の火を止めて。注いだ、湯気というか熱気がすごい。

 

「曲はいつでも、いつも通りね。」

 

すこし呆れたような物言いだが、まぁ誉められていることにしよう。俺はあっつあつの味噌汁に、すこし冷めたご飯を入れた。

 

行儀が悪い感じであるが、これが一番の食べやすい。レンゲですくう……

 

「あつっ!!」

 

「なにやってるのよ……はいお水。」

 

………ぼーとしてて油断してた。もらった水で口内を冷やす、そのあとに箸で魚をつまんだ。

 

「ほふん、もぐ。」

 

魚は鯖のようで、結構塩が効いている。ヒーローの授業はこの学校の場合結構体が動かすから……塩分足りなくなるだろうし。

 

そういえば義母さんも、訓練メニュー送られて入学後結構本とか色々と調べてたからなぁ。

 

「ご馳走さまでした。」

 

空になった皿を、流しに置いて弟の部屋に向かう。ノックを2回ほどする。1回何回もやったらものすごく弟に怒られた。

 

「いるかー?」

 

「いるけど……。」

 

「いや明日休みだからさ、そろそろ体育祭だろ?訓練一緒にやるかなっと。」

 

「分かった、何時から?」

 

そう弟は、答えた。訓練自体は結構一緒にやっている。俺が一応プロヒーローっていう事実もあるかもしれないけど。

 

10時から……学校の訓練場を借りようか、多分お互い入れるだろう……個性無断使用は違法だから。

 

俺は訓練の際には、個性を使う予定はないが弟は別だ。俺のように使っただけで取り返しのつかないようなものではない。

 

使えば使うほど、馴染んでいくものいや出たばかりなのだから……馴染ませるのも同時にやらなくてはいけない。

 

「雄英高校の訓練所に10時に集合でいいか?後訓練内容はどうする、やりたいことがあるなら優先する。」

 

「そこは、お兄ちゃんに任せる。こう言うことはちゃんとやってるから……」

 

「うん分かった、了解。」

 

約束を取り付けて、扉越しの会話を終える。そういうことに対してはちゃんと信頼されている。

 

弟はまだ個性の調整が上手くいってはいない。それは、俺の目から見てもあきらかだ。

 

体育祭まで約2週間、俺が経験からすぐに出来るのは対人戦の立ち回り等。不意討ちの対処等現場で必要な技能も教えていきたい。

 

本当に俺がプロヒーローとして、怖い敵は目の前で暴れるヴィランではなく。ヴィランとして活動していないヴィラン予備軍(助けるべき市民の一部)

 

最初からヴィランとして動いていればやり易いが、潜んでいれば打てない。出る釘は打たれるとされるが出てはいないのだから。

 

ヒーローも人間だ、首を切られれば重症。心臓を突かれても重症、どれだけ力が無かろうとナイフを持てば殺せる程度の力を持つ。

 

銃も同じ、個性がどれだけ弱かろうと………誰だって人を傷つける力はある。どれだけ気弱に取り繕うと、油断はしてはいけない。

 

「明日は早めに学校いくために寝るか。」

 

体育祭の事もある、すぐに場所は埋まるから早めに場所取りをしておこう。訓練はウォーミングアップ30分で適度に休憩10分にしておこう。

 

スポーツドリンクは……買いだめしている粉の袋いくつか持っていけばいいか。

 

そして部屋に入る。

 

相変わらず、本と紙とベットしかない部屋だ。なにか装飾品でもつけてみたらましになるだろうか?

 

という思いを抱きながら枕元にあるナイフを確認して、毛布に体をくるんでいくやっぱり夜は寒いなぁ……

 

 

ジリリリリリ!ジリリリリリ!

 

不快かつ単調な電子音が脳に響く、あぁ今日も朝だ。意識を覚醒させて。音の元を断つ(目覚ましを止めた)、今は7時らしい。

 

「おはよう、二度寝はしちゃダメだね………物凄く眠いけど……」

 

ベットから降りて、財布とスポーツドリンクの粉。大分昔訓練に使っていた木製のナイフ等などを持っていくものとしてリュックに乱雑に詰めていく。

 

そして定期券が入った、上着を羽織り。学校へ向かうために出ていった。電車に乗るが、会社に向かうのものは少ないため大分空いている。

 

「さて、訓練は詳しくどうするか。」

 

正直詳しくは訓練内容は考えていない、ヒーロー基礎学での進み具合や弟本人の成長具合等を考慮しなければいけないから。

 

俺見たいに、相手の足や腕を折る対処法は完全にダメだし………弟にはさせたくない。まずは敵の攻撃をいなす方法を中心にやっていくか。

 

どんな武道でもまずは、身を守る方法を教え込まれる。柔道だと受け身から入る、それと同じやられる前にやれとはよくいうが。

 

ある程度の防衛手段がなければ、その方法をやることも不可能。逆に身を守る方法を知っていれば、それは相手の防御を崩す方法も分かる。

 

「おっと……降りそびれるところだった。」

 

そろそろ目的の駅に着くのに考えすぎていた、ちょっとだけ冷や汗のようなものが出ている。ひとつのことに集中しすぎるのは不味いなやっぱり。

 

そうやっていつもの通りバスで……とはいかなかった。すこし休日で時間が違っていた為歩いて向かう。

 

学校内部に入って、走らないように急いで訓練場へと向かった。その時に同じ用務員の方とあったのでちょっとした挨拶をして通りすぎた。

 

「さてっと、訓練場の場所取っておくか………今のところは殆ど人居ないようだしな!」

 

楽しみだなぁ!俺も頑張っていこう、義母さん抜きで一緒に何処かで何かをやるってあんまり無かったからなぁー。

 

リュックから、木のナイフを取り出してすこし降った。ヒュンッと風を切るような音が一つ……コイツも調子がいいようだ。




コイツ……社畜精神あるのでは?(疑惑)
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