「弟ー待ってたー?ご飯どこいくー、弟の好きなところ連れてくよー!」
弟は、用意が大分いいらしく。声をかけたときには校門の辺りで乾いたタオルで濡れた髪を拭いていた。
俺の声に気がついたようで、こっちを向いてくれる。ちょっと考えたような素振りを見せて口を開いた。
「お寿司がいいな。」
………お寿司か、回らない方普通にいけるけど……お寿司のメニューだけの場所だとつまらないかな。
だけど回る方だと、せっかく外出したのにちょっと残念な気がするし……
そう考えると、ちょっとだけ調べた方がいいかな……できればテーブル席とか座敷がある場所。
会話の内容は……あまり顧客の情報は外に出さないと言われても聞かれたくないから、中居さんの居ない店っと……
考えたら、結構条件出ちゃったなぁ。
「ここら辺に、ある寿司屋の場所知らない。時間使っちゃうけど少し調べるけどいい?」
「うん分かったよ、お兄ちゃん。僕も場所知らないからね……待ってるよ。」
俺はスマホを取り出して、周囲の寿司屋を検索それから絞っていく……少し馴れない。
ある程度なら出きるのだが、応用ができない感じだ。本来ならばもっと効率のよい調べる方法があるのだろう。
そうやってちょっとした四苦八苦をして、それなりに俺の要望に沿った店を発見した。
「……弟ここでいいかな?」
スマホの画面を見せて、そこを拡大した。徒歩で25分少し遠めだが……他の寿司店を見れば大体それぐらいの距離であり。
むしろ25分は、他の近くにある寿司店に比べれば近い方だった。
「僕もそれでいい、これ以上店を探そうって言ったら更に時間過ぎそうだし……」
ちなみに調べるのに掛かった時間は、俺が四苦八苦して10分中々のタイムである。
これでも俺は頑張ったのだ、誰か誉めてくれてもよいと思う。頑張ったで賞的な意味で。
「……そうだね、お腹すいた。」
「じゃあ行こう、お兄ちゃん。悪いけどスマホ貸してもらっていい?案内してもらうと、迷いそう。」
弟は悪気のない表情で言った、普段よりも少し丁寧口調だが……言っていることに遠慮はない。
調べている様子で、一種の見切りをつけたのだろう。スマホをぎこちなく使い馴れてない人のスマホによる道案内を信用できるか?という話だ。
実際に俺が案内して、迷わずにいけるか?と言われるとイエスと確実には言えない。
一度行った場所には、道が確定している事もあり迷う事はないのだが、行ったことの無い場所はちょっとした迷子を挟む事がある。大体10~20分位迷っていた時もあった。
仕事としていくぶんなら無いから……何か休みとかになると抜けてしまうのだろう。
「うん、よろしく。」
ちょっと弟から目をそらしながら、スマホを渡した。そこら辺は俺と違いうまくやってくれるだろう。
弟は渡したスマホを見て、ちょこっと弄ったと思えばあるきだしていた。
黙ってついていくと、時々後ろを振り返ってくる……多分俺がちゃんとついてきているかどうかの確認だろうなぁそう思いながら、町並みを見る。
基本的に仕事が終わったらそのまま家に帰ってしまうため、寄り道はしない……近くにこういう景色もあると知れて中々面白い。
弟も色々歩きながら、見ているようで猫見つけたときはちょっとだけ立ち止まっていた。
寿司屋の近くまでくると、個人経営の飲食店が立ち並んでいた。お昼の時間はとっくのとうに過ぎているため、人は落ち着いている。
それでも、人が多めな辺りでお昼のかきいれ時には大変な量の人がこの道を埋め尽くすだろうことが容易に想像ついた。
「あっここっぽい!ついたー。」
店の前まで来たので、二人で確認のため立ち止まった。店名も紹介として乗っている写真も同じのためほぼ目的の店で間違いはないだろう。
「早く入ろう、お兄ちゃん。店はすいているみたいだし……」
「うん、そうだね。」
ガラッと扉を開けると、店の中から大将と思われるおじさんから。
「いらっしゃい!お二人さんかい?」
声をかけられる、少し後ろには大将の奥さんらしき女性もいてちかずいてきた。空いた席の案内とか、注文を取ったりするのだろう。
「はいっ、お座敷あります?」
「お座敷ねー今から案内しますから、着いてきてください。少し狭いので足下気を付けて。」
「わかりましたー。」
そうやって、案内された座敷は二人で来たこともあってちょうど良さそうな広さの場所を案内してくれた。
テーブルにはメニュー表と、呼び出しとして鈴が置いてある。食べたいものが決まったら鈴を鳴らして呼び出すのだろう。
俺と弟は早速靴を脱いで座敷に上がり、黙々とメニュー表に乗っているお寿司等の種類を見た。
タコ唐揚げやみかん寒天等もある辺り、お寿司だけ出す店では無いようだ。
ビールや日本酒とかのお酒もあるが、午後も訓練をするし勿論頼まない。
「弟何か頼みたいものあったかー?」
メニューを一通りみて、一応俺は頼みたいものは決めた。
鮭の握りとウーロン茶そしてタコの唐揚げの三つ、足りなくても後で注文をまたすればいいし実際後で桃寒天をデザートで頼むつもりである。
「このマグロ三味てっやつ頼んでもいいかな?」
弟は、赤身中トロ大トロの三つの握りが一つずつ乗った写真が乗ったメニューを指差した。
よくある味比べセットみたいなものだ。
「勿論いいけど、飲み物とか他に何かいる?」
「じゃあ……サイダー」
「了解。」
注文を弟から聞いた後、鈴を鳴らす。からんからんと乾いた音がした、そうしてからすぐに注文を取るために人がやってきた。
「すいません、鮭の握りとマグロ三味タコの唐揚げ飲み物にサイダーとウーロン茶ください。」
「はい、承りました。鮭の握り1つマグロ三味一つタコの唐揚げ一つサイダー一つウーロン茶一つ以上でよろしいでしょうか?」
「はいそれで大丈夫です。」
「それではごゆっくり。」
と来た人は頼んだものをメモにとって去っていく。料理が来るには少し時間がかかるだろう……握りとか刺身切るところから始めるだろうし。
「じゃあ、訓練のまとめやら色々話していこうか~それ以外のことでも何か相談とかあったら乗るよー。」
「やっぱり……個性のことかな。」
そうなるか、確かにぎこちない使い方をしているし実際俺の個性と同じぐらい危険いや……自傷で命を落とす危険性も含めれば……
弟の個性の方が危うい。
「個性かぁ、俺も一年の頃はコレに振り回されていたからなぁ……同じじゃじゃ馬ってやつかな?
弟と同じ雄英高校に受験したとき……
殆ど使うことなかった目を使って0Pごとビル何棟か綺麗にぶっ壊したからなぁ……勿論不合格だったけど。」
「うわぁ……」
「引かないでくれないかな弟?
まぁ弟は、入学時点で個性が初めてわかった……つまり弟が引いた俺とほぼ同じ状況だと思う。
事前の訓練も何も出来ないわけだ。いや正確に言えば、誰もが自然に身に付ける感覚が無い。」
少し弟の反応に悲しくなりながらも、俺が思うことを言った。
つまり回りの生徒いや普通の人間とは違って
例えば一般人が機関銃を手にいれたとして、無知で使えば安全装置によりろくに撃てないかまたは暴発や反動でけがをするだけだ。
「うん、それは僕にも分かっている。本当なら自傷の可能性のある個性でも回りの人は10年以上個性を使っているんだ。
僕は、まだ個性を使う土台ができていない。
だからどうしたら……」
あぁうつむいてしまった、俺よりも頭が回りよく考える弟だから悩みを抱えてしまう。
難しい事ばっかり考えなくてもいいのに、単純でもいいんだよ。もし解決法方が間違ったとしても直せばいいだけなんだから。
「うーん、それは使い続けるしか無いんじゃないかな?弟は自ら怪我しないぐらいには、使えるようになったんでしょ?
さっきの訓練でも使ってたし。」
「だけど……普段の練習では、あまり使えないと思う。怪我とか色々な事があって。」
確かに、学校での訓練の際にいちいち吹っ飛ばしたりしないように調整とか脳の血管が切れる位に疲れるだろう。
弟の個性は、対人のみのコントロールだし……普段学校でする訓練だと問題が起きそうだ。
「あぁだからさぁ、そこに俺がいるんじゃん!個性使う練習がしたいなら俺を使えって、弟のお願いなら仕事ほっぽり出しても行くよ!」
「いや、お兄ちゃん仕事はほっぽり出さないで……でもありがとう。」
「失礼しますウーロン茶とサイダーとマグロ三味と鮭の握りお持ちいたしましたー。」
話しているうちに料理が届いた、二人とも渡されたお手拭きで手を吹いて料理と飲み物を受けとる。
ウーロン茶やサイダーは瓶に入っている、ちょっと旅館のようだ。
「やっと食事届いたねー。」
「お兄ちゃんが頼んだタコの唐揚げは、まだだけどね。頂きます。」
「唐揚げだし、揚げるのに時間がかかるんじゃないか?頂きます、醤油とわさびはえーとここか。てっ栓抜きどこ!?飲み物開けられない。」
「お兄ちゃん慌てすぎだよ、ここにあるよ栓抜き。マグロ美味しい。」
弟はもう食べ始めていた、そりゃ大分時間たっているし大分お腹も減っているだろうから当たり前か。
俺はもらった栓抜きでウーロン茶とサイダーを開けて、注いだ。
なみなみ注ぐと飲むのが大変になるからある程度の量で止める、炭酸だと泡がたってちょっとだけ溢れた。
「結構お寿司大きいなぁ。」
醤油にわさびを多めに溶かして、握りを食べた。美味しいなぁ、あまりこういう場所行く機会無いから高級とかよくわからないけど。
プロヒーローで上の方になると接待とかで行くのだろうか?俺は知名度捨ててるし関係の無い話だが。
あっタコの唐揚げ届いた。
箸でとって、口に放り込んだ。
揚げたてだったようで、結構熱い。気を付けないと舌が火傷しそうだ。
ウーロン茶を飲んで少し落ち着ける、揚げ物って揚げたて美味しいけど……熱いんだよなぁ。
「あつっ………あっ弟も唐揚げいる?結構熱いから食べるなら気を付けてね。」
「なら少し貰うね、レモンかけていい?」
「いいよー」
レモンが搾られて、タコの唐揚げに掛かった。弟はそれを箸で取って食べたが……
「あつっ。」
弟も同じような事をしていた……気を付けても、熱いものは熱いのだと俺は知った気がした。
……結構弟食べるようになったなぁ、やっぱり体力勝負な面も多いからかな?
「………唐揚げ少し冷まそうか。」
「うん、そうだね。またなんか頼んでいい、他にも気になる。」
「いいよ、だけどこの後も動くからそこら辺加減しないとちょっと辛いかも知れないから気を付けてね。
弟ならそこら辺はきちんと調整できるから、心配してないけど!俺も追加で何か頼もうかな?」
そうやって、時間は過ぎていく。いつも気をいれなくてもいい、たまにはこういう時間の使い方をしてもいい。
そういう時間が、次への糧になるのだろうから。少しずつ進んでいけばいい。
「寒ブリか甘エビ?」
「よく見るとこのメニューデザート、寒天かあんみつだらけだなぁ。
というか寒天だけむっちゃ種類ある。」
主人公紹介にアンケートを追加しました、少し先の展開に関わる可能性があります。
すごい1話寿司屋いって食べるだけで終わった。