兄は弟を守りたい。   作:夢食いバグ

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ちょっと流れが変わるかもしれぬ。


最新話
普通科の黒馬


「………あー首が痛い。」

 

借り物競争で弟に首根っこ捕まれ引き回された、でも大人を引っ張れるほどの力がついたことを感じられるいい機会だと思ったりもしている。

 

弟は借り物競争以外の競技は、参加したりしなかったりして他の参加者もおんなじ感じだ。

 

ちなみに俺はまた仕事が入っている、一年生の物を頼まれたからまだましだと思う……各種レクリエーション競技に使った道具の後片付けだ。

 

「初戦は弟がやるのか……相手は、普通科で黒馬だなぁ。俺からなにか言えるものでもないし、それに場所的に会いにもいけないし。」

 

そう独り言を呟いていると……人が近づいてくるやな予感がするが……

 

「緑谷くん、選手の待機室のもの頼んでいい?今している後片付けこっちで請け負うから。」

 

また仕事を頼まれ、違うか苦手な仕事のおしつ……交換かそれぐらいならまぁいいか。

 

「あっいいですよ。」

 

本当に、断るためにはどうすればいいのだろうか。

 

「ありがとう、待機室選手が来る前に早くすませられる自信がなくて………」

 

「なら俺早くいった方がいいですね、分かりましたやりますので後の仕事は引き継ぎお願いいたします。」

 

さて、いくか……ここからは近いかな。

そうやって時間が無さそうなため軽く走っていく、曲がり角とか人にぶつかりやすいからそこら辺も気を付けないといけない。

 

普段とかであれば、スケートボードでいってしまうがまぁ仕方がない。

 

俺はあくまで用務員だ。……今までの業務見返すと用務員とは思えないほど全体的に仕事が回っているような気がするが、そこは雄英クオリティだと思おうそうしそう。

 

「失礼します。」

 

念のためノックを三回してから入室する。

 

ノック二回はトイレのときとも言われているが、ちゃんと分かればそれでもいいと思っている。礼儀作法なんてたいがいそんなものだ。

 

中には誰もいない、来る前に済ませなければならないから居たら驚くし困る。

 

「中の麦茶減ってるな……暑い中やってるから当然と言えば当然か……」

 

麦茶の詰め替えや床に落ちたゴミを捨てて、パイプ椅子等の位置を整える。手早くやらなければならないし、弟含む参加者は全員使うだろう……

 

なるべくリラックスできる環境を用意したい。

 

「まぁこれでいいか。」

 

手早くも済ませなければならないため、個人的に及第点といえるまでに終わらせる。

 

「よっおとぉぉ!?あっ学生さんか……ビックリしちゃったここ選手待機室であってるよ、対戦張り切っていってね応援してるよ。」

 

出ようとしてドアを開けた瞬間、学生さんがいたんだからビックリするよね。多分ビックリするのは俺だけじゃないと思う……とりあえずドアにぶつからなくて何よりだ。

 

確か弟が対戦する相手か、ひょろってしてるなぁ除籍先生のようだ。目付きとか特に似てる……

 

「あの……俺になにか?」

 

しまった、すこし見すぎた……こういうところが俺の悪い癖なんだよなぁ……

 

「いや、何でもないよ。ごめんね。」

 

「そうですか。」

 

「うん、そうじゃあねっ。」

 

個性は異形でもないし見た目で分かるようなものでもない……もう少し体育祭でマークして見ていればあらかたの想定はついたのだろうが……。

 

はっきり分かるのは障害物走から騎馬戦の絞りのみを越えてここまで来た時点で、強さとなるナニカは持っているだろうってこと。

 

もしあの学生さんの個性が分かったとしても、弟には教えたりとかはしないけど……

 

そこら辺は弟自身が見つけて対応するべきであり、勝負には俺は兄として介入してはいけない。

 

「あっまた仕事のメールだ。」

 

正直、弟の試合見れるように仕事すませられるかすらわからんけどな!個人的にだけど下手な雄英高校教師よりも時間がない気がするぞ。

 

……なんか一部焦げたり壊れてる物品を補充するってことで、そもそもなんで焦げてるの?学校で小規模キャンプファイアーでもしてるの。

 

個性だから致し方なしでいいかもう……爆発やら火炎やらそこらで焼けた後結構見るし……

 

「用務員室の備品からひとつ焦げたやつの代わりに持っていくことにするかぁ……」

 

個性社会故物が壊れることが多いのは雄英高校も分かるのか、予備の備品がやけに多い。その交換も、用務員の仕事としてやられている。

 

教師は、自身の授業のカリキュラムの作成などに尽力できる環境になるし用務員にさせるのは分かる。

 

 

とりあえず人員増やして下さい。行事のとき忙しすぎる、普段はまぁまぁだけど。

 

 

これが今の全体的に用務員業務について思っていることである、即採用ですぐに働いてって言われた理由が分かったよ。

 

「俺はヒーロー業も兼任しているから、休みが無いなとか感じるのだろうけど。」

 

基本的にヒーローと兼任することを前提としていないのだろう、雄英高校の教師は逆にヒーローであることが前提だその分その配慮も多いのだろう。

 

「よしっついたと。」

 

さっさと取り替えて、弟の試合見に行かないと!時間帯的にもう始まってる。

 

……騎馬戦見たいにほとんど見れないってテレビで後で見れるとしても悲しすぎるし、というかまた見れなかったら俺は泣く。

 

「まぁどんな勝負の結果でも、弟の実りのある戦いになればそれでいいんだけどさ。」

 

負けて死ぬ戦いじゃない、だからこそ見えるものがある……それを感じてほしい。

俺だって何回も失敗して何度も繰り返して自身の得物を研ぎ澄ましてきたのだから。

 

 

歓声が浴びせられる。日がより暑く感じる。

 

「第1回戦!成績の割には何だその顔、ヒーロー科・緑谷出久!VSごめんまだ目立つ活躍なし!普通科・心操人使!」

 

ここで勝たなければ、轟くんとの約束も支えてくれた人の期待にも答えられない。

 

「ルールは簡単!相手を場外に落とすか行動不能にする!あとは「まいった」とか言わせても勝ちのガチンコだ!」

 

相手の心操くんは、白尾くんが個性を教えてくれた……洗脳だ。多分試合中僕に返答させようとするだろう、そうすることが相手が僕に勝利するための道なのだから。

 

「あの猿はプライドかなんか言っていたが……」

 

「レディィスタート!!」

 

マイク先生の開始の声が響く。

 

「せっかくのチャンスを捨てるなんてバカだと思わないか……?」

 

無意味に心操くんは、そういっているわけじゃない僕に洗脳の個性を使うために言っているんだ。まずは走って近づく、心操くん自体では反応していない。

 

反応が鈍い。

 

そこなら、殴れる。

 

「ぐっあっ…………」

 

心操くんが腹を押さえる、殴ったから当たり前だが……いているのは顔でもやり過ぎると反則と取られる場合もあるそこら辺も考えないとならない。

 

「いきなりか、ヒーロー科もだけど俺も負けてられないんだよ!俺は勝ち進みたいんだ。」

 

心操くんも殴りかかってくる、確かに洗脳だ爆発やエンジンのように直接戦闘に使える個性ではない。痛みはかっちゃんに殴られる程じゃない……

 

……勝つためには場外に出すか、まいったと言わせるか……。心操くんに勝つためには挑発に乗ってはいけない文字通り精神の勝負。

 

「良いよなぁ、こういう風にちゃんと戦える個性は俺と違ってよ!

 

生まれたときにおあつらえ向けの個性もっているやつわよ!」

 

心操くんはそう叫んで僕の方に向かっていく、僕も無個性でヒーローを諦めていたからその苦しみは分かる。

 

だけど、ここで勝ちを譲る訳にはいかない。

 

僕はわざと場外近くの白い線に押されるように移動していく、きっと心操くんは まいった とは言わない。なら僕が心操くんに勝つためには場外を狙うしかない。

 

「………つっ」

 

だんだん奥に追い詰められていく、だけどこれでいい体を横に向け足をひっかける。勢いは中々止められない突然やられれば、普通科だから戦闘訓練も積んでいないだろう、だから………

 

「最終種目、真っ先に2回戦に進出したのはA組緑谷出久!!」

 

これで勝つことができた。

 

 

「やっと仕事片付いた、これ以上回されてたまるかっ!俺は弟の試合を見るっ。」

 

もー暇なとき以外仕事回さんといてください、俺は試合を観たいんだ。体育祭だからいいんだ……

俺は開会式で見たところ個人的な一番の特等席から試合を見る……

 

「……あれ、先客?」

 

俺よりも先に誰かがいた、多分最初から試合を観ていたのだろうすこし汗をかいていた。

 

前に近所の道案内をした、黄色い髪をした目に微かなそして、確かな光をもった骸骨のような男……名前は知らない。

この男、雄英関係者だったのか……?

 

「すいません、雄英高校関係者でしょうか?申し訳ありませんが関係者以外は立ち入り禁止となってまして……」

 

念のために軽く声をかける、俺の記憶の中では確かこういう雄英高校の関係者はいなかったはずだ。

男は気づいたのか返答をした。

 

「雄英高校の校長とちょっとあって、ねちゃんと学校関係者だから安心してくれ。」

 

ちょっと焦っている気もするが……そこら辺はまぁいいだろう、もし何かあったらここでならば通報したりなんなりなんとかはなる。

 

「えっと一応私は、この雄英高校で用務員をしてます。緑谷 曲と言います、あのときは商店街大変になって災難でしたね。」

 

こっちも雄英高校関係者であると言っておこう、相手も雄英高校関係者だとしても用務員の顔なんていちいち覚えてはいないだろうし。

 

さて後は、弟の試合だ。

 

弟いつの間にかむっちゃ無言で殴りあっているのだが俺が仕事中に何があったんだ。

 

相手は俺と似た力じゃなければ、そういうことあんまりできなさそうだが。入試が問題で普通科で入ったとするなら精神干渉系か……?

 

あの様子だと弟と殴りあいでは、負けているみたいだし……弟が無言って事はそれに関連するのか?

 

「やっぱり、もう少し早く来れば良かったな……」

 

なんというかうん、サッカーでゴールシーンじゃなくてゴール後のやつを見てしまったような感覚だ……。

 

全くこの試合が、どういう流れをしたのかわからない。後で家に帰ったらテレビ見返そうそうしよう。

 

あっ勝った、相手が場外に出てしまったようだ。

 

……何か相手と話してる、でも…

 

弟戻ってくるからここから一端離れよう。なんかボーとたまにしてるななんでだろ勝利の余韻を崩しちゃいけないからね……

 

きっと弟怒っちゃうだろうし……であの人弟と何か関係あるのかな、気になるなぁ……

 

……わぁい、また仕事のメールはいってるよー

 

外の出店辺りのゴミがちょっとあるから片付けろって事か……弟の試合までまだあるからいいかもう。

 

他の人達の試合も気になるけどなぁ、俺の戦い方に組み込める戦法とかあるかもしれないし。




黒馬と書いてブラックホースと読む。

曲のヒロイン ピクシーボブさんとか考えています。用務員仲間の名前とか考えないとなぁ……

体育祭もあまり曲の戦闘シーンはありません(´・ω・`)

出久君に兄の影響が……(戦闘スタイル)、指二本の怪我が無くなりとそして歴代の幻影フラグが折れてしまいました。
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