兄は弟を守りたい。   作:夢食いバグ

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兄さんの胃が溶け始めるよ。


途切れたものと不安感

そのまま、お家に帰った。

 

帰ったら弟がいたので………………思いっきり、右手で弟のほうをつねった。

 

うん生きてる、幽霊とかじゃない、物体がある。そうやってつまんでいると。

 

「お兄ちゃんいふぁい。」

 

と疲れと不機嫌が混ざったようにやめろと言われたがやめない、こっちがどんだけ心配したと思ってるんだ……

 

ゲロ2~3カ月分吐いたと思うぞ、と言うか急に個性出たってビックリも含まれてるんだからなっ。

 

今日一日で驚きで腹一杯ですよ、弟。

 

「リカバリーガールさんから話を聞いたぞ!両足と片腕を大きく怪我したようだな、それも突然現れた個性……自傷ダメージで。

 

自傷ダメージって言っても何をどうしたらそうなるんだっ!!俺でも訳がわからん!なにがどうなってるんだ!」

 

弟のほうをつねり続ける、何か回答か謝罪がくるまでこうするぞこのやろう!どれだけ怖いことなのかわからないのかっ。

 

「おひふいて。はなふ、話すから離して。」

 

つまんだままだと話ずらそうなので、話した摘まんだほうは指の形に少し赤くなっていた。少し強く摘まみすぎてしまったか……

 

「えっと、試験で急に僕でもビックリしてるんだ。今まで出たことのない力がぼわっと出て。

 

それで……僕は個性を使ってって何で知ってるの!」

 

とおどおどしながら話していたが……何処か妙な点に思い当たってしまったのか質問されてしまった。

 

あっ確かに雄英高校と関わってないと知り得ない事だな……合格までサプライズとしてとっておきたかったが仕方ない。

 

「実は仕事で雄英高校にいた、用務員として雇われてて試験後のロボットの整備とか行っているときにリカバリーガールから声をかけられてその事を知った。」

 

「そうなんだ………えっ?もう一回言ってほしいな……僕の耳が可笑しくなったかも知れない。」

 

「雄英高校で用務員として働いているから。」

 

「………エイプリルフールはとっくに過ぎてるよ、お兄ちゃん。」

 

真顔で言わないでくれ……そんなに衝撃的なのか、いつもふざけすぎて信用がないのかわからないが。これは真実なんだ。

 

「いや、本当だぞ……何ヵ月か前に働いてるから信じられんなら給与明細でも見せようか?

 

後急に現れたんなら、義母さんにどうやって説明するかだなちゃんと考えてあるか?」

 

個性が現れた場合は登録を行う……今までは無個性としてなっていたので弟はしていない。

 

登録にはある程度の概要を記す必要があるため、分かりやすいものがいい。

 

「そこら辺はもう考えてあるから平気。」

 

「そうか……なら良かった。」

 

そうこうしていると、義母さんが買い物から帰って来た……とりあえず。

 

「おかえりなさい。」

 

と言った、さて弟が突然現れた個性の説明はどうするか……義母さんビックリするだろうな。

 

 

一週後そろそろ合格通知が来る頃であろう。

 

個性登録は超パワーという事になった……

 

強力な増強系の個性で弟の両親の個性(物を引き付ける/火を吹く)とはどちらも全く関連性がない。

 

少し不審に思って祖母や祖父等からの遠隔遺伝の可能性もある。

 

緑谷家系図を調べてみたが、増強系の個性の持ち主はいなかった……突然変異型というものなのであろうか?

 

でそんなころの昼ご飯………

 

「出久っ出久……?大丈夫。」

 

義母さんがぼんやりしている弟に話しかけている。

 

弟が焼き魚と魚と微笑みあって、俺はそのままじゃアレなので人差し指で額を軽く突っついた。

 

正気に戻ったように魚を皿にポトッと落とす。

 

「てっなにするの……。」

 

そうやって、弟は頭を押さえた少しやはり浮かない顔をしていた。試験が悪かったのだろう……と感じた。

 

「ずっと浮かない顔してるからだ義母さんも心配し照るし、弟は弟なりに一生懸命やったんだろ?報われてるさきっと。

 

早く食べないと冷めるぞ。」

 

軽く言うとはっとした表情をして、ご飯を食べた……今日の魚はアジの塩焼きだ。内臓処理とか結構することあるんだよなぁ……

 

全員が食べ終えた後、弟は癖がついたのかリモコンを持ちながら筋力トレーニングをしている俺はその横で水を汲んだ。

 

涼しくなったといえどもトレーニングをすれば汗をかくし夏だけ熱中症に掛かるわけではない。そこら辺は弟はちゃんと考えていると思うが念のためだ。

 

「雄英受けるってだけでもすごいことだと思うよ母さん。」

 

義母さんは話すが弟は筋トレを続けるだけで反応はない……

 

「………………」

 

ダメだ空気が重いっ……テレビつけても、消せそうにない。もう本読んで気まぎらわ……

 

「いずずずずずずず…出久!来てたよ!これっ」

 

と義母さんが、弟に向かって驚きすぎてたまに滑りながら四つん這いになって向かった……その手にあったのは雄英高等学校とかかれた、合否通知だった。

 

弟はそれを受け取り、急いで自室に向かう。

義母さんは部屋に入らないがそばで心配か少しの期待かソワソワしていた。

 

俺はその側で壁に寄っ掛かって弟の報告をまつ………心配はしていない。

 

だって、ヒーローとしてやるべきことをやっていたような気がしていたから。

 

「結果は変わらない、けどちゃんと見ててくれる。」

 

呟いた、どれだけ心配しようとも後でどれだけ後悔しようにも試験が終わったときから結果は決まってる。

 

だからこそ………

 

「合格したよっ、雄英高校。」

 

この瞬間が、努力の最高の酬いだ。

 

 

弟の入学を間近に控えたある日、神社に来ていた。

 

5000円を入れる……

 

「弟がヴラド先生の担当になりますようにっ!学校で変なこと起きませんようにっ!なるべくなら爆豪と別々にお願いします。」

 

とクラスが少なすぎて1/2の確率になっている、担当を祈願した。むっちゃ鈴降った周囲の目線が痛いほど降った。

 

だってさぁ………相澤先生除籍回数が頭おかしいんだもん、なんなの150越えって。それに去年1クラス丸ごと除籍処分にしたって聞いたよ?

 

弟の事考えれば厳しいところがあろうとヴラド先生の方がいいじゃん?

 

除籍がオワタ式の罠見たいに仕掛けられているよりは、ダメージ持続板がずっと張ってある方がいいじゃん?

 

「叶えてくれなかったら、ちょっと頼む回数減らしますよー。叶えてくださいねー。」

 

せっかく入学したのだから、なるべくいい経験を積んでほしい……もしもの時のヒーローになる道筋は一応作ってあるがそれは本当にもしもの場合だ。

 

「学校とは学ぶ為の場所だからお願いしますよ………本当に。」

 

そして現実は残酷であった。

 

用務員としての仕事のために弟よりも早く家を出て、入学式の準備の為に椅子だしを行い。新入生一同が入ってくる所である。

 

そして…………新入生が入ってくる。

 

ちなみにヴラド先生の担当クラスはB組である、よって相澤先生の担当クラスはA組である。

 

今大分時間が過ぎてもA組は、入学式に来ていない。

 

弟が大分時間が過ぎても、入学式に来ていない。

 

弟はB組の中には居ない、よってA組にいる事がほぼ確定する。

 

「(これ弟、相澤先生のクラスじゃねーかっ!!!しかも爆豪も居ないから同じクラス……)」

 

やべーよ、最初っからそのまま来てたらまだましだけど、入学式に来てないとかフルスロットル過ぎるだろ。神社での邪気のない祈りを返せ。

 

頭痛い。A組が居ないって少し体育館ざわついてしまっているだろーが。

 

根津校長先生少し困っちゃてるよ……

 

A組いや相澤先生は入学式に来ないで何をやってるんだ、心配だよ何より弟がいるから心配だよ。

 

「えーとこれから入学式の初めの挨拶を行いますっ。」

 

もう時間過ぎちゃってるから、入学式が始まって校長先生の話が始まる。用務員なので外から聞いてるだけだ、弟が居ないとなってはここに用はない。

 

弟がどのクラスにいるかと確認しに来ただけ、入学式までの長い休憩時間に少し抜け出してここにいる。

 

「大丈夫かなぁ……おと……」

 

何で校庭でボール吹っ飛んでるんでしょうね……?爆炎巻き上げながら物凄い勢いですっ飛んでいきましたけども……爆炎…??

 

「まさか!」

 

今A組がしていることか!俺はすぐさま立て掛けておいたスノーボードを使い、校庭が全部見える場所へ移動しようとする………まだ休憩時間はあるはずだ。

 

今は入学式でほぼこの学校の全生徒が、A組以外集まっているそのため移動遥かにしやすい………やはり全部を見るとなると屋上か……

 

屋上へ上がりグラウンドを見る、そこではA組と思われる集団が体力検査らしき物をしていた。小型双眼鏡をとりだし詳しく見る………

 

「………今は50m走か……」

 

見た限り一番早い人はインゲニウムさんの弟か……エンジン、速いから伝達や相性が悪い場合の逃走 戦闘では機動力を生かした蹴り等も強いだろう。

 

だがその機動力を生かすためには、体重管理がシビアと思われる。筋力がある方が勿論火力は出るだろうだが重さでスピードが落ちてしまう可能性が高い。

 

スピードとパワーのバランスがかぎ……あっ癖がいけないいけない………。

 

「個性的な面々だな……」

 

そう思いながら、ちょっとした思案をする。相澤先生が除籍という脅しをかけているかどうかだが……

 

脅すとするなら最下位。弟は他の人たちと比べ個性が急に出ている、聞いただけだが随分な爆弾だ。

 

「まだ……何も出せてないな……」

 

大分見て最初のボール投げになった……大砲を作り出しそこから玉を打ち上げることで遠くに飛ばしたり。

 

ボール自体を浮かせたり。腕にあるセロハンテープにボールを張り付けぐるぐる回り途中で切ることでハンマー投げの原理で遠くに飛ばしたり。

 

やはり個性を使用し、個性無しでは考えられない記録を作り出していく………

 

「正直言って弟、後の競技は今個性使っても点数は取れない………」

 

個性は1か0か……つまり長距離走等時間の掛かるものは無理、一番1か0かでやり易いのは一瞬の力を図る握力かこの一瞬力を入れるボール投げ。

 

…………使うなら今だぞ。

 

そうやった瞬間……弟はボールを投げた、そのまま 普通の記録 で終った。あぁ相澤先生の個性は抹消、使われたかこれで後1回。

 

その後の様子から見るに、これは完全なる狙い撃ちだ。そりゃあ除籍条件決められるんじゃ、ある程度のターゲットつけられるか……

 

「だけど……相澤先生、俺の弟はそんなに圧に弱まるほど柔じゃない……助けるために、今出来ることを全てを。」

 

その瞬間風が吹き抜けた、恐らくボールの風圧だ…大体遠くで見た爆炎をまとったソレとほぼ同等。

 

「出せる男だよ。」

 

………人差し指が折れてるか、試験の時はこれを右腕と両足に受けていた。やっぱり弟はとんでもないものを抱えたらしい。

 

「………あっもう休みそろそろ終わりか……心配だけど、仕方ない用務員として仕事をしにいこう。」

 

そうやって屋上から、スノーボードを持って。帰るために下に降りた。




相澤先生=保護者的には恐怖しかない。

神社で願ったこと、弟はヴラド先生が担任で爆豪と一緒のクラスではないこと。
用務員故にしばらく手の出せない状況が続きます……用務員が授業の邪魔したらあかんからね……

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