滅びかけの世界で道中記   作:湿気った銃弾

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新たな経験、新たな出会い。
そうしてどんなに塗り重ねても、己の中に潜み、そして産み出す過去という化け物(思い出)からは逃げられない。





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ボリバリボリボリ

只々無心で壁を見つめながらボロボロのソファーに座り、カロリーバーを齧り続ける。

 

味も糞もへったくれもない大味なチョコの雑な風味に飽き飽きし、口中の水分を吸いとってからじゃねーと行かねーぞと口内に残るカロリーバーを無理やり喉奥へと押し込む……が、流石に辛いので置いてある水筒を掴んでぐっと口に含み、水で流し込むようにして最後の欠片を胃へと仕舞いこんだ。

 

本当に嫌になるね。

早く暖かい飯が食いたい。

 

残念ながら今はヒートパック何ぞ、便利な物は品切れだ。

だから暖かい飯を食べる、その為には火が必要だが、火をつけたら最後――燃え出る煙と熱反応で位置がバレて、あの世行き確定だろう。

 

俺のいる廃墟ビルを囲むクソッタレファッキン鉄血供の手によってな!

 

戦場で物資をがさごそ漁る浮浪者生活して居る以上、そりゃ危険と隣り合わせと言えど、まさかこうなるとは思いませんでした。

スカベンジング中、嫌な予感がする音がして、チラリ外見てみりゃ俺のいる廃墟ビル区画中心に鉄血の奴等が展開してきてると来たものだ。

 

オーマイふぁっきゅー。

思わず、頭がくらりと来ましたよ。

 

奴等と出会う度にリスクに釣り合い、可能ならば葬り捲ってるとは言え、流石にガチで殺しにかかられるほど脅威度(ヘイト)稼ぎ行為はしていない。

精々ブンブン視界の端の端で飛び回るハエ程度のウザさ位だと思っておりますし、俺もバレたくないので足が着かない様、ずっと空を飛んでいたと言うのに。

 

動き見る限り、明らかに何かしらの目的をもって探している様子。

規模はざっと掴みで一個小隊(40-50人)前後。

装備もそこそこ良い個体が一個分隊(10人)に数体必ず居るし、内一個分隊は丸々明らかにファッキン装甲野郎(Aegis)だ。

 

俺の装備はアサルトライフル(SA58OSW)一丁にサイドアームにハンドガン(G19)一丁。

弾は30連が刺さってるの含めて五本、20連が二本。バラ弾もそこそこあるにはある。

後は手榴弾四発、フラッシュ一発にスモーク二つ。

アンダーバレルにグレネードランチャー(GP-30)が付いているとは言え、手持ちの40mm弾はたったの二発。

 

はい。絶対足りませんし、火力負け甚だしいです。

明らかに正面から戦っても即死です。本当にありがとうございます。

 

まぁ、脱出しようにも周りにろくな退路はないし、完全にわらわらと包囲されててどーしようもないのでビルの中で不貞腐れてました。

 

既に包囲されて丸一日がたっている。

朝ここに来て、ガラスのなくなった窓から太陽が沈むのをぼぉーと眺め、また上がるのを見てました。

流石に朝になり腹が減ったので、火が使えない時用ゲロマズ食いたくない飯ランキングTOP5に入るカロリーバー(チョコ味)を食べてたと言う訳だ。

せめてフルーツ味なら救いがあった。

 

まぁいい。しっかし、連中の目的はなんだろね。

最初の数時間は策敵と捜索をしている動きをしてたが、夕方位から明らかに待ち伏せの態勢に入ってるからね。

 

少なくともターゲットは俺じゃない。

明らかに過剰すぎる戦力だし、動きから見てもね。

 

するとこの態勢から見て、何かがここを通るのを殺るのが目的かな。

最初の捜索は恐らく情報鮮度が悪かったのだろう。

逆に待ち伏せ食らわない様に動いてたって所が正解かね?

 

ここは両者共に支配率も有利もなにもない緩衝地帯。

 

目の前は十字路で、俺が今居るようなボロボロ雑居ビルに倒壊した民間やガソリンスタンドのようなお店が並ぶ正に元極一般的町並みだったTHE廃墟の市街地。

 

交差する道路は片道一車線で路上は放置車(廃車)に残骸で遮蔽物ばかり。

兵員輸送タイプの装甲車は通れないし、車両に関しては軍のホバータイプの戦車でもなけりゃ進むのは無理だろう。

 

あ、因みに十字路の北に行けば鉄血占領地行き。

南に行けばグリフィンの支配地域行きとなっております。

どっちも行きたくないねぇ。

尚、俺の居るビルは十字路の北東側に建っております。

 

そんでそんで、さっきから窓から覗けば嫌な様子が義眼の拡大レンズ越しに良く見えますよ。

向かい(南西側)の屋根が崩れた三階建てのアパートには窓から機関銃備え付けてる様子がバッチリ。

通り挟んでその左側(北西側)、六階建てのビルには狙撃ポジションを探しているスナイパー(Jaeger)複数にビル1階部分に隠れるかのように装甲野郎(Aegis)とノーマルの敵ががうじゃうじゃ。

勿論、アパートの通り挟んだ右側(南東側)の元コンビニらしき建物にもノーマルの敵がわらわらである。

その平べったい屋根に登って構えてるマシンガンナー(Striker)も二体も居やがるし。

 

んで一個分隊程度がその中心である交差点付近に向かい、放置車両やら残骸やらに近づいて何かしらの作業をしているみたいである。

まぁ、大概は地雷等のブービートラップ仕掛けてるんだろと、容易に予想がつく。

 

取り敢えず、今のところ俺の居る四階建てビル周辺に敵は居ないようだか、明らかに十字路付近に来る敵へのKILLZONE構成してますね。

敵の配置を見る限り、獲物は鉄血側(北側)から(南側)へ帰ろうとするグリフィンの人形達もしくは軍のリコン(偵察)って所かな。

 

トラップに引っ掛かった所を二方向から機関銃で鉛のシャワーを浴びせ、プレッシャーをかけることで北側に下げさせる。

そして、南側に意識が向いてがら空きの背中をスナイパーがズドン。

次いで退路をたつ形で装甲型を押し出し、最後は南と北側からサンドイッチして終わりって所かな。

 

あー、これ引っ掛かったら壁になれる機甲戦力があるか、数居ないと終わりだ。

少数なら手酷い被害を喰らって壊滅判定。

酷けりゃ文字道理全滅するだろうねぇ。

 

こんなに手が込んでるってことは下手したら迫撃砲も二門くらい居るんじゃないか?

あくまで予想だけど。

 

うーん、これはマジ余裕で死ねる。巻き込まれるのは勘弁ですよ。

 

とは言え、さっきからチョロチョロと複数の索敵巡回が回っている性で逃げるに逃げられない。まぁ、逃げようと思えば出来るのだが、リスクが高い。

 

作戦 →いのちだいじに

 

で、行くならば。

全てが終わるここで大人しく待つか。

鉄血連中がお食事に夢中の間を狙って逃げるか。

この二通りの回答しかないだろう。

 

……まぁ、なんだ。

この狙われた獲物が軍のリコン連中なら心底どーでも良いのだが、もしグリフィンの人形達だったとした場合、このまま殲滅されるのを見て見ぬふりをするのは朝の目覚めが悪くなる。

明らかに人形達が引っ掛かったらほぼ助からないからな、これ。

 

うむ、どうしたものか。

何とかして伝えんと哀れな屠殺場の獲物になってしまう。

かといって、持ってる広域通信機で通信電波なんか出したら即バレて周りの連中にビルごと吹き飛ばされかねない。

しかし、戦闘が始まってから援護にいってもその時点で既に助からんし俺も死ぬ確率倍ドンだ。

 

……結局、無茶する羽目になりそうだ。

 

俺もまだまだ甘い、そんな感傷染みたため息をついて立ち上がり、動く準備を始めた。

 

脇へ下ろしてあったバックパックをどっこいしょとソファに持ち上げて、ガソゴソと防弾プレートと弾薬、ヘルメットにその他道具を順番に取り出しては脇へ放る。

 

一旦脱いでからプレートキャリアーに既に入っていた薄い金属プレートに重ねるようにしてしまっていたプレートをサクサク差し込んでいく。

 

持っている軽量セラミックはこれでカンバン。

弾を食らって割れたら、糞重い金属プレートに逆戻りだ。出来れば被弾したくないね。

 

最後にヘルメットへと戦闘用ヘッドセットやらシールドバイザーやら戦闘支援用のパーツを取り付けて終わり。

 

後は選別。悲しいがこれから走り回るのに重りは不要。

なので、本日のゴミ拾いの成果を捨てていくしかない。

高く売れるチップにパーツ。後は食料の缶詰少しだけ。残りの成果物は部屋の端にポイだ。

命とこのビルが全て終わった後に残っていれば改めて拾いに来れば良い。

 

バックパックを小さく纏め、成果品のつまったケースやら前準備終わった爆薬やら詰め込み口を閉める。

 

次は敵の装甲持ち用に弾込めの時間である。

弾薬ケースから取り出しておいた、ホットロード仕様のAP弾を空の五十連ドラムマガシンにローダーを使ってパチパチ無心で積めていく。

常時使っているAP弾よりも弾芯に良い金属と表面皮膜を使ってるせいで出費の嵩む高い弾であり、出来ることならあまり撃ちたくはない。

撃つ機会来ませんように。

そう願いながら嵩張るドラムマガシンをこれ専用のマグポーチへ仕舞いこんで体に取り付けた。

 

そして重くなったプレートキャリアーとヘルメットを着用してから、後ろの首元に半円の形をした戦闘用小型コンピューターを取り付ける。

 

これさえあれば、義眼やヘルメットバイザーを通じて情報が投影されるようになる優れものだ。

簡単に言えば、視界の端にマップやら体の状態やらが常に見えるようになり、それ以外にも義眼と連携して狙撃に必要なデータや計算を可能とする機能がある。

更に電脳が無い俺は、本来ならば人形が利用する暗号通信とは会話が出来ないが、専用の無線機をこれとリンクさせれば会話が出来るようになるとかね。

他にもまだ機能はあるが、割愛する。

何れにせよ、便利で今の時代には欠かすことが出来ない電子装備と言う訳。

 

その後、ピッピッピッと操作をして無線機にヘルメットのパーツ。そして脳味噌に埋まってるインプラントと接続。

ヘッドセットと義眼に無事接続が完了した音声と表示が流れたことを確認し、義眼に入っていた地域状況データをコンピューターへ送っておく。

 

後はマガジンに手榴弾やら諸々マグポーチに差し込んで体の方の準備は万端。

コンピューターの方でマッピングデータが作られるまでに銃の方の準備をしときましょう。

 

テーブル上で横たわる今の相棒(SA58)とサイドアームのG19を手に取り、両方のマズルにサイレンサーをクルクル捻って取り付ける。

G19の装填確認をしてからホルスターに仕舞い、相棒(SA58)を抱えホロサイトの電源を入れて各部の微調整に再確認。

 

そして弾を抜いておいたチャンバー(薬室)へ再度弾を入れて、テーブルの上に用意しておいた三十連マガジン手に取って差し込めば銃の方もバッチグー。

 

すると、ピコンと視界の右端にマップデータ作成完了の通知が表示された。

データを広げて問題がないことを確認。

最後の最後にバックパックを背負って準備完了だ。

 

改めて外部を確認すれば、お外のにいる敵さんの作業は終わっていたようで。

ガチャガチャ作業音と移動音が響いていた廃墟には、元の平穏が戻っていた。

 

同じように準備完了の鉄血共はバレぬよう息を殺し、今か今かと手薬煉引いて獲物を待ち構えているご様子。

 

さぁ、出撃の時間だ。

腕や頭をぐるぐると動かしてみれば固まってた関節がコキコキ良い音を鳴らしながら伸びていく。

片手で銃をブラリ携え、部屋の外へ歩み進む。

 

さーて、頭使って死なない程度に元気一杯で頑張っていきましょーかねぇ。

 

 

 




オリジナルネタ一覧

・戦闘用小型コンピューター
FPSの画面を想像してくだち。
それを視界に表示してくれたりする機能だったり、狙撃時の弾道予想とか秘密の通話参加機能とか脳内HDD持てない人向け外付けHDDとしての機能とかがあるよ。
但し、電脳化してなきゃ無理だよ、使えないよ。
それ無しで運用するなら、それに対応した外部機材か主人公の用に一部でも義体化やらインプラントが必要になるよ。

電脳とか実現してるな(ry 出来るでしょっていう感じです。

・戦闘支援用機材諸々
スコープ単体で狙撃の為のデータや計算、弾用予測も全て出来る!
ヘルメットにくっつくサイズの音響・振動探知機とか一部の事に特化した電子装備って感じの奴です。

多分メタギアに出てくるようなやつだよ、うん。
あんなけドンパチやった世界だし、技術も進んでるからきっとあるはず(願い)

・物語正史との時系列
正直、ストーリーやら過去話やらイベントでの時系列が今一分かってない部分もあるのでこれから(すでに)盛大にずれるところが出てくるんじゃ無いかなーって。

〜〜〜〜〜〜

・今回も勢いで書き抜けました。何で多分投稿後に小さな訂正しまくります。
実はまだ続きがあるんだけど、粘って続けてじっくり書いてたら勢い死ぬ気がしたので、一旦釘って投稿してます。
なんで、次も勢いで行けるかもしれない。
止まるんじゃねーぞ……!

・後は謝罪ですね。
一話と二話、いきなり変えちゃって本当に申し訳ない。
でも、我慢できなかった……っ!
ネタバレ気を使って書いてたらどんづまりしたってのもあるけど、そうすると書きたい事書けないってなったのが大きいです。
何れにせよ、ある程度のネタバレは覚悟して書いてます。
そもそも大本が壮大すぎて完全にネタを把握してる訳では無いので、そこは都合良く創作していきます。
てか、まーだ(可愛い女の子の登場)時間、かかりそーですかねぇ?
ってなりそうなのでいい加減出さなくちゃ……

誤字脱字、文法などのその他糞ミスの指摘お待ちしております。
本当に自分だと投稿してから気がついて、直したのに又気がついてで無限ループになるので本当に助かります。
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