ドSの銀髪美少女が姉になった   作:睡眠欲求者

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経験則なんですけど、間隔を開けて更新するとお気に入りが減りますね。4.5巻はそのうち書きます。


体育祭と…
陸上競技は嫌いだ


前の席から資料が回ってくる。内容は体育祭についてだ。

 

俺は陸上競技が嫌いだ。だが球技は好きだ。なぜなら、陸上競技は生まれ持った体格や才能がもろに影響するからだ。もちろん、努力でカバーできる部分はある。だが、球技に比べ小細工や技術の占める割合が小さい。

 

もちろん、陸上競技ができないというわけではない。あらゆるものに対応できるようにと調節されたこの体は戦い方と努力次第で時にはプロの選手を凌駕する。

 

「クラスポイントに影響を与えるものだ。気を引き締めて臨むように」

 

運動の得意な生徒からは歓喜が、逆に苦手な生徒からは悲鳴が上がっていた。少し教室がざわついている中、俺は資料を読み進めていく。そこには、少し意外な内容が書かれていた。

 

「すでに読み進めている者もいるようだが、この体育祭では全学年を紅白2つの組に分けて競う方式を取っている。抽選の結果、今年度の赤組はAクラスとDクラス、白組がBクラスとCクラスという組み合わせに決まった」

 

 

葛城君は既に失脚したも同然だ。しかし、有栖は体育祭には出られない。誰が指揮を執るのだろうか?

 

そんなことを考えながら、俺は資料のページをめくった。それと同時に、先生から体育祭のルールの要点の説明が始まる。どうせ紙に書いてあることとほぼ同じことだが、説明を聞いていないと問題が生じる可能性があるため、話半分で聞いておく。

 

 

・全員参加競技の点数配分について

 

個人競技については、1位15点、2位12点、3位10点、4位8点、5位以降は1点ずつ下がっていく。団体戦の場合、勝利した組には500点が与えられる。

 

 

 

・推薦参加競技の点数配分について

 

個人競技については、1位50点、2位30点、3位15点、4位10点、5位以降は2点ずつ下がっていく。最終競技のリレーでは3倍の点数が与えられる。

 

 

 

・組の結果について

 

全学年の点数を総合して負けた組のクラスは等しく100クラスポイント引かれる。

 

 

 

・クラスの結果について

 

学年ごとのクラス別の点数による結果に応じ、クラスポイントが以下のように変動する。

 

1位のクラスには、50クラスポイントが与えられる。

 

2位のクラスのクラスポイントは変動しない。

 

3位のクラスは、クラスポイントが50引かれる。

 

4位のクラスは、クラスポイントが100引かれる。

 

 

 

・個人競技の報酬について

 

各競技で上位を獲得した生徒には、以下の報酬が与えられる。

 

1位を獲得した生徒には5000プライベートポイント、又は筆記試験における3点分の点数が与えられる。

 

2位を獲得した生徒には3000プライベートポイント、又は筆記試験における2点分の点数が与えられる。

 

3位を獲得した生徒には1000プライベートポイント、又は筆記試験における1点分の点数が与えられる。

 

※筆記試験における点数は次回中間テスト時のみ使用可能とし、他人への譲渡は不可能である。

 

各競技で最下位を獲得した生徒は、1000プライベートポイントのマイナスを受ける。所持ポイントが1000ポイント未満である場合、筆記試験における点数を1点減点する。

 

 

 

・成績優秀者の報酬について

 

全生徒の中で最も高い得点を獲得した最優秀生徒には、10万プライベートポイントが与えられる。

 

学年別で、最も高い得点を獲得した優秀生徒上位3名には、それぞれ1万プライベートポイントが与えられる。

 

※ただし、最優秀生徒に選ばれて10万ポイントの贈与を受けた者には、学年別の報酬は与えられない。

 

 

 

・反則事項について

 

各競技のルールを遵守すること。違反者は失格同様の扱いを受け、悪質な者については退場処分や、それまでの獲得点数を剥奪する場合もある。

 

これまで、個人の報酬として採用されていたのはプライベートポイント。だが今回、筆記試験の点数という初めて見る項目があった。

 

 

Aクラスにはあまりいないが成績の悪い生徒にはうれしい話だろう。俺も英語は不安なのでありがたい。

 

 

・体育祭終了後、全競技で獲得した点数を学年別で集計し、下位10名にはペナルティを課す。ペナルティの内容は学年ごとで異なる場合があるため、各自担任に確認すること。

 

「おー厳しいな」

 

「今年度の1年生に課されるペナルティは、筆記試験における10点の減点だ。どのような形で減点されるかについての質問はここでは受け付けない。試験説明時、下位10名とともに通告する決まりになっている」

 

もしその中に入ってしまうと、次の試験はかなり苦しいものとなる。これ有栖はどういう扱いになるんだろう?

 

 

 

 

 

全員参加競技

 

・100m走

 

・ハードル走

 

・男子棒倒し

 

・女子玉入れ

 

・男女別綱引き

 

・障害物競走

 

・二人三脚

 

・騎馬戦

 

・200m走

 

 

 

推薦参加競技

 

・借り物競走

 

・四方綱引き

 

・男女混合二人三脚

 

・3学年合同1200mリレー

 

 

全員参加競技は、文字通り全員に参加が義務付けられる競技。つまり少なくとも9競技には強制的に出場ということだ。

 

 

「きっつ!なにこれめちゃめちゃハードじゃん!普通1人がやるのって3つか4つじゃないの!?」

「わ、私体力ないんだけど大丈夫かな!?」

 

各々の悲鳴が上がる。

 

「競技の多さに関しては、学校側も配慮してある。この学校の体育祭では、応援合戦や組体操などは一切用意していない。あくまでも体育祭は身体能力を競う行事だ」

 

………力の入れ方によっては次の日はグロッキーになりそうで怖い。本気を出さない様にしよう。そう考えている中、非常に重要な情報が耳に入ってきた。

 

 

 

「静かにしろ。非常に重要なことを話す。今回の体育祭、お前たちは競技に参加する順番を全て自分たちで決め、この参加表に記入して担任の私に提出する。文字通り全てだ。どの競技の何組目に誰が参加するかまで、全てお前たちが話し合って決めろ。提出期限は体育祭の一週間前から前日の午後5時まで。それ以降は如何なる理由があっても変更は受け付けない。また、提出期限を過ぎた場合はランダムで組まれるので注意するように」

 

なるほど。今までに行われた行事でも同じようなことがあった。無人島ではキーカード、船上では優待者、クラスの機密事項だった。それが今回はこの参加表というわけか。一貫して情報戦を重要視しているな。

 

「私から質問してもよろしいでしょうか」

 

有栖が手をスッと上げる。真嶋先生からの承諾を得て有栖は発言した。

 

「当日、欠席者が出た場合はどうなるのでしょうか。最下位という扱いになりますか?」

 

「まず大前提として。先天性の疾患を患ったものにこれを強制することはない。坂柳が最下位という扱いを受けることはないから安心しておけ」

 

どうやら、危惧していたことは起きないようだ。

 

「ただし、人数が少ない分各自の負担は増える」

 

「ルツが頑張ってくれるでしょう」

 

「え?」

 

「そして念のために補足しておくが『全員参加』の競技で必要最低限の人数が確保できない場合は失格だ。例えば二人三脚の場合、一組少ない状態で臨むことになる。ただし救済措置もある。『推薦参加』競技の場合は特例として、ポイントを支払うことで代役を立てることを認めている」

 

「必要ポイントはいくらですか」

 

「各競技につき10万プライベートポイントだ。高いとみるか安いとみるかはお前たち次第だ」

 

「……なるほど」

 

Cクラスにポイントを払っているAクラスの人間は支払い能力はあるものの、歓迎すべきことではない。

 

「これ以上質問がないならここで打ち切る。次の時間は第一体育館に移動し、他学年との顔合わせとなるが、それまでの時間どう使おうとお前達の自由だ。以上!」

 

先生が教卓を離れると、クラス内は一気に話し声でうるさくなる。思い思いに体育祭について語っている様子だ。

 

有栖はその場で立ち上がりクラス全体に聞こえるように声をかける。

 

「皆さん、残念ながら私は体育祭に参加できません。戦力に慣れないことをまず謝らせてください」

 

「坂柳は悪くないだろ」

「仕方ないよね?」

「先天性の疾患はなあ?」

 

「でもよ、俺らに負担がかかるんだろ?」

「釈然としねえよな?」

「前回も不参加だったしよ」

「ちょっと調子乗ってるよね?」

 

 

「それ以外で貢献してくれてるしな。どっかの禿と違って」

 

「んだと!!!!」

 

反発的な意見もあるがだいたいは好意的に取ってくれたようだ。そして、戸塚がキレている。不安要素としては、反対意見が少し過激で危なさそうなことだ。最近この光景をよく見る。やはり、ポイントを持っていかれ続けるのはストレスだ。その原因である葛城君に攻撃的な意見が向くのはわからなくはない。ただ、自分たちが指名し選んだリーダーなのに失敗したら、一斉に騒ぎ出すのはよろしくない。見る目がなかった君たちも悪い。葛城君が意見を周りに求めた時に黙っていたのが悪い。

 

まあ、葛城君を嵌めた俺が言うのもなんだけど。それに関してはいい。わかる。だが、有栖に関しての反対意見。ちょっと最近中立の人間だったやつも数人葛城派に流れたり、反発的な意見を持っているやつが増えている。葛城派から有栖の派閥に移動した人間の方がはるかに多いが、敵愾心が強くちょっと過激な人間が葛城派に増えた。

 

話を聞く限り、弥彦を蹴り飛ばしたのはやりすぎだったらしい。あの話に尾ひれがついてとんでもないことになっているようだ。つまるところ、俺のせいらしい。あの件に関しては証拠が一切ないので、弥彦の証言と橋本証言だけが判断材料だ。それが余計にこの事態を大きくしているのかもしれない。

 

「ありがとうございます!そう言ってもらえて安心しました」

 

上品に、可愛らしく笑みを浮かべる。完璧に計算されつくした最強の笑顔。マジで、自分の姉が怖い。

 

「それで提案なのですが、やはり今回の体育祭におけるリーダーを決めておく必要があるかと思います」

 

「まあそうだよな」

「確かに~」

「でも坂柳さんが出れないってことは………」

 

あ、やばい。有栖がこっちを見て笑ってる。飛び火してくる。まずい。先手を打たないと!

 

「いや~やっぱり葛城君がいいんじゃないかな?三度目の正直ともいうし。挽回のチャンスがある方がいいと思うんだよ!」

 

ぎりぎり間に合ったぜ。代わりに担がれてくれ葛城君。

 

「え~葛城かよ~」

「まあ、でも流都が言うなら」

「坂柳君もああ言ってるし」

「でもな~」

 

「やれと言われればやぶさかではない。前回は俺のミスでCクラスに後れを取った。挽回のチャンスがあるというのなら是非もない」

 

おお~流石だ。真面目だね。

 

「本人もこういっているわけだしどうかな?」

 

「まあ、本人が言うなら」

「クラス単体のリーダーだけじゃあんまり結果に影響しないだろうし」

「いいんじゃない?」

 

「じゃあ、そういうことで」

 

有栖の方に視線を向けると楽しげな顔でこちらを見ているのがわかった。

 

「ルツはこう見えて運動がかなり得意ですので活躍できますね!」

 

「流石坂柳!何でもできるな!」

「負けねえぞ、坂柳!」

「流都さんマジ流石っす」

「期待してるぞー」

 

わざとみんなに聞こえるように俺に話しかける有栖に殺意を抱きつつ、周りの反応を見て胃が痛くなった。

 

ただ、ここで俺が活躍し人望を見せることは反発している彼らをに対して反撃の手段にならないだろうか?

 

いや、なる。正常な判断力が欠如してきている彼らからすれば俺の活躍は面白くないし、むかつく。この感情は利用できる。

 

俺は頭の中で作戦を組み立てていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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