ドSの銀髪美少女が姉になった   作:睡眠欲求者

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プロローグ

高度育成高等学校それがこれから通うことになる国立高校だ。最新設備を備え、毎月電子マネーが支給される特典があり、卒業生は希望する進路をほぼ100%認められるというふれこみで有名。町一つに相当する広大な敷地を有しており、その中で生徒に生活させるかわりに外部との連絡を禁じている。………胡散臭いにもほどがある。絶対何かあるだろ。

 

そんなことを思いながら、俺と有栖は通学バスに揺られて学校に向かっている。

 

そういえば、有栖の呼び方だが、交渉の結果、高校の中で有栖が特別指示しない限りは『お姉ちゃん』ではなく『姉さん』で許してもらえることになった。その代り、寮や学外ではお姉ちゃん呼びは強制なのだが………まあ、これだけ譲歩させるのに代価として中々の精神ダメージを被ったわけでこれ以上は俺が持たなかったので良しとしよう。

 

 

「人は平等であると思いますか?」

 

「藪から棒になんだ?」

 

バスの中で、俺と有栖は一番後ろの席に座り談笑?している。何故か、周りに人はいない。

 

「暇つぶしの問答ですよ」

 

「………生まれ落ちた瞬間から人は不平等だと思う。才能から、家柄、人種、容姿、性格、全てが不平等にできている………姉さんはどう思っているんだ」

 

「この世界に凡人と天才が存在するように人にも不平等は常に存在すると思いますよ。生まれ持った才能は永久不変であり、努力だけでは埋めようがありませんから。それこそが人は平等ではないという証ではないでしょうか?」

 

「………大体の意見には同感だ。だが、才能と実力はイコールではない………努力では埋められない?ああ、でもそれ以外の手も駆使すれば埋められる」

 

「フフ、随分かみついてきますね」

 

有栖は、心底面白いものを見る目で俺を見てくる

 

「おっと、そろそろつきますよ」

 

そう言われて、外を見ると目的の我らが高校が見えてきた。

 

 

 

バスから降りるとき、最近はもう日課になった有栖の補助をする。転ばないように手を引いてやり、バスから降ろす。

 

「よくできました」

 

からかうように、有栖は俺をほめてくる。

 

「茶化すな………早く行くぞ」

 

「ええ、でも」

 

そう言って俺に手を差し出してくる………これはつまりあれか。

 

「ちゃんとエスコートしてください♪」

 

「ハァ~」

 

俺は諦めたように、ため息を吐くと黙ってその手を取った。

 

 

教室につきどっと疲れた。視線がすごかったのだ。まあ、仮にも有栖は杖を使用しているので多少の理解は得られるだろうがやはり嫉妬の視線が痛かった。有栖は美少女だ。本性を知らなければ、一瞬で恋に落ちてしまうぐらいに。だからその手を握っている俺への視線はそれはもう………痛かった。

 

腹が立つのは、有栖は絶対分かっていてやったことだ。

 

「まったく、酷い目にあった」

 

ため息をつきつつ有栖にジト目を送るが、そんな視線に全く悪びれた様子も無く微笑む有栖。

 

「お姉ちゃん呼びをさせなかっただけましだと思いなさい」

 

「いや、その理屈はおかしいだろ」

 

しかし、あそこでお姉ちゃん呼びをしていたら俺のメンタルが死んでいたかもしれない。

 

 

そんなことを考えていると、有栖は周りの生徒を観察していた。もう情報収集か。しかし、それはまだいいだろうと判断し俺は文庫本をカバンから取り出した。

 

しばらくすると担任と思しき人物が教室に入ってきた。

 

「新入生諸君。まずは入学おめでとう。私はAクラスを担当することになった真島智也だ。これからこの学校について説明していく。この学校には学年ごとのクラス替えは存在しない。卒業までの3年間、私が担任として諸君と学ぶことになると思う。よろしく頼む。今から1時間後に入学式が体育館で行われるが、その前にこの学校の特殊なルールについて書かれた資料を配布させてもらう。以前にも入学案内と共に配布してはいるが、持参しているものも全員ではないだろう。念のためだ。」

 

真島と名乗った先生はその後、本学校ではクラス替えを行わないこと、担任も変わらないことを説明すると、この学校のシステムの説明に入った。しかし、ここで問題が発生した。

 

「ポイントは毎月1日に振り込まれる。1ポイントで1円の価値だ。お前たちにはすでに今月分のポイント、10万ポイントが支給されている」

 

耳を疑う話だ。胡散臭くて、嗤ってしまいそうだ。

 

「最初に言っておくが、当校では実力で生徒を測る。倍率が高い高校入試をクリアしてみせたお前たちにはそれだけの価値があるということだ。若者には無限の可能性がある、その評価のようなものだと思えばいい。ただし、卒業後はどれだけポイントが残っていても現金化は出来ないので注意するように。仮に百万ポイント……百万円貯めていたとしても意味は一切ない。ポイントをどう使おうかそれは自由だ」

 

担任のは話続く………しかし、どうも時間と季節が悪い。俺の席は一番後ろの窓側というベストポジションその上、温かい日差しと、静かな空間のおかげですぐに眠りに着けそうだ。もはや寝てくださいと言わんばかりのぴったりの条件が揃っている。

 

話は、ボイスレコーダーに録音してあるし後で聞けばいいか。そう思いながら両腕を組み、机の上に伏せる。しかし、何となく横が気になり顔を上げる。

 

すると、有栖と目が合った。有栖は、満面の笑みを浮かべているが目が笑っていなかった。

 

瞬時に俺は居眠りを諦める。

 

俺が再度聞き始めた時には「最後になるが………」と言っていた。

 

「先程配った学生証カードにあるポイントは、説明した通りクレジットカードのようなものだ。学校内においてこのポイントで買えないものは無い。学校の敷地内にある物なら何でも購入可能だ。では以上で私からの話は終わりだ。私は職員室にいるが、何か質問があるなら遠慮せず聞きに来るように。」

 

 

そう言って、担任である真島は教室を出て行った。

 

 

さっきの話気になるな………学校内においてこのポイントで買えないものは無い、この学校の特殊なルール。実力で生徒を測る、現段階では十万円の価値がある俺ら生徒。………・・少し調べてみるか。

 

クラスでは、軽く自己紹介をやっていたが今はこの疑問点のほうが優先するべきだと感じ適当に流した。まあ、有栖の弟ということで少し、いやかなり目立ってしまったが。

 

 

 

その後入学式を終えた俺たちは、教室に戻って点呼を取り解散となった。時間的には随分と早いが、入学初日だからこのぐらいが妥当だろう。

 

早速俺は、有栖に今後の予定を伝えた。

 

「姉さん、少し確かめたいことがあるから自由に動いていい?」

 

「ええ、構いません。私もやることがあるので」

 

そう言って、有栖と別れた。

 

 

一日目が終わり、校舎から出るとまずコンビニへと向かった。まずは考え事の前に日用品の買い物を済ませるべきだと判断したのだ。一通りコンビニの中を見て回ると、普段のコンビニとなんら変わりはない雰囲気である。だがその中で、棚の所々に興味を惹かれるもの………無料コーナーと呼ばれるものがあった

 

 名前の通り値段は無料で、品質はまあ悪くはない。普通に暮らす分には問題は無いレベルだ。

 

気になったが頭の片隅に止めて置き、会計を済ませ店を出る。すると、何やら上級生らしき人物ともめている一年生を見かけた。

 

「可哀想な『不良品』のお前らには、特別に今日はココを譲ってやるよ。感謝するんだな」

 

「逃げんのかオラ!」

 

「弱い犬ほどよく吠える。精々最初で最後の楽をするがいいさ。地獄を見るのはお前らだからな!」

 

『不良品』? 地獄を見る?

 

ああ、何となくだが答えが出そうだ。

 

 

 

俺は少し落ち着ける場所を探して 近くのベンチにたどり着く そこでボイスレコーダーにイヤホンを差し込み 先生が言っていた事を聞き直す

 

もう少しで何か掴めそうだ。

 

俺は、少しだけあれを使う。

 

 

十万円の配布、実力で判断。不良品、毎月支給されるポイント、希望の就職率、進学率100%、ポイントで買えないものはない………。

 

何となくは見えてきた、あとは職員室だな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 

 
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