ドSの銀髪美少女が姉になった 作:睡眠欲求者
数学までのテスト日程が終わり、休憩となった。各々最後の科目である英語の確認をしながら話しをしていた。、問題が過去問と一緒かを確認した。
ほとんどの問題が怖いくらい同じ答えだった。少なくとも一見しただけでは、違いを見つけることが出来ないほど、同じ問題が並んでいる。ここまでのテストは完璧だ。恐らく、計算ミス以外では間違えていないだろう。
「ルツ」
隣の席から、有栖が話しかけてくる。机の上に参考書の類は存在していない、もはや見る必要すらないといいたいようだ。
「何だよ、姉さん。俺は今忙しいんだけど」
「あなたは何処から過去問を入手したんですか?」
「…話す必要性を感じないかな」
「では質問を変えましょう、その過去問本当に信用できる人から受け取ったものでしょうか」
イヤな想像が頭を横切っていく。恐る恐る有栖に聞く。心臓の鼓動がやけに大きいい。まるで、耳の隣に心臓があるようおに感じる。
「姉さん、神室真澄は姉さんの派閥に入っているのか?」
俺はポイントの発表があった日、クラスで数人どちらの派閥にも入っていない生徒を確認していた。その中で目を付けたのは神室真澄だ。彼女は、恐らくこのクラスの中でもかなり、理性的に行動していると確信した。
だから、ポイントと引き換えに過去問の入手を依頼した。
「ええ、彼女は私の
「ッ・・・」
絶句だ。やられた。神室のしぐさは演技だったというわけだ。つまり、この過去問には細工がされている。それを、試験開始五分前に言うあたり性格が悪い。どの程度の細工なのかはわからない。しかし、最悪の場合、この過去問は役に立たないだろうな。
血の気の引いていく俺に、有栖は言い放つ。
「この場で、有栖お姉ちゃん助けてくださいといえば助けてあげなくはないですよ?」
いつもと同じ、嗜虐心あふれる笑み。相手を征服した奴特有の笑みだ。だが…なめるなよ。
「俺は、過去問がなくても百点が取れるようにやってきたつもりだ。その提案は断固拒否だ」
ほとんどがただの意地…冷静に分析すれば詰んでいる。しかし、残り時間の少なさと緊迫した状況が俺の判断力を鈍らせた。
「そうですか、残念です」
予冷が鳴る。
「英語の試験を始める。全員、筆記用具以外しまえ」
先生の言葉を聞きながら、俺は考える。恐らく、今までの問題を見る限り、難しいのは最後の問題だけだ。それさえ乗り切ればなんとかなる。俺は思いこんだ………自分に言い聞かせるように
「何かあたしに言うことないの?」
テストが終わった放課後、俺は神室に呼び出された。
「特に何も?」
「あんたのこと騙したんだけど・・・」
「神室が自分の意志でだましたならとにかく、姉さんの指示なら仕方ない。見抜けなかった俺の責任だ・・・神室を攻めるつもりはない」
神室は納得していないようで、不満そうな顔をしている。
「俺は君が使えると思って利用した。君にはそれだけの価値があると踏んだ。それ自体が間違っていたとは思わない。姉さんが使っていることがいい証拠だ。加えて、神室さんさあ、姉さんのこと好きじゃないでしょ?」
「そうね」
あっさりと言い切った。
「だからさ、姉さんを裏切る可能性がある人間を潰そうとは思わないんだ」
「………一つ聞いてもいい?」
「何かな?」
「あんたら姉弟って、仲悪いの?いいの?」
「良いように見える?」
「少なくとも、姉の方は弟をからかって遊んでいるだけにしか見えない」
「まあ、俺をお気に入りの玩具ぐらいには思ってるんじゃない」
「あっそう、お互い苦労するわね」
中間テスト結果発表日、真島先生は教室に入ってくるなり、簡潔に言葉を述べ、試験結果の書かれたポスターを黒板に張り出す。
そこには多くの生徒が高得点をとり、喜んでいた。その中、俺は英語の点数だけが気になっていた。
国語 100点
数学 89点
社会 100点
理科 100点
英語 91点
今すぐに、教室から逃げ出したかった。否、有栖の隣から逃げ出したかった。
「フフ、残念でしたね。ルツ。あなたは、あの時、私の提案をのむべきだった。そうしておけば、あの一瞬で楽になれたのに」
確かにそうだ。条件が分かっている罰ゲームと何をされるかの予測すら立たない罰・・・どちらがましかなんて比べるまでもない。
「まあ、あなたならそうすると思ってそう提案したのですけどね。最も懸念すべきは、あなたが真澄さんにポイントを条件に過去問の詳細を聞きに行こうとすることだった。どうしても、あの場であなたを席から立たせるわけにはいかなかったのですよ」
「……いいよ。神室真澄が姉さんの派閥の人間だと見抜けなかったのは俺だ。俺に見る目がなかっただけだ」
「ウフフ、潔いですね・・・今はまだ、あなたに罰は与えません。そのほうが、あなたはつらいでしょうから」
そう言いながら有栖はぞっとするほど妖艶な笑みを浮かべる。
完璧に有栖の手のひらで遊ばれていたことに、悔しさを覚える。だから、まだ大丈夫だ。悔しいと、憎いと思えるうちはまだ大丈夫だ。
俺は頭を振り、意識を切り替える。
ちなみに有栖の成績は
国語 100点
数学 100点
社会 100点
理科 100点
英語 100点
だった。
ピピピピピピ――――携帯の着信が鳴る。
「そろそろかけてくるころだと思っていました、真澄さん」
『あんたの言った通りの展開になったわね』
「ええ、期待通りの働きでした。真澄さん」
『質問いい?』
「構いませんよ」
『何で、あんたの弟は私に接触してくると分かったの?』
「義弟の思考を読むのは姉の必須スキルです」
「………」
電話の向こうから、呆れたようなため息が聞こえます。不思議ですね~。
『もう一ついいかしら』
「はい、構いません」
『あんたが、今回弟に偽の過去問を渡したがった訳は何?あんた、何がしたいの?』
「ウフフ、簡単ですよ。ルツは、私の可愛い可愛い大切な
何か微妙な出来・・・そのうち修正を加えるかもです。
次回からは、二巻の内容ですがほとんど触れずに、三巻に行くと思います。