フェザーワールドの北に位置する国、クロウ帝国。この国は、現代に生きる我々から見ても、「和」を意識した国と言える。我々がもしこのクロウ帝国に入ることができれば、出てきた時の感想は恐らく、「映画村の国ver」であろう。フェザーワールドの南西に位置するムレ共和国は対照的に近未来なのだが、それを語るのは後にしよう。さて、今回なぜカナタたちの住むネスト王国ではなく、クロウ帝国にスポットが当たっているのか。…答えは単純だ。前回(第三話)のラストにおいて、シンヤを監視していた鴉がいたはずだ。アレが関係している。
「…ハァッ!」
閃く一刀。その一本が描く軌跡には迷いがなく、死を臭わせることが無い。
「…スゥ―…」
刀を振るうは一人の老人。その手に持つは名刀・
「相変わらずの剣の冴えね?ゴエモン?」
ふと、老人の肩に一羽の小柄な鴉が止まる。
「…姫。戯れはほどほどになされよ。危うく斬るところでござったぞ。」
「あら、ごめんなさい。でもこの子はただの人形同然よ?」
姫の台詞に思わず眉をひそめる老人。
「あら、少し癇に障った?でも本当のことよ。」
「…無益な殺生は好まぬ故。」
「…そう。まぁ手駒は減らないに越したことはないし、ありがたいんだけどね。」
「して、今回の本意は?ただ世間話をしにきたわけでもなかろう。」
「ええ。もちろん。本題はここからよ。」
鴉の目が鋭くなる。
「…
「!して、今回は…」
「…飛崎カナタ。まだ子供よ。ネスト王国の辺境地帯に住んでる。
「!なんと…」
「これは由々しき事態よ。まだ心が成長しきってない子供の中に厄鳥がいる。」
「…儂に、鍛えろ、と?」
「そこまでは言わないわ。でも、ネストに置いておくよりも面白…コホン、安全だと思うの。」
「…女狐。」
姫の言葉に老人が毒づく。
「とにかく、
「…承知。」
もとより、この老人に拒否権などない。
「すべて御心のままに。鴉神サクヤ殿。」
「期待してるわ。鴉神ゴエモン。」
そう言うと、老人…ゴエモンの肩から鴉が飛び去った。。
「さて…飛崎カナタ…か…まず見て見ぬことには…」
刀を撫で、ゴエモンも飛び立つ。目標はもちろん、ネスト王国、飛崎家。黒き羽が一枚、景色に溶け込んだ。
――――――クロウ帝国:サクラ城:天守閣――――――
「ふふ…これで厄鳥が二羽…」
クロウ帝国の中心、サクラ城の頂上たる天守閣。そこに、クロウ帝国の姫こと、鴉神サクヤは居る。彼女の笑い声は、妖しく、遠く響いていく。
――――――ネスト王国――――――
「5+3=8…4+4=8…2+6=8…」
カナタは家で一人、宿題に励んでいた。いつになったら親は帰ってくるのか。そう思いながら。
「よし、これで終わり…!」
陽が沈みかけたころに今日の分の勉強を終えたカナタ。夕飯を作ろうとしたその時、家の呼び鈴が鳴った。
「?誰だろう…はーい!」
パタパタとドアへ駆けていくカナタ。ドアを開け、閃光を目にした瞬間、カナタの意識は落ちた。
さぁ、カナタは一体どうなってしまうのやら…