飛べない少年と飛べる世界   作:紡ぎ手@異人

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白狼君の物語よりもこっちが書きやすい…かなしぃ…?


第四話「烏の翁と鴉姫」

フェザーワールドの北に位置する国、クロウ帝国。この国は、現代に生きる我々から見ても、「和」を意識した国と言える。我々がもしこのクロウ帝国に入ることができれば、出てきた時の感想は恐らく、「映画村の国ver」であろう。フェザーワールドの南西に位置するムレ共和国は対照的に近未来なのだが、それを語るのは後にしよう。さて、今回なぜカナタたちの住むネスト王国ではなく、クロウ帝国にスポットが当たっているのか。…答えは単純だ。前回(第三話)のラストにおいて、シンヤを監視していた鴉がいたはずだ。アレが関係している。

「…ハァッ!」

閃く一刀。その一本が描く軌跡には迷いがなく、死を臭わせることが無い。

「…スゥ―…」

刀を振るうは一人の老人。その手に持つは名刀・(かける)。一枚の絵であるかのように静止し、風景に溶け込む。

「相変わらずの剣の冴えね?ゴエモン?」

ふと、老人の肩に一羽の小柄な鴉が止まる。

「…姫。戯れはほどほどになされよ。危うく斬るところでござったぞ。」

「あら、ごめんなさい。でもこの子はただの人形同然よ?」

姫の台詞に思わず眉をひそめる老人。

「あら、少し癇に障った?でも本当のことよ。」

「…無益な殺生は好まぬ故。」

「…そう。まぁ手駒は減らないに越したことはないし、ありがたいんだけどね。」

「して、今回の本意は?ただ世間話をしにきたわけでもなかろう。」

「ええ。もちろん。本題はここからよ。」

鴉の目が鋭くなる。

「…不死鳥(フェニックス)が蘇ったわ。今まで居場所がつかめなかったけど、昨日見つけた。」

「!して、今回は…」

「…飛崎カナタ。まだ子供よ。ネスト王国の辺境地帯に住んでる。不死鳥(フェニックス)の影響で、翼は燃え尽きてる。」

「!なんと…」

「これは由々しき事態よ。まだ心が成長しきってない子供の中に厄鳥がいる。」

「…儂に、鍛えろ、と?」

「そこまでは言わないわ。でも、ネストに置いておくよりも面白…コホン、安全だと思うの。」

「…女狐。」

姫の言葉に老人が毒づく。

「とにかく、クロウ帝国(ウチ)に招きたいの。」

「…承知。」

もとより、この老人に拒否権などない。

「すべて御心のままに。鴉神サクヤ殿。」

「期待してるわ。鴉神ゴエモン。」

そう言うと、老人…ゴエモンの肩から鴉が飛び去った。。

「さて…飛崎カナタ…か…まず見て見ぬことには…」

刀を撫で、ゴエモンも飛び立つ。目標はもちろん、ネスト王国、飛崎家。黒き羽が一枚、景色に溶け込んだ。

 

――――――クロウ帝国:サクラ城:天守閣――――――

「ふふ…これで厄鳥が二羽…」

クロウ帝国の中心、サクラ城の頂上たる天守閣。そこに、クロウ帝国の姫こと、鴉神サクヤは居る。彼女の笑い声は、妖しく、遠く響いていく。

 

――――――ネスト王国――――――

「5+3=8…4+4=8…2+6=8…」

カナタは家で一人、宿題に励んでいた。いつになったら親は帰ってくるのか。そう思いながら。

「よし、これで終わり…!」

陽が沈みかけたころに今日の分の勉強を終えたカナタ。夕飯を作ろうとしたその時、家の呼び鈴が鳴った。

「?誰だろう…はーい!」

パタパタとドアへ駆けていくカナタ。ドアを開け、閃光を目にした瞬間、カナタの意識は落ちた。

 

 




さぁ、カナタは一体どうなってしまうのやら…
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