「…容易い。」
カナタを脇に抱え、ゴエモンは独りごちる。
「童とはいえ…余りに警戒心が無さすぎるのではないか…?」
ともかく任務はこれで完了だと、翼をはためかせる。
「待て。」
「!」
その一言で、ゴエモンは動きを止めた。
「おや。ネスト王国の王ともあろう御方が、供も連れず何の用ですかな?」
ゴエモンはカナタを抱えたままとぼけてみせる。
「巫山戯るなよ
「…そちらこそ、戯れはよして頂きたい。」
二人の間に、火花が散る。
「カナタを返してもらうぞ…」
シンヤの翼が大きく広がり、
「…押し通る…」
ゴエモンの腕が名刀・
「む!?」
「!?不味い!
言うが早いか、ゴエモンはカナタを空へ向かって投げた。
瞬間。炎が広がった。
「アレが…」
「おいおい。大事なカナタの身体だぜ?丁重に扱えよ。」
いつものカナタらしからぬ口調。燃え盛る翼を広げ、腕を組み、二人を見下ろすカナタの中の鳥。
「厄鳥・
「ああ、久しぶりだなぁ、鷹神…六年ぶりくらいかぁ?」
「カナタに戻れ!」
「おいおい無茶言うなよ。
シンヤはゴエモンを睨む。
「…儂は任を遂行したまで。不死鳥よ、一緒に来てもらおう。」
ゴエモンは取り合わず、カナタを見上げる。
「ハ。人を誘うにしては乱暴にすぎるな。落第点だ。出直せよ、
カナタは手に炎を灯し、臨戦態勢をとる。
「…傷付けたくはなかったが…仕方ない。」
ゴエモンは刀を抜き、構える。
「っ…カナタを傷つけさせはせんぞ!」
シンヤは二人の間に割って入る。
「…退かねば斬る。」
ゴエモンの目は揺るがない。
「退くものか!カナタは私の─────」
セリフを最後まで言うことは出来ずに、閃光が走る。
「ッ!?」
直後に、鮮血が舞った。
「………!?カナタ!?」
「ったく。容赦ねぇな。六歳児の腕飛ばすか?普通。」
そこには、自分の腕でシンヤを守った
「カナタお前…!」
「勘違いすんな。アンタにはカナタが世話になってる。俺はカナタに生きさせられてる。だから俺はあんたを守る。死なねぇ命賭けてな。」
ニィッ…と
「面妖な…」
ゴエモンは毒づく。
「ハ。
「…ならばもう一度少年に起きて貰うまで。」
ゴエモンは刀を退く気は無いようで、かなり殺気立っている。カナタは笑いつつも、内心焦っていた。
(まずい…圧倒的なまでの実力差ってのは不死性だけじゃどうしようもねぇ…かといって、逃がしてくれそうもない…)
「…参る!」
ゴエモンが迫ってくる。
「チッ!」
カナタは翼を使って体を覆い、身を守ろうとする。がらゴエモンはクロウ帝国最強の侍。炎の翼など───ザンッ!と切り落とす。
「ぐああっ!」
「カナタ!」
シンヤが羽弾を飛ばすも、ゴエモンは一刀を以て全て弾き落とす。
「チ…マジで速ぇな…」
「少年はまだ起きんか…?」
「答える義理はねぇな。」
翼が炎で蘇る。
(…う…)
「!チィッ…嫌なタイミングで…」
カナタが目覚めかけ、翼の炎がだんだんと衰えていく。
「!起きたようだな。」
ゴエモンは刀を収め、落ちていく
「っ待て!」
「断る。ではな。」
ゴエモンはカナタを抱えたまま、クロウ帝国へ飛び立ってしまった。
「く…すぐに取り戻しに行かねば…!」
シンヤは装備を整えるため、すぐに王宮へ向かった。
ゴエモン強いぃ…