ファイアーエムブレム / 聖杯大戦(Fire Emblem / Holy Grail Grand War)   作:femania

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注意事項

・連載小説初心者です。至らない部分はご容赦ください。
・話によって、一人称だったり、三人称だったりと変わります。
・クロスオーバー作品です。元と性格や行動が違うことがあります。
・この作品はシリーズのキャラに優劣をつけるものではありません。勝敗についてはストーリーの構成上、容認していただけると幸いです。
・この話はフィクションです。
・この作品オリジナルキャラも人物描写はスキップしている場合があります。言動を参考に想像しながらお楽しみください。
・作品はほぼオリジナル展開であり、オリジナル設定も盛り込んでいます。ファイアーエムブレムのキャラを動かすにあたり、素材を最高に生かそうとした結果、原作とは矛盾が生まれることもありますが、この世界独自のルールとして受け取ってください

これでOKという人はお楽しみください!
ファイアーエムブレムのキャラを使って聖杯戦争をします!



1-8 運命の夜6

黒のランサーの顔が急に険しくなる。そのセイバーを見た瞬間、顔から余裕の笑顔が消えた。

 

「ランサー?」

 

「ミレーユ。撤退だ」

 

「ちょっと! まだ戦ってもいないじゃない!」

 

俺を支えてくれている藍色の剣士も、その体が一瞬震えていた。

 

「……ミレーユ。あのセイバーはヤバい」

 

その黒のランサーが感じた危機感をより具体的説明したのは、先ほど俺が立っていた場所に現れた、リュエンのサーヴァントらしき男だった。

 

「アサシン」

 

リュエンは、一瞬だけ安堵の表情を浮かべ、すぐに怒りの形相に戻る。

 

「安心したよマスター。憎悪のままにアレスにとびかかっていたら、その時点で君の運命は決していただろうさ」

 

「遅い。私の下僕だって言ったくせに」

 

「それは悪かった。だが、ここにもう1体君の命を狙うサーヴァントが来たら、それこそどうするつもりだったのかね?」

 

「それは……」

 

「憎悪は結構。しかし、爆発させるのは今じゃない」

 

「分かってる。だから我慢したんじゃない」

 

「それは結構」

 

「それより、アレスのサーヴァントもココで殺して。それなら楽」

 

「それは無理だ。あのサーヴァント。俺の予感だが、俺が苦戦したあのランサーよりも強い。経験則による目算で言えば、黒のランサーとあのセイバーが戦ったら、10回中9回はセイバーが圧勝する。そのレベルだ。今の俺ができる小細工では相手にすらなり得まい」

 

「役立たず」

 

「言ったろ。俺は最弱のサーヴァントだ」

 

俺は蹴り飛ばした奴を睨み、そんな俺を庇うように藍色の剣士は前に出る。しかし、目の前のアサシンはさしたる興味も示さず、街の入り口を見た。

 

「てめえ、よくも蹴ってくれたな……!」

 

言いたいことを言ってやったが、どうも効果がない。奴は俺をまるでゴミを見るような目で一瞬だけ見たあと、リュエンを運搬のために持ち上げた。

 

「ちょっと……」

 

「退くぞ。頃合いだ」

 

この場から逃げようとするアサシン。

 

頃合い? 否、それよりも、

 

「てめえ、聞いてんのか。よくも……」

 

俺のサーヴァントが斬りかかるが、跳躍して建物の上に逃げるアサシン。追撃をしようとした藍色の剣士は、同じ跳躍で襲い掛かろうとしたものの、なぜかその跳躍が低くなり届かない。

 

リュエンがそのからくりを明らかにする、声量大き目の言葉を放つ。

 

「ウィークネスの杖?」

 

「ご名答。何年間も牢屋の中にいた割には、多少は教養もあるようでなによりだ。これで相手の移動速度とその能力を弱体化している」

 

「杖も使えるんだ」

 

「その1点が、俺と他のアサシンの違いだ。他のアサシンは魔法や杖なんてものを使わなくても殺せる一流だからな」

 

うろたえる俺のサーヴァント。体の感覚の異変に、まだ馴染めていないようだ。

 

「どうするリュエン。あの男はここで殺しておこうか?」

 

「……いいわ。命を張って私を助けてくれた。その礼に今日は見逃す」

 

「後で後悔しないように殺すべきだと思うが?」

 

「あなた私のサーヴァントでしょ。言うこと聞きなさい」

 

「その言葉を君から聞けたということは、俺は君のサーヴァントとして認めるんだな」

 

「……嫌な奴」

 

「当然だ。俺は殺し屋だからな。いい人間ではないさ」

 

思いっきり敵意を向けている俺を前に、あのアサシンはあろうことか俺を無視してニヤニヤしながらリュエンと話している。

 

完全に馬鹿にされているようだ。

 

「ガキ」

 

「ガキ……て俺のことかよ」

 

「ああ、よく覚えておけ。俺はアサシンではなく、『赤』のアサシン。お前達王族が呼び出した『黒』のサーヴァントとは違う、帝国を滅ぼすために呼び出された『赤』の陣営のサーヴァントだ」

 

「どういう……?」

 

「街の大門を見ろ」

 

その言葉につられ、つい俺は城下街と外を分ける門を見てしまった。相手の話にすぐ乗ってしまうのが悪い癖だと、何度もハナムさんに言われていたのを思い出す。

 

しかし、見てよかったかもしれない。それで、門が焼けて崩れ去るその瞬間を俺は見て、今街に何らかの異常が起こっていることに気が付いた。

 

「どうなってるんだあれ?」

 

爆発音が、そして遠くから微かに人の断末魔が聞こえ、各地で爆発が起こり始める。

 

ミレーユ様が、そしてアレスすら驚きの様子でその異常事態を見る。門が焼かれることなど、戦争くらいの大きな戦闘がなければ起こり得ないというのに。

 

黒のランサーはミレーユ様に、アレスのセイバーは異常事態を前に、始まろうとしていた戦いを中断し、互いを警戒しながらもそれぞれのマスターの近くへと戻り待機する。

 

――そういえば。

 

奴はこう言ったのだ。帝国を滅ぼすサーヴァントだと。

 

その判断に至ったのが、やはり一瞬遅かったかもしれない。

 

「下がって!」

 

俺のサーヴァントが俺を庇うように前に出た。そして剣を前に構え、そして振るった。

 

何故空を斬るか、と尋ねる前に、何かを弾く音がした。

 

よく見ると、それが矢であることが分かった。普通の兵士が放つものとはあまりにも違いすぎる。矢がまったく見えなかった。

 

「これは……」

 

藍色の剣士は次に上を見る。俺も上を見ると、竜と思われる何かが飛んでいる。――騎竜兵のような。それが急激に高度を下げてきている。

 

この城下街が何者かに襲撃を受けている。

 

「なに、どうなってるの?」

 

「ミレーユ!」

 

彼女を庇うようにして防御の姿勢をとる黒のランサー。その長刀に剣が振り下ろされる。

 

そこには少女がいた。曲刀を持った少女が。いつの間にか、多くのサーヴァントが警戒する中で、その警戒では捉えられない速さでここに現れ、その少女は黒のランサーに剣を振り下ろしたのだ。

 

「てめえ……!」

 

そしてその少女を援護するように、数発の矢が放たれる。

 

「ミレーユ、退くぞ」

 

「ちょっと!」

 

「お前を生かすのが先決だ」

 

矢を弾きながら、黒のランサーはミレーユ様を抱えて、この場から離脱を始める。剣を持つ少女はそれを追い、この場から姿を消した。

 

「アレス皇子」

 

混乱し始めた場の中で、赤のアサシンは、アレスの名を呼んだ。

 

「覚悟しておけ。彼女の怨みは、君が想像しているよりもだいぶ重いぞ」

 

リュエンがアレスを睨み、アレスはそこから視線を話さず見つめ続けた。

 

アサシンは、この場に残った俺とアレスに背を向けて逃走を始めた。

 

「セイバー!」

 

アレスは赤のアサシンを自らのサーヴァントに追うよう指示をしたが、

 

「すまない、追う前にやらなければいけないことがある」

 

と、セイバーはそれを無視し剣を構える。俺のサーヴァントもなぜか上を警戒した。

 

突如、何か恐ろしいものが来る予感に襲われる。ただの直感。信じるに値しないが、それでも生物的に恐怖を感じずにはいられない何かを上空に感じた。

 

先ほどの竜かと思ったが、それは違う。あの竜は依然高度を下げているものの、どうやら逃げたアサシンと合流するらしく、アサシンを上空から追っている。

 

では上から感じる恐怖は何か?

 

「レン! そこは危険だ! こっちへ!」

 

アレスの警告。そして俺は自らのサーヴァントに抱えられ、その場を猛スピードで離れる。

 

次の瞬間。それは上空から聞こえた。

 

「魔を穿て――我が真槍(レギン――レイヴ)!」

 

謎の男が、こちらに落下しながら槍を構え、そして先ほど俺が立っていた場所に向け投擲した。

 

先ほど黒のランサーを追い詰めた少女、そして今俺の上で槍を投げた男。あのいけ好かないリュエンのサーヴァント含め、あれが『赤』の陣営のサーヴァントに違いない。

 

そう確信しながら、妙に熱気を感じ投擲された。槍を見た。

 

上から迫る一本の槍。秘められた膨大な力を炎に変えて帯び、一つの隕石として降り注ぐ。

 

「あれは……落ちたら街が吹き飛びます」

 

グラド神父が飛んでもない独り言を放った.

 

馬鹿げている。そんな威力、いくら英雄だからと言って、そんなまるで竜のような力を持っていた人間なんているはずがない。

 

そう信じたかったが、むしろ、それほどの力を持っているからこその『英雄』なのかもしれない。

 

「まずい。レンが……」

 

俺のサーヴァントは俺の身を案じてくれている。確かにそのような力がここで爆裂でもしたら、サーヴァントたちは無事でも、俺は蒸発するかもしれない。

 

急に怖くなってきた。これは命の危機だ。

 

「任せて!」

 

そこに、アレスのサーヴァントが入れ替わりで前に出た。まさかあれを正面から受け取んるつもりなのか。

 

アレスのセイバーは持っている剣から凄まじいエネルギー、おそらく魔力らしきものを放出する。放出された魔力は圧倒的な火力を感じさせる青色の巨大な光へと変化する。光は手に宿す十字の痕の輝きと同期しながら、闇夜の中で地上を輝かせる地の星となる。

 

「はあああああああ!」

 

振り上げた剣から放たれた蒼穹よりも明るい光輝の奔流が、落ちてくる炎の隕石を迎え撃つ。

 

激突と共に、夜の闇は炎と光輝の衝突による光に包まれ、城下街に嵐が巻き起こった。

 

「レン! こっちに!」

 

アレスが、手を振り、そしてついてくるように俺を誘導する。

 

「アレス! リュエンが」

 

「また会える。それより今はここから逃げるぞ! まずは教会へ。お前のサーヴァントについて、聖杯戦争について、マスターになった以上話さないといけないからな!」

 

その声を聞き、俺を抱え、自らの剣から放たれた魔力によって嵐から俺を守っているサーヴァントが、

 

「いかがしますか?」

 

と俺に訊いてきた。おそらく教会に行けば、そこは聖杯戦争と関連する真っただ中。そこに行けば聖杯戦争の戦いの壇上に間違いなく乗るだろう。

 

アレスが今、俺をどう思っているのか分からない。しかし、すでに俺はマスターになってしまったようだ。

 

しかしこうして正式に聖杯戦争に加担できるのなら、きっとリュエンを生かす俺だけではできなかった方法が見つかるかもしれない。そしてリュエンとアレスの仲を治すきっかけも見つかるかもしれない。

 

「ああ、行こう。教会へ」

 

俺は自らのサーヴァントを連れて、アレスの案内のもと、教会へと向かうことにした。

 

「神父?」

 

アレスはその場に止まろうとする神父の行動に驚愕し叫ぶ。

 

「私は大丈夫。少し赤のサーヴァントを観察して、後からすぐに教会に向かいます」

 

神父の迷いない宣言に何かを感じつつも、

 

「レン、行こう」

 

アレスの誘いに俺は乗り、俺は教会へ、聖杯戦争という地獄の入り口へと向かうことにした。

 




今回明らかにした、サーヴァントの新たな設定を公開します。

赤のランサー 真名:???(宝具から明らかかもしれませんがまだ伏せます)

第1宝具 太陽の腕輪

赤のランサーは故郷に蔓延る強大な悪を討つため、自らの王国に眠る至高の武具を解放させる決断をした。この腕輪は本来その武具の封印を解くためのものである。サーヴァント化した状態では、この腕輪はその伝説の武具を解放する鍵の役割としての側面を強く持つことで、封印している武具の力を限定的に宿している。擬態的には己の魔力を炎の形で放つ、疑似的な魔力放出を可能にしている。

第2宝具 魔を穿て我が真槍(レギンレイヴ)

赤のランサーが主に伝説を残すのは戦場において。その中で彼が愛用の槍レギンレイヴを使った際には数多の魔物を一撃のもとにすべて貫いてみせたという。この宝具はそのレギンレイヴであり、その槍で突きを放てば、貫通力の高い衝撃波を放ち遠距離の敵すらも穿つ。そして投擲では彼の魔力を籠めることで、街一つを崩壊させ、クレーターを起こすほどの威力を持たせることができる。

黒のセイバー 真名:??? マスター:アレス

スキル 魔力放出(蒼光)A+

武器・自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させるスキル。いわば魔力によるジェット噴射。絶大な能力向上を得られる反面、魔力消費は通常の比ではないため、非常に燃費が悪くなる。黒のセイバーの場合、通常の魔力放出もできるが真骨頂は、宝具として放つ蒼光の激流の力を押さえたダウングレード版の力を魔力放出として放つことができる。しかし、ダウングレードといっても、スキルの範囲で放てる放出量は並ではなく、通常のサーヴァントの威力型宝具が相手であれば、この魔力放出だけで黒のセイバーは対抗できる。

謎のサーヴァント 真名:??? マスター:レン

スキル 魔力放出A

武器・自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させるスキル。いわば魔力によるジェット噴射。絶大な能力向上を得られる反面、魔力消費は通常の比ではないため、非常に燃費が悪くなる。黒のセイバーとは違い、それのみの機能となるため、剣戟や防御の威力を高められても、ビームを放つことはできない。

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