ファイアーエムブレム / 聖杯大戦(Fire Emblem / Holy Grail Grand War)   作:femania

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注意事項

・連載小説初心者です。至らない部分はご容赦ください。
・話によって、一人称だったり、三人称だったりと変わります。
・クロスオーバー作品です。元と性格や行動が違うことがあります。
・この作品はシリーズのキャラに優劣をつけるものではありません。勝敗についてはストーリーの構成上、容認していただけると幸いです。
・この話はフィクションです。
・この作品オリジナルキャラも人物描写はスキップしている場合があります。言動を参考に想像しながらお楽しみください。
・作品はほぼオリジナル展開であり、オリジナル設定も盛り込んでいます。ファイアーエムブレムのキャラを動かすにあたり、素材を最高に生かそうとした結果、原作とは矛盾が生まれることもありますが、この世界独自のルールとして受け取ってください

これでOKという人はお楽しみください!
ファイアーエムブレムのキャラを使って聖杯戦争をします!

1人称は レン視点での語り口調です
3人称では、それ以外の人間にスポットを当てています。


2-3 黒の陣営(2)

俺がこれから戦わなければならない相手。

 

考えられるのは皇族、そしてその近衛騎士だろう。

 

皇帝グランバニアと后妃ルマリアナ。国の頂点に立つ2人は俺を重罪人として見逃しはしないだろう。皇帝と后妃に直接仕える近衛騎士が来ることも考えられる。ちなみにどんな人間かは、俺は知らない。

 

 

******************************

 

玉座の間にて。

 

皇帝たるグランバニアは笑みを浮かべながら玉座に座る。

 

すでに夜遅くであるこの時間は、本来であればこの座に座っている時間ではない。しかし今日は、皇帝はこの椅子に座り自身の中に湧きたつ興奮を味わっていた。

 

隣には后妃、そして、皇帝の隣には一人の近衛騎士が立っている。

 

「ふふふ。今宵は酒がうまい」

 

グラスを片手に果実酒を少しずつ口に運ぶ。

 

「ふむ……やはり年はいかんな。息子たちの前ではああ強がっているが、体が一気飲みを拒絶している。もう若くないということか」

 

后妃は皇帝のらしくない言葉を聞き、少し笑った。

 

「笑うことなかろう」

 

「ごめんなさい。……、とうとう始まりましたね。継承戦争」

 

「うむ。後は万事神父が進めてくれよう」

 

皇帝は何かに思い当たったのか、ふと首を傾げる。

 

「聖杯戦争と言えば……あの男。神父どのは、私が子供の頃からあの若さであったな。終ぞその秘密に触れることはなかったが」

 

「……なにを馬鹿な、もう前の戦争からどれほど時間が経ったとお思いですか?」

 

「ああ、少なくとも老いが見られてもいいだけの時間が経った。だが、奴は、今だ若々しい。あの若さ、秘密に興味が湧くというもの」

 

その言葉を聞いた后妃は、皇帝に歩み寄る。

 

「陛下……お戯れはそこまでにしましょう? そのような些末なこと、どうかお気になさらず。今は我が子たちの戦争を楽しみましょう?」

 

「――ん? そうか。そうだな。いずれは分かる事だろう。かつて私が勝利したこの戦争、果たして誰が勝利するのか。いや、楽しみでならないな」

 

今の皇帝は先ほど抱いた疑念にさほどの興味も示していなかった。

 

「近衛よ。戦いの様子を委細、魔法により撮影し我に見せるのだ」

 

名前も呼ばれない近衛騎士はそれに不満を示すことはない。

 

「既に、番とその部下が行っております。陛下の元に届けるにはもう少し時を要します。今しばらくご容赦を」

 

「許す。この遊興、自らが参加できないことは残念ではあるが、見るだけでも悦である。期待している」

 

「はっ。では私も、陛下の御心に沿うため、この場から失礼致します」

 

「待て。遊興とは言ったが、形としては当然正規の聖杯戦争に戻すことが望まれる。故に神父にこう伝えて来い。先ほどの命令に加え、王族以外が呼んだサーヴァントと、そのマスターを最も殺した者にも、令呪を贈与してはいかがかと」

 

「よろしいので、正当な継承戦争に、そのような」

 

「もとより形が歪み始めている。それを正しい形に戻した者が報われるのは摂理に反することではないだろう。聖杯戦争は継承戦争、多少歪んだとて、間違っても『赤』の連中に勝利をさせるわけにはいかん。ああ、返答はいらんぞ、了承したかどうかはこれからの戦いの動きで判断する」

 

「承りました。では、そのように」

 

近衛騎士は、陰に紛れるように姿を消す。

 

グランバニアはまた酒を一口飲むと、独り言を放つ。

 

「『赤』の陣営、そして、謎のセイバーのサーヴァント。此度の戦い。いよいよ魔族との決着をつけ、聖杯に至るやもしれないな」

 

后妃はその意見に賛同する代わりに、穏かな笑みを浮かべた。

 

******************************

 

俺は次にアレスから、皇子の話を可能な限り聞いていく。

 

第1皇子フィラルド。次世代の皇族の中でも最も年長の男性。

 

皇帝と同じく体は細身でありながら筋肉の鎧をまとっていて、王国最強の剣士という話が有名である。政治的手腕も高く、2年前は無法地帯だったある港町を徹底改革し、城下街と同じほどに治安が良い街へと変革した実勢が民たちにも認められている。継承戦争において、もっとも勝利を望まれている男だ。

 

当然襲い掛かられたら大変だろう。マスターだけで見ても戦闘力は、俺の師匠たるハナムさんお墨付きの実力者なのだ。

 

「ハナムの情報だと、竜の鱗のようなものを触媒にしてたらしい。サーヴァントも並みの奴は来てないだろうな」

 

******************************

 

用意した寝具の上ですやすやと眠る女性を眺め、ひと時の休息を味わうフィラルド。

 

その女性こそバーサーカーであり、聖遺物として古代、この世界にいた竜族マムクートの鱗の化石によって呼んだ自身のサーヴァントである。

 

しかしフィラルドは彼女を使い魔というより、愛でるべき花のような存在として見ている。

 

「ふ……愛い顔だ」

 

寝ている隙をついて、黒のバーサーカーの手の指に1つの指輪をはめる。

 

「待ったぞ。この20年。果たしてこの戦いのためにしてきたあらゆる準備がどこまで通用するか……」

 

今つけた指輪の1つもこの日のために準備したものの1つである。

 

そもそも第1皇子がバーサーカーを呼び寄せたのは偶然ではなく必然である。実は英霊召喚の際には、バーサーカーのクラスのみ意図的に呼び出す方法がある。

 

方法は簡単だ。召喚の詠唱の間に必要な語句を入れるだけ。

 

バーサーカーというクラスは自分のサーヴァントの力が低いことが予期されるときに、狂化のスキルを付与させることで、基礎体力、基礎攻撃力、基礎俊敏力、など、基礎ステータスを上昇させることで、他のサーヴァントと拮抗させる術である。

 

本来は弱いサーヴァントを強くする救済措置に使われる技法である。しかし、弱いサーヴァントにしか使えないかと言われればそうではない。

 

元々強いサーヴァントに使うことで、そのサーヴァントの基礎能力をさらに高めることができる。当然、そのサーヴァントは狂ってしまうので、サーヴァントが持っている繊細な作業を必要とする技能などは使えなくなるので、メリットばかりではない。特に言うことを聞かなくなる恐れもあるので、むしろ、狂化にはデメリットの方が多いとも言える。

 

それでもフィラルドがバーサーカーを選んだのは理由がある。

 

元々フィラルドは聖遺物として竜の鱗を用意した。この聖遺物はほぼ確定でマムクートを呼び出すことができるものである。

 

竜の攻撃は基本、体による攻撃、そしてブレス。どれも本能的な攻撃方法となる。故に狂っていても戦えれば問題ない。むしろ狂化することで能力を底上げした方が強力であると判断した。

 

しかし、自分が思った通りに聖杯戦争を戦っていくには、サーヴァントを制御する方法が必要になる。

 

先ほどバーサーカーにつけたのは、狂化を軽減するための指輪として、15年をかけて発明した魔法道具である。

 

指輪に期待した効果は、バーサーカーにかかっている狂化を軽減すること。サーヴァントにかかっている狂化は聖杯が宿す強力なものであり、解除は不可能である。

 

しかし、軽減することで少しでも自分の言葉を届けることができれば、コミュニケーションの術になる。コミュニケーションをとれれば、自分の思い通りに動かす方法も見つかるというものだ。

 

しかし、実際、発明したこの指輪を使うのは初めてである。その指輪が本当に効果があるかどうかは未知数である。

 

今は寝ているため、起きてから話してみないことには、効力も分からない。さらに言うと、召喚したサーヴァントがフィラルドが想定していた純血のマムクートではなかったことが予想外だった。

 

(見たところ、人間と竜の混血のようだが、果たして、それが良い影響を与えるか、悪い影響を与えるか)

 

フィラルドはぐっすりと眠っている自身のサーヴァントを見つめながら、この先のことを考える。

 

(しばらくは様子見で良いだろう。行うべきは彼女と向き合い、彼女と意思疎通をできるようにすること。自衛をしていれば、向こうから来る敵を相手するだけで戦力は減らせる。問題はバーサーカーの暴走の可能性。過度に敵意を買わないためにはバーサーカーの制御は必須条件だ)

 

フィラルドは自分に宿った令呪を見る。そして、遂に始まった継承戦争に思いをはせた。

 

「……ようやくこの時が来た。後は勝利するだけだ。それで、俺の夢を叶えられる」

 

******************************

 

 

第2皇子クーベル。フィラルドの弟であり、武芸、学術の才能は兄には遠く及ばないものの、魔道を一通り習得し、さらに軍略や策謀を立てることを得意とする。皇子自身も自らを王の才ではなく、兄を支える才能が高いと自負している男だ。ちなみに発明家としても優秀で、彼が発明した魔道二輪車。別名『魔力バイク』、魔道四輪車、別名『魔道車』は馬を扱えない人々の高速移動手段として、民たちに愛されているようだ。

 

「クーベル兄さんには2人の近衛騎士がいる。1人はお前を毛嫌いしているセバスティ、もう1人は、セバスティの妹でメイドの身なりをしたテレシア。どちらもクーベルの自衛力の低さを補う高性能な戦闘力持ちだ」

 

「ああ、そういえば……どうしてセバスさんにそんな恨まれてるのかなぁ」

 

「セバスはプライド高いからな。近衛騎士というのは、選ばれた存在だって」

 

 

******************************

 

「クーベル様、ご報告が」

 

城の中にある第2皇子の部屋の中で、セバスティが口を開く。

 

「どうやら新たに、ルールが追加されそうです」

 

「なんだ?」

 

「『赤』の陣営とイレギュラーなもう1体のサーヴァントを殺せば令呪をもう1画手に入れることができるとか」

 

「……そうか」

 

「なんでもサーヴァントを呼び出した1人は、あの野郎……失礼、アレスの近衛騎士のレンが呼び出したとか。およそ愚かな反逆行為。そちらであれば、私が始末してきますが?」

 

「……セバス。お前は奴を敵視しすぎだ。どうしてそこまでレン近衛兵に殺意を抱いている」

 

「奴が近衛騎士と言う誇り高き役目を汚している弱者であるからです。そんな分際で叛逆を企てる愚か者。もはや生かしておく必要もないと」

 

「お前……いつも冷静なのに。まあいい。俺としてはアレスと奴の本気が伺えるというものだ」

 

クーベルは口元を少し緩ませて、セバスティに自身の見解を話す。目の前には自分の味方の戦力分析とこれからの方針が書かれた紙を広げていた。

 

「自分の近衛騎士を、反逆者の身分に落としてでもマスターにすれば戦力として申し分ない切り札となる。アレスが俺達に勝つために使った手だとするならば、それに乗ったレン近衛兵の忠誠心も見事だと思うがね。もちろん、罪人であることに変わりはないが」

 

「……そうでしょうか」

 

「まあ、お前が気に入らないのも気持ちは理解できる。だが、勝手に殺し行くのだけはやめろよ。今はレンにもサーヴァントがいる。さすがのお前でも、サーヴァントを対策なしに殺すことは至難の技だからな」

 

「……心得ます」

 

セバスティに一通りの注意を終えた後、クーベルは手を叩く。この部屋にいる残りの2人の注意をひくための合図である。

 

ここにいるのはセバスティだけでなく、もう1人の近衛騎士テレシア、そしてサーヴァントアサシンがいる。

 

「これからの方針を伝える」

 

クーベルはこの場に集った3人に話を始めた。

 

「我が婚約者たるミレニアも協力をするとは言っているが、基本は俺達4人で戦う。異存はないな?」

 

反論をする人間はこの場にいなかった。

 

「よし。俺達の方針は情報収集からの暗殺でいく」

 

合いの手を挟むのはテレシア。

 

「それはやはりアサシンを召喚したからでしょうか?」

 

「それもそうだが、何せうちの連中は揃いも揃って武闘派が多い。特に兄を殺すことを考えると、正面戦闘では、遅れをとりかねない」

 

サーヴァントであるアサシンも反論は挟まない。

 

第2皇子クーベルが呼び出したサーヴァントは、生前、密偵だった経歴がある。正面戦闘よりも情報収集や暗殺を得意とする。

 

しかし、クーベルが暗殺という手段をとる理由はサーヴァントの適性のみではなく、自分の適性も考えてのことだった。

 

昔より、体を動かすことは得意ではない。故に魔法を使えるものの、運動能力は王族の中でも最低であることを自負している。おそらく兄弟間で戦い始めた時、一番最初に殺されるのは自分であることも分かっている。

 

体が弱い自分が生き残るには何をすればいいのかを考え、クーベルが出した考えは、頭を使って殺すことだった。いかに戦わずして殺すか。それがクーベルの戦いである。

 

「基本はアサシンを主導に、俺と一緒にテレシアにはアサシンのサポートを行ってもらう。そして万が一、サーヴァントとの戦闘になったときには、セバスティとアサシンで迎え撃つ。フォーメーションは当人で決めてもらって構わない」

 

「了解いたしました」

 

アサシンの体が一瞬震えるものの、マスターの声にしっかりと頷きを返す。

 

アサシンが体を震わせた理由は、クーベルには分かっている。

 

既にクーベルはアサシンの真名に見当がついている。生前、アサシンはある教団に潜入している際に、敵に気づかれ、戦闘になってしまい、結果殺されることになった。

 

アサシンは戦闘能力が低いわけではないのだが、得意ではない。それは本人も最初にマスターに忠告している。

 

そしてクーベルは、次の話を始める。

 

「俺たちの狙いは『赤』の陣営ではない。イレギュラーのサーヴァントでもない。俺達はさっそく『黒』を狙っていく。他の連中が赤を狙っている限り。ただし、表面上は他の連中と同様に『赤』を狙うよう振る舞ってくれ」

 

「味方から騙していくと?」

 

「ああ。それでいい」

 

アサシンは自身のマスターの方針に賛成する。

 

「はい。では情報操作はお任せください」

 

「ああ。頼りにしているぞ。アサシン」

 

クーベルはアサシンと共に自らに宿った令呪を見る。

 

自身が聖杯にかける望みを強く念じる。

 

(俺は必ず聖杯をとる。魔族の技術を欠片も残さず暴き、聖杯の魔力すらも利用して、必ず人類の飛行を可能にする機械を開発してみせよう)

 

これだけは誰にも言っていない秘密。クーベルは王という地位には権力としての興味しかない。自身の我欲のために聖杯の望んでいる)

 

******************************




第3皇子 第4皇子 皇女バージョンは明日投稿します。

また、次の次の話からは、その話の中に出てくる人物については前書きで、毎回、簡潔に紹介をしていくことにしました。あとがきは以前も行った通り、新しく出た情報について簡潔にまとめ、筆者が一言、という感じです。

なので、今後は前書きを長く書くと思いますがご了承ください。よろしくお願いします。


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