ファイアーエムブレム / 聖杯大戦(Fire Emblem / Holy Grail Grand War)   作:femania

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注意事項

・連載小説初心者です。至らない部分はご容赦ください。
・話によって、一人称だったり、三人称だったりと変わります。
・クロスオーバー作品です。元と性格や行動が違うことがあります。
・この作品はシリーズのキャラに優劣をつけるものではありません。勝敗についてはストーリーの構成上、容認していただけると幸いです。
・この話はフィクションです。
・この作品オリジナルキャラも人物描写はスキップしている場合があります。言動を参考に想像しながらお楽しみください。
・作品はほぼオリジナル展開であり、オリジナル設定も盛り込んでいます。ファイアーエムブレムのキャラを動かすにあたり、素材を最高に生かそうとした結果、原作とは矛盾が生まれることもありますが、この世界独自のルールとして受け取ってください

これでOKという人はお楽しみください!
ファイアーエムブレムのキャラを使って聖杯戦争をします!



2-4 黒の陣営(3)

第3皇子ヴァレル。クーベルのさらに弟である。しかし、上2人と比べ特に秀でている才能はない。その上厄介なのは、とても態度が悪く、口も悪い。自分が皇族であることをいいことに、女に手を出すことや、強い立場による下の立場の人間へのひどい嫌がらせは日常茶飯事。皇帝も后妃も唯一頭を抱える大バカ者と言われ、民たちからの指示も最悪である。

 

「アレスはどう思ってんだ?」

 

「俺は……正直どうでもいい人だな。俺のことも何度も殴ったり悪口言ってきたり」

 

「……マジか」

 

ちなみに第3皇子にも近衛騎士はいない。嫌がらせやひどい仕打ちを受けると、近衛になる人間がいないのである。

 

******************************

 

第3皇子のヴァレルはすでに王城を出ていた。己のサーヴァントを引き連れて。

 

「おい。さっさと歩け」

 

ヴァレルにとってサーヴァントはただの使い魔。賭ける義理もなければ温情もない。どうやって使うか、と言う点で隣に連れている女を見る。

 

見た目はまだ15歳程度の少女。魔導書を1冊持っていたことから、キャスターであることは明白なのだが、今も敵地に向かう途中で体が恐怖で震えていることから、まだ戦いに不慣れであることも察することができる。

 

「おい」

 

「はい……?」

 

「何震えてるんだ。今から『赤』の陣営を全員潰しに行ってのに」

 

「その……怖い……です」

 

「は?」

 

ヴァレルは令呪を見せる。

 

「てめえ、何怖がってるんだよ。気に入らねえ」

 

「だって……私一人で、できるはず」

 

「サーヴァントだろうがてめえは! そこらの兵士なんか簡単に殺せるんだろう? 反逆者の『赤』の連中くらい殺せ!」

 

「だって……私、殺しなんて」

 

「めんどくせえな。なら今死ぬか?」

 

令呪をキャスターに見せびらかせる。

 

「俺はお前に銘じて自害させることもできる。俺の機嫌を損ねたら、分かってんだろうな?」

 

「あ……いや……」

 

強制的に自殺させられることも、人を殺させられることもキャスターは恐ろしく感じ、目から自然に涙を流す。

 

ヴァレルは舌打ちし、そして自分のサーヴァントの顔を殴る。

 

キャスターは情けなく、地面に崩れ落ちた。

 

「痛い……」

 

「はぁ? てめえ、自分の立場分かってんのか?」

 

「う……うう」

 

「……くだらねえ。俺は希代の魔導師だって聞いた割には、ただのガキじゃねえか。おい、起きろ!」

 

髪を引っ張り、体を持ち上げる。

 

「あぅ……」

 

「使い魔ごときが、痛がってんじゃねえよ!」

 

「ご、ごめんなさい。だから、殺さないで……」

 

「俺に指図か?」

 

「ご、ごめんなさい」

 

「てめえ、俺の機嫌を損ねるのだけは得意だよな。今日が終わったら、俺の偉大さを体に刻み込んでやる。てめえが二度とそんな生意気な顔をできないようにな」

 

ヴァレルはキャスターを話すと再び歩き出す。

 

キャスターは涙を浮かべながら、横暴な自らのマスターについて行く。痛いのが怖くて言うことを聞くしかなかった。

 

行く先は『赤』の陣営が拠点としていると思われる、旧士官学校跡である。

 

先ほど皇帝の近衛騎士から連絡があり、『赤』の陣営と謎の3人目のセイバーを倒すと令呪がさらに一画贈与されることを知ったヴァレルは、今宵、まとめて始末することで、その権利を得ようとしたのだ。

 

ヴァレルは己に宿った令呪を見る。

 

(俺のことを役立たずと言ってる街の連中を奴隷にして、殺し合いでもさせるか? いや、それじゃあまだ面白くねえな。……俺にふさわしくないこの世界を俺がおもしろい世界に変えてやる。そのために、皆殺しだ)

 

******************************

 

第4皇子リュート。兄としてはアレスに一番近い兄であり、よくアレスや2人の妹の面倒を見ている家族思いの麗人。麗人と言ったのは、いわゆるイケメンな顔立ちと体つきで、白馬に乗っている姿がおそらく一番似合う。家族は、長男、次男がものすごい才能を持っているため、存在感は薄いものの、王としての素養は十分の備えている人物である。

 

「近衛騎士は2人。1人は魔法使いのリリール。もう1人は多彩な武器を使うディーン。リリールはどちらかと言うと世話役という側面が強いから戦闘力はまあまあだが、ディーンの実力はセバスティが認めるほどの腕だ」

 

「近衛騎士、やっぱりこうして聞くと、俺がどれだけ雑魚キャラかよくわかるな」

 

「元々近衛騎士に求められているのは、サーヴァントとまともに戦えるレベルの戦闘力だ。まさか本当に戦えるとは思ってないけど、人間を軽く超えているとは思う」

 

「襲われたらひとたまりもないな……」

 

******************************

 

第4皇子も、皇帝の近衛騎士に特別なルールを聞いてから、城を後にしている。

 

「お体は冷えませんか? マスター?」

 

リュートが呼び出したのはアーチャーのサーヴァント。

 

「大丈夫だよ。心配ありがとう、アーチャー」

 

「夜は冷えます。私はエーテル体なので問題ありませんが、貴方が体調を崩されては」

 

「夜の冷気で狼狽えるような鍛え方はしていないよ。君の足手まといにはならない」

 

「……わかりました。しかし、隊長に異変を感じたら」

 

「アーチャー、僕は大丈夫だよ。嬉しいけれど、少し心配症が過ぎるのも考えものだよ?」

 

「それは、失礼しました」

 

リュートが向かう先は教会だった。

 

それは、妹のミレーユが自身のサーヴァントと愚痴を言い合っていたのをひそかに効いたリュートは、アレスが教会に行ったことを知っている。

 

リュートが最初に戦いに行こうとしているのはアレス、と言うわけではない。リュートはアレスのことをよく知っているからこそ、その近くにレンがいる可能性が高いとふんでいる。

 

「本当にいるでしょうか。先ほどの近衛騎士の話が真実であれば、レンと言う男もサーヴァントを持っています」

 

「ああ。いるとも。あの2人がその程度で結託を解いたりはしない。何せ、アレスが唯一心を許している親友、だからね」

 

「マスターには心を許していないと?」

 

「ああ。アレスはいつも本心を言わない。士官学校で兄に裏切られてから、アレスはずっと私たちを敵視している。自分の本心や悩みを語ることも、喜びを共有しようともしない。他人の話には耳を傾けるし、親身になって話もする。それでも自分の真意だけは頑なに表現しようとしない。見る人から見れば、アレスは嘘で塗れているような存在に見えるだろうさ」

 

「なるほど。それは込み入った話を聞いてしまったようで……」

 

「いや。いいんだ。君ならいい。これからは一蓮托生の関係だからね。与えられるだけの情報は提供させてもらう」

 

リュートとアーチャーの関係は主従と言うほどに堅いものではない。かといって、第1皇女とランサーのように何もかも言い合うような仲でもない。

 

リュートは女性でありながら、歴戦の英雄である彼女に尊敬しているし、またアーチャーも己のマスターは、主だからではなく、その物腰、生き方、聖杯に託す願いを理解し、彼女に敬意を表している。

 

2人とも性格は誠実という一言で表すことができるほどはっきりしているので、相性も

良い部類に入る。

 

「マスター、1つ聞いてよいでしょうか?」

 

「なに?」

 

「マスターが聖杯の託す望みとは? もちろん私からも言います」

 

「……そうだね。君が聞きたいのなら、僕は言うよ」

 

「では、まず私から。私は、聖杯が万能の願望器であると信じ、ある願いを叶えたいのです」

 

「願い?」

 

「過去に戻り、竜の呪いが解かれる時間を早めたいのです。そして、大陸で戦っていた私の子どもに再会したい」

 

「……息子? あれ……」

 

「私には呪いがかけられている。もちろん、その呪いのおかげでかけがえのない出会いができたのは事実。しかし、ある日、私に、大切な過去があると語った男がいたのです」

 

リュートは心臓が痛み始めるのを感じる。急な発作ではなく、胸を徐々に締め付けるような痛みだった。

 

(ぐ……またか)

 

近衛騎士のリリールが、後ろから走っている。彼女は顔をローブと仮面で隠しているので、アーチャーもその素顔を見たことはないが、挨拶は交わしている。

 

「大丈夫だ」

 

「でも……」

 

「リリー。僕は平気だ」

 

近衛騎士の心配を振り切り、自身のサーヴァントを知るため、耳を傾け続ける。アーチャーはマスターの様子が心配にはなったものの、マスターが望んだとおり、大丈夫だという過程で話を進める。

 

「この世界の伝承では、貴方は記憶を取り戻し、無事に再会できたと書かれていたよ?」

 

「……そうですか。そんな世界もあるかもしれません」

 

しかし、アーチャーは悲しそうな顔をする。

 

「もちろん私は死後の存在。今の私は、真名は竜の呪いがある頃の私です。思い出したはずの息子や娘の記憶も封印されている。それにしても、あなたの伝承と私の世界は違うようです。私の世界では、私が記憶を取り脅した時には、息子も娘も既に死んでいました」

 

「え……」

 

「だから、その命を守りたい。私の呪いが解除さえしていれば、迷いなく助けに行ったでしょう。たとえ運命が変わらないとしても、私はこの目で息子や娘に会いたい。故に、邪道と分かっていても、私は聖杯に、過去の私の呪いを解くよう、請い願います」

 

切なる願いだった。リュートは呪いに苛まれる心臓を労わりながら、

 

「ああ、なら、頑張ろう。君の高潔な願いを叶えて見せる。それほどの望みと覚悟を語ってくれたのなら、僕も言わなければね」

 

リュートは己の令呪を見つめながら、聖杯に託す願いを言う。

 

「僕はね――」

 

******************************

 

そして第5皇子は、俺の目の前にいるアレス。

 

近衛騎士は知っての通り、俺の師匠たるハナムさんと、兄弟子のクラウスさん。ハナムさんは弓の名手であり、ゾグンという銘の弓を使う弓矢使いなのだが、他の武器を使っている時も信じられないほど強い。兄弟子のクラウスさんは斧使い、俺も槍を最も得意とするのだが、それでもハナムさんには遠く及ばない。

 

「でもこの2人は、味方だと思っていいな」

 

「いや」

 

アレスは首を振る。

 

「自分の近衛騎士だろう?」

 

「俺は信用していない。どこかで他の王族とつながっているかもしれない」

 

「ええ……師匠くらい信じたいんだけどな……」

 

「やめとけ。聖杯戦争では誰が味方で誰が敵になるか分からない。俺だって自分の目的のためにお前を殺すかもしれないぞ」

 

「やめろよ、さすがに心折れるぞ」

 

「それくらい警戒しろってことだ」

 

そして話は、さらなる参加者の話へ。

 

「警戒っていえば、もしかすると王女様も……」

 

「ああ。まさか姉上も参加しておられるとは……」

 

「アレス。大丈夫か?」

 

「大丈夫だ。今更覚悟を変えるつもりはない。俺は聖杯を勝ち取って、リュエンに許しを請う。そのために、邪魔になる家族は殺すよ」

 

正直、ミレーユ王女の参戦は俺も驚いた。ミレーユ王女と何事もなく話したのはつい先ほどである。ソフィアに美味なお茶を用意すると約束した矢先にこれだ。俺を裏切者と思っても仕方がないだろう。

 

******************************

 

第1皇女と、彼女のサーヴァントである黒のランサーは自室で言い合い中である。

 

「ああああああああああ」

 

「そんな情けない声出すんじゃねえよ」

 

「出したくもなるわよ! 余裕こいて宝具まで使って! それで誰も倒せない! 今日から私たちは、相手に弱点が知られた状態で戦うの。勝てるか!」

 

「安心しろって。俺は強いから」

 

「何が強いよ。なんか乱入してきた変な奴も倒せないし」

 

「ありゃ違うっつの、向こうから来たくせに、時間です、とか言って逃げたんだろうが!」

 

「あららら、言い訳かしら。自分の無能を引き立てる分にはいいわね」

 

「お前王女だろ。もう少しおしとやかな物言いしろよ!」

 

「私の配下に対してどうしておしとやかである必要があるのよ。私は無能サーヴァントに向ける敬意なんてありませーん。これならあなたの父君が出てきてくれた方がよっぽどマシだったかもねー」

 

「てめぇ……後悔させてやるからな。親父なんかより、俺を呼んでよかったって思ったら……そうだな、キスと一緒に謝罪させるからな!」

 

「そんな日は一生来ませーん。頭の中で勝手に考えてなさい」

 

「ぐ……いいぜ。絶対してもらうからな」

 

その展開は子どもの喧嘩のようであり、2人の言い合いをあきれ顔で見る人間がこの部屋にもう2人。

 

「お2人」

 

そのうち1人がその喧嘩に待ったをかける。子供のような喧嘩を見かねた第2王皇女のあきれ顔を見て、第2皇女ソフィアのサーヴァントであるライダーが2人に、口を挟んだのだ。

 

「マスターがあきれ果てています。仮にもお2人は誇り高き地位にある身。どうか、我がマスターに呆れられないような身振りを心がけていただきたい」

 

ソフィアのサーヴァントであるライダーは騎士だ。しかし、その言葉遣い、振る舞いから垣間見えるオーラは強者のそれであり、ミレーユもランサーもその言葉を聞くだけで、素直に言うことを聞き、再び出そうになっていた罵詈雑言を収める。

 

「ライダー。ありがとうございます」

 

「マスターが不快と思われるあらゆる事項に対処するのも、仕える者の仕事ですので。しかし私は戦場を主な生活場所とする武骨者。無礼があればお許しいただきたい」

 

「いいえ。気にしないで。あなたのようなサーヴァントが居てくれるだけで、私は嬉しいです。これからもよろしくお願いしますね?」

 

「騎士として、ありがたきお言葉であります」

 

ソフィアとライダーは主従の関係というにふさわしい。しかしソフィアはライダーを下に見ることはなく、まさに理想の上下関係と言えるだろう。

 

ミレーユは2人の関係を見て、

 

「いいなー、私もあんな風に敬われたーい」

 

と小言を、ランサーに聞こえるように言い放つ。ランサーが再び言い返そうと口を開いたが、

 

「姉様。どうしてそのようなことを言うのですか」

 

ソフィアが少し怒った顔で姉に言い寄り、ミレーユは口を尖らせた。こんな性格だが、ミレーユは年下のきょうだいとリュートが大好きで、向こうに何かショックなことを言われるとへこみやすい。

 

先ほどアレスが叛逆してきたときには、口ではああいったものの、内心アレスとの関係が決裂してしまったことにショックを受けている。

 

「はいはい。分かったわよー」

 

「姉様。わざわざ私たちのために呼び出しに応えてくれたサーヴァント様なのですから、もっと敬意をもって接するべきです」

 

「えー、こいつに敬意?」

 

ランサーをチラッとみたミレーユは、内心『ないわー』と思い失笑する。

 

「おい、お前、今の笑いはなんだよ」

 

苦笑いしながら睨んでくるランサーに、意味深な笑みを返す。

 

「姉様!」

 

「はーい。ごめんなさーい」

 

この場はこれで収まり、それを見越したライダーが再び進言する。

 

「ここから先はどういたしましょう、ミレーユ様」

 

皇女2人は同盟を組んでいる。それは2人が聖杯戦争に参加した理由が共に同じであったからだ。

 

2人の戦う目的は聖杯にない。しかし、戦いには参加する理由はある。

 

継承戦争。次の皇帝が決まるまで、皇族同士でただ1人になるまで殺し合う。

 

それがミレーユにとっても、ソフィアにとっても馬鹿馬鹿しい慣習にしか見えなかった。万能の願望器というものに目がくらみ、これまでの皇族が殺し合ってきた歴史もくだらないものであると思っている。

 

家族、特にリュートやアレス等、この戦争に反対している皇族だけでも生かすために、聖杯戦争に勝ち抜き、聖杯に自壊を命じて、この慣習を終わらせる。

 

皇族の死亡が条件なのは継承戦争であり、聖杯自体はサーヴァントと令呪の全滅で起動できる。

 

故に、皇女2人とサーヴァント2機の協力で戦いを勝ち抜き、聖杯戦争を終わらせることが、皇女2人の最終目標になる。

 

「そうね……私としてはこの馬鹿げた戦争を終わらせるため、サーヴァントを全滅させたいと思ってたけど。なんか今回、召喚されている数多くない?」

 

その言葉を向けたのは、自分の近衛騎士であるローグ。

 

「……『赤』の陣営とは、王族という身分を隠し、交渉するべきかと」

 

「なんでよ」

 

「聖杯戦争を終わらせるという目的は『赤』も望むところでしょう。魔族蔑視の象徴ですから、それを排除できるに越したことはない。もちろんこの方法をとるには、皇族である身分を捨て変装をしていただく必要がありますが」

 

「それは私たちにどんなメリットがあるの?」

 

「少しは考えてください。単純な話です。同盟が成功すれば敵が減る。『赤』全員を相手にするよりは、『黒』だけが相手となるなら、これほど楽なことはない」

 

「そう……」

 

「俺はこの後、『赤』の様子を見てきます。あなた方は、俺の提案に乗るかどうかを考えておいてください。明日になればアンナも戻ってくるでしょう。それまでは、部屋でおとなしくしながら、俺の提案含め、どうするか話し合っておいてください」

 

「……わかったわ」

 

話に出て来た、アンナはソフィアの近衛騎士である。普段はソフィアやミレーユの依頼で情報収集を行うため、外出していることが多い。

 

「姉様。アンナには私から言っておきます。それで、その……」

 

「何か言いたげね」

 

「レン様と同盟は……」

 

「は? 裏切り者よあいつ。罪人。いくら戦争に勝ちたいからって、ちょっと人選危険すぎない?」

 

「でも、私……その……」

 

「ぐ……あなた、まさか」

 

「レン様に、死んでほしくないです。まだ、お茶会もしていないのに」

 

「あなた……あのバカをどうする気なの」

 

「それは――」

 

ソフィアの告白に、ミレーユの嫌な予感が増大していく。ソフィアの我が儘がこの先何かおかしなことになっていかないことを祈るばかりだった。

 

******************************

 




簡単に黒の陣営のおさらいです。

皇帝 后妃 謎の近衛騎士

第1皇子 フィラルド陣営
・黒のバーサーカー

第2皇子 クーベル陣営
・黒のアサシン
・近衛騎士 セバスティ
・近衛騎士 テレシア

第3皇子 ヴァレル陣営
・黒のキャスター

第4皇子 リュート陣営
・黒のアーチャー
・近衛騎士 リリール
・近衛騎士 ディーン

第5皇子 アレス陣営
・黒のセイバー
・近衛騎士 ハナム
・近衛騎士 クラウス

皇女 ミレーユ、ソフィア陣営
・黒のランサー
・黒のライダー
・近衛騎士 ローグ
・近衛騎士 アンナ


前回のあとがきにあった『明日投稿します』とはなんだったのか。
見事にまた遅れました。申し訳ありません。

次回は『赤』の陣営の紹介です。
未だ情報をほとんど明かしていないので、次回で多くの情報を出していきたいと思います。

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