その死神、無双。 ~Don’t mention it since it’a dark past~ 作:零式
そう言えば言い忘れてますが亀投稿ですのでご了承下さい。と、いうか亀投稿ならぬナメクジ投稿ですので!
暗闇の中、僕は辺りを見渡した。そしてブーツを地面にぶつけた。金属部が地面に当たって、高い音が響き渡り、辺りの建物に跳ね返って戻ってきた。他の人は居ない。ただアイズが僕を追ってきているからはやく詠唱を始めよう。僕は小さな声で詠唱した。
「【遥か古の旅人よ。我を望みし所へ】」
思い浮かべたのは馬鹿にされ、逃げ出し、力を望んだあの少年の顔だ。僕の体は分散して鴉に成った。鴉は飛び上がり、深い闇に消えていった。
「はぁあああ!!」
僕は叫びながら目の前のモンスターを安物のナイフで切った。気付けばダンジョンにいた。気付けばモンスターと戦っていた。僕の脳内では酒場で狼人に言われた言葉がずっと反芻している。だが悩む暇も無いほどにモンスターはボロボロの僕に牙を剥いた。慌ててナイフを構えたが遅い。ウォーシャドーの爪が僕の身体を切り裂こうと、した。がウォーシャドーの後ろに無数の鴉が集まった。鴉は集まると人の形を成し、よく知った人物になった。
「やるならしっかりと、ですよ」
「アルブさん、、、」
アルブと呼ばれた男性は大きな鎌でウォーシャドーを斬った。一撃で葬り去られ紫色の石が残るだけだった。
「ベートにああ言われて君はどう思ったんでしょう?」
僕はベルに聞いた。ベルは顔を歪めていった。
「悔しいよ。とっても悔しい、、!でも何も言えないし。何も言い返せない、、、」
「あなたはどうしたいですか?どうなりたいですか?」
「強く、強く成りたい!!」
待っていた言葉だ。僕は虚空に時空の歪みを発現させ中からベルの使う短剣と同じ長さの短剣を取り出した。
「今から戦い方を教えます。貴方が強くなれるように」
「はい!!」
かれこれ5時間程経った。ベルは僕に向かって来るがそれをかわして反撃を打ち込む、という動作を五時間繰り返した。ベルは僕に反撃される度に方法を変えて、攻撃を当てようと向かってくる。
「もうそろそろ終わりにしますよ」
懐中時計の短針はXIIの文字を周りIIの文字を指していた。この五時間を経た僕はかなり焦っていた。それはベルの吸収速度が異様に速かったからだ。このままだと僕が教えられなくなるだろう。いずれ3日程の休みをとって一人でダンジョンに潜ろう、などと共にヘスティアへどう弁明しようかと考えながら僕は帰路についた。
「アールーブーくーん。朝帰りとはどうことだい!?」
「あ!神様!帰ってたんですね!」
僕に背負われているベルは快活な声で言った。さっきまでの落ち込んだ雰囲気を微塵と感じさせることもなく。
「取り敢えず負傷中のベルを降ろしてから弁明させていただきます」
廃教会に入ってベルをソファーの上に降ろして弁明をした。
「、、、とまぁこんなことが有りました」
「成る、程特訓の為にダンジョンに籠っていたと、、、って馬鹿!」
ヘスティアは目の前の僕とベルを叱責した。
「君達が死んだら困るんだよ!!」
「ごめんなさい!でも、神様、僕、強くなりたいんです!」
ベルが言った。僕はベルの紅くて真っ直ぐな目を見た。それだけでこの人は必死だと分かった。
「なに余所見しているんだい!」
ヘスティアがベルを見る僕を注意した。
「だいたい、普通の人はダンジョンに籠りっぱなしで訓練なんてしないよ!」
「つまり僕は普通ではないと?」
「ああ!大いに異常だね!!」
僕はヘスティアと目を合わせる。暫く睨み合うとヘスティアは笑った。釣られるようにベルも笑う。何時までもこういられると良いな。珍しくそんなことを考える僕だった。
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