GATE 未来軍 彼の地にて、斯く戦えり   作:ズデーテン

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陸軍編初のオリジナルストーリーです。原作と違い、日本には3泊する予定です。


宇宙への旅立ち

伊丹

「思ったより早く着いたな。」

 

倉田

「そりゃマッハ50以上で来ましたからね。」

 

柳田

「よう、ちゃんと帰ってきたようだな。そちらの方がピニャ殿下で?」

 

ピニャ

「いかにも。」

 

柳田

「そしてそちらの方が…伊丹に乱暴をしたという?」

 

ボーゼス

「う…はい…」

 

狭間

「よしておけ柳田。泣きそうではないか。」

 

柳田

「これは失礼。お二人にはお話があるので、こちらへ。」

 

ピニャ

「わかりました。」

 

伊丹

「この後すぐ出発だから準備するぞ!」

 

 

基地内

狭間「…なるほど。そのような経緯があって暴行に及んだと。」

 

ボーゼス

「はい…」

 

ピニャ

「この件について日本はどうするのですか?まさかイタリカを滅ぼすつもりですか!?」

 

狭間

「いえ、それはありません。」

 

ピニャ

「本当ですか!?」

 

狭間

「ですが、ある程度の報復攻撃は覚悟して頂きたい。」

 

ピニャ

「報復攻撃!?イタリカにですか!?」

 

狭間

「いえ、帝国にです。一応、帝国軍人のしたことですから。ですが、我々が攻撃するのは政治機関か軍事施設です。住宅街等は攻撃しません。」

 

ピニャ

「そう、ですか…」

 

ピニャ

「そ、そうだ!狭間中将!妾達も日本に連れていってはもらえませんか?しっかりと謝罪しておきたい。」

 

狭間

「ええ、構いませんよ。」

 

 

柳田

「…ということでこの2人もついて行くことになった。」

 

伊丹

「まじで…」

 

柳田

「いいか伊丹、この日本への招待の目的は我が国の技術力や真の軍事力を見せることであの姫様に戦争はするべきではないと思わせることだ。そのことを忘れるな。」

 

伊丹

「わーってるよ。」

 

テュカ

「何でこんなに厚着するの?」

 

レレイ

「向こうはこっちとは気候が違うらしい。」

 

ロゥリィ

「楽しみねぇ。どんな街なのかしら。」

 

伊丹

「よし、出発だ!」

 

門の周りがドーム型に緑色に一瞬光る。門を守っていたバリアがとけたのだ。

 

ピニャ

「いまのは…防御魔法か?」

 

レレイ

「違うらしい。私もよく分からないが電磁波と呼ばれる物で壁を作り出しているらしい。」

 

伊丹

「さあ、この道を歩いた先が日本だ。」

 

ボーゼス

「ついに、敵国である日本に…」

 

ピニャ

「ああ…」

 

一行は暗闇の道を歩き続け、ついに外へと出た。

 

レレイ

「ここが日本…」

 

テュカ

「寒っ!」

 

伊丹

「それじゃあ俺手続きしてくるわ。」

 

伊丹が手続きをしている。

 

駒門英世

「これはこれは、伊丹中尉。」

 

伊丹

「ん?ああ、あんたか。久しぶりだな。」

 

富田

「知り合いですか?」

 

伊丹

「まあな。」

 

駒門

「今回、あんたらの護衛を担当する駒門だ。まあ護衛の必要はあまりなさそうだけどな。元S所属の中尉がいるんだものな。」

 

栗林

「S?…S!?ウソダドンドコドーン!」

 

レレイ

「エス?」

 

富田

「特殊作戦群のことで世界最強とも言われる特殊部隊だ。」

 

駒門

「そんなことはどうでもいい。とりあえずあんたらはまず檜原基地に行くぞ。」

 

伊丹

「何で?」

 

駒門

「おいおい、予定聞いてないのかよ。火星周辺で行われる宇宙軍の演習を見に行くんだよ。」

 

伊丹

「それはわかってるが檜原基地ってそもそもどこだ?」

 

駒門

「奥多摩の方にある檜原村っていうちっこい村にあるんだ。まあ、宇宙軍基地は最重要国家機密の1つだからな。知らなくても無理ない。」

 

伊丹

「まあいいや。よし、みんなバスに乗れ!」

 

ロゥリィ

「これは地面を動くの?あっちのは浮いてたじゃない。」

 

伊丹

「あー、反重力装置も最重要国家機密の1つだから民間車輌には使われないんだよ。使われるのは軍事車輌とか軍用機だけなんだ。」

 

街中

テュカ

「わあ、凄い!大きい建物がたくさん!」

 

レレイ

「変わった形の建物が多い。あっちじゃ絶対造れない。」

 

ロゥリィ

「人がたくさん…お祭りかなにかかしら?」

 

ピニャ

「なんということだ…帝国とはまるで違う!」

 

檜原基地

伊丹

「着いたみたいだな。」

 

栗林

「なんですかここ。ただの山奥じゃないですか。」

 

「お待ちしておりました。」

 

伊丹

「…あなたは?」

 

橘芳樹宇宙軍大佐宇宙戦艦月読命艦長

「橘芳樹と言います。宇宙軍大佐で、宇宙戦艦月読命の艦長をしています。」

 

伊丹

「基地はどこにあるんです?ただの山奥ですよね?」

 

「こちらの円の中に立ってください。」

 

伊丹

「はあ…」

 

地面に描かれた円の中に一同が立つ。

 

「それでは行きます。」

 

橘がポケットから取り出したボタンのようなものを押す。

 

「さあ、着きました。」

 

伊丹

「へ?」

 

栗林

「場所が…」

 

富田

「変わっている…」

 

さっきまでいた山奥から、未来的な基地の内部に変わっている。

 

ピニャ

「なんだ!?一瞬で景色が変わったぞ!?」

 

テュカ

「すごい…これも魔法?」

 

レレイ

「違う。この世界の人間は魔法が使えない。でも彼らはその高い科学技術力で魔法のようなことを行うことができる。」

 

「ここが檜原基地です。皆さんには宇宙戦艦月読命に乗り、演習場まで行きます。」

 

栗林

「なんで演習を見るんですか?」

 

「今日は殿下もいらっしゃっていることですし、我々の高い軍事力の象徴である宇宙軍の演習を見せることで講和を加速させることが目的です。」

 

月読命艦内

「それでは出発します。浮上!」

 

テュカ

「飛んだ!?」

 

ロゥリィ

「面白くなってきたわね。」

 

ボーゼス

「ピニャ殿下!我々はどこへ!?」

 

ピニャ

「わからん…」

 

「前進!」

 

月読命がロケットほどの速さで飛んでいく。

 

「もう宇宙に入りましたよ。」

 

伊丹

「おっ、地球じゃねーか!」

 

レレイ

「あそこから来たの?」

 

ロゥリィ

「ここどこ?」

 

伊丹

「宇宙だ。いつも見ている空よりも向こうの世界だ。星や太陽のある世界だ。」

 

テュカ

「すごい…綺麗…」

 

「極超光速まで加速するので後2分ほどで火星に到着します。」

 

富田

「2分!?」

 

栗林

「火星ってまあまあ距離あったような…」

 

レレイ

「隣の船も宇宙戦艦?」

 

「いえ、あれは宇宙巡洋艦天岩戸です。その隣にあるのが宇宙巡洋艦高千穂、さらに奥が宇宙駆逐艦後醍醐です。」

 

「そして反対側のあの船は宇宙駆逐艦冷泉、その奥が宇宙駆逐艦聖武、さらに奥が宇宙戦艦少名毘古那大神、さらに奥が宇宙巡洋艦淤能碁呂です。」

 

伊丹

「全然聞いたことない名前…」

 

「基本的に日本神話、古事記から取られてますから。宇宙戦艦は日本の神々、宇宙巡洋艦は日本神話の地名、建造物、道具、宇宙駆逐艦は歴代天皇から取られてます。」

 

ロゥリィ

「日本の神々なのね!ぜひ会ってみたいわ!」

 

「いえ…少なくとも2800年近く前のことですから会えないかと…」

 

ロゥリィ

「そうなの?残念だわ。」

 

「あっ、火星が見えてきました。」

 

伊丹

「ここが、火星…」




古事記についてはよく知らないので間違っていることもあるかも知れません。

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