キューブ作戦終わらーん
4月29日 晴れ
驚いた。何に驚いたって、目が覚めると隣に416が寝ていたのだ。勿論僕も彼女も服を着ていたが、重要なのはそこではない。
誓って僕は彼女を部屋に連れ込んでいないし、そもそも部屋には鍵を掛けている。勝手に入ることなんてできないハズで、彼女を起こして質問した。そして、元凶がカリンであることが判明した。曰く、彼女に夫婦なら一緒に寝るものだと吹き込まれたらしい。鍵はピッキングで開けたという。
これで名実ともに夫婦ね、などとぬかす416に制裁チョップをして、部屋から追い出した。そもそも彼女は「寝る」の意味を理解しているのだろうか。いや、していないだろう。
これを読んでいる君にアドバイスだ。誓約はピッキングされることを覚悟してするべきだ。相手がストーカーになっても構わないという覚悟がないなら止めた方がいい。僕は胃薬が欲しくなった。
取り敢えずカリンにも制裁チョップをした。この耳年増娘め。
5月5日 雨
今日は、僕の両親が住んでいた国では「こどもの日」と言うらしい。何をするのかまでは知らないが、せっかくなので基地の人形たちにお菓子を配る事にした。
そこまで人数が多い基地ではないが、やはり今の時代甘味は高価だ。飴玉一つでもそう簡単には手を出せるものではない。こればかりは、カリンの協力がありがたかった。彼女には、皆には内緒でケーキをあげた。喜んでくれたので、軽かった財布を更に軽くした甲斐があったものだ。
あと、当然のように僕の横に立ってお菓子を配っていた416にもケーキをあげた。彼女もこどものようなものだ。それに、味はしないとはいえいつもの料理の礼もある。何も感じない麻婆豆腐はどうやったら作れるのだろう。
余計なお世話だったら悪いが、君は、家族を大事にした方がいい。守りたい人、遠くても支えてくれる人は、この仕事をしていくなら絶対に必要だ。
送ったプレゼントを、娘たちは喜んでくれるだろうか。顔を忘れられていたら悲しい。
5月7日 曇り
今日は嬉しい事があった。娘の成長を見たような気分だ。
G11という人形が居るのだが、この子はよく寝る。気付いたら寝ている。やる気になれば凄いのだが、とにかく寝る。廊下で寝ていた時は、それは驚いたものだ。どれだけ寝たいのだろうか。
そんな睡眠に熱意を掛ける彼女を、なんとあの416が面倒を見ている姿を目撃したのだ。あの、クールぶった完璧主義者故に孤立ぎみでそれを一匹狼だと勘違いしている残念娘がだ。目頭が熱くなるのも仕方がないだろう。
いつも僕の側に居たから他の人形たちと上手くやっているのか心配だったのだが、これからは大丈夫だろう。G11を通じて、他の皆とも交流するようになると良いと思う。
ただ、無味無臭料理を振る舞う相手に僕以外を巻き込むのは止めてあげてほしい。G11のなんとも言えない表情を見たのも初めてだ。そして自分だけ食堂の定食を食べるのは、分かってやっているのか。自分の料理を一口でも食べるべきだと思う。頼むから。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
416とG11のコンビは良いですよね、大好きです。
回を進めるごとに416を残念にしていきたい心意気。これ以上落とせるのかは疑問ですが。いや落とせる。416のポテンシャルを信じろ。