ご注文は奇妙な冒険ですか?   作:血の一族

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第十七羽一目で普通の転校生じゃないってきづいたよ2

『ドラララララララララララァァァァ!!』

 

 

仗助の〈クレイジーダイヤモンド〉のラッシュが麻里に決まったが麻里にそのラッシュは届かなかった、麻里のスタンド〈プリンセス・オブ・プリンセス〉は砂を操る物であり、麻里はその砂を身にまとう事で打撃攻撃から身を守っていたのだ。

 

 

「クソ、砂だとこっちの攻撃が効いている気がしねぇな」

 

 

仗助は一旦〈クレイジーダイヤモンド〉を仕舞うと状況を冷静に分析する

 

 

「ねぇ仗助君、砂を操るって事は砂がない場所なら麻里ちゃんのスタンドを無効化出来るんじゃないのかな?」

 

 

「それだ!!ココアお前頭良いじゃねぇか!」

 

 

億泰がココアの考えに賛同しココア達は砂がない学校内に逃げ込む事にした、そして学校に逃げ込むと昇降口の近くにある階段を登り出来るだけ無関係な人間を巻き込まない様に主に移動教室などに使われるエリアにある廊下の奥へと行きそこで麻里を迎え撃つ為にココア達は再びスタンドを出した、そして麻里は1分もしない内にココア達に追いついて来る

 

 

「ここなら君のスタンドの力は使えない筈だ!ここは素直に大人しく降参した方が良いと思うよ」

 

 

康一が麻里に降参する様に進言するが麻里は康一の言葉を聞くつもりはない様だった

 

 

「どうやら砂さえ無ければ私なんて敵じゃないと思っている様だけど…私の事を甘く見過ぎね」

 

 

麻里の背後に古代エジプトに居る様な民族衣装を着た女性の姿が浮かび上がるとその女性の周りにある壁が砂の様に崩れ去りあたり一面が砂だらけとなった

 

 

「コイツ、砂を自分で作り出せるのかよ!」

 

 

ほんの一瞬、一瞬の仗助のその隙が致命的となってしまった、足元が砂に変わりあっという間に仗助は腰まで砂に沈み込んでしまい身動きが取れなくなってしまう

 

 

「仗助君!」

 

 

「仗助!」

 

 

康一と億泰が仗助に走り寄ろうとするが仗助がそれを大声で止めた

 

 

「こっちに来るんじゃねぇ!コイツは相当にヤバイスタンドだ!此処で3人ともやられる訳にいかねぇだろが!」

 

 

「仗助君…」

 

 

「仗助…」

 

 

自分の身が危ない状況にも関わらず自分達を気遣う仗助に康一と億泰は悲痛な表情を浮かべて立ち止まる。そしてその様子を見ていた麻里は

 

 

「ふぅん、あんたって結構カッコイイところがあるんだね、敵じゃなかったらあんたに惚れてたところよ」

 

 

「へぇ、そいつは光栄だぜ」

 

 

麻里の言葉に皮肉を込めてそう返す仗助

 

 

「まぁいいわ、最初はあんたの方から倒してあげる」

 

 

そう言うと麻里は片手で何かを握り潰す様な仕草をすると砂が仗助を締め付ける、仗助が苦悶の表情と悲鳴をあげると仗助の骨が折れる音が響き渡る

 

 

〈ブレイクアウト!〉

 

 

ココアがそう叫ぶと床から爆発音が聞こえると砂になっていない部分だけが崩れ落ちて仗助は一階へと落下する

 

 

「仗助君、大丈夫!」

 

 

ココアが穴の下を覗き込み仗助の無事を確認する

 

 

「ココア助かったぜ…けど悪りぃもう動けそうもねぇ、後は任せたぜ」

 

 

そう言うと仗助は気を失ってしまった

 

 

「これで一番厄介であろう東方仗助は片づけたわ、さぁ残りの3人もこの勢いで…」

 

 

麻里のその台詞は最後まで続かなかった何故ならば話している途中でココアが〈ブレイクアウト〉で麻里を攻撃したのだ、しかし麻里は防御しているその攻撃が麻里に届く事は無かった

 

 

「酷い事するわねココア、残念だけどこのスタンドは私の事を自動防御をするようにする事も出来るのよ?」

 

 

「クッ、ならコイツならどうだ!〈ザ・ハンド〉!」

 

 

億泰は麻里のいる空間ごと削り取ろうとするが麻里に軽々と避けられてしまう

 

 

「虹村億泰、確かにあんたの〈ザ・ハンド〉の能力は非常に強力よ、でも肝心の射程距離とパワーは余り大した事はないわ幾ら強力な能力でも当たらなければどうって事はないわよ」

 

 

「ハン、俺の能力を見切ったつもりでいるならそいつは大きな間違いだせ?」

 

 

〈ザ・ハンド〉が狙ったのは麻里本人ではなく背後にある椅子や机が重ねられた壁であった、〈ザ・ハンド〉によって削り取られた絶断面が瞬時に元に戻るのを利用して机や椅子を麻里に向かって落とした。すると当然麻里は防御する為に砂を身に纏おうするが其処に康一が〈エコーズACT1〉の能力を使い麻里が身に纏っている砂に〈ドガガガ〉という擬音を染み込ませるすると音が反響し中にいる麻里にダメージを与える

 

 

「ぐううう、お、音が頭に響く…〈プリンセス・オブ・プリンセス〉!」

 

 

堪らずに麻里は身に纏っていた砂を解除し無防備になるそしてその隙を億泰は見逃さない

 

 

「今だぜ!〈ザ・ハンド〉!」

 

 

億泰が〈ザ・ハンド〉で麻里に攻撃をするが麻里は素早く反応し〈プリンセス・オブ・プリンセス〉の一部を〈ザ・ハンド〉の右手に纏わせ〈ザ・ハンド〉の右手を捩じ切った

 

 

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

億泰の右手も〈ザ・ハンド〉の様に捩じ切れそこから大量の出血をする

 

 

「億泰君!」

 

 

ココアはブレザーを急いで脱ぎ億泰の傷口に押し付けて出血を止めようとするその時に自分も血で汚れてしまうがココアは気にしなかった、そして康一もワイシャツを脱ぐとそれで億泰の止血した、そしてその間に麻里は康一の攻撃のダメージが抜け切れないのか体制を立て直す為に屋上に逃走する

 

 

「康一君、ふたりをお願い!麻里ちゃんは私が倒すから!」

 

 

屋上に逃げた麻里を追いかける為ココアは

 

康一に重傷を負った億泰を任せようとすると

 

 

「駄目だよ、ココアさん1人じゃ危険過ぎる!」

 

 

康一は1人で行こうとするココアを制止しようとする、そして其れは沢山の出血をした所為か意識が朦朧としている億泰も同じこだった

 

 

「俺は大丈夫だ…康一悪いがココアちゃんを頼んだぜ」

 

 

「でも、億泰君を放っておく訳には行かないよ!」

 

 

「女1人に行かせる方がよっぽどカッコ悪いっての…」

 

 

息を切らしながらも決意に満ちた表情でそう言う億泰を見たココアは

 

 

「分かったよ、康一君一緒に行こう!」

 

 

ココアは億泰を壁に寄りかかせると康一と共に屋上へと向かっていく、屋上へ続く階段を登っている途中康一はココアに先程見つけた『とある事』を話しそして屋上に辿り着くと其処には既にダメージから立ち直ったと思われる麻里が立っていた

 

 

「ココア、そろそろ決着をつけましょうか?」

 

 

麻里は自分の周りに砂を再び纏わせると其れを操り巨大な手のひらを作り出してココアと康一を纏めて握り潰す為に振り下ろしてくるココアは〈ブレイクアウト〉で攻撃するがあまり効果はない

 

 

「無駄だって言ってるでしょ?あんた達じゃ私のスタンドには絶対に勝てないわ!」

 

 

「そんな事は分かり切ってるよ、康一君!」

 

 

「うん!〈エコーズACT3〉!」

 

 

康一は〈エコーズACT3〉の能力で麻里の背後にある給水塔を重くする、すると給水塔は自身の重さに耐えきれずに倒れそして中に溜め込まれていた大量の水が屋上にぶち撒かれた、それによりココア達はずぶ濡れになるがそれこそがココアと康一の狙いだった

 

 

「わ、私のスタンドが!」

 

 

麻里のスタンドは大量の水を浴びた事により重くなり形を保てなく崩れてしまう

 

 

「砂は水を浴びると固まる…そうすればこっちの攻撃が効くでしょ?」

 

 

麻里は再び砂で巨大な手のひらを作り出そうとするが形が保てなく崩れていく

 

 

「この弱点に気付けたのは康一君のおかげだよ」

 

 

「貴方が億泰君の右手を潰した時、億泰君の血で砂が固まっているところを僕は見つけたんだ」

 

 

「そして私がこの事を康一君から聞いた時にこの作戦を思いついたんだよ」

 

 

ココアは背後に〈ブレイクアウト〉を出してゆっくりと麻里に近づいていく、麻里はスタンドを使おうとするが形を保つ事が出来ずに崩壊していく

 

 

「こ、来ないで、来ないでよぉ!!」

 

 

追い詰められた麻里は半狂乱になりながら何度もスタンドを出そうとするがやはり直ぐに形が崩れてしまう、そしてココアは素早く間を詰め麻里にラッシュを決める

 

 

『WRYYYEEAAAAAッッッ!!』

 

 

〈ブレイクアウト〉の爆破エネルギーが込められた攻撃が麻里に見事に決まり麻里は爆破エネルギーにより吹き飛ばされ地面を転がり動かなくなった、完全に気を失っているのは明らかだった、そして麻里の肩から再び蜘蛛が落ちて消滅する

 

 

「アレは…まさか麻里ちゃんも青山さん達みたいに…」

 

 

「ココアさんそれって…」

 

 

ココアの言葉に康一は麻里も何者かに操られていた事を知るのだった、それから暫くして騒ぎの後処理が行われた。スタンドを知覚出来ずに事情も知らない一般生徒達には単なる喧嘩として処理され教師の怪我も跡形もなく消えている為騒ぎにならずにすみ屋上の配水塔についても劣化していた為にひとりでに壊れた事になった、そして仗助と億泰の怪我も…

 

 

「相変わらずトニオさんの料理は凄いぜ!」

 

 

億泰は生えて来た右手を握ったりしながら感触を確かめる

 

 

「あああ、俺も初めて経験したがホント大したもんだぜ」

 

 

仗助も身体中の骨が折られていた筈の身体を動かしながら痛みが無い事を確認する

 

 

「まさか、トニオさんもスタンド使いだったなんて本当に驚いちゃったよ」

 

 

あの後億泰に頼まれラビットハウスからトニオを連れて来たココアは其処でトニオがスタンド使いである事を知りそしてトニオが仗助と億泰の為に作った特製料理を食べさせてふたりの身体の怪我を治したのだ

 

 

「ところであの女の様子はどうだ?」

 

 

仗助は麻里の様子をココアに質問する

 

 

「うん、承太郎さん達が一応詳しい事を聞いてるけど多分何もわからないと思うな」

 

 

「そうか…でもいつか必ず裏で糸を引いていた奴を必ず引きずり出してやるぜ!」

 

 

「そうだよね、みんなで協力していけばいつか必ず手掛かりを掴める筈だよね!」

 

 

仗助とココアは背後にいるであろう黒幕に強い怒りを覚えたと同時にいつか必ずその黒幕を引きずり出す事を心に強く誓ったのであった

 

 

「なぁ、康一あのふたりって付き合ってる訳じゃないんだよな?」

 

 

「億泰君、多分あの2人はそんな風に思ってはいないと思うよ」

 

 

まるで恋人のような雰囲気を出しているココアと仗助に対してまるで他人事のような印象を抱いている康一と億泰だった。

 

 

To Be Continued…

 

 

 




スタンド図鑑


スタンド名/プリンセス・オブ・プリンセス/本体/楼樹麻里(ろうず まり)15歳高校生


破壊力B/スピードD/射程距離C/持続力A/機密機動性D/成長性B


メモ/砂を操るスタンド、例え操る砂がなかったとしてもスタンド自身の力を使えば周りの物を砂に変える事が出来る。そしてその砂を操り対象を捕らえる事もそのまま握り潰す事も出来るし自動的に自分の身を守らせるという事も可能、しかし砂である性質上水などの水分を含んでしまうとスタンドの形を保てなくなってしまう。


スタンド名/エコーズ/本体/広瀬康一(ひろせ こういち)17歳高校生


ACT1 /破壊力E /スピードE/射程距離B/持続力B/精密動作性C/成長性A


メモ/相手の身体に音を染み込ませる能力。

同じ音がコダマのように反響し続け相手に精神的なダメージを与える。またその能力を応用して電話のプッシュ音を響かせ電話をかけるという芸当も可能である

因みにACT1の射程距離はおよそ50メートル。


ACT3/破壊力A/スピードC/射程距離D/持続力C/精密動作性C/成長性B


メモ/他の形態とは違い明確な自我を持っている。そして能力も音を操る能力を持ったACT1とは違い相手を『重く』する能力。『重く』する能力はある程度加減ができる。しかしパワーが上がった分射程距離が他の形態に比べて短くなってしまった(5m程度)


スタンド名/ザ・ハンド/本体/虹村億泰(にじむら おくやす)17歳高校生


メモ/破壊力B/スピードB/射程距離D/持続力 C/精密動作性C/成長性C

右手で触れた物を何でもガオンっと削り取る事が出来る。削り取られた切断面は元通りだったようにぴったりと閉じる。 例え空振りしてもそこにある空間すら削り取る。そして削り取られた切断面が瞬時に元に戻ることを利用して自分もしくは物体を瞬間移動させるという応用技もある。 尚削り取られた部分が何処に行くのかは本体である億泰にも分からない


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