木組みと石畳みの街に風変わりな2人組が歩いていた。片方は少々目のやり場に困る服装をしている20代ぐらいの女性、もう片方はリュックサックを背負った小学生ぐらいの少年という組み合わせであった
「ねえアネキ、本当にそんな上手い話があるのかな?この街にいるターゲットを消せば報酬を貰えるという話は」
「何だい、今回の依頼に不満でもあるのかい?今までにも似た様な依頼は受けてきただろうよ」
「そうなんだけどさ何て言うか依頼の割に依頼料が多いような気がするんだよ、、、本当にヤバイ奴じゃないんだよね?」
「ビビッてンじゃないよ明人《あきひと》!あたい達コンビは中々活躍の場に恵まれずにずっとみじめな思いを味わって来たんだ、ここいらでドでかい成功を収めればこの業界にあたし達の名前を広める事が出来るんだ、なあにあたし達のスタンドがあれば必ず上手く行くって!」
「綾(あや)姉が調子に乗っている時は大抵碌な事にはならないだものなぁ」
「そりゃあどういう意味だい明人!」
明人の言葉に頭にきたのか綾は明人の頭に拳骨を落とす
「いつも直ぐに手をあげるんだからアネキは~」
頭を押さえながら涙目で明人はそう言った、そんな2人の目に見るからにヤンキー風の男達が道路に座りタバコやら酒やらのどんちゃん騒ぎをしていた。周りの人々は迷惑そうな表情をうかべてはいるが誰も文句を言う勇気はないのか遠目から見つめているだけだった
「おい、明人、依頼前の腕慣らしだ、お前のスタンド〈ラプス〉の能力であの社会のゴミにお灸をすえな」
「もう、アネキは人使いが荒いんだから」
口では悪態を付きながらも綾に逆らう事は出来ないのかため息を付くと持っていたリュクサックから何も書かれてはいない日記帳を取り出しそこにペンで何かを書き込む、そして書き込みが終わると明人は日記帳を一度閉じた、すると今まで座っていたヤンキー達が何かに操られたかの様に立ち上がったかと思うと見るからに酒を飲んで酔っ払っている仲間の男と共に近くに停車していた車に乗り込みヤンキー達はエンジンを掛けて勢いよくアクセルを踏んだ、しかし酔っ払っている所為で充分な判断能力がない為にガードレールをぶち抜いて車は直ぐ近くの川へと勢いよく着水した、乗っていたヤンキー達は水面から顔を出して慌てておりその事故現場を目撃していた人々はあきれた表情で顛末を見つめていた
「相変わらずのコントロールぷりだねぇ、あんたのスタンドは」
「まぁ、100%の成功率を誇るものではないけどね」
「でもあんたのスタンドのおかげであたし達の依頼の成功率はそこそこ高くなってんだよ、自信持ちなって」
綾は明人の肩をたたきながらその場を歩いて去っていった、そしてターゲットがいるであろう喫茶店に向かっている途中に綾達は依頼主から預かった写真で改めてターゲットの情報を確認する
「ターゲットは『保登心愛』『奈津恵』『条河摩耶』『東方状助』の4人、他にも何人か仲間はいる様だが今現在喫茶店にはこの4人しかいないらしい」
「情報によると全員凄腕のスタンド使いって話だよね?何度も聞くけど本当に大丈夫なのアネキ?」
「大丈夫だって!あたいとあんたのスタンドなら負けはしないさ!」
綾達が情報を確認しているうちにターゲットがいるといわれている喫茶店『ラビットハウス』に到着し綾達は内部の状況を知る為に窓の外からラビットハウスの内部をのぞき込む、するとそこにはココア達がこちらの存在に気付く事はなく普通に営業をしていた
「承太郎さんから聞いたんだけど麻里ちゃんの体調随分と回復して来たんだって!」
「リゼとジジイが倒したユラって奴も体調が快方に向かってるらしいぜ?2人も全快したら俺達に協力したいだってよ」
「それじゃあ、また私達の新しい仲間が増えるんだね!!楽しみだねぇ~」
「仲間が増えるのは嬉しいけどさそれよりも風野千歌の情報が依然つかめないってのは意外とヤバイんじゃないの?」
「焦ったてしょうがねぇ、俺達には承太郎さん達の調査が実るのを信じて大人しく待ってるしか出来ねぇからよ」
状助がそこまで言い終わると何処からココア達の物ではない女性の声が聞こえてきた
「友を信じて待ち続けるそれも立派な青春の一ページです、皆さんにはその気持ちを大切にして貰いたい物ですね」
状助達が驚いた表情で後ろを振り返ると机の上に原稿用紙を広げた青山がのんびりとした様子でそう言っていた
「あ、青山さんいつの間に其処にいたんですか?」
お盆を持ったまま驚いた様子でそう言うココア
「青山さんっていつの間にか私達の近くに居たりするから面白いよね~」
「そうか?俺にはホラーにしか感じねえぞ?」
青山はそんなメグと状助のやり取りをスルーすると
「そう言えば今日は他のお友達はいないのでしょうか?」
「億泰君は学校の補習、康一君は承太郎さんの依頼でイタリアにリゼちゃんは財団に用事があるからとの事で今日は居ません」
「それは残念ですね、でも折角ですので…」
青山の言葉を遮るように扉が開くと其処には息を切らした凛が立っていた
「やっぱりこんな処に居ましたね!さぁ翠ちゃん帰りますよ!今日は午後から雑誌の取材があるんだから!」
そのまま凛は有無を言わさずに青山を引きずって行こうとする、青山は耳を抑えて「あーあーあー」と言ってはいたが凛がそれに耳を貸す事は全くなかった。
青山と凛が出て行った事でラビットハウスに再びお客さんが居なくなってしまい、やる事がなくなってしまったココア達がどうしたものかと考えているとタカヒロが2階から降りてきた
「皆すまないがすこし手伝って貰いたい事があるんだけども構わないかな?」
タカヒロの頼みを断る理由もないココア達は店の裏側へと姿を消す、その隙を狙って綾は店内へと潜入した
「今の内にこの爆弾を仕掛けておかねぇとな」
綾は自前の爆弾をラビットハウスのいたる所に仕掛けおく、そうココア達が全員都合よく店内から居なくなったのは明人のスタンド能力によるものだ、しかしそこにイレギュラーな事態が起きる、突然ラビットハウスの扉が開く音が聞こえ、其れを聞いた綾は慌てては近くの机の下に隠れる
(おいおいおい、人が戻ってくるの早すぎねぇか?)
綾は頭を抱えた様子でそう考えるとテーブルから少しだけ顔を出す、するとそこにはラビットハウスの看板娘のチノがコーヒー豆の入った袋を抱えて店内を見渡している
「ココアさん?状助さん?いないんですか?」
その様子を窓から見ていた明人も顔を青ざめて慌てていた
「ど、どうしよう、僕のスタンド〈ラプス〉はこういうイレギュラーにめっぽう弱いんだよ!」
明人のスタンドは戦闘向きではない為に綾を助けに行く事は出来ずに綾の無事を窓の外から祈るしかなかった。
(どうする?どうやってこのピンチを切り抜ける?)
綾は髪を掻き毟りながら何とかこのピンチを切り抜ける方法を必死に考えていると
「其処に誰かいるのですか?」
とうとうチノに自分が隠れている事を感づかれてしまった、綾は顔を青ざめながら自分の不運さを呪う、そしてチノは警戒心を露わにしながら自分が隠れている机にゆっくりと近づいてくるそしてそんなチノ声が聞こえたのかココア達も店裏側から出て来てしまった
「どうしたの?チノちゃん大きな声を出して?」
「コ、ココアさん、あそこに誰が隠れているみたいなんです」
チノの言葉を聞いたココア達の表情が真剣な表情に変わり油断なくゆっくりと綾が隠れている机に近づいて行くもし隠れているのが敵スタンド使いだとするならスタンド使いではないチノが危険だ、ココア達はスタンドを出した状態で後、数歩のところにまで机近づきそして…
「其処に隠れている人!大人しく姿をみせて!」
「テメェは敵なのか?もし敵だとするとテメェの持っている情報を全て吐いて貰う事になるぜ?」
ココアと仗助はメグ達よりも一歩前に出ると綾が隠れている机に向かってそう言う、すると机に隠れていた人物がゆっくりと顔を出した
「皆さん私ですよ、怖い顔は辞めて下さい」
机の下から顔を出したのは先程凛にラビットハウスから連れ出された筈の青山であった、隠れていた人物が青山だと分かるとココアと仗助は安心した様子を見せた
「なんだ青山さんだったんですね!」
隠れていた相手が青山と分かり安堵するココア、仗助も口には出さないがほっとした表情を見せていた
「ねぇ青ブルマ、青ブルマはどうして机の下に隠れたりしたんだよ?最初から大人しく出てくれば良かったじゃん」
「そもそも青山さんは机の下でなにをしてたの?」
マヤとメグの質問に青山は何故か慌てた様子で
「じ、実は大事なま、万年筆…そう!万年筆を机の下に落とした事を思い出しまして、それで慌ててラビットハウスに戻り座っていた机の下を探していましたらチノ…さんが帰って来たので少し驚かせようと隠れてみましたら段々と引っ込みがつかなくなりまして…」
妙にしどろもどろな口調でそう説明する青山、襲撃者である綾は一体何処に消えたのか?青山の様子が妙なのは一体何故なのか?ココア達はまだその違和感には気づいては居ない…
To Be Continued…