ストーキングストーカーストーリー
仗助が街を散歩しているとマヤとリゼがアイスを食べながら歩いてるのを見つけ仗助声をかけた
「お前達が2人でいるなんて結構珍しいじゃねぇか、ココア達はどうしたんだよ?」
「実はさぁ、リゼの事をバレないように尾行してたらリゼにあっさりバレちゃったんだよねぇ」
アイスを舐めながらそう言うマヤ、それに対してリゼは恥ずかしそうな表情を浮かべ誤魔化すかの様に言葉を発する
「そ、そんな事よりも折角会ったんだ仗助も私達と一緒に尾行でもしないか?」
「人を尾行を誘う女子高生って一体どうなんだよ?」
しかしリゼはそんな仗助のツッコミをスルーし
「丁度其処に私達が尾行するのに相応しい人物がいるな」
そう言うリゼが指差した先には神出鬼没の小説家青山ブルーマウンテンが鼻歌を歌いながら歩いていた
「青山さんが何時もどんなルートを通って私達の目の前に現れてそして消えるのかその謎を私達で解明するぞ!」
リゼの言葉にマヤも片腕を上げて同意し仗助は仗助で暇である為に2人に付き合う事にした、そんなリゼ達を後ろからこっそりと1人の少女が尾行していたがリゼ達は少女の尾行に気づいてはいない
「ど、どうしてリゼ先輩が男の人と一緒に?まさかあの人と付き合っているんじゃ?」
焦った様子でそう言う少女…桐間紗路《きりま しゃろ》はリゼに対して憧れを抱いている少女である、偶然仗助とリゼが会話しているのを目撃し2人の関係がどうしても気になった為に尾行する事にした。そのシャロの尾行にリゼ達は気づく事は無く青山の尾行を続けている。尾行されている事に気づいていない青山は立ち止まって近くの店のショーウィンドウをじっと見つめていた
「う〜私はじっとしてるのは苦手なんだよ!私は大人しくしてると死んじゃうんだよ!」
「お前はまぐろか!」
尾行しているのを忘れ青山に話かけようとするマヤをリゼがそうツッコミながら両腕で抑える
「おお!もしかしてこれがCQCか?」
近くでマヤとリゼの様子見ていた仗助はそんなツッコミを入れる、しかしリゼ達を尾行していたシャロには全く別の雰囲気に見えていた。
(あんなにイチャイチャして…しかも、もう子供まで…認めない、そんなの絶対に認めないわよ!)
冷静さを失い普段ならばちょっと考えれば分かる事さえ気づけない程自分がパニックに陥っている事に気付かないまま尾行を続けるシャロ、そして尾行を始めてから数分が経過したが青山ショーウィンドウの前に立ち止まったままであった
「しかし青山の奴全然移動しねぇなぁ、一体何をしてやがるんだ?」
いつまでもショーウィンドウから移動しない青山を不思議に思い出した仗助、そして当の青山本人は…
(あそこにいるのは…シャロさん?これは新作の為に観察させて頂くなくてはっ)
青山はシャロが大のお気に入りであり、シャロに良くセク…いや、観察をしていたのだ、そして青山に観察されているシャロはそれに気付かずにリゼ達を尾行していた
(何やってるのよ私!見つかったら間違いなくリゼ先輩に嫌われちゃう…それだけはいや〜)
尊敬しているリゼを尾行している事が後ろめたいのか、頭を抱えてうずくまってしまうシャロ、しかしいつまでたってもその場から移動していないリゼ達に違和感を感じ始めるシャロ。青山を尾行しているリゼ達にそのリゼ達を尾行しているシャロ、更にそのシャロを作品のネタの為に観察している青山、一献すれば非常にややこしく奇妙な光景となっていた、そしてその状況を変える出来事が起きる。ふとシャロが近くにあった時計を見ると顔を青ざめ
「いけない、バイトに遅刻する!私のバカァ!!!」
その場から走りだすシャロにそのシャロを追う為に走り出す青山、そしてその後を追うようにマヤが走り出した
「待ってよ青ブルマ〜!!」
「その呼び方は誤解を招きそうだから止めろ!」
マヤの青山の呼び方にツッコミを入れる仗助
「きゃあ!」
シャロを追いかけていた青山は何かに躓いたのか青山はその場に転び、リゼ達は青山の元に駆けつけた
「大丈夫ですか!青山さん?」
転んだ青山を心配し手を差し伸べすリゼ
「私の事よりもシャロさんを!早くシャロさんを追いかけて下さい!」
「落ち着いて下さい!青山さん、シャロに一体何があったんですか?」
必死な様子の青山に落ち着かせる為にリゼはそういう
「実は…私のシャロさんが…ストーカー被害に遭っているみたいなんです!」
「ストーカーはお前だよ」
無慈悲に容赦なく青山にそうツッコむ仗助
「最近ずっと如何わしい視線を感じるって言っていたんです!」
「だから、それはお前だよ!青山」
「ストーカーなんて私は唯、シャロさんを観察させて貰っていただけなんですが…」
「それだろ!シャロって奴が感じて如何わしい視線ってのは!」
仗助の言葉にようやくストーカーが自分の事だと自覚した青山は苦笑いを浮かべるそんなリゼ達を物陰から見つめている怪しい人影が…
「ふふふ、どうやら私達の尾行まで気づかなかった様だね〜」
「それだけ私達の尾行が完璧だったんでしょう」
リゼ達を尾行していたのはチノとメグであった、彼女達は様子のおかしかったマヤを心配しこっそりと後をつける事にしていたのだった
「それにしてもこんな風にふたりっきりでいるのって初めてだよねぇチノちゃん」
「はい、そうですね、メグさんとふたりっきりになるのは今回が初めてすね」
「このままリゼちゃん達に気付かれない様に尾行しようねチノちゃん、私達コンビの凄さを証明しようね!」
「はい!」
そう言い引き続きリゼ達を尾行する為にトテトテと歩いていくチノとメグ、そしてそれを少し離れた場所から尾行している2人組がいたその2人は漫画などでみる探偵のコスプレをしていた
「可愛い妹達はどうやら私達の尾行までには気づけなかった様だね。尾行は変装してやらないと完璧とは言えないんだよ康一君もそう思うよね?」
ココアは一緒に尾行してくれている康一にそう言った
「イタリアから帰って来た所にいきなり連れ出されて、しかもこんな格好で尾行しなきゃいけないなんて…僕はどうして断れなかったんだろう…」
「そんな事言ってるけど本当は康一君も妹達の事は気になるでしょ?妹達の普段の姿を知るのも私達の責務だよ!」
口ではそんな事を言ってるがチノ達の会話に目を光らせて自分の事をいつ話してくれるのかいつ褒めてくれるのかウキウキさせているのが見て分かった
(もしかしてココアさんは単に自分の噂を聞いたいだけなんじゃ…)
康一のその考えは当たってはいるが其れを口にする事はなかった、一方リゼ達は青山の尾行も終わってしまった為に一息をつく為に近くの公園にあるジェラートの屋台にやって来ていた
「店員さんすいませんってシャロじゃないか?何でこんなところにいるんだ?」
リゼがジェラートを買う為に店員に声を掛けるとその店員が後輩のシャロである事を知って驚きの声を上げる
「へぇ、お前が前にリゼが言ってた後輩って奴か?俺は東方仗助宜しくな!」
「リ、リゼ先輩!この人とどういう関係何ですか?それにその子はもしかして先輩達の子供何ですか?」
「お、落ち着けシャロ!私と仗助は唯の友人だ!それに此奴は私達の子供なんかじゃなく私の後輩だ、そもそも年齢的にありえないだろうが!少し落ち着け!」
「そ、そうですよね!私はなんて早とちりを、そ、そうだ!リゼ先輩達はジェラートを買いにきたんですよね?ご注文をどうぞ!」
急に空気を変えた感が拭えないがそれらに触れずにシャロからジェラートを受け取るとリゼ達は近くのベンチに座りジェラートを食べる
「そう言えばさっきは聞きそびれちまったけどマヤは何でリゼの尾行してたんだ?」
ジェラートを食べながら仗助は先程聞き逃した疑問をマヤに話した
「うん、リゼには話したんだけどね…」
マヤは最近時間が進むのがとても怖く感じている事をそして進学したら今の関係が終わってしまう事に恐怖を感じている事を包み隠さずに話したそれに対して仗助は
「マヤ、お前は考え過ぎなんだよ、それで今の関係が終わる訳ねぇだろ、承太郎さんだって離れて過ごしている仲間の事を今でも大切に思っているし関係が終わったとは感じてなかったぜ?」
仗助はそこまで言うと言葉をいったん切り
「大丈夫だろお前達なら、それにいつかは離れ離れになったとしても俺はお前達の事を大切な仲間だと思い続けるぜ?まぁ俺は馬鹿だからこんな感じにしか言えないけどよぉ」
「ぷっ、あはははは」
仗助の言葉を聞いたマヤは堪えきれなかったのか吹き出してしまった
「確かに仗助の言う通り私らしくなかったかな?よし!明日からはまたいつも通り頑張るぞ〜!」
それと同時に仗助達の後ろにある二箇所の茂みからチノとメグが康一とココアが飛び出して来た
「マヤさんがそんな事を悩んでいたなんて!」
「仗助君!私達はずっとともだからね!」
「お前達は何なんだ!?」
突然現れたチノ達に叫びながらツッコミを入れた仗助
「皆さんが繋いだストーカーの輪とても素敵でしたよ」
いつの間か近くのベンチに腰をかけジェラートを食べながらそう言う青山
「青山さんいつの間に!?」
いつも通りに突然現れた青山にツッコミを入れたリゼ、そして其れを近くで見ていたシャロは『何なのよぉ〜!!』と叫び其れを見たマヤは笑っていた。そしてそれを近くの木の影から見つめているのはチノの帰りが遅い為に探しに来たティッピーと何も言わずに消えたティッピーを探しに来たタカヒロが更にその後ろに康一を見かけた為にこっそりと後をつけて知的好奇心を埋めようとしている露伴そしてその流れをたまたま通りかかった承太郎が驚いた表情で固まま見つめていた。
To Be Continued……