第四十三羽イタリアから来た少年
成田国際空港…そこにイタリアのネオポリスからやって来たひとりの金髪の少年が降り立つ。その少年はそのまま到着ロビーから出ると出口の近くに居た保登レオがその少年を出迎えた。
「お久しぶりです。レオさん、またお会いする事が出来て嬉しいです」
「そんな畏まった態度を取らなくても良いぜ〇〇、今お前んとこは組織の不穏分子の一掃とそれによる立て直しで忙しい時に日本へと来てくれたんだからな」
「貴方達には返し切れないぐらいの恩がある。貴方達の頼みでしたら僕達は何でもやりますよ。ここには居ない僕の仲間達も貴方の手助けをしたがっていましたからね」
「そう言ってくれると此方としても光栄だ。このまま立ち話もなんだから詳しくは車の中で話す。ついて来てくれ」
そう言うとレオはその金髪の少年を連れて空港の入口に待機させていた車に少年と共に乗り込むと車は空港から出発する。普通の乗用車よりも遥かに快適な車内で少年はレオに自分を日本まで理由について改めて質問する
「レオさん。僕達がこれから向かうという街ではスタンド使いによる事件が多発しているという話を聞いています、僕をイタリアから呼んだのもその辺りが関係しているのでしょう?」
「…これから行く街で現れたスタンド使いは全てスタンドの矢によって生み出された事が財団が取り調べをしたスタンド使いのひとりの証言で判明したんだ。それだけではないつい先日、俺の妹達が訪れた杜王町という街でも公式にはされてはいないがスタンド使い達による大規模な事件が起きている。そこで財団は今回の事件の収束の為の助っ人ととして君を…パッショーネファミリーの現ボス…
「何を言っているんです、レオさん。僕達がディアボロを倒せたのもスタンドの矢を手に入れる事が出来たのも貴方達のサポートがあったからですよ」
ジョルノの謙虚とも取れる言葉にレオは苦笑いを浮かべると直ぐに表情を引き締め
「ジョルノ。カンのいいお前なら俺達がお前を呼んだ理由はスタンドの矢に関してだけじゃないって事を気づいているだろ?」
「やはりそうなんですね。何となくですがそれは感じていました。そして僕を呼んだ理由のひとつに僕が先日感じたある気配と関係している、違いますか?」
「その通りだ。先程話した杜王町の事件でお前に次いで2人目のレクイレムを発現させた者が現れた」
「それは本当ですか!?そしてそれは一体誰なんですか?」
「その人物の名前は香風智乃。これから向かう街に住んでいる少女だ」
「2人目のレクイレムの発現者というのは女の子なんですか?」
「それだけじゃない。聞いても信じられないかもしれないがジョセフさんの話だと彼女はレクイレムに到達した当日にスタンド能力を手に入れたばかりだという話だ」
「スタンド能力を手に入れたばかり?そんなのはあり得ません!レクイレムはスタンド使いとして充分な経験と覚悟、そしてスタンドの矢に認められなければ到達する事は出来ない。スタンド使いになったばかりの少女が其れを満たしていたとは思えません。そんなのは『絶対にあり得えません』」
「お前の言う通りそんなのは『あり得ない』だからこそ財団は彼女を香風智乃を監視下に置く事にした。彼女が俺達の敵に回らないという保証は何処にもないからな」
「そうか、分かりましたよ。レオさんが僕に頼みたいのは彼女の監視及びに見極めですね?同じレクイレムに到達した者としての」
レオはジョルノの言葉を肯定するように頷く
「そしてお前を呼んだのには後もう2つ理由ある。そのもう2つの理由はお前の血筋に関係している事だ。お前は自分の父親についてどれだけ知っている?」
「父親の名前がディオという事と僕が生まれた後母を置いて何処かへと消えたぐらいです」
レオはジョルノの言葉に暫く考え込みとすぐに口を開いた
「ジョルノ。俺はこれからお前の父親であるディオについての話をする。お前を日本呼んでおいてアレだがもしお前が父親の話を聴きたくないのならば俺は話す事をやめる。これから話す事は正直余りいい気分になる話じゃない、特に息子であるお前にとってはな」
「レオさん。そんな気遣いは入りませんよ。僕は自分の父親が碌な人間ではない事ぐらいは分かっています。僕の母も碌な人間ではなかったですからね」
レオはジョルノの言葉を聞くと安心した表情を見せて話し始めた。ディオという悪魔に相応しい男の存在を…そしてレオの話を最後まで聞いたジョルノは特にショックを受けた様子を見せる訳ではなく。至って冷静だった。
「ディオという男は僕が思っていた以上にロクデナシだったようですね。正直そんな男の血が僕に流れている事に嫌悪感を感じますよ」
「その様子だとジョルノは恨んではいない様だな…お前の父親を殺した承太郎さん達をジョースター家を」
「恨む訳ないですよ。それどころか僕は皆さんに謝りたい気持ちで一杯です。自分のクソッタレな父親の所為で多くの人を不幸に陥れたのですから」
レオはホッとした表情を浮かべた後今度はひとりの少女の写真をジョルノに見せる
「この子は?もしかしてこの子がさっき言っていた香風智乃ですか?」
「いや、彼女の名前は桐間紗路…ジョルノのお前の腹違いの妹だ」
「僕の腹違いの妹?レオさんそれは一体どういう事です?」
「彼女の存在に気づいたのはつい最近だ。お前の存在を知った後、俺達はジョルノ以外にもディオの血を引く者が居るんじゃないかと考え、ディオの足跡を追って世界中を調べ回っていたんだ。妹には黙ってな」
そう、レオとサルマがココアに会いに街へとやって来たのはその街にディオが訪れた事がある痕跡を発見したという連絡を受けたからだった。そしてジョルノに会いにイタリアへと立つ前に妹に会いに来たという名目で街へとやって来たのだ。勿論ココアに隠してある真実は他にもあるが其れはまた別の話である
「そしてその痕跡を探している内に桐間紗路の存在に辿り着きその街に住んでいる財団の職員に彼女の細胞片を手に入れてもらい調査した結果、彼女がお前と同じディオの血を引く人間だと俺達は確信したんだ。」
そこまでレオは一気に喋ると喉の乾きを癒す為に持っていた飲み物を一気に飲む
「そして彼女もお前と同じスタンド使いに覚醒した。香風智乃がスタンド使いとして目覚めたのと同じ時期に、しかもそのスタンド能力は対象の生命エネルギーを奪う物だったらしい。やはり血が繋がっていると目覚める能力も似る可能性が高いらしいな」
しかしそんなレオの言葉はジョルノの耳には殆ど入ってはいなかった。
「僕に血の繋がった妹が居たなんて…」
ジョルノは酷いショックを受けていたディオの悪業を知った時以上にしかし其れは決して悪い意味の物ではなく、ジョルノは自分の中にある喜びに似た感情が湧き上がってくるのを感じていた。
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ジョルノは幼少期の頃から充分な愛情を母親から注いでは貰えずにずっと放っておかられていた過去があった。その上母の再婚相手である義父からも虐待を受け、更には近所の子供たちからも凄惨なイジメを受けるという悲惨な生活を送っていた。そして両親から半ば厄介払いの為にイタリアのハイスクールの寮に入れられていたのだ。そんな過去があったからなのかジョルノは家族の愛情というのはイマイチ理解する事も出来なければ信じる事も出来なかった。しかし本音を言えばジョルノは 家族の愛情を心の底では求めていた、だからこそ何時も街中で見かける中の良い親子を見ると心の底から感じていた羨ましいと感じていたのだ。勿論ジョルノはそんな自分の気持ちには気付いてはいなかったが、そして今回のレオの話により自分にも血の繋がった妹がいるという真実を知った時無意識のうちに抑え込んでいた気持ちが溢れ始めたのだ。
「レオさん。ひとつ聞いても良いですか?彼女は…僕の妹は…家族から母から酷い仕打ちを受けてはいませんでしたか?」
ジョルノの不安そうな言葉を聞いたレオは
「其れなら心配はないさ、彼女は母親からそして再婚した父親から充分な愛情を受けて育っていたよ」
レオのその言葉を聞いたジョルノは心の底から安心した表情を見せると自分が先程から感じていたとある気持ちをレオに告白する
「レオさん。僕は彼女にシャロに会っても良いですか?そして僕が彼女の腹違いの兄であると告白しても良いですか?」
「勿論さ、君と桐間紗路を対面させる。其れも君を日本へと呼んだ理由のひとつだったからな」
そしてレオは運転手に耳打ちをすると車は道中のパーキングエリアへと入るとその中の駐車場に車を止めた
「レオさん、まだ街に到着はしていないみたいですが?」
「ちょっとした寄り道さ、今知り合いの職員に頼んで桐間紗路をこのパーキングエリアに連れてきて貰っている。お前が妹に桐間紗路に会いたいと思った時にこのパーキングエリアによる予定だったんだ」
ジョルノはレオの言葉を聞くと乗用車の扉を開け外へと出る。そして辺りを見渡すと紫色の髪のツインテールをした少女の近くに自分と同じ金髪の少女を見つけると早歩きでその少女達の元へ歩いて行く。その時のジョルノの胸は酷く高鳴っていた。ディアボロと対峙した時以上にそしてある意味でディアボロとの最終決戦の時以上に緊張した心境で2人の少女達の元に到着するとジョルノのはゆっくりと口を開いた
「初めまして僕の名前はジョルノ・ジョバァーナ…本名は汐華初流乃と言います。貴方達がレオさんが言っていた財団の職員と僕の腹違いの…」
ジョルノが言い終わる前にツインテールの少女がジョルノの手を握ると
「貴方がジョルノ・ジョバァーナですね!貴方のご活躍は報告書で知っています。私は天々座利世。SPW財団石畳みと木組みの街支部で父と一緒に働いています。そしてこの子が私の後輩で貴方の…」
「桐間紗路です。貴方が汐華初流乃…ジョルノ・ジョバァーナで良いのよね?私は貴方の事を何方の名前で呼べば良いの?」
「ジョルノでお願いします。血が流れていなくても今の僕はイタリア人なので」
「分かったわジョルノ。其れで貴方が私の兄…で良いのよね?リゼ先輩から説明されているとは言え正直どう反応して良いのか分からないわ。いきなり腹違いの兄がいるって言われたのだもの」
「僕も同じですよ。いきなりの事で戸惑いもありましたがそれ以上に貴方に会いたいという気持ちが上回りました。貴方には話したい事が沢山あるんです。僕がイタリアでの生活、そして僕達の父親である男についても」
そう言うとジョルノとシャロは近くの椅子へと座るとジョルノは語り始めた自分が経験して来た事全てを自分を救ってくれた。自分に「人を信じる」事を教えてくれたマフィアにヒーローのような強い憧れを抱いて自分もギャングスターになるという夢を持った事をそしてその夢を叶える為にギャング組織「パッショーネ」へと入団しそこで自分が尊敬できる数少ない友人と呼べるとある男と出会い。そして麻薬によって汚染されている街を変える為にその男の部下となり彼の仲間と共に組織を裏切る決意をしその時に日本からやって来たレオを始めとする協力者達と協力し最終的には巨悪を打ち倒す事に成功し今はボスとして組織の浄化とイタリアの裏社会を完全に牛耳り、麻薬で苦しんでいる人々をひとりでも少なくする為に活動中である事をシャロに全て説明した。
「それって何かのテレビか映画の話じゃないの?と言いたいところだけど私自身杜王町でスタンド能力や柱の男との戦いを経験してしちゃってるし」
ジョルノの話にシャロは半信半疑ながらも納得した。何故ならばシャロはもう既に非日常を経験していたからだ。もしその経験がなかったらジョルノの話を信じる事などは出来なかっただろう
「次に君と僕の父親であるディオについてだ。正直な話僕はついさっき父親に関して詳しく知ったばかりだ。シャロ、君は実の父親に関してどこまで知ってますか?」
「リゼ先輩から簡単に聞いているわ。かなりのクズ男って話なんでしょ?はっきり言ってリゼ先輩から初めてディオって男の事を聞いた時かなり幻滅したし、マ…お母さんの元から居なくなってくれて逆に感謝したいぐらいよ。今も一緒に暮らしてたら碌な家庭環境にならなかったでしょうね」
シャロはリゼから話を聞いていてディオに対してかなりイラついていたのか言いたい事をぶっちゃけるだけぶっちゃけるとスッキリとした表情を見せる。そんなシャロの様子にジョルノは内心安堵感を覚える。何故ならばシャロはディオの事を単なるロクデナシと思っており彼が引き起こした数多くの悲劇を知らない様子であった。其れを感じたジョルノはシャロにはそんな闇の部分を知る必要はないと判断しディオの話題から他の話題へと話を変えようとした時にシャロの表情が悲しみが入り混じった表情へと変わるとジョルノをしっかりと見据え
「私なら大丈夫よジョルノ」
「シャロさん?」
「『ソレ』は貴方がひとりで背負う必要はない物よ。私も貴方と同じ父親の血を引いてるのよ?貴方が背負ってる物ぐらい一緒に背負わせないよ。一応は兄妹なんだし…」
言っている途中から恥ずかしくなったのか顔を赤くし顔をジョルノから逸らした。
(やはり…こういう時の女性は強いな…イタリアでの戦いの時も女性である『彼女』の心の強さに僕達は何度も助けられた所があったからな…)
「ありがとう。シャロ、君の言葉は僕の心に響いたよ。僕達はお互いにどうしようもない大罪人の血を引いている人間同士だ。でも、だからこそそんな僕達にしか出来ない事がある筈だ。今日初めて会ったばかりの君にこう言うのはあれだけど一緒に出来る事を探しながら歩いて行こうシャロ」
「ええ、ジョルノの為、そして私の事を思って真実を話してリゼ先輩為にも一緒に頑張りましょうジョルノ」
シャロとジョルノはお互いにそう言うと強く握手を交わした。その後お互いのスタンド能力について知って置こうというシャロの発案にジョルノは賛同しお互いのスタンド能力について簡単に説明する。2人の話が終わる頃には席を外していたリゼとレオが2人の元に戻るとジョルノ達は気分を新たに木組みと石畳みの街へと向かったのであった。
…こうして遠路はるばる日本へとやって来たジョルノ・ジョバァーナは日本で腹違いの妹である桐間紗路と運命の出会いを果たした。その後到着した木組みの街ではシャロの好意により彼女の母と対面しそしてジョルノは彼女の母親と義理の父親に快く受け入れいつでも好きな時に家に来て良いと了承を貰った時に誰にも気づかれない様に涙を流した事はいうまでもなかった。
To Be Continued……