ご注文は奇妙な冒険ですか?   作:血の一族

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第二部 木組みの街での奇妙な日常
第八羽 条河摩耶の非日常1


ラビットハウスから飛び出したマヤはチノをつれ大きめの広場のある公園へとやって来ると公園にあるベンチに座る

 

 

「幾ら何でもあんな言い方無いと思うんだよね!チノもそう思うでしょ?」

 

 

と不貞腐れた様子でそう言うマヤ

 

 

「でも、皆さんは私達に意地悪をする為にやっている訳ではないと思いますが・・・」

 

「そんなの私だって分かってるよ!でも悔しいじゃないか!私達だけ何も出来ないなんて!」

 

 

マヤはあの時からずっと自分の無力さを感じていた、親友のメグは私達を助けてくれたのに自分は見ている事しか出来なかったそれがマヤに取っては非常に悔しかった、チノはそんなマヤに何も言う事ができずに沈黙するしかなかった、そしてチノはそんな気分を変えようとこちらに向かっている途中クレープの出店があるのを思い出しマヤに一言をいった後出店へ向かいその間マヤは1人になった、マヤはため息をつくと空を見上げる、するとマヤの足元に野良うさぎが擦り寄って来た

 

 

「もしかして慰めてくれてるのか?ありがとう」

 

 

マヤはそう言いうさぎを撫でる為上半身を逸らした時マヤのすぐ後ろにある木に何がか刺さる音が聞こえた、マヤが音が聞こえた方向を見ると古い矢が木に突き刺さっていた

 

 

「何でこんなところに矢が刺さっているの?もしかして私を狙ってた?それにこの矢何処かで見た事がある様な、、、」

 

 

その時マヤはふと身の危険を感じその場から離れると10代前半ぐらいの少女が人間技とは思えない身のこなしで矢を回収すると両足を木の枝に引っ掛けて上半身を下に向けた状態で再び矢を放った。マヤはそれを何とか避けるとそのまま踵を返して逃亡を始める

 

 

「ヤバイヤバイヤバイヤバイ!!間違いなく私を狙ってる!早く逃げないと!」

 

 

マヤは公園の奥へと逃げて行く、奥の方に行けば他に人がいて助けを求める事が出来るかもしれないという希望を抱いているからだ、しかしマヤの希望は虚しくも打ち砕かれる事になる、公園の奥に逃げ込んだマヤの目に飛び込んで来たのはあちらこちらに力無く倒れている多くの市民達だった。マヤは一目でその人達が生きていない事を悟りそして自分を襲っている少女が犯人だという事を直感で分かった

 

 

「と、とりあえず早く何処かに隠れてないと!」

 

 

マヤは近くの茂みに身を隠すとすぐさま例の少女がやって来た、彼女はマヤの事を探している様だった。マヤは細心の注意を払いながら携帯を出してチノにSOSのメールを送ると少女に見つからない様に息を殺しながら茂みを移動する

 

 

「早く公園から出ないと、、、」

息を殺しながら慎重に進むマヤ心臓はバクバクとなっており心臓の音が回りに聞こえてしまうのではないかと錯覚してしまう、マヤは汗を拭きゆっくりと公園の出口に向かって移動するそしてもう少しで広場の出口というところでマヤは襟首をつかまれ茂みから引きずり出されたマヤの襟首を掴んで茂みから引き摺り出した人物はマヤの事を見失っていた筈の少女だった

 

 

「残念だったわね、最初からバレバレなのよ?貴方の隠れ場所なんて」

 

「は、離せよ!!」

マヤは強気でそういうが少女、水澤優(みずさわゆう)はそれを聞きもせずに矢を握りしめてマヤに振り下ろそうと構える。マヤは自分の背筋が凍るのを肌で感じ

 

 

「だ、誰か!誰か助けて!」

 

 

マヤが恐怖から目を瞑るが覚悟していた痛みはこなく代わりに自分を力強く抱きしめる感覚を感じて恐る恐る目を開けると仗助がマヤを力強く抱きしめていた

 

 

「仗助!?どうして此処に?ていうか離せよ変態!!」

 

 

マヤはいきなりの事に混乱しているのか仗助の頭をポカポカと叩く

 

 

「テ、テメェ、助けてやったのにそれはねぇだろ!」

 

 

「うっさい!いいから早く離れてよ!」

 

 

「わ、分かったから、ポカポカ殴るのは辞めろ!」

 

 

仗助は慌ててマヤから離れた

 

 

「それで?仗助はどうして此処に居るのさ?」

 

 

「話が終わった後ココアに無理矢理探しに行かされたんだよ、んで探している途中この公園の前を通り掛かった時に慌てた様子のチノにあって話を聞いたってわけ」

 

 

「チノは今何処に?」

 

 

「危ねぇかもしれねぇから公園の前に待たせてるぜ」

 

 

「あんた達・・・私を無視してんじゃないわよ!」

 

 

水澤優は自分を無視して話を進める仗助とマヤに怒りの様子をみせる、仗助は水澤をしっかりと見据えると油断なく立ち上がる

 

 

「悪いが悪党なら女だろうが俺は容赦しねぇぞ?」

 

 

「ふん、それはこっちのセリフよ?『東方仗助』」

 

 

水澤が自分の名前を知っていた事に驚く仗助

 

 

「『どうして自分の名前を知っているんだ?』という顔をしてるわね、あんた達の事はとある筋に教えられてね、あんたの事は始末する様に言われているから覚悟しなさい!」

 

 

水澤優の身体に不思議な紋様が現れ爪や歯が鋭くなっていく、そして身を低く構えると目も止まらぬスピードで仗助に攻撃を加える。仗助は避ける事が出来ずに地に転がる

 

 

「仗助!!」

 

 

「マヤ!!お前は逃げろ!!早く!!」

 

 

マヤに早く逃げる様に言う仗助

 

 

「残念だけど逃す訳にはいかないわ」

 

 

水澤は鋭くなっている爪で地面を削りとると幾つかの砂利がマヤの目に入ってしまった

 

 

「め、目が痛くて開けられないよ!」

 

 

目を押さえて蹲るマヤに向けて再び矢を構える水澤

 

 

「や、辞めろ!!」

 

 

仗助は(グレイジーダイヤモンド)出して水澤を攻撃する仗助だかそれを素早い身のこなしで避けそのまま矢をマヤに向けて放しそれはマヤののど元に命中した

 

 

「ぐ、、、が、、、は」

 

 

喉に矢が刺さったマヤは口から吐血して死人のような顔色となりそして痙攣しながら倒れいマヤを仗助は抱き止めるがマヤの反応はない

 

「う、嘘だろ、、、マ、マヤァァァ!!」

 

 

仗助の悲痛な叫びが公園に響いたのだった・・・

 

 

To Be Continued……

 

 

 


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