精神性はそのままに戦い方が昔に戻ります。
まーた日間に載ってた………沢山の人に駄文を見られる恐怖で新たな扉を開きそう。
扉を開いてもリィエルすこ。
就活ナウなんでクオリティ低い希ガス。
グレンは疑問を持っていた。
アルト=マツバの配属は司法取引の末に行われたけれども、正面戦闘に明るく、白魔術での治療も高い精度を誇っている。彼の職の適性は専ら要人警護に向いている。
素人が聞いたとしても同様の事を思うだろう。
そして帝国軍の中で配属するのなら何処に行くべきか、と言われれば真っ先に女王親衛隊が挙がる。
老いたとはいえ国の英雄と正面から殴り合える戦闘能力は帝国の頂点である女王を守るのに十分、いや最適と言ってもいい。
しかし所属は帝国軍の暗部として名高い帝国軍魔導師団特務分室。イグナイト家との交渉の為に分野が違った特務分室に所属しているのだろうとグレンは予想していた。
目の前には惨劇が繰り広げられていた。
突入した研究所内で現れた
皮膚には高い魔術への耐性を持ち魔術を使って倒すのは無理とは言わないが難易度が高い。
しかしアルトはそんな生物相手にも物怖じせず突撃し、舞う様に
正面から向かってくる異形には貫手が魔術を阻む装甲を引き裂き心の臓を握り潰す。異形が敵を噛み砕かんと口を開けば開いた顎を腕を振るって断裂する。背後に寄った異形は踵によって頭部を果実の如く叩き割られる。
アルトの足元には数えるのも億劫な程、肉塊が転がっていた。その返り血を浴びアルトの制服は赤く染まった。
おそらく1日前のアルトが事に当たったならば首を締め落とし殺すだけで済んだのであろう。実際グレンが知るアルトの魔獣に対する対応はそんな所だ。
しかしグレンは不思議とこの戦い方が不自然とか、らしくないとは思わなかった。
寧ろその振る舞いにはなんの
そしてグレンはそれを見てアルトが言いそうな事を思い付き………ある事に気付いた。
『まさかこいつ、リィエルへの教育に悪いからこの戦い方を封印してたんじゃ………』
気のせいだと思いたい。
家族のリィエルが奪われて気が立っているから多少は乱暴になっているだけだと………しかしグレンの勘が限りなくその推測が正しいと納得していた。
「……ふぅ、行きましょう。日の出までに帰れば何事もなく旅行を楽しめます」
「 流石だな、衰えもなく更に研ぎ澄まされている」
「そうですね、あれだけリィエルと立ち合っていれば、衰えると言うことはないでしょう」
「嘘だろ、まだ成長するつもりなのかよ………」
「もちろん。それに合わせてリィエルも成長するでしょうし、グレン先輩ももっと向上心を持たないと……死にますよ?」
「………ガンバリマス」
グレンは
今、この事件を解決しても自分に平穏など訪れない。リィエルを連れ帰るのはいい。大切な仲間だから助けたいとは思う。だが、その後どんな仕打ちが待っているのか…………頭の中をアルトの「致命傷まではセーフ」と言う有難い言葉がぐるぐると回った。
一向は更に研究所内部を進み、ある部屋に辿り着いた。
無数の水槽が立ち並び、水槽の中の
「…………………」
「どうかね、私が選り好んた実験材料達は?」
不気味な実験室の中央に待っていた男。
この白金魔導研究所の所長。
バークス=ブラウモンが待っていた。
「お前……人をなんだと思っていやがるッ」
「彼らの事かね?私の崇高な研究に貢献出来たんだ、寧ろ光栄に思って欲しいね」
「ッ………」
余りの物言いにグレンは口を噤まずにはいられなかった。
水槽を暫く見ていたアルトがバークスに目を向けた。
「『感応増幅者』『生体発電能力者』『発火能力者』……異能者の研究ですか……」
「私の研究に興味があるのかね?ならば教えてくれよう!どうせ貴様らはここで死ぬ定め。研究成果を教えたところで誰かに話す事すら出来んからな!」
「……………」
バークスは懐から注射機を取り出して、自らに突き刺し中に入っていた薬物を注入し、その後バークスの体がメキメキと音を立てて膨れ上がっていく。
「ハハハハハ!これこそ我が研究の成果!魔術を遥かに凌ぐ性能を見せる異能者達の能力をこの身に再現したのだ!」
「……………無能ですね。心配して損しましたよ」
許せない行為ではあるけれども、アルトの想定する最悪には達していない。
「何?この私が無能?やはり所詮は軍の犬か。この崇高な研究を理解できないとはなッ!」
「……どれだけ減らず口を叩こうがお前は■■■以下だよ」
「……ッそれならばその身をもって我が魔導の威力を見るがいい!」
アルトが小声で口にした言葉に反応しバークスの肉体から極大の炎が放たれ、着弾と共に爆発。三人はその場から飛び退く事で回避を行い、物陰に隠れた。
「チッ、面倒だな【愚者の世界】じゃあ、無効化出来なそうだ」
【愚者の世界】は一定範囲内の発動する魔術式を停止させる魔術。すでに発動した魔術、魔術薬による体質の変化などは防ぎようもないのだ。
「確かに、今回はグレン先輩をメタって来たみたいですね……アルベルト先輩」
「何だ?」
「…………
「…………構わん」
「じゃ、一人でやりますね」
二人は物陰から出て行くアルトを引き止めなかった。相手が誰であろうと、アルトが出来ると思って申し出たなら手を出す必要は無い。三年間一緒に働いた上で勝ち得た一種の信頼だった。
「作戦会議は終わったかね?出てきたのが一人……不意打ちでも狙っているのか?」
「いいえ?アンタを殺すのは俺一人で十分だと判断しただけですよ」
「ッこのガキ一々感に触る言い方をしおって。そんなに殺されたいなら望みどおり!」
安い挑発にのったバークスはアルトへ向け、研究の成果を放つ。紫電が、冷気が、爆炎が室内を埋め尽くした。
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以前までならバークスとアルトの戦術上の相性はバークスが有利だったのであろう。どれだけ傷を付けようとも元通りになってしまう再生能力はアルトにとって面倒である事は確実、長い長期戦に持ち込めば近接メインのアルトが例え勝ったとしても傷を負うのは必須だった。
二度、アルトがバークスに接近し頸動脈を掻っ切った。
けれども再生能力は衰えを見せない。アルトは『生体発電能力』によって左腕が動かなくなった。
「…………
爆炎がアルトの
「フンッ!無駄だ。焼け死ね!」
バークスが動くより先にアルトが自らの左腕を切り裂きながら駆け抜け、自身の血液をバークスの眼球に直撃させた。
水滴で小さな斬撃を作り出す武術、バークスにとっては直ぐに再生出来てしまう様な小さな傷だ。だがその一瞬、目を潰された一瞬が命取りだ。
バークスはアルトに二度接近され傷を負わされた。
背後からバークスの脳髄を右腕が貫く。
この程度では再生出来てしまう。そんな事実は二度の接近で証明済だ。だから更なる手を加える。
「………………
黒魔『ブレイズ・バースト』その爆炎がアルトの
頭部が破裂し凄惨な模様を描く。返り血がついたがアルトは気にした様子もない。
「終わりましたよ?」
「……うん、ヤベェ………ザマァとか思ってだけど普通にグロすぎる」
「気にする必要無くないですか?そんな事」
殺せば生物は只の肉塊だ。利用価値もない奴なら尚更である。
「(コイツ、リィエルの為にどんだけ制限してたんだよ)」
グレンは今後の生活でもアルトが変化する事に、また給料が減る事態になる恐怖に震えていた。
Q、つまりどう変わったの?
A、アルト君は暗殺者じゃけぇ………
A、ver保護者。ハァ……ハァ…暗殺者……?
(教育に悪いから)取り消せよ……!今の言葉ァ!
A、ver保護者卒業。そうだけも、何か?
主人公の【固有魔術】が出るのはいつになる事やら……
因みに予定は13巻