アホっ子で
純粋無垢な
リィエルすこ
あ〜好き過ぎてたまらねぇ、あのリィエルの代名詞とも言える大剣で潰されるだ(ry
字余り沢山
グレンの考えた作戦、それは変装だった。
『セルフイリュージョン』と言う自分の周りの光を操作して変装する魔術によって、グレンとルミアをアルベルトとリィエルに変装させ、アルトとリィエルがグレンとルミアに変装する。
アルベルトは両者のサーポートとして両方が見える位置から狙撃での援護を行う。
グレンは現在魔術講師で学院の二組の担任教師である。しかしグレンはその身柄を追われているので向かう事は不可能。ならばそれ以外の人間に変装してクラスに入り込めばいい。グレンからの助っ人とでも言えばいい。
陛下の元に到達する事も可能だ、何故ならこの魔術競技祭での優勝クラスは女王陛下と謁見が可能、監督とする人間としていけば警備も抜けられるし、流石に謁見の時は陛下の体裁を保つためにその護衛を薄くしなければならない。
そして肝心の逃走する方の2人は言うまでもない、戦闘は最低限にそれでいて長く逃げればいいのだから。
優勝しなかったら?無論リィエルの作戦の出番である。
「いたぞ!逃すな!?」
そしてアルトは現在、リィエルを脇に抱えて走っていた。抱え方に関してはアルトの主武装とも言える手を空けられる持ち方がこれだけだったからだ。
「止まれッ!止まらなければ、我らが魔導の威力を知る事になるだろうッ!」
しかし止まらない。それどころか警告をした騎士団に向かって走っているではないか。
「警告はしたッ!
《紅蓮の獅子よ・憤怒のままに・吠え狂え》!」
騎士団による魔術『ブレイズ・バースト』。前方に炎の様な爆風を起こすC級軍用魔術、殺傷性も高く魔術での防護をしていないと致命傷になりうるだろう。
「《我が手に鎧を》」
アルトが唱えた呪文、武器を強化する呪文でもある『ウェポンエンチャント』の改変魔術、『手甲』元の魔術から攻撃性をなくした分、持続力と強度を強化した魔術を腕にかける。
「なッ!?」
そして騎士達による爆風を
『模倣東方武術 五の型 流転』
アルトの得意技の一つ、東方を武者修行して模倣を重ねた武術。本来は敵の得物や拳を受け流す技だが達人の域に至れは風すら受け流すことが可能な技だ。
しかし流石に爆風『ブレイズバースト』を受け流すのは魔術による防護が必要だが。
アルト曰く、自分が師事した人物なら防護もせずに魔術を受け流していたとの事らしい。
「くそッ!剣を抜けッ!」
敵の隊長らしき人間が出した命令に従い、向かってくる敵に向かって
「隊長!?剣が!」
リィエルによる超速の錬金術。どんな業物であろうとも錬金術によって刀身を失ってしまえば鈍らにすら劣ってしまう。悔やむべきはリィエルが錬金可能な金属で作られていた事だろう。
なす術もない騎士達をアルト達はすり抜けるように通り過ぎた。完全に敵の騎士をおちょくっているように見えるだろう。そしてアルトは敵に向かって振り向き。
「あるぇ〜?剣はどうしたんですか?忘れちゃいました?ダメじゃないですかぁ〜?ちゃんと持ってなきゃ。」
そう言いながらアルトは
「貴様ぁ、ッ!?」
そして
まぁ実際はアルベルトによる魔術狙撃で気絶しているだけなのだが。顔を真っ赤にしてアルト達に注目していた騎士達がその可能性を考える事が出来なくても仕方がないと言ったところだ。
「ははははは!………さらばッ!」
アルト達の狙いは時間を稼ぐ事だ。グレンが陛下に謁見をする為でもあるし、
騎士達を戦闘を続行不可能にならない程度に痛めつけ、増援を呼ばれる様に大袈裟な魔術や技を使う。陛下を守る護衛が少しでもこちらに回されればグレンの負担が減って御の字だろう。
『二組が優勝だぁぁぁぁぁぁッ!?』
アルトは会場に響き渡るグレンの作戦が順調に進んでいる事を確認した。向こうにも増援に駆けつけた方がいいか迷っていると、リィエルの通信用の魔道具に連絡が入った。
「…………………わかった。」
「アルベルト先輩か?」
「ん、悪い奴見つかったって」
アルベルトからの報告、それは今回の任務の一つである帝国内部の内通者の発見である。前々からかなりの機密情報が筒抜けになっていたらしい。当然、特務分室による作戦なども筒抜けだったが三割はリィエルによって崩壊していた為、仕事への被害はあまり無かった。
アルトはグレンに今回の事件の解決を任せるのを迷った。凡百の魔術師ならグレン先輩が勝つが相手は英雄と呼ばれる人間だ。
「あー、まぁグレン先輩なら大丈夫か、多分」
「グレンは鈍ってるけど、負けないと思う。……多分」
本人は否定しそうだがグレンによる格上殺しは成功率が高い。危機的状況下においてグレンほど能力を発揮できる人間はそうそういないだろう。或いは悪運の強さと言う要因もあるかもしれない。
「じゃあ、さっさとアルベルト先輩と合流しよう」
「……ん」
集合地点には既にアルベルトが待っていた。待っているアルベルトの雰囲気は険悪だ、余程宜しくない調査結果でも出たのだろう。
「来たか」
「はい、結果の方はどうでした?」
「………事態は深刻だ。内偵調査の結果、内通者を発見した。目標は既に離脱を始めている」
「やっぱり居たんですか、内通者。名前は?」
「女王陛下付きの侍女長、エレノア=シャーレットだ」
「は?」
「…………誰?」
リィエルは覚えて居ないが、帝国の女王陛下に近い立場にいる人間なら一度は見たことがあるはずの人間。侍女長という立場なら帝国の機密情報や作戦情報が漏れていたとしても不思議ではない。
まぁ作戦が漏れていたとしてもリィエルが参加すれば作戦など無くなってしまうのだが。
「…………もしかして
「………そうだ。殺しはするな、捕らえて組織の情報を吐かせる」
アルベルトはアルトの
「…………………了解」
「………アルト、怒ってる?」
「ノーコメント」
「いたぞ。あそこだ」
人の出入りが少ない路地裏、逃走経路としては上出来そうだ。見つかってしまったのはアルベルトの追跡能力の高さからだろう。そもそも彼に狙われて凡百の魔術師が逃げ切れる訳ないのだが。
「あら、見つかってしまいましたか?」
「天の智慧研究会の外道魔術師、エレノア=シャーレット。はっきりとした出自、あまりにも優れた経歴、卓越した能力……今思えば、その素性に何一つ傷が無いからこそ怪しいと疑うべきだった」
路地裏に居たのはアルベルトの報告通りの人物、女王陛下付きの侍女長、エレノア=シャーレット。最早内通者である事も隠す気もないのか、普段は見せない様な不気味な気配を漂わせている。
「今回の件の首謀者はあんたか。全くクソ共は訳の分からない事をしやがる」
「お前達は、一体何が目的だ?以前、学院で起きたテロ事件ではエルミアナ王女を誘拐しようとしたが、今回は殺害しようとした……行動に一貫性がない。お前の組織は一体何を企んでいる?」
「…………『
「またそれか…………」
天の智慧研究会に所属する魔術師が口を揃えて言う言葉、禁忌教典。それが何なのかは頑なに話さないが、天の智慧研究会の奴はこの言葉だけは話す。ロクでもない物であるのは確かだろう。
「そう、我々が目指すは大いなる天空の智慧、そのため王女……とでも言っておきましょうかしら?」
「生死は問わない……と?」
「もちろん生きていらっしゃる方が良いのですが、急進派とでも言いましょうか……組織の中にはせっかちな方も居ますので、ふふっ」
エレノアは笑いながらも多少は情報を漏らした。いや態とである事は確実だ、知られても良い情報若しくは、知られた方が都合の良い情報だったのだろう。
「アルベルト先輩………なんかコイツ今のうちに殺した方が良い気がしてきました」
「待て、殺すな。捕らえて組織の情報を吐かせるべきだ」
「……………どちらにせよ、斬る」