コックカワサキに扮した元一般人の鎮守府新生活    作:一柳二朗

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本日の投稿はここまでにします。


第4話

「へぇ~~。この鎮守府にはそんなにたくさんの艦娘がいるんだ~」

 

「はい。新しく着任した人といえば、みんなの顔と名前を覚えるところから始まるんですが、それがまず一苦労ですね。もっともわたしたち艦娘の場合は同じ姉妹や、艦だったころに関わりの大きかった艦娘同士であれば、初対面でもお互いのことが分かったりするんですよ」

 

「艦なのに姉妹とかってあるの~?」

 

「そうですね。艦って、大抵モデルとなる艦を参考にして造られるんですけど、そうやって後追いで造られた艦はそのモデル艦の型に分類されるんですよ。モデル艦として最初に造られた艦は通称1番艦やネームシップと呼ばれ、その1番艦の名前がそのまま型の名前にもなります。例えば、私は吹雪型の一番艦吹雪ですけど、同じ吹雪型の子たちは私の設計図を基準にしていて、基本性能も大体同じなんです。そして艦に関して言うと同じ型であれば、一般に姉妹とみなされるんですよ」

 

「そして、設計された順に2番艦、3番艦…ってなるわけかぁ~。ということは吹雪さんは長女だったんだねぇ~」

 

「必ずしも設計順となっているかといえば、そうでもないらしいんですが、基本的にはそうですね」

 

「それにしても吹雪さんや、叢雲さんのような小さい子が戦場に出て戦うなんてねぇ~。本当にたいしたもんだなぁ~」

 

「私たちと同じぐらいのような子は他にもたくさんいますよ。なんならもっと小さい子だって少なくないですし」

 

「えぇ~~本当に~!?そんな小さい子たちですら国のために戦わないといけないほど物騒な世界なのかぁ…」

 

「まあ、それが私たち「艦娘」の使命でもありますし」

 

 早速俺は吹雪から、ここの鎮守府、そして艦娘に関しての説明を聞いていた。あるときは不思議に思ったり、またあるときは感心したり、またあるときはあっけにとられたりしていた。改めて聞くとなんかすごいな…。いくら子供の姿であろうと、そこは艦娘、軍人としての魂は常に持ち続けているというわけか。

 

「ただ、私たちがその力を十分に発揮するためには欠かせない要因がいくつかあります。その中でも1番重要といってもいいのが「提督」の存在ですね。その提督…私は司令官と呼んでいますが、司令官との絆が深くて、お互いの信頼があればあるほど、より私たちは力を出せますし、その逆もしかりです。そして私たちの司令官というのが…」

 

「メタナイト卿というわけねぇ~。でも、やっぱり意外だねぇ~。提督って鎮守府で1番偉いんだろ~?それを違う世界からきたメタナイト卿がなるなんてねぇ~」

 

「私も最初に会ったときは驚いちゃいました。私たち駆逐艦よりもずっと小さくて、それこそぬいぐるみにしか見えない存在に声をかけられたので、思わず腰を抜かしましたね」

 

 まあ、そうなるよなぁ…。だってカービィと同じサイズだろ。カービィって公式で体長20cmぐらいだったはずであり、それと同じ大きさってことは…うん、やっぱ人形の類にしか思えないのも無理ないわ。

 

「ところで、今吹雪さんが言った「くちくかん」ってなぁに~?」

 

「艦にもいくつか種類があるんですね。みんな大きさだったり役割が違ったりするんですけど、その数ある艦種の中の1つに駆逐艦と呼ばれる比較的スケールの小さい艦があります。そして私は駆逐艦吹雪としての性能を持った艦娘というわけです」

 

「なるほど~、駆逐艦かぁ~。俺で言えばコックカワサキのコックにあたるようなもんだねぇ~」

 

「ちょっと違うような気が…でも、コックカワサキってことは、やっぱりカワサキさんは料理人だったんですね!ひょっとしたら、ただ、裸エプロンの格好が気に入っているだけの変な人なのかな、とも少し思っちゃいました」

 

「ヒドイなぁ~」

 

 いい加減裸エプロンは許してくれ。あの世界は服を着ているヤツが少数派なんだから。そういえば、前世では料理なんて全然してこなかったけど、コックカワサキになったってことは料理の腕前も上がってそれなりにできたりするのだろうか。でもこのしゃべり方はアニメ準拠だし、それだとメシマズになるんだよなぁ…

 

「じゃあ、例えばその駆逐艦の子だったら、みんな小さい女の子の姿をしているってこと~?それにもっと大きい艦の性能の持ち主の艦娘だったら、もっと大きい姿をしているのかなぁ~?」

 

「基本的にはそうですね。例えば、戦艦と呼ばれる艦娘だったら身長も高くて、大人っぽい人ばかりですし…あ、ちょうどあそこに戦艦の金剛さんがいますよ」

 

「ヘーイ!ブッキー!お疲れ様デース!そして…エーット見たことのない生き物がブッキーの隣にいるネー!ブッキーのお友達デスカー!?」

 

 声がした方向に顔を向けると、確かにそこには吹雪や叢雲よりも明らかに背が高く、そしてテンションも高そうな艦娘が向こうからやってきて、俺たちに気づくなり声をかけてきた。

 

「金剛さん、こんにちは。こちらの方は司令官と同じ世界からやってこられたんですよ」

 

「Ohー!テイトクと同じ世界の人デシタカー!ワタシは金剛とイイマース!ヨロシクネー!」

 

「カワサキだよ~。こちらこそ、よろしく~」

 

 これはまた、随分と社交的な艦娘だな…でも確かこのキャラも見たことがあるような気がする。そして語尾を伸ばすところとか、どことなくしゃべり方がカワサキこと俺に似ている。それが理由ではないけれど、この艦娘、金剛とも仲良くやれそうな予感がしてきた。

 

「この後大広間で、カワサキさんの紹介があるんですよ」

 

「ナルホドー、さっきの放送はそういうことデシタカー。それなら楽しみにしているネー!カワサキー!」

 

「うん、俺もみんなの自己紹介を楽しみにしているよ~。それじゃあ~金剛さ~ん、また後でねぇ~」

 

「自己紹介をするのはカワサキさんだけだと思いますけどね」

 

そして少し言葉を交わして、金剛とは別れていった。そしてその後も艦娘とちょくちょく出くわして、会話をしたりした。

 

 

 ×××

 

 

「わー、全身がオレンジ色っぽい!毎日みかんでも食べ続けたっぽい?夕立と時雨もみかんは好きっぽい!」

 

「し、失礼だよ、夕立。提督の知り合いに対して」

 

「毎日みかんかぁ~、それだけ食べ続けたら、みかんを使った新しいメニューもたくさん思いつきそうだよねぇ~」

 

「論点はそこでいいんですか…」

 

 

 

 

「…こりゃまた、特徴的なのがやってきたね。提督と同じ世界から来たって言っても、見た目は全然違うじゃん。ビックリしたよ、ねえ、大井っち」

 

「俺も最初にここに来たときはビックリしたからお揃いだねぇ~ハハハ」

 

「ちょっとアンタ!北上さんとお揃いが許されるのは私だけよ!適当なこと言わないでくれる!」

 

「じゃあ、その、大井さんだっけ~?アンタとお揃いでいいよ~ハハハ」

 

「なんで上から目線なのよ!いちいち腹が立つわねコイツ…!吹雪!一緒にいるならちゃんと教育しておきなさいよ!」

 

「え、え~~!?そんなこと言われても~!」

 

 

 

 

「で、その場所ではいくら食べても料理がなくならないから、道に落ちている料理を食べながらゴールを目指して走り続ける、そんな競技が俺の世界にはあるよ~」

 

「夢のような場所ですね…!ぜひ行ってみて、その競技に参加したいです!!」

 

「赤城さん、落ち着いて。涎が垂れてるわよ」

 

「そういう加賀さんも喉を鳴らしていますよ」

 

「ふ、二人とも!そんな道端に落ちている料理を食べていたら、普通お腹を壊しますって!」

 

「この2人ならどんな料理を出しても、喜んで食べてくれそうだね~。俺の考えた新メニューのちょうどいい毒見役になるかも~」

 

「うおい!カワサキー!自重しろー!!」

 

 

 ×××

 

 

 と、まあこんな風に会話をしたりしていると(吹雪は主にツッコミ役で、たまにキャラ崩壊していた)時間は刻々と近づいてきた。それにしても艦娘って色々な人がいて、顔や体形もそれぞれ異なってはいるが、総じて言えるのは見目麗しくて、スタイルもいい人ばっかりってことだな…前世の俺だと、こんなに多くの美人たちと話す機会なんてまずなかった。

 その割には自分でもいうのもなんだが、スムーズに会話をこなせていたような気がする。やはりカワサキであるからだろうか。だが、この後そんな美人ばかりの前で自己紹介ときたもんだ。そう考えると少し不安になってきた。

 

「みんなの前でちゃんと挨拶できるかなぁ~。ちょっと緊張するねぇ~」

 

「緊張って、どの口が言うんですか。なんだか私は疲れましたよ。こういう役回りは普通、叢雲ちゃんや、霞ちゃんとかのはずなのに…」

 

「だったら、吹雪さんは昼寝でもしてきたらどうかなぁ~。今日は天気もいいし、きっと気持ちいいよ~」

 

「もう、ツッコミませんよ…さて、時間も時間ですのでそろそろ大広間に向かいますよ」

 

 あれ…俺、何かおかしいこと言ったっけ…?少しぐったりしている様子の吹雪だったのだが、そこはさすがに軍人である、すぐに持ち直したようだ。やはりしっかりしているな。差し詰め長女の名も伊達ではないといったところか。こうして吹雪は表情を引き締めなおすとともに、メタナイトや艦娘たちが集まるであろう大広間へと案内していった。




この鎮守府には実装している艦娘は全て揃っているとういう設定です。誰を出していくかは今後決めていく予定です。(すでに出ることが決まっている艦娘もいます)
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