コックカワサキに扮した元一般人の鎮守府新生活    作:一柳二朗

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自分の書きやすい、もしくは気に入っている艦娘から出していくスタイル


第8話

 メタナイトは軽く食事を済ませると、食堂を後にした。俺は他になにかすることがあるわけでもないし、この場に残って大鯨さんを待っているとするか。それにしても、いくら朝早いといっても、全然人がいないな。ていうか俺だけだ。艦娘は朝早く活動することはそんなにないのかな。そんなことを考えていたりすると

 

「「「おはようございます!」」」

 

 元気のいい挨拶が聞こえてきた。見てみると数は3人か。差はあれど、全員艦娘の中では比較的小さい。そのうちの一人は昨日俺に質問していたような気がするな。確か…

 

「3人とも、おはよ~。君は確か朝潮さんだよねぇ~」

 

「あ、おはようございます!カワサキさん!覚えてもらえていたんですね!ありがとうございます!」

 

 そりゃ、質問してきた艦娘ぐらいは覚えているさ。質問者の数も少なかったしな。ただ、残りの二人は分からない。

 

「そして君たちが…」

 

「綾波と申します。今後ともよろしくお願いいたします」

 

「朧です。よろしく」

 

「私も改めてご挨拶いたします!朝潮です!よろしくお願いします!」

 

 随分礼儀正しくて、お淑やかそうな子が綾波で、割とサバサバしてそうな子が朧か…え?肩に乗っかているの何?ひょっとしてカニ?

 

「うん、よろしくね~。艦の種類で言うと3人はなんなの~?」

 

「全員同じく駆逐艦です。私と朧は綾波型になりまして、朝潮さんは朝潮型ですね」

 

「この食堂が駆逐艦寮から一番近いから、大体この食堂に来る艦娘は駆逐艦だよ。まあ、それ以外の艦娘が来ることも、ないこともないけど」

 

 3人とも全員駆逐艦かあ…まあ、予想はしていたが。3人ともしっかりしてそうとはいえ、見た目は幼いもんな。

 

「みんなはこれから食事?」

 

「いえ、今週は私たちが食堂を手伝う当番なんですよ。朝の自主訓練を終えて、丁度いい頃合いになったところで、食堂に向かったのですが…カワサキさんがすでに来ていらっしゃるとは意外でした」

 

「早起きのイメージはなかったよね」

 

「司令官と同じ部屋で寝ることになったと聞きましたし、司令官に起こされたのでは」

 

「それもそっか。提督は毎朝早いからね」

 

 どんなイメージを持たれてるの俺?というか時間確認していなかったけど、どんだけ早く起きたんだ俺?そして、そんな俺よりも早く起きていたメタナイトに関しては、もはや何も言うまい。

 

「ところで、朧さんの肩に乗っているのはカニだよねぇ~。何に使うの~?かに玉?カニ鍋それとも―」

 

「このカニは間違っても食用じゃないから。もし、そんなことしたらどうなるか…教えてほしい?」

 

「え、遠慮しま~す!」

 

 俺の質問に、素敵な笑顔でそう答える朧。うん、やっぱり艦娘、駆逐艦は怖い。極力怒らせないようにしよう。

 

「そろそろ、厨房に行きましょう!まだ時間に余裕があるとはいえ、大鯨さんをあまり待たせてもいけません。カワサキさん、またお話しましょう!司令官のことについても、ぜひお聞きしたいです!」

 

「それもそうですね。では、カワサキさん、私たちはこれにて失礼いたします」

 

「じゃ、また今度ね」

 

「じゃ~ね~」

 

 そう言って、3人は俺に別れを告げて、厨房の方へと向かって行った。そうか、駆逐艦寮からはこの食堂が一番近いのか。全員の名前や顔はまだ全然把握していないし、来た艦娘から覚えていこう。駆逐艦がどれだけいるかは分からないが、徐々に覚えていくのに越したことはない。すると、また誰かやってきたようだ。

 

「白露、いちばんのりぃ~!おはようございまーす!」

 

「おはようございまーす!島風のほうが早かったよ!!白露ちゃん!」

 

 元気がいいのが2人してやってきた。彼女らも駆逐艦なのだろうか。ただそれにしては発育がいいような気もするが。

 

「おはよ~~」

 

「「って、先客!!」」

 

「カワサキだよ~。悪いけど、2人は7番か8番目ぐらいだよ~」

 

「え~~っ!!私そんなに遅いのー!」

 

「1番じゃなきゃやだーっ!」

 

 そんなこと俺に言われてもどうしようもない。なるほど、見た目とは裏腹に、精神的には先ほどの3人よりは明らかに幼いぞ。やっぱり駆逐艦だわ、こいつら。

 

「昨日うちの鎮守府にやってきたカワサキさんだよね!あたしは白露、よろしくね!」

 

「島風です。よろしくお願いしまーす。カワサキさん、島風より早く来てるなんて…さては只者ではないね?」

 

「相当早起きしたよ~!島風さんも俺に勝つなら、もっと早く起きないと~」

 

「むむむ…今度は負けないからね!」

 

 おう、いつでも来い。相手になってやるわ。もっともメタナイトの部屋で寝るのは昨日だけだろうし、今後朝食をここでとるかは定かではないが。

 

「白露さんはなんでそんなに1番にこだわるの~?2番じゃダメなの~?」

 

「あったりまえだよ!1番じゃなきゃ意味ないし!」

 

「だから、どうして~?」

 

「そ、それは…1番じゃない白露なんてそんなの白露じゃないから!なんたってあたしは白露型の1番艦だよ!」

 

 俺の問いかけに白露は、何やら哲学っぽい言い方で返してきた。なんというか、似合っているようで似合っていないな。

 

「なんか、難しいね~」

 

「まあ、白露ちゃんは1番艦(笑)みたいなもんだから。逆に1番であることに相当コンプレックスを感じているんじゃない」

 

「なにおーっ島風ちゃんの方こそ、一人しかいなくて1番艦だなんて、それこそ笑えるよ」

 

「馬鹿にしたなー!そこまで言うなら勝負だ!」

 

「いいよ、何で勝負する?」

 

「だったら俺が開く新しい店に来てよ~そこで俺の作る料理で早食い勝負なんてどうかな~?勝った方は一番目の王者、初代チャンピオンだよ~。2人の決着にふさわしい勝負方法だと思わない?」

 

「「それだ!!」」

 

 俺の提案を、2人ともアッサリと承諾してくれた。それにしてもこの2人―島風は1人とはいえ―長女だったのか。ハッキリ言って意外過ぎる。

 

「よーし、じゃあ審判もやってよ、カワサキ!島風が勝つところをみせてあげるから!」

 

「勝つのはこの白露だよ!カワサキ!あたしと島風ちゃんの早食い勝負のためにも、店をちゃんと開いてよね!約束したから!」

 

「だいじょ~ぶ、俺に任せてよ~」

 

 そう言った後、興奮しながら2人は食事をとりに向かって行った。とりあえず、これで毒見役を2人確保である。早食い勝負なんて、それこそ今やってしまえば1番てっとり早く済むものなのに。いやいや、ノリやすい2人でラッキーだった。ちょろいもんである。うん?誰だ。今、お前が言うなとか思ったヤツ。

 それにしても、これまでの俺への接し方から判断するにしても、思ったより扱いは悪くないな。朧は少し辛辣なところもあったけど…今のところ会話した艦娘全員が、基本俺に友好的だったぞ。昨日はさぞどうなることやらと思ったけど、そんなに心配することもないような気がしてきたな。そもそも駆逐艦なんて艦娘といっても子供だ。子供相手に悲観的に考えるのはやめよう、それがいい。そうやって、余裕の表情を浮かべて座っていたら

 

「なに、締まりのない表情をしながら、ボーっとしてるのよ!もっとシャキッとしなさい!このクズ!」

「のんきに過ごしているんじゃないわよ!このクソコック!いい?伊良湖さんと一緒に店をやるからには、これからはしっかりやらないと許さないわよ!」

 

 さっき俺が考えていたことが、フラグだとでも言わんばかりに、新しく食堂にやってきた2人に、のっけから思いっきり罵倒された。体格から判断しても、恐らく両方駆逐艦だと思うが、こんな小さい子供にクズだのクソだの言われる俺っていったい…

 




話が進むにつれて、前後で矛盾していないかが心配
ストックがなくなってきたので、今後は毎週土日のどちらかに、1話ずつ投稿することを目標にします(できるとは言っていない、ゴメンナサイ)
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