喪服少女が異世界からくるそうですよ?   作:クルコイ

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ぷろろーぐ

 「…う……う、う~ん…ん?ここはどこ?」

 

 私が目覚めた場所は暗い森の中だった。

 あたりを見回すと、木、木………フック?

 不気味な色合いのライトに照らされたフックが一本だけある。

 私は周りにフック以外に何もないことが分かったため、あきらめてそのフックに近づく。

 

 「これは、手紙?」

 

 フックには手紙が貼り付けられていた。

 気になった私はその手紙を読む。

 

 

 

 

 死人様

 

 

 

 「…死人?…うっ!?あ、頭が、痛い!」

 

 頭の中にある記憶が思い出される。

 その記憶というのは、

 

 「そっか、私、死んだのね。」

 

 私が死んだ記憶だった。

 死因は餓死、登山に行った私は愚かにも登山ルートから外れた道を歩き、遭難。最後には助けも来ず、喉の渇き、空腹によって死んだ。

 

 「なかなかえぐい死に方だったけど、なぜ私はこんなに平然としていられるのかしら?…手紙に何か書いているかもしれないわね。」

 

 手紙を読むことにするのであった。

 

 

 

 

 死人様へ

 

 

 私はあなた方の中では神と呼ばれている存在です。

 唐突ですが、あなたは死にました。死んだときの記憶は苦しんだときの記憶だけなくしておきました。

 これで、発狂して、精神の崩壊は免れるでしょう。

 さて、話は変わりますが、苦しみの中で死んだあなたには転生という特典を付けることが決定しました。

 転生先はあなたが住んでいた地球と同じですが、並行世界の地球です。

 その世界はあなたが住んでいた地球と全く同じ文明があります。

 しかし、少しだけ違うところがあります。

 それは、特殊な能力を持つ子どもが稀に生まれるということです。

 それ以外はまったく同じ世界なので、安心して転生してください。

 ただ、ただ転生するだけではつまらないでしょう。

 ですので、転生以外にも特典を付けることにしました。

 その特典というのはDead by Daylight(デッド バイ デイライト)の生存者すべてのパーク、殺人鬼すべての見た目、パーク、固有能力、最後に相手を強制的に儀式に引き込む能力です。

 存分に楽しんでください。

 それでは、良き人生を

 

 

 

                                        by神

 

 

 

 手紙を読んだ私は頭を抱えていた。

 

 「DbDは好きだけど、私まだ初心者殺人鬼だから!それに、現実世界で儀式やったら殺人だから!」

 

 叫んでいた私だったが、身体が光り始め、透け始めた。

 

 「転生するの?本当にするの?」

 

 そんなことを言っている間にも体はどんどん透け、最後には何も残らなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ???side

 

 

 

 

 

 

 

 

 「…最後のひと時は楽しめましたか?」

 

 「あぁ…」

 

 「…」

 

 「本当に死ぬのか…」

 

 「いやだいやだいやだ…」

 

 この場所にいるのは四人の死刑囚と十人の係官。

 四人は死刑執行を前に最後のひと時ともいえる時間を過ごしていた。

 そして、執行時間が近づいてきたとき、一人の係官があることを四人に提案する。

 

 「あなたたちはこれから死にます。」

 

 「…これから死ぬ俺たちに向かって嫌味でもいうつもりか?」

 

 「いえ、あなたたちに生きる、最後のチャンスを与えてくださる方がいます。」

 

 「生きるチャンス?」

 

 「死ななくてもいいのか!?」

 

 四人の死刑囚は驚き、喜んでいる。しかし、

 

 「静かにしてください。私が言っているのはチャンスです。確実に生き残れる保証はどこにもありません。」

 

 「生き残る?それはどういうことだ?」

 

 「あなたたちには鬼ごっこをしてもらいます。ルールは口頭で説明します。」

 

 

 

 ルール

 

 四人には発電機を5つ動かしてもらう。

 5つの発電機を動かすことができれば、脱出するためのゲートの電源が入る。

 ゲートのレバーを引き、見事、そのエリアから脱出できれば脱出した人だけが死刑から逃れられる。

 ただし、四人のほかに鬼がいるのでその鬼から逃げること。

 捕まった場合はその鬼に殺される。

 

 

 

 「ルールは以上です。何か質問はありますか?」

 

 「俺たちは発電機の動かし方なんて知らないぞ。」

 

 「それについては大丈夫です。エリアに入れば頭の中に発電機の動かし方が入るということらしいので。」

 

 「頭の中に入る?いったいどういうことだ?」

 

 「私もよくわかりませんが、おっと、もう始まるみたいですよ。」

 

 「「「「え?」」」」

 

 突如、部屋の中に霧が発生した。

 霧は四人の死刑囚を飲み込むと、死刑囚ごと消え去った。

 

 「では、あとは任せましたよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「はぁはぁはぁ!?」

 

 なんだよ。なんなんだよ!

 

 死刑囚のうちの一人である男は、恐怖にふるえている。

 

 霧に飲まれた四人は謎の農場のような場所に連れてこられていた。

 最初は動揺していたが、係官の話しを思い出し、発電機を探すことをほかの三人に提案するが、

 

 「夢だよな?」

 

 「あの場所から逃げ出せたんだ!」

 

 「死ななくてすむ。」

 

 話に聞く耳を持たず、大声でこのようなことを言っていた。

 そのとき、三人のうちの一人の男の後ろにウサギのお面をかぶった大柄の女性が斧を構えて立っていた。

 俺はとっさに

 

 「逃げろ!」

 

 そう忠告したが、

 

 「え?」

 

 斧で背中を斬られ、その場に倒れ伏した。

 倒れ伏した男は這いずって逃げようとしていたが、大柄の女に担ぎ上げられ、近くにあったフックに吊り下げられた。

 俺たちはそのときにようやく気付いた。

 

 『こいつが鬼だ』

 

 一目散にばらばらに逃走し始めた。

 

 だが、俺以外の二人が後ろから飛んできた斧に背中を刺され、地面に倒れ伏す。

 二人も最初の奴と同じようにフックに吊り下げられた。

 

 俺は物陰に隠れながら他の三人を助けようとフックに近づく。

 最初に吊り下げられた男のもとに向かう。

 吊り下げられた男は、蜘蛛の足のようなものに刺されないよう、抵抗している最中だ。

 その様子に唖然としていた俺に、吊り下げられた男は、

 

 「後ろだ!」

 

 その言葉とともに蜘蛛の足に体を貫かれ、死んだ。

 

 俺は後ろに誰かいると思い、前方に走り出す。

 

 俺が元居た場所には投げ斧が地面に突き刺さっていた。

 

 ここから俺と鬼との追いかけっこが始まった。

 

 もう吊り下げられた二人を助けるなんてことは忘れ、俺だけでも助かろうとしていた。

 

 板があれば倒して時間を稼ぎ、障害物を使いながら撒こうとし、物陰に潜むことに。

 

 物陰に潜むと、反対側で鬼が移動していた音が聞こえた。

 

 俺は物音を立てないよう、息を押し殺す。

 

 しばらくすると、鬼はどこかに行った。

 

 息を整えた俺は、辺りに何かあるかを確認する。

 

 確認しているとき、ヒュー、という音が聞こえた。

 

 音の場所に静かに向う。

 

 そこには地面に出口のようなものがあった。

 

 俺はフックに吊り下げられた男二人を思い出すが、

 

 「お、俺だけでも生き残ってやる。」

 

 こうして、三人を犠牲にし、自分だけ生き残ることにした男は脱出に成功した………ことはなく、

 

 「いやだいやだいやだ!」

 

 ハッチに入ろうとした男はその瞬間、鬼に捕まり、フックに吊り下げられる。

 吊り下げられた男は逃げ出そうともがくが、最後には蜘蛛の足に貫かれ死んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「お疲れさまでした。」

 

 「…」

 

 「今日の給金は口座のほうに振り込んでいます。」

 

 「…ありがとうございます。」

 

 「それでは、またお願いしますね。」

 

 係官の男は笑顔で去っていった。

 おそらく、自分の手で人を殺さなくてよかったと思っているのだろう。

 

 「はぁ~何でこんなことになってるいるのでしょうか?」

 

 私の名前は狩多 夜月(かりた よづき)、餓死して転生したあの女性です。

 そんな私がなぜこんな仕事をしているかというと、お金を稼がなくてはいけなくなり、知り合いの死刑を実行する係官の人に自分の能力を売り込みました。

 

 「もう手を汚すのは嫌ですよね?なら、お金をもらう代わりに私が代わりにやりましょう。」

 

 この係官の方は今の仕事に嫌気をさしていたが、どうしてもやめることができず、ストレスだけを抱えていた。

 そのとき、私のこの言葉に食いつき、結果として、今の状況に落ち着いたというわけです。

 

 でも、

 

 「殺すことには慣れてはいませんが、もう少し、儀式に歯ごたえが欲しいですね。自分の腕を磨くためにはどうすればいいのでしょうか?」

 

 そんなことを考えながら、家にたどり着いた私。

 ふと、テーブルの上を見ると一通の手紙があった。

 

 「これは?」

 

 封筒を開け、中身を確認すると、

 

 『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。

  その才能を試すことを望むのならば、

  己の家族を、友人を、財産を、世界のすべてを捨て、

  我らの“箱庭”に来られたし』

 

 手紙を読んだ私はふわっとした感覚に襲われた。

 

 「…え?」

 

 下を見ると、地面と大きな湖がある。

 

 下?

 

 「おーちーてーるー!?」

 

 そのまま私は湖に落下していったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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