それでは、お楽しみいただけると幸いです。
ーラビット・ハウスにてー
今日はお店は休みです。学校も早く終わったので、これから実行する約束をココアさんとしました。いま、店内でココアさんと二人きりです。父、おじいちゃん(ティッピー)もいません。
「じゃ、じゃあ、私はココアさんをす、捨てます」
「チ、チノちゃん、どんとこ~い」
改めてやろうとすると、お互い緊張しまくりですね。
「コ、ココアさん、だ、大嫌いです。私に話しかけないでください」
「今のチノちゃん、かわいいー」
ココアさん、それじゃ捨て姉になりません。
「ココアさん、何でもいいですから、この段ボールを持って、ブロカント(古物市)に行って、そこでこのダン箱に入って、座っててください!」
「えー なんか変なの~」
「段ボールはまだ組み立ててないですから、ココアさん、悪いんですけど現地で組み立ててください。ダン箱を止めるためのガムテープはこれです!」
「チノちゃん、前のときは、組立済のお店のお古使ったんだけど、無いの?」
「もうココアさんが使い切ってお店の倉庫にはないので、わざわざ私が買って用意したんです!」
「ふえ~」
話がかみ合わず、またお互い予期せぬ状況だったようです。困りました。
「わかりました。段ボールは私が此処で箱に組み立てます!」
「わあ、チノちゃんありがとー」
段ボール箱の組立ぐらい、朝飯前です。私が手際よく組み立てていきます。当然きれいなダン箱が組み上がりました。あとは…
「最後に「捨て姉」の貼り紙を、箱の正面に貼るだけです。ココアさん、それは準備してますよね」
「ごめん。まだなんで、これから作るよ」
白いA3の紙に、太い黒サインペンで「捨て姉」と、ココアさんが書き入れました。それをダン箱に貼り付けて完成です。
「じゃ、ココアさん、いま捨てましたので、ラビット・ハウスから出てください」
「わ、わかったよチノちゃん」
「それと、これが使い捨てカイロです。ブロカント(古物市)でその箱に座って待っててください」
「う、うん」
「ほかの娘の誘いには、絶対に乗らないでくださいね」
「だ、大丈夫だよ」
ココアさんは、いそいそと段ボール箱を持って、ラビット・ハウスを後にしました。
―チノの部屋―
さて、ココアさんはそろそろスタンバイしてくれている頃でしょうか?
「なにを着ていこうかな? ココアさんとの大冒険」ワクワク
ココアさんには悪いですが、服はきちんとコーディネートしないと。冒険ですから、それらしい服装にしないとですね。
あと外は寒いですから、防寒対策ですね。
なんだかんだで、1時間以上かかっちゃいました。
これで準備万端、ブロカントに出発です。
お店を出て、少し歩くと目的地に到着です。
―ブロカント(古物市)にて―
ガヤガヤ…古物市場は、賑わってます。古いランプに、ぬいぐるみ、そして…
「チノちゃん、遅かったね~待ってたよ~」
いました、捨て姉。捨て猫みたいにダン箱に入ったココアさん、なかなか可愛いです。そして「捨て姉」と書かれた段ボールが、そのキュートさに更に磨きをかけています。
「ココアさん、捨て猫みたいに箱の中に座って、どうしたんですか?」
「捨てたの、チノちゃんなのに、ひどいー」
まあ、確かに捨てたのは私なのですが。
「私が買います。いくらですか?」
「もふもふ365回だよ」
「無料じゃないんですね」
「今回から有料にしたよー」
うっココアさんは私の足元見てます。そう言われても、買うしかないですね。
「わかりました。もふもふ200回とかにできないんですか」
「ディスカウントはないよ~いっさい負けないからね~」
「わかりました。もふもふ365回で買います」
「えへへ~ 毎度あり~」
ドヤ顔のココアさん、一見得しているように見えますが、最近、ほぼ毎日毎晩ココアさんとはもふもふしているので、よく考えたらぜんぜん意味ないです。
「本当に何してたの~ すっごく寒かったんだから~」
「ごめんなさいココアさん、デート、じゃなかった、冒険の準備が大変で…」
「とにかく出発だよー 普段通らない道を進んでみよう~」
「はい、ココアお姉ちゃん」
「お姉ちゃんについておいで、チノちゃん」
「はい」ドキドキ
いつもだったら、ココアさんを制止しているところですが、今回ばかりは新たな体験をしたいので、そのままココアさんについて行きます。
マヤさんのゲームセンター、メグさんのレジャーランド。あとでネットで調べても、現存しないものでした。
私はココアさんとの冒険でどんなことが待っているのでしょう。ああ、胸が高鳴ります。
この後、何が二人を待ち構えているのでしょうか。
このような作品をお読み頂き、誠にありがとうございました。