神を喰らいし暴食の竜を宿した者   作:クビア

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約1年ぶりの投稿

期間が空きすぎてた


10話

ガウェイン・ランスロットの宣言と同時に戦闘が開始され、2人の騎士が迫ってくる

匠もそれに応え、振るわれる両手剣を双剣でいなし、振るい避けられ、後ろを取り取られ、

幾度となく2人と渡り合った。

 

だが、死してもやはり騎士として戦いに経験のあるガウェインらとは違い、

少しずつ圧されていく匠であった。

 

「…死してもやはり騎士は違うか」

 

『我らは薄れていたとしても神秘のある時代であったあの頃を生きてきた』

 

『簡単には後れを取るような無様は晒さない』

 

確かに2人は匠の攻撃をほぼ最低限の動きで避けており、逆に匠は双剣で何とかズラしているため消費が多いのである

 

『では、まだまだ行きますよ』

 

『死なぬよう気張ってこい!』

 

 

 

 

再開され、もはや時間がどれだけ経ったか解らないほど長い時間戦い続け、遂に決着の時が来る

 

『これ程長く我々の前で立ち続けた者はそんなに多くありませんよ』

 

『だが、この最後の我らの宝具を受け、それでも立っていられるかな?』

 

『この剣は太陽の映し身。もう一振りの星の聖剣、あらゆる不浄を清める焔の陽炎』

『最果てに至れ。限界を越えよ。彼方の王よ、この光を御覧あれ!』

 

 

『行くぞ!!』

 

縛鎖全断・過重湖光(アロンダイト・オーバーロード)

 

転輪する勝利の剣(エクスカリバーガラティーン)

 

 

2つの宝具を受け、匠のいた場所には土煙が広がる

ガウェインらはこれで終わったのだと思い、剣を鞘に納めようとした途端

 

ヴォァァアァアァアッ!!!!

 

その叫びとともに先ほどまで外套を纏っていた匠が鎧をまとった姿で現れた。

しかし、その様子はおかしく、暴走しているように見えた

 

「我らの宝具を受けて、まだ立っているとは!」

 

「だが、そのせいで生命の危機を感じた意識のない彼の本能で神器が疑似覚醒したようだ」

 

剣を構え直した2人に暴走した匠が襲い掛かる

 

双剣を構えたと思えば太刀へ変わり、鍔迫り合いをすれば双剣に・・・

連撃から一撃に、近距離から遠距離に、次々に変わっていく武器と戦い方に先ほどまでとは

全く違う動きであり、本当に暴走しているのかというほど動きに無駄がない

 

「彼は本当に暴走しているのか!?」

 

「…もしや、あり得ぬとは思うが、魂の記憶があの動きをさせているのか」

 

「神器に囚われた魂の記憶というものか・・・あり得るのか?そのようなことが」

 

「無いとは言い切れない....あの部類の神器は宿主が死した後、その魂を神器内に取り込むようだからな」

 

二人がそのような会話をしていると、当然暴走していた匠が

 

「…ウル・・サイ・・・・ダマレ・・・・・・・オレニサシズ・・・・・・スルナ・・・・」

 

武器を落とし、頭を抱えだす匠

 

「・・・オレ・・・ノ・・・・戦いにいらない手出しをするなぁぁぁぁぁぁ」

 

鎧の姿のままだが、正気を取り戻した様子の匠、それを察する騎士二人

 

「どうやら、ここからが君本来の価値を見ることができるようだな」

 

「…宝具とかいうのを受けた後、意識を失ってたら意味の分からないことをほざく先任らを鎮圧してきたからな

 ここからは頭がすっきりして戦わせてもらう」

 

互いに武器を構え、先ほどよりさらに緊迫した空気が周りに広がる

双方、時間はもう掛けないという意思があるのか、次で終わらせるという目をしたまま相手の出方をうかがっている

 

そして、その火蓋が切られ決着がつくのは一瞬であった

 

ガウェインとランスロットが振るった左右からの剣を双剣でズラし、そのまま2人の脇腹に一閃を入れた

 

「暴走したときはこの者は違うと思ったが」

 

「…いやはや自分で暴走を止めここまでされるとはな」

 

二人は苦笑しながら、匠のほうを向きながら

 

『合格だ』

 

そう宣言した

円卓の騎士戦

  • 全員と戦うに決まってんだろ
  • 一部とたたかうだけでいい

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