リアスら一行が匠の家まで後少しという時、曲がり角から眷属に逃がされたヴェルサーが慌てた様子で飛び出してきた。
「貴方はオロバス家の次期当主のヴェルサー卿!!なんでこんな所にいらっしゃるのですか?」
「グレモリー家のリアス嬢!早く逃げなければ、眷属諸共奴に…!?もう来たのか!」
ヴェルサーが振り向きながら、そう叫ぶ。リアス達もそれに吊られてそちらを見ると、外套を纏ったまま歩んでくる匠の姿があった、
「琴葉(匠君・琴葉先輩・琴葉君)!!」
「増援か……まあいいか。まとめて殺せば変わらんな」
匠は顔見知りである筈のリアス達に気づかず、そう言い切る。
「あれは暴食竜の外套!!彼があの神滅具の持ち主だったなんて!」
「そんなにヤバイ神器なんですか?」
「ヤバイも何もあの神器に封印された竜は、実際に神を殺しているんだよ。イッセー君の持つ赤龍帝の籠手よりもさらに凶悪な神滅具になるんだ」
「それに宿主となった者の中には飢餓感によってその者住んでいた集落の住民すべてを殺し尽くして喰べたらしいわ」
木場とリアスの言葉で友人である匠の神器の凶悪さがよくわかった一誠。しかし腑に落ちないことがあった
「そこの貴族悪魔を追ってきたってことは、あいつがあんな風になった原因を知ってるってことですよね」
「…そうね。ヴェルサー卿、こうなったのはどうしてなのかしら?」
リアスの問いにヴェルサーは気まずそうに顔を背け、
「奴の神器のことを知り、ほかの貴族に越される前に手に入れて飼い慣らそうとしたのだ。結果、眷属は全滅し、私も追い詰められている状態だ」
「そんだけならあんなにならないだろ?あそこまで敵対してくるってことは何をしたんだよ、アンタ」
「眷属に奴の親を洗脳しておくように命じていたが、何らかのミスで殺してしまっていたらしい。
その眷属は私がきた時にはすでに殺されていたよ」
ヴェルサーの答えにリアスは唖然とした。
悪魔全体としての認識であの神器は、見つけ次第に即報告、なおかつ手を出さないことが取り決められていた。
さらに、もし接触する又は眷属交渉する場合、魔王への事前報告を義務づけられてもいる。
「貴方の行ったことに対して、言いたいことは山ほどあるのだけれど、まずは彼をどうにかしないt
「部長危ない!」《グシャッ》…え?」
リアスが言い切る前に小猫がリアスを引っ張ったと同時にヴェルサーの首が宙へ舞った
突然の引っ張られたことと目の前で首が飛んだこともあり、数瞬リアスは思考が止まったが、すぐに思考を戻し前を向くと先程は持っていなかったはずの大きな刀を持った匠がそれを振り抜いていた
「まだ間合いが掴めないな、上手く避けられて当たったのはそいつ一人だけか……」
匠はリアスらの方を向き、‘次はお前らだ’と言いたげな表情で其方を睨んだ。
誤字などありましたら教えていただけると幸いです。
※指摘訂正ありがとうございますorz
ヒロイン&ライバル
-
ヒロイン1人ライバル男
-
ヒロイン1人ライバル女
-
ヒロイン複数ライバル男
-
ヒロイン複数ライバル女
-
そんなことよりおうどん食べたい