幻想郷を、雷狼竜と共に   作:篠崎零花

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第1話 幻想入りにしては雑

―――近くから目覚ましとほぼ同じ大きさの音が聞こえたのをきっかけに、俺は起床するときと似たような感覚を覚えた。

 

…周りが見慣れないな…。一体、ここはどこなんだ?

さっきまで学校にいたはずなんだが……昼休みの時の俺の身になにが起きたんだ……?

 

 

 

『あ、起きた。ご主人、僕が分かりますー?』

 

「あ、あー……?」

 

とりあえず、声のようなものが聞こえた方へ顔を向ける。

どうやら俺はそのどこか知らないとこに仰向けで寝転がってるらしい。

それに隣にいる奴がでかい。見上げても体全体が見えないほどだ。

見覚えのある形だが、俺を襲ってこない以上、敵対してるわけじゃないんだな。いや、そもそも心配そうに声?をかけてきてるんだからありえない……か?

 

 

 

 

とりあえず、起きあがりながらこいつのことを見える範囲で考えてみるか。

全体的に青い鱗、腕や頭部には黄色の鱗。そして、人間でいう腹部辺りや首回りに見える白い毛……。

 

お前、ジンオウガか?いや、どう見てもジンオウガだな。

やけに大きいからか、それとも実物だからなのかあんまり見えづらい部分もあるが、ここまで特徴がハッキリしてりゃ、さすがに分かる。頭部の上の方に角のようなものが2本もあるしな。

 

 

確か狩り人と呼ばれる自身の分身を使った人が4人で狩りを行うゲームとかに出てきたはずだよな。

基本捕獲しまくった奴だからちょっとした特徴でも分かるが、たぶん俺だけなのかもしれない。狩猟したのなんて数えるほどだったはずだしな。

 

 

 

『んー…とりあえず、なんともない?一応狙ってくる奴はしりぞけてはおいたから大丈夫だとは思うんだけど。うーん、あ、そうそう。悪いけどまだ恩は返せそうに―――いや、そんなちょっとじゃ返せそうにないね。そもそも恩といっていいのか怪しい代物(しろもの)だけど』

 

「なんのことを言ってるんだか分からんけど、ありがとな。平気だよ」

 

そういうとあからさまにホッとしたような―――雰囲気でしか表情は分からないが―――感じになった。

一応、もう少し詳しく周りを見た感じ、ここは林どころか少し森っぽいな。いや、むしろ林か森か微妙なところか?

 

 

…ん?派手な巫女服を着た少女が『あ、その子?急にご主人の方へ近づいたから手加減して気絶させたよ。さすがに雷光虫は使ってないから、死ぬことはないはず。そもそも僕自身のだから、手加減もなにもない気がするけどね』

 

手加減とかそういうのって関係あるのか…?

いや、それよりもさっきから俺のことを“ご主人”と呼ぶのはなんだ?

あとしれっと考えてることを読むな。

 

「そ、そうか。それよりも、お前と俺に関係性ってあったか?」

 

『あ、あぁー……まあ、そうなるよね。僕は元々ここにいれなかったはずだし、そもそもこうやって話すのは初めてだしね。とりあえずご主人にいきなり捕まえられて、手厚く育てられたジンオウガだと思ってよ』

 

うん、その、あれだ。

口は動いてるだけって感じとは言え、お前のような喋るジンオウガっていたか?!むしろ今さら驚いてる俺もおかしいとは思うけどさあ!

 

 

ん、んん……

 

あ、そうこう話してたら巫女服を着た少女が起き……ん?なんか様子がおか

―――ってやっぱりジンオウガじゃないの!

 

「あれ、お前…分かるのか?あとジンオウガも落ち着け。な?」

 

俺がそういうと少し警戒を解いてくれたのか、睨み付けるだけになった。

なんで俺の言うこともちゃんと聞くんだ…。いくらジンオウガが可愛いからって驚かないわけじゃないんだぞ…?

 

(なるほど……もしかしたら、この外来人が今まで無事だった理由ってそばにいたジンオウガにあるのかもしれないね)

 

「ええ。外の世界で今も有名かなんて確認できないけど、狩り人として遊ぶゲームで…確か同時に4人まで遊べるんだったわね?」

 

「それでもだいぶ知ってるじゃないか。……それで、ここはどこなんだ?」

 

だいぶ…じゃなくてむしろその通りのような…

 

お前な…。

小声でいう辺り、空気を読もうとしてくれたのかもしれないが、もう喋ってることを気にしない方がいいのか?

……むしろ驚きが1周まわって冷静になってるんだよな。色々ありすぎなんだよ…。学校での出来事といい、こっちに来るとかといい。

 

 

 

「幻想郷よ。んで、今いる場所は博麗神社に近い林の中―――って近い、近いわよ」

 

(まさかここまで反応されるなんて思ってなかったからすっごくビックリした……。いや、若干引くぐらいの反応しか…外来人ならありえるかも、だけどさ…私はそう感じる余裕すらなかったから分からないけど)

 

「あぁ、悪いな。んで、幻想郷なのは確かなのか?」

 

目の前の少女がこくこくと縦に頷くのを見て、ようやく理解した。

なるほど。何故かは知らんが、俺はここへ来てしまったようだ。

 

『あぁ、だから君が近寄ってからというもの、誰も僕達のそばに寄ってこなくなったのか』

 

「……それはあんたの影響もあるわよ。なんかしてたんでしょう?でなきゃ下級妖怪といえど、霊華がいても動じずに正体を見てくれって頼んでこないもの。一応霊華にもしてたし……正直言って、驚きでしかなかったわね」

 

ま、まあ、幻想郷とやらだし、妖怪とやらぐらいはいるよな。

と、いうかそもそものことしてなかったな。

 

「そ、そうか。ならひとまず安全な場所に案内してもらう前に―――俺は神風(かみかぜ)結輝(ゆうき)って言うんだ。お前は?」

 

「なるほど、結輝ね。んで、そっちはジンオウ「ジンきゅんでもいいんじゃないか?」あだ名をつける流れじゃないからそういうのは後回しにしてもらうわよ。それで、私は博麗(はくれい)霊夢(れいむ)よ。それでジンオウガには悪いんだけど、あんたってあのゲームでいう最大サイズに近いのかやけに大きいのよね。可能ならでいいんだけど、小さくなれたりしないかしら?」

 

あっさり否定するのか…。

いや、むしろ後でならいいってことどよな?その言い方は。

 

『可能なら、というよりできるよ。んじゃ、小さければいいんだね?』

 

そういうとジンオウガは雷“狼”竜みたいな感じのサイズ…もとい、大人の狼サイズになった。

あぁ、お前の特徴もそのまま小さくしたような感じになるのな。てっきり目立たなくなるとか、そんなんだと思ってたぞ。

 

『こんな感じでどうかな?』

 

「まあ、幻想郷だし、そんな見た目の狼がいても不思議じゃないわよね……」

 

「そう思うんなら目をそらさなくていいんじゃないか?というか、俺からもそらす必要ないよな?」

 

 

 

(ま、まさか喋れる上に知性もあって、能力も普通に使えるとか誰が想像するのさ!いや、能力があるのならそりゃ当たり前なんだろうけどさぁ!……とりあえず、私が落ち着かないと意味がないね)

 

 

「と、とりあえず…こっちよ。ついてきて」

 

「おーい、なかったことにはできないぞー?」

 

『そう言いながらご主人だって、僕が喋ることに内心驚きまくってたでしょ。僕だって、なんとなく想像はつくんだからね?』

 

そ、そういうもんなのか…?

ひとまず、霊夢と名乗った奴のあとでもついていくか。

 

 

そう思って先を歩く少女についていく俺。ジンオウガも…なんで斜め後ろなんだ?

狼と犬は違うんだぞー、と心の中でツッコミながらついて歩くことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……案外近いな、その博麗神社とやらは。

んで、幻想郷になんで来たかは知らんが、幻想郷っていう辺り、パチュリー・ノーレッジとかがいるんだよな?

 

「ここなら落ち着いて色々と話せそうね。あと説明とか。…あぁ、さっき言った通り、他にも霊華って人とあうんって子がいるのよ。その人達や他の幻想郷のメンバーについては今度ね。確かもうすぐで11……午の一つ辺りになるでしょうから、昼食作らないといけないし」

 

「なるほどな。…ちなみになんで言い直したんだ?」

 

「あー…つい癖でね。今11時から11時半の間のことをこういうようにって覚えてたらこうなっちゃったのよ。大した料理とか出せないけど、昼食出すわね。ジンオウガもどう?」

 

そういうもんなのだろうか。

しかも、当たり前のようにジンオウガに話しかけてるし…。

 

『いいね。出来れば肉系で』

 

「えっ?野菜も?欲張りね」

 

『いや、僕はそんなこと言ってないよね!?』

 

「ふふ、冗談よ。一応食べれそうなものを用意するわね」

 

「真顔で冗談をいう奴っているのか?」

 

はーい、と言わんばかりに笑みを浮かべる霊夢とやら。

……真面目にそうなのか?

 

まあ、なんだ。仕方ない。この際、いただいてしまうか。他に食べれるような場所があるかどうかすら、知らないし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼飯に来たのは霊夢という奴よりもでかい女性となんか色々と生えてる少女。

博麗神社には女しかいないのか?

 

「んで、霊華とあうん。さっきも話したけども、妖怪達がそこそこ強い雷を当てられたとか雷をまとった虫に酷い目にあわされたっていう原因は幻想入りしてしまったこの青年と今は狼サイズのジンオウガだったみたいなのよ。あぁ、やれるのはジンオウガだけみたいだけども」

 

『そうそう、僕ならやれるからね。雷光虫と共生してるからこそ、ってわけだし。あ、今もいるからね?』

 

「ら、雷光虫?なにかしら、それは」

「あ、あー……そうよね。それもそうよね」

 

「そもそもジンオウガってなにー?」

 

「あー…えっと…その…」

 

 

はあ…。そりゃそうなるよな。

なんで霊夢とやらがモ○ハ○のことを知ってるのかは疑問だが、そもそも調べる場所がなさそうなんだよな。

なにせここが幻想郷で、俺のいた場所とは全く違うみたいだからな。

博麗(はくれい)霊華(れいか)と名乗った先代の博麗の巫女とやらも説明してくれたし、それだけはハッキリと理解してる。

 

「今度教えてあげるよ。ええと、高麗野(こまの)あうんちゃん、だっけ?」

 

「そうだよー。…うん、分かった。霊夢とかにしか今は分からないみたいだけど、感じからして私は知らなくてもよさそうだし」

 

「あ、あぁ……」

 

い、意外と物分かりがはやいのな。

確かにそれっぽい片鱗は見えてたけど。

……ちょっと不安だが。

 

 

「あ、そうだ。霊夢、早苗のとこ行ってくるねー」

 

「あ!そうだったわ、今日からお手伝いしに行くんだったわね。すっかり忘れてた。いってらっしゃい」

 

「はーい、いってきまーす」

 

そんなのもしてるのか…。と、いうかなんだそれ……?

手伝いとか、そんなことする仲なのか?それ以前にあうんちゃんはあうんちゃんでいいのかね。嫌がらない辺り、前からしてるんだろうけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……それで、話を戻すわね。まず、あうんのことなんだけど、妖怪の山にある守矢神社とこの神社とで、色々と幻想郷についてとか教えてるのよ。ちょうど早苗も私もあの子に教えるついでに色々と知れるからね」

 

「そ、そうか。んで、一応聞くが…俺が元いた場所にはすぐに帰れないんだよな?」

 

「まあ、そうなるわね…」

 

いや、うん。しょうがないだろうけどさ、顔をそらすのはやめないか?

 

『悪いことはしてないし、いいんじゃないかな。逆にここを拠点にして雷光虫増やして平気かな?』

 

「拠点に関しては別にかまわないって言えるんだけども、雷光虫はダメよ。色々と崩れちゃうかもしれないから」

 

『え、ええー?!』

 

…そりゃダメだろうよ。

 

 

 

「んまぁ、とりあえず。あなた達の拠点とするとして…幻想郷の案内は霊夢。あなたに任せるわね」

 

ジンオウガと現在進行形で口げんかしてるのに平気なのか?

 

「分かったわよ。まあ、今のところジンオウガについて詳しい幻想郷の住民は私だけのようだしね」

 

『確かに今のところ、ご主人以外で僕のことを知る唯一の人間みたいだからね。ときどきちょっかい出すかもしれないけど、宜しくね』

 

(……ちょっかいって。なんか嫌な予感しかしないんだけどなぁ)

 

 

 

「んで、幻想郷の案内ってなにされるんだ?」

 

そもそもジンオウガがいること自体不思議だけどな。ある意味助かるし、癒しでもあるから嬉しいんだけどな?

最初こそはビックリしたが、そんなの最初だけだったから、ジンオウガしか見てないし、ジンオウガが言わない限り誰も気づかないだろ。

 

 

「そのままの意味でしょうね。でしょ?霊華」

 

「ええ、そうね。幻想郷をある程度案内がてらに結輝とジンオウガとやらのことを紹介ってとこね。なにもしないよりは安全になるでしょうし。そして、ジンオウガという未知な存在がいる以上下手に手を出してこなくなるでしょうしね。ま、この博麗神社を拠点にするのだから、どこの場所よりも安全ってことを証明してあげるわね♪」

 

霊華…いや、女性のする笑顔じゃないよな?それ。

 

『なんか狩り人がするような笑顔だね……。若干殺気まじってるよ?』

 

「……か、狩りび……?」

 

(うんうん。確かに怖いよ、その笑顔)

 

『あぁ、そうか。とにかく若干怖いってこと。目が笑ってないし。ヤンデレじゃないんだから』

 

「ヤンデレも分からないと思うぞ、ジンオウガ。…んで、このあとどうするんだ?」

 

さっきから話してばかりで忘れてたけど、案内っていつからだろうか。

 

「あ、なら霊華。今から先に紅魔館へ行ってくるわね。早苗や魔理沙はともかく、レミリア達に…特にフランには早めに伝えないとまずそうだし。あの子は遊びがちょっとハードだから結輝やジンオウガも混じれるかどうか…なのよね」

 

「遊ぶの前提かよ」

 

その言葉に“えっ?”とかいう顔するのはなんでだ?

え、本当に前提にしてたとか?

まさかぁ。

 

 

「でも、あの子は多少常識をもったとは言え…確かにズレたままなのよね。でも、吸血鬼の常識なんて私はそもそも知らないし。鬼についての軽い情報とかそれ以外ならまだ―――」

 

「霊華のも十分知識がかたよってるものね。仕方ないわ。……とりあえず、私は午後に用事ないし、紅魔館へ案内するわね。里は明日でも平気?」

 

「逆にそれで平気なのか?むしろ」

 

とまでいうと狼サイズまで縮んでいるジンオウガにペシッと叩かれた。

なんかだいぶ痛くないけど。

 

 

 

 

『いや、むしろ里でなく紅魔館であることを気にしようよ。いくら僕でも妬けちゃうよ?』

 

「……たぶん冗談ね。なんかそう、勘がいってるし」

 

『そういうネタばらしはあとにしてよね。僕にしては珍しいのかもしれないけど、ご主人みたいな人間と触れ合えるのはここが初めてなんだからさ』

 

そう言われて、いたずらっ子のように笑いながら「悪いわね」とかいっている。

馴染むのもはやいんだな、お前。いや、お前達、か?

 

「まあ、とにかく里への方はお願いするわね。霊華には悪いけども」

 

「別に平気よ。買い出しも行かなきゃいけないし。寺子屋の方にはちゃんと伝えておくわね」

 

そ、そういうもんなのかね。

って霊夢も若干困惑してるのかよ!ダメじゃないか、それ!?

 

『んじゃあ、紅魔館へ行くならご主人は僕の背中にでも乗ってよ。たぶん僕なら追い付けるだろうし』

 

「それもそうだな。んじゃ、言葉に甘えさせてもらうことにするよ」

 

……そもそも霊夢はそんなに速くなかった気がするんだが、黙っておくか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初に見たあの大きさの半分ほどのサイズになったジンオウガの背中に揺られつつ、前を低く飛ぶ霊夢を追いかけてもらってかなり時間がたった。

サイズが変わることには驚いたが、霊夢曰く幻想郷じゃ何々程度の能力があればおかしなことではないと言われた。

いや、確かに大きくても小さくても可愛いが。そういうもんでいいのだろうか?

さすが幻想郷だ。

 

 

っと、ようやく薄い霧の向こうになんか見えてきた。

やけに目立つ赤い洋館っぽいな、あれ。もしかしてあれが紅魔館……だよな?

 

「あと少しで紅魔館につくんだけども、たまに遊び感覚で雷光虫飛ばすのはいい加減やめてちょうだい。結構危ないのよ?」

 

『えー?狩り人なら無事にすむのにー?』

 

「わ、私は狩り人じゃないから無事ですまないのよ!?それに、見えない場所からやられるもんだから避けるの大変なんだからね!?」

 

じゃれる感覚でやってるとか怖いな…。

いや、見てる分にはそうでもないんだけどな。

 

「なのによく避けれるな。経験ってやつなのか?」

 

「経験ってより……。まあ、いいわ。そうね、あえて違うことを言うのならじゃれるのならあとで、って言いたいだけよ。今はあんた達…特にジンオウガのことを紹介した方があんた達“も”安全っぽいからね」

 

可愛い見た目して、力はとんでもないもんな。

んでも、いくらこいつ…いや、俺ん中だけでもジンきゅんと呼ぶか。ジンきゅんも下手に刺激されなきゃなんもしてこないだろ。

なんて考えて呆れても知らない奴からすれば察するのも厳しいか。

 

 

 

 

 

 

「…またあんたか。んで?今日は一緒にいる人と若干大きな獣を連れてるけど、なにか紅魔館へ用でもあるの?」

 

そんなに毎日きてるのか、霊夢は。

んでも、なんで紅魔館にも来てるんだ?最近違うゲームばっかやってたからこっちのあんまり覚えてないんだよな…。

 

「ええ、あるわ。紹介しに、ね。特に後ろの狼は」

 

「いや、どう見ても狼はきつくないかしら」

 

『雷狼竜だからギリギリセーフってことにしてよ』

 

あ、門番みたいな少女が呆れた。

ため息までついてるし…。いや、雷狼竜っていったところで、狼じゃないもんな。

 

「さすがに無理だよ、あんた。狼って大きさじゃない上にその2本の角っぽいのがあるからね」

 

「なるほど。なら、小さければ狼ってことね」

 

「……それにはちょっと、無理があるんじゃない?」

 

「やってみれば分かるんじゃないか?」

 

 

背中を軽く2、3回叩くとなんも言ってないのに小さくなった。

おお。このジンきゅん、分かってるじゃないか。凄いな。

さすがに背中から離れるとして……ふうむ、幻想郷の能力とやらはよく分からないな。いや、そのうち分かるようになるのかもしれないな。

 

 

「うん、角があるから無理だね。飾りとも言いにくいだろうさ。……それで、紹介だったよね。霊夢がいるし、いいよ。でも、お嬢様と咲夜さんは今、妹様と一緒に部屋で人間を相手にする練習をしているみたいなのよ。いよいよもって、友達を作らせるつもりなのかしら」

 

「へぇ、そうなのか。んで、紅魔館って図書館とかあるのか?」

 

おお、やっぱりあるのか。

 

「ああ、あるよ。でも、行くならそこの霊夢か咲夜さんがいないとダメだからね」

 

「だいぶ手厳しいな」

 

「ある魔法使いがよーく借りるとか言って、入ってくらしいからね。…まあ、それとは関係ないけど」

 

ないのかよ!

 

 

「んじゃ、とりあえず中へ入らさせてもらうわね」

 

「あー、いいわよ。ただし、変なことはさせないでね」

 

はいはい、と適当に返しながら霊夢は歩き出そうとする。

なんか親友同士のような会話だな…。

 

 

 

 

『…僕達も入ろうか』

 

「それもそうだな」

 

と、話して先を歩く霊夢について歩くように向かった。

へえ、紅魔館って門から玄関までもそこそこ広いんだな。実際に見るとでかいわ。

中はどうなってるのか、も気になるが…図書館の方が気になる俺だった。

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