うーん、昨日行った場所でいい場所、か。どっちも当たりなような気がして甲乙がつけられないんだよな。
そういえばあの下見の時、なんとなく周りを見渡していたらジンきゅんを連れ回していた時に霊夢が寺子屋とかその辺りにいたような気がするし、なんか“写真撮って”とかって言われていたような気がする。
なにしてたんだ、あいつ。
……んで、更に今朝から現在進行形でなにしてんだ、こいつ。
「なぁ、霊夢。俺の持ってる
そもそも現像できないだろ、それ単体じゃあ。幻想郷にそういうのなかったっぽいし。
「あー……別になにもしてないわよ」
「してないっていうならもっと隠せよ。それかそんなに広げないで確認しろよ」
いや、正座したまま半身だけ振り返ってくな。そしてそのわざとらしい驚いた表情をしてこっちを見るんじゃない。俺はつっこまんぞ。
(いやぁ、ちょっと紫に“お願い”してるだけだし。かといって彼に教える必要はないからなぁ。今んとこはパチュリー関連で充分か。……はぁ……最近の咲夜への無茶ぶりのお返しがちょっとだけ怖いかも…………あれ?)
「はいはい。それはさておき、パチュリーとかジンきゅんとか言ってる
「最初俺と遊んだあと、博麗霊華とやらと軽い運動してるところだろうな。んで、明らかに写真だろ」
霊夢の部屋に入って霊夢の横に立つ。
やっぱり写真じゃないか。さりげなくジンきゅんのも混じってるし。……ん?
「なぁ、霊夢よ。そのジンきゅんの写真は?」
何枚かチラッと見えたが、帯電してるところや歩いてるところなどがあったように思う。もし本当に撮ってるんなら欲しいところだな。うん。
「なるべく撮るようにって阿求からの願いでね。もし永住してもいいように、というのもあるらしいわよ?」
(それは本人次第だって阿求にも言ったけどね。……分かった上での頼み事だし。あ、そのうちこの人にもお願いして撮らしてもらうかな?たぶんこの人の分も書くだろうし)
「なら渡さない分は俺にくれたり……」
「はいはい、だろうと思って既に
そう言って仕分けしていた写真の中から霊夢がジンきゅんが写っているのだけ差し出してきた。仕事が早いな、こいつ。やりおる。
「いいのか?本当にいいのか?なんだったら買い取りとして金を渡してもいいんだからな?」
「さ、さすがにそれが冗談だとしてもいらないわよ……?使えるとか使えないとか関係なく、ね」
(半分冗談…とは思えないけど、いいか。んで、流したけどスマートフォンが同じとか言わなかった?霊華もなにと“遊んで”いるのやら。ほんと、実戦形式の弾幕ごっこをする相手によくやる…………あっ、ジンオウガはそっちの方がいいのか)
「わりと真面目なのだが…。んで、その子供達が写ってる写真はどうしたんだと」
なんか呆れた顔になったが、もしかして折れて話してくれるのか?
「まあ、ちょっとね。それで?昨日の成果はどうだったのよ。霊華に伝えるよう、教えたはずだけど」
「おっと、そうだったな。どっちも悪くはないが、本当にパチュリーが来そうな場所なのか?」
その俺の質問に対し、霊夢は「たぶん来るわよ。引きこもり若干卒業したはずだし…ね?」と少し顔をそらしながら答えた。
自信ないのかよ!
いや、でも来るかもしれないとこを教えてくれてたんだとしたら……
「あくまでも可能性よ。それ以上は実際に誘ってみないとなんとも…」
「いや、それだけでも助かる。助言ありがとな」
そう言っていい加減差し出したままで今にも下げようとしている右手からブレの少ないジンきゅんが被写体の写真―――スマフォの機能かブレが少ない―――を受け取った。
ちなみにその後聞いたことだが、どこぞの文々。新聞とかを書いてる烏天狗や花果子念報を書く烏天狗と違って弾幕を消せないらしい。めっちゃ普通のスマフォだな。
ジンきゅんが帰ってきたのはそういう話をし終わったおよそ1時間後。
霊夢にジンきゅんの写真撮影及びパチュリーを誘って来てくれそうな里の場所をついででいいからとお願いした。主にジンきゅんのは念を押した。
ブレのほとんどないかつ画質がいい写真なのは俺得だからな。むしろもっと欲しい。それかしおりにしてほしい。
あぁ、一応しおりも作れそうなら作ってくれるって話になったんだったな。“八雲紫”って名前が何故か出たけど、流すことにした。俺にはあんまり関係ないだろうし。
『それで妖怪の山って場所に来た理由は?』
「霊夢曰く“ロボットを含めた外の世界関連の話が通じる相手”だそうだからな。ジンきゅんの紹介がてら友達になる、っていうところか?」
『まぁ、あの動かない動かない大図書館を相手にそういった類の話はできなさそうだしねぇ。むしろ僕の背中にいる雷光虫達がある意味狙われてるし……』
(誰に、とはまだ言わないでおこうかな。もしかしたらすぐにレミリア・スカーレットだってバレるかもしれないけど。勘弁して欲しいね、あの吸血鬼。少しワガママがすぎるような…)
幻想郷にそんな雷光虫や
それ以外にも金雷公や極み吼える雷狼竜が連れてる方や不死種の
「まあ、ジンきゅんは下手な極み個体より強いから無理やり採られそうになっても守れんだろ。さて、東風谷早苗とやらが霊夢並みの人間だといいんだが」
『それはご主人から見てツッコミ担当って意味でかい?』
「さすがにちゃうわ。せめてあの子供達に“霊夢”だとか“れーむせんせー”とかみたいに遊ばれ…………戯れたり、里の人間達とよく世間話とかをしてなくてもいいからある程度普通だといいってことさ」
(写真を撮ってたりすることのどこを遊ばれてるって言うのかな。いや、見てない間にやられてそうではあるけど。僕も実はこのサイズのおかげで弄ばれてたりする。今のところなんともないし、黙ってるけどね)
にしても…階段じゃなくてロープウェイを使うべきだったな。乗る場所を聞いときゃよかった。誰に、とは言わないが。
そりゃ小さいジンきゅんとは言え、重さが狼と同様なわけ、ないもんなぁ。
抱えていくのは登り始めから断念していたけど。もちろん、重たくてもてないってわけでは無い。
単純にそばで歩きたかった……の一点に尽きる。ほ、本当だぞ?
『やれやれ、ここまで来てなにもなかったら僕、飛んで降りようかな』
「あ、その時はジンきゅんの背中に乗ってもいいか?というか乗らせてくださいお願いします」
(やれやれ…仕方ない。ご主人には色々してもらったし…どうにかしてみるか)
『はいはい、分かったよ。そん時はしっかり捕まってよ?僕、普段の降り方するつもりだから』
(……そこで一瞬ガッツポーズをとるのもご主人、か。ま、でなきゃハンターを動かしてる時のあの動きとかないもんね)
「あれぇ?貴方はいつも博麗神社か紅魔館にいる神風結輝さんですよね。それで、いつもそばにいる雷狼竜っていうゲームの中にいそうな子を連れてるって霊夢さんが……ああっ!確かに本物は狼とも竜とも言えそうな見た目をしてるわ!それが本当に狼サイズだなんて可愛い!」
前言撤回。守矢神社は言う通りあるし、人もいるようだ。
その3人中最低1人は話の分かるやつかもしれん。
「だろ?伊達に時間と愛情を込めて育てたわけじゃないからな。……ゲームで、だが」
『あー、うん。それはそれはありがとね、ご主人。んで、どちら様?それとその知識は明らかに霊夢からの入れ知恵だよね』
ジンきゅんはそういうけどさ、悪いけどこの幻想郷の住民でジンきゅんとかそういうの詳しい人ってあの霊夢だけっぽいぞ。
いや、分かってて言ってるのか?
「あっ、そういうってことは霊夢さんに言われて来たのね。たぶん守矢神社のことより私のことしか教えてなさそうだけども…」
ため息ついた後、やや小さめな声で「ようやくまともに宗教的なライバルとして見てくれるようになったんですけどね……」と呟いた。
聞こえなかったことにしよう。本来の姿でないにせよ、霊夢と早苗の関係性はこの幻想郷ならではだしな。ついでにジンきゅんの話を深く理解してくれっから凄く楽だしな。
「それにしてもその子が本当に牙竜種?とかそういうのなんて信じられないわね。諏訪子様や神奈子様もたぶん知らないと言いそうな感じがしますね…」
「それだったら俺が1から100まで教えてやるぜ。ジンきゅんについてなら、だけどな」
『…いや、ご主人は僕達ジンオウガを通常種、亜種と関係なく捕獲してただけだし…それにその“好き”の影響でハンター視点でいう捕獲のできない極み個体達はあまりご主人やそのご主人の時の同行人によって狩猟された個体を除くと全員が捕獲……それ以上は黙っておくかな?』
べ、別にいいだろ?俺にとって
ジンきゅんが小声で言っているのは不思議だが。
「ジンきゅん……って確かジンオウガのことよね?最近来た1人と1頭の外来人はそう呼ぶって霊夢が教えてくれたような気がするし。私もある意味外来人かもしれないけども、もう
なんか後半言ったような気がするが、別にいいか。
『むしろそう呼ぶのご主人だけだから。それで、君は守矢神社へ戻るのかい?』
それに対し、階段から少し宙に浮いたままの早苗は頷いて「ええ、そうよ。同じ場所に行くなら案内してあげるけど、来る?」と返していた。
守矢神社ってシューティングゲームのあれを見てると真っ直ぐ向かっていたような気がするけど…やったの前すぎて覚えてないな。
「ええ、そのつもりですよ。なんでしたら案内しましょうか?」
「あ、それ頼んでもいいか?妖怪の山まで来たのはいいが、どこか分からなくってな」
『ついでに他のことも色々いいかな。僕のことはしっかり教えるから』
あ、俺だってジンきゅんのことを紹介したいんだが!?1人だけズルいぞ。
それを言おうとしたらジンきゅんから呆れたような目を向けられた気がする。まだなにも言ってないんだが、まさか…………ジンきゅんとのキズナ!?
「とりあえず、守矢神社まで行きますよ?ただ、私は紅魔館にいるパチュリー・ノーレッジについてはあんまり知らないのでそこは勘弁してくださいね」
「あぁー…そりゃな。分かった」
(ま、あの様子じゃ宴会の時もあんまり他の人と絡んでる感じからして、お世辞でもなさそうだしね)
って、階段登らないとか空を飛ぶ能力が羨ましいな。
この世界にそういう空飛べる系のものないかね。変形してもいいから。
そう思いながら俺はジンきゅんの背中に乗らせてもらいつつ―――乗せてもらうのにあの世界でいうこんがり肉かこんがり肉Gみたいに肉を今度焼いてあげるという話で頼み込んだ―――東風谷早苗のあとをおった。
ふむ、あそこからは少し遠かったんだな。
ジンきゅんの背中を堪能しててあんまり気づかなかったし、道中言われるまでいまいちピンとも来なかったけどな。そもそも早苗の話もほとんど右から左へ流してたが。
たぶん守矢神社とかの説明をしてくれてたんじゃないか?
それはともかく、俺達はパチュリーと仲良くなるついでに守矢神社で少し話を聞くことにした。そもそもパチュリーは守矢神社にいないが。
まあ、友人が多いことにこしたことはないだろ。あわよくば霊夢みたいにジンきゅんのことを話し合えるようにしたいし。今のところ成果なしだが。
そのあとは特にたいしたことは話さなかった。変形するロボについて30分前後話して、お互い自己紹介して終わりだったし。
それで、曰く紅魔館に近いという博麗神社に帰ってからやることをやっていたら霊夢に見られた。
「霊華に夕ご飯の盛りつけを頼んであんた達を呼びに来たのはいいけども…ジンオウガを撫でたりしているなんて普通、想像するかしら?」
(普通は僕と雷光虫の電力で感電して気絶なりある意味“翼をさずける”ってなることを考えて触らないもんね。もちろん一部ハンターは除くけど。それにしても、狼みたいなサイズをいいことに“モフらせろ”って言ってくるとは……なんか撫で方も下手、ではないし。やれやれ)
「ん?あぁ、なんか前にジンきゅんのことを抱き上げてもなんともなかったし、モフれるかなー…と。あ、もうちょいモフったら行くけど、霊夢は待ってるか?」
『あ、僕のご飯はこんがり肉風にしてくれたー?』
「えぇ、肉ならちゃんとそうしたわ。ちょっと“こんがり肉G”の定義が難しかったから再現はできなかったけども。……いえ、あと少しなら待つわ」
そ、そんなに呆れんでも…。
これから毎日朝1回、夜1回モフると言うのにね。早く慣れてくれんかな。
あとジンきゅんの食べる肉、1度だけ焼かせてもらうか。約束したし。
―――ちなみにジンきゅんのことがモフれたのがあんまりにも嬉しすぎてモフりすぎてしまい、夕飯へ行くのに5分以上かかってしまったのは言うまでもない。