あれから数週間、博麗神社の裏山と紅魔館の大図書館とを行き来した。
したんだが、その成果がまずまずだったんだが。
まず、パチュリ-とやらはようやく知り合いになった。
それ以外は顔見知りって程度だな。
あんだけ霊夢と行ったのに、現実は厳しいもんだ。ゲームとかラノベとか、そういったもののどっちでもいいから知ってればもっと話しやすいのかもしれないが…言葉のボキャブラリーが少ないのが原因と思うしかないだろうな。
んで、俺とジンきゅんの能力が大体分かった。というか、なんとなく出来そうなのを霊夢達の前でやっただけなんだけどな。
それで分かったのはいいんだが…俺のはとんでもなくシンプルだった。その上、パッシブスキルみたいな能力だった。
それと、身体能力がかなりよい程度の能力。
もっとこう、面白そうな応用のできる能力がよかったんだが、贅沢は言えないだろうな。
こう、本音を言えば自身を守れるぐらいのは欲しかったが…。いや、守れるかもしれんけどね。試してみなきゃ分からんし。
にしても、ジンきゅんのは強い。パッシブだか、アクティブかはともかくして、さすがフロンティアから来ただけあると思ったよ。
霊華や霊夢にそその……げふんげふん、霊夢にお願いされて来た八雲紫とかいう妖怪――-手加減していたらしい―――と互角をはったぐらいだからな。もはやなんとも言えんよ。
ジンきゅんが持ってる能力がそうなんだけど、いくつかあるらしい。
まず、自身の大きさを変更できる程度の能力。これは最初から使ってる上、そうだろうと話をしたからなんとなく分かっていた。
なによりもそうとしか見えない。
どこの秘密道具だよ。それか約3分でしか戦えない星の戦士かっての。
しかも、能力とは関係ないがあの子は女の子だったらしく、紅魔館へ遊びに行ってる時に咲夜がレミリアとパチュリーへ男の子かもしれませんね、と話したときに急に獄狼竜へと変化した。んで、なんとかなだめてる間に能力の名前が暫定として決まってたんだよな。
『亜種になった』とか『ご苦労……げふんげふん、獄狼竜になった』と最初の方で俺が叫んだところから、怒り時は亜種化する程度の能力と呼ぶことにしたらしい。
本人曰くまだあるらしいが、もしかしたら“かなり怒った時は極み個体になる程度の能力”かもね、と言う辺り分かってるのかもしれないな。いや、もしかしたら“察してる”って言った方が正しいのかもしれない。なにせ俺もなんとなーく出来るかもしれない、だったもんだし。ありえるだろ。
そう考えると、俺の嫁モンスターが強すぎないか?それとも、あれか?補正とやらがあるのか?それともフロンティアの魔改造とやらか?
もし後者ならヤバいな……相手が。
「どちらにせよ、複雑なもんだ」
『そうかな。それなりにご主人も強い方だと、僕は思うのにな』
いや、ジンきゅんは強すぎなんだよ。素の状態でも雷光虫がいるもんだから、超帯電状態になれるし。
あ、でもそういや…ジンきゅんが男の子だと勘違いした咲夜達は霊夢曰く、無事だったって言ってたんだよな。
……超帯電状態ならぬ、龍光まとい状態になっていたのに無事とか凄いな。手加減ってやつでもできるのだろうか。
『ご主人、なんで呆れたようにため息をついてるの?あ、もしかして…紅魔館のことでも思い出してたの?』
「…まあな。んで、何度もいうが、お前のこともビックリしたんだぞ?まさか、性別が女子だとは。いや、確かにジンオウガは群れで暮らし、子供を育てるとかは知ってたんだが……」
今は狼サイズのジンきゅんを見ても、まさか僕っ娘とは思うまいよ。
外見で性別の分かりやすいリオレウス、リオレイアとかテオ・テスカトル、ナナ・テスカトルとかとは違うんだぞ?あとアルセタス、ゲネル・セルタスとかとも違うんだぞ?
最後のはサイズとかも違うが。
それ以外にポカラも知ってるんだけど、あれは子供が癒しだからな。……おっと、子供は関係ないか。
『うーん、前にご主人がジンオウガが好きみたいな話をした時、僕が勘違いする云々って言ったし、なんとなーく察してくれると思ったんだけどな。難しかった?』
「さすがに分からなかったな、ジンきゅんには悪いが」
『仕方ないね。ご主人はそもそもハンターじゃないし。…あぁ、ご主人は狩り人って呼んでるんだったっけ?』
そうだな、と言いつつ頷いた。ハンターって言ってもいいが、モ〇ハ〇を知ってる人からすればなんのことかすぐに分かりそ…いや、分かる奴は分かってたな。
っと、なんか駆け寄ってくる音がするぞ?
ジンきゅんにも聞こえてるのか、なんか黙った。んで、待ってると俺より身長の低い―――あぁ、霊夢か霊華しかいないんだから、霊夢か。
そもそも俺達が今いるのは客室として貸してもらってる博麗神社の一角だしな。それも当たり前か。
いや、それよりもなんでそんなに急いでるんだ?
「そのジンオウガが女って本当なのよね?!」
『なんだと思ってたの?』
「性別不明か、男…………って、ぎゃあぁ!?」
あっ、霊夢に超帯電したジンきゅんの超電雷光虫が行った。
『だから、僕は女の子なんだってば!』
「……おい、ジンきゅん。訂正するのはいいが、その子気絶してるぞ」
『あっ、本当だ。のびてる…。まあ、あとで僕のこと言えばいっか』
いや、それ以前に気絶させちゃダメだろ。
なんか霊夢とやらの髪もアフロっぽくなってるし。その見た目のせいで笑いをこらえてるのは内緒な。
仕方ない、起きるまで今後の予定でもたてておくか。
あらかた目的を決めたところでようやく霊夢が起きた。
……アフロっぽいそれが動いた気もするが、黙っておこうか。なんか面白そうだし。
『うん、なんか頭が面白いことになったままだね』
「―――えっ?」
(なんかさっきの雰囲気と違うような…。それよりも、頭が面白いってどういうこと?)
「別に言わなくても……ぷっ、いいんじゃないのか?」
(……ご主人が笑いをこらえてるのは反応からして察してたけど、もう限界そうだね。あのアフロもどきがそんなにおかしいのかな?僕にはさっぱり分からないね)
『うーん、僕が言わなくても違和感を感じれば分かると思うんだけどなぁ』
「ちょっと、どういう―――ってなによこれ!」
霊夢が急に叫んだと思ったら、頭のそれを床に叩きつけた。“バンッ!”って良い音が…ってカツラかー。
そりゃあ、面白いことにはなるよねー。
(ご主人、それは笑いすぎだって。確かに僕もおもしろ…いのかな?これは。ちょっとよく分からないや)
「まさかそうなるとはな。あぁ、そうだ。しばらく元の世界に帰れないんなら俺はこの幻想郷でやりたいことがある」
「はいはい…。あんたならジンオウガもいるし、大丈夫でしょうね。んで、なにをするつもり?」
呆れたように見られてるが、もう決めてるからな。
そもそも以前から幻想入りできたらしたいと思ってた事とか、そういうをしたいとかあったしな。
「幻想郷を楽しんだりすることだな。あとパチュリーと仲良くってとこか。それ以上はまだ難しそうだから、今後にするってことで」
「それって在住する気満々よね」
(友人の上は恋人とかになるからね。そういう気がないとそんなの考えないでしょ)
な、なんで半目で見てくるんだか。
元々の世界で好きだった子となりたいと思うのはおかしくないだろ?ただ現実は元いた世界と一緒で、無理だったが。
「まぁな。ジンきゅんとか色々いるわけだし、それにもう1人と1頭が増えても幻想郷にゃなんの問題もないだろ?」
「あー、あー……そうね。確かにそうね」
(いや、ジンオウガは問題あるから…!今のところ、問題ないから見送りにはするけど、彼女が里に手を出さないって言いきれないし…!)
なんか若干頭かかえたな。
まあ、大丈夫だろ。
『とりあえず僕はご主人と共に行動してもいいのかな?』
「ん?あぁ、そうだな。お前は頼りになるし、その方が助かる。…ただマッサージはもう少し加減してくれないか?」
『なるほど…。なら、もういっそのこと、電気マッサージに変える?』
「ふむ、それもそうだな…」
(どちらにせよ、まんざらでもなさそうに見えるのは気のせいじゃないはず。でも、狼ぐらいの大きさなら確かにちょうど…あれ、ちょうどよくないの?んー…よく分からないものだ)
今気づいたが、さっきから1人いなくないか?
どこかに出かけてるのか?
『それはともかくして、先代はどうしたの?ご主人もなんかようやく探し始めたけど』
「ん?あぁ、朝食を食べるなり修行しに行ったわよ。私と違って毎日行ってるからね」
(…確かにあんまりなんかしてるの見ないね。まるでどこで鍛えてるんだか分からないハンターのようだ。あ、でも霊華の方が近いんだよね、それ。動きもハンターよろしく人間を辞めてるって感じがどことなくしたし)
「んじゃあ、紅魔館に「今日はやめた方がいいわ」……はっ?どういうことだよ」
なんでばつが悪そうな顔になるんだ?
「いえ、なんでもないわ。行くならざっと……三日後の方がいいわよ」
(確か…今日辺りが、紫が“あるもの”を配る日だったろうし。今もそんなのなんて受け入れられないし、認めがたいんだけど……。でも、それがあってこその幻想郷だし、止めようもないからね。いや、したところで無駄だし、それこそ仕方ないとしか言えない。だからこそ、それを今すぐ丸ごと解するなんて無理な相談。逆に一般人なら知らなくてもいい。無知な方が幸せなことだってある)
「な、なんでだよ。今までは平気だったろ?」
『しかも三日ってわりと具体的だね。……まあ、ご主人。紅魔館が急に消えたりしないだろうし、別の場所行こっか』
そ、そういうもんか?
むしろ幻想郷そのものが危険だと思うんだがな。確か妖怪は人間を食べるとかなんとからしいからな。
それよりも、超電雷光虫の方が驚きだわ。なんで
いや、もしかしたら気づかってるのかも知れないし、別の場所にする捨てられた皇妃
気づかってるのかも知れないし、仕方ない。別の場所にするか。
行く場所は……適当に行くとしよう。
実在の人物をモデルにしたオリ主ですが、本人に許可は得ております。
あとギャグ補正は基本的に入ってます。もちろん対人には、ですが。