幻想郷を、雷狼竜と共に   作:篠崎零花

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第8話 面倒な人(?)だと思ったけど

…ふむ、なかなか思い出せない。

いや、思い出す気もない、の方が正しいんだろうな。小説とかそっちはあんまり見てないのもあるし、そもそもパチュリーが一番だからな。

もちろんジンきゅんなどは除く。

 

「なるほど、最近違うことをするようになったと思ったらこんなことをしてたの」

 

「そりゃ違うこともたまにはするわよ。これでも一応博麗の巫女なんだし」

 

 

一応…って普段はなにしてるんだか。

見た限りじゃ巫女らしいこともほとんどしてない気がするんだけどな?強いてあげればこの幻想郷案内や住民の紹介―――一部だけどな―――だけだな。

 

それ以外のことをあんまり見てないし、なんかほとんど知ってることと違うからよく分からない……というか霊夢のことは忘れてるところがあるし、あんまりイメージがわかないな。

 

 

「それに、そういう華仙は動物にしつけをしてるんじゃなかったのかしら?」

 

「ええ、してるわよ。しつけ?とやらはちゃんと」

 

 

ふむ、しつけ…?

っていうか、なんで霊夢と違って“しつけ”のところが疑問符なんだ?

 

 

「なあ、お前。その動物って飼ってるのか?」

 

「そうね、飼ってる子とそうでない子がいるから完全にそうとは言えないけども。でもあれ、私的には“導いてる”と思ってるのよ。ほら、可能性を見せて貴方にはこういう道もあるのよって指し示す……みたいな感じにね」

 

『下手したら動物園の職員だね』

 

 

なんかジンきゅんが呟いたんだが、小声のせいか聞き逃した。

霊夢も霊夢で首をかしげてるが、うん。こいつ、俺が幻想郷(こっち)でいう外の世界でたまに読んだ異世界転生とかそういう(たぐい)のやつだろうな。

 

なにせ霊夢達幻想郷メンバーのうち、アニメやマンガ、ゲームなどを知るやつなんていない。

その流れでいえばジンオウガや狩り人なんぞも知らないのが普通なんだが……。知ってることがある知り合いと顔見知りになったばかりの頃にそっくりなんだよな。

 

 

「んで、そこの1人と1頭が外来人…であってる?いえ、そうよね」

 

「一応な。……それで、華仙だっけか。お前ってなんかここに用でもあるのか?」

 

「最近霊夢が珍しく修行を後回しにしてるもんだから、でいいかしら?ま、その様子を見る限り仕方のないことのようね」

 

 

首を横に振ってから呆れたようにそんなことを言う華仙とやら。

いや待て。原作の霊夢って修行…してないよな。そのせいで二次創作だと色んな扱いをされてる―――らしいとある知り合いがそいつと他東方projectを知る友人らを交えて話した時にそこそこ気にしていた―――はずなんだが。

もしかして、もしかしなくともイレギュラーなのは霊夢、なのか?

 

 

「仕方ないじゃない。でも、案外このジンオウガ強いのよ。遊ぶとよーく分かるはずよ」

 

『いやでも、普段狼みたいな大きさだから外見じゃ分かりにくいと思うよ?それに、こっちでの縄張りも作ってないわけだし』

 

「そういう問題じゃ…………まあいいわ。それで、黄色い2本の角、どう見ても強靭(きょうじん)そうな尻尾や脚、そして幻想郷にはいないその甲殻や毛を持つ貴方があの(くだん)の妖怪ね?」

 

「どんな共通認識になってるんだよ…。どこからどう見てもジンきゅんはモンスター、だろ?」

 

 

そこに「あっ」と声をもらしたのは霊夢だった。

お前、知ってたんだよな?……な?もしかして、妖怪とモンスターの違いを教え忘れてたとかじゃないよな?

と、いうかいつこういう知り合いと会うんだろうな。俺達とほとんどいるのに。

 

ま、話のすり合わせの方は霊夢達がどうにかするだろうし、考えんの現状のことに変えるか。

ひとまずここまで霊夢の性格などが違うんならある知り合いに似ているってだけだろう。

もうそいつとは知り合い以上であるが、そいつと違うのであれば性格がなにかしらで変わった霊夢と思うしか……いや、ありだな。パチュリーの方が好きとはいえ、霊夢のことも好きだからな。もちろん原作通りの方、な?

この性格の霊夢もそりゃ悪くないが、今は保留だな。

 

 

「いけない。モンスターのこと、すっかり教え忘れてたわ。…んで、それはいいけどなに悩んでるのよ、結輝」

 

 

(「なにも悩んでないぞ」と言うけど、腕を組んで首をかしげたりしてたよね。考えて悩んでるようにしか見えないんだよ?)

 

 

 

「あぁ、そうそう。いい加減名乗らないと、ね。すっかり忘れてたわ。いつも先代がいたものだから、ついね。…私は茨華仙よ。貴方達は?」

 

「俺は一応神風結輝だ」

 

『うーん、僕はジンオウガ……っていえばいいの?そもそも名前なんてないし、名前をつけたところでどうしようもないかもだけど』

 

「っと、お前達が俺達ようなのことを外来人と呼ぶが、俺達の追加情報として、俺は外の世界でパチュリーなどのことを知ってる。アリスや霊夢のこともな」

 

「はいはい、そこで外の世界で検索できることを持ちこまない。華仙には言ってもどうせ分からないでしょうから」

 

「霊夢、今の…聞き捨てにならないわね?」

 

 

それを「華仙が怒ったわ。明日は雨かしら」などと茶化す霊夢に「そんな言い方、あんまり聞かないわね」と半目で呆れたように返す茨華仙。

お前ら、仲良いんだな。羨ましいぞ。

……パチュリー相手だったら余計に、なのだが今のシチュエーションは霊夢と茨華仙なんだよな。

いや、性格が結構変わってるこの霊夢は仲良くなりたいあの2人と仲が良いのも……おっと、この状況とは違うか。

 

 

「そういや東風谷早苗って子もいるのか?」

 

「ええ、いるわね。私にとっても向こうにとっても良い好敵手よ。宗教的にも、弾幕的にも、ね」

 

「…そこによく話す相手、っていうのを付け足したいわね。霊夢、貴方は仕事や修行をしてるからといって他の場所に行き過ぎなんです」

 

 

(…いや、あなたも相当こっちに来てると思うよ。里でもよく見かけるし…)

 

 

「ほんと、あんたって母親みたいに気にするわね」

 

「貴方もそうやって流すのね。もういつものことだし、簡単なものとはいえ、修行してるからいいわ」

 

『……親が子に教えるような感じがするね。霊華とやらと似てるって気もするほどだし』

 

 

(いやぁ、まさかそんな少し考える仕草をするとは思わなかった。もしかして、霊華とやらもなんかしてたのかな。…え、あれ?人間って体をはって教えるとかそういう教え方はしないはずだよね?)

 

 

『それより急に現れるって電光石火以上のはやさだね。そういう能力かなんかでもあるの?僕以外にはキリン特異個体がやるとしか知らないんだけど』

 

麒麟(キリン)のことかしら?恐らく似て非なるものかもしれないでしょうけど。あとそもそも貴方も不思議な生き物なのよ……。そうね、貴方達がそんな警戒するようなものではない、とだけ伝えておくわ」

 

「そうね、その麒麟とあのキリンはとても似てるわ。見てくれは銀色のユニコーンっぽいし、能力も雷使ってくるしと。名前も一緒だしね。……でもあの子、古龍種なのよねぇ。―――だからそうやって半目で呆れたように見てくるのはなによ。ボケでもなんでもないのよ?」

 

 

ふざけてないことぐらい、豊かな表情と態度で分かるわ。

それよりもパチュリーとかより外の世界に詳しいとは……もしや、俺と同類?!

いや、しかし…パチュリーに聞いても博麗神社に遊びに来た霧雨魔理沙に聞いてもゲームはないらしいんだよな。

ま、友人にはなっておいて損はなさそうだな。そこの華仙とやらは別にどうでもいいとして。

 

 

『ハンター曰く“見た目は古龍種じゃない”ってほどらしいからねぇ。……かくいう僕もたぶん2本の角さえなければ狼と勘違いされてもよさそうだね』

 

「…それはそれで手の焼ける動物になりそうね。と、それだけじゃないのよ。霊夢、貴方その1人と1匹のこと見てる?最近よく湖の妖精達がちょうどそこにいるジンオウガみたいな奴に一回休みにされてると結構動物達の間で噂になってて大変なのよ」

 

『それは僕にイタズラをしかける彼女達が悪いかな。ほら、僕ってば元々はハンター達と戦ったり、他のモンスターと縄張り争いしたり……そういうことが多いとこにいたから、ついくせで身構えたり、攻撃したりしちゃうんだよ。理解してくれると助かるのになあ』

 

「「……無理ね」」

 

 

(そんな同時に言わなくても。妖精達がイタズラ好きで、そこまで頭はよくないって分かってるからこそ余計にかわいそうだよ?…いや、だからって諦めたような顔しなくても…)

 

 

「そういや華仙とやらは博麗神社の用事はいいのか?」

 

 

少し忘れかけてたのか“あっ”って顔になった。

おいおい、いくらジンきゅんがペットという家族にしてもかなりいいほどに可愛いからって忘れちゃダメだろう?

…いや、結構もった。モンスターの嫁、略してモン嫁にしたいほど可愛いとはいえってとこかな?

 

 

「霊夢、たまに昔の貴方らしいとこが最近出てきてるからその説教をしにきたのよ」

 

「……この間の雷獣のこと、忘れたとは言わせないわよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんか関係ない話になってきたもんだから話からおいてけぼりだな。

あ、だがちょうどいいや。ジンきゅんに霊夢も巻き込んでパチュリーと仲良くする方法を相談するか。

ジンきゅんに“俺達の秘密な”って言えや分かってくれるだろ。

 

 

「なあ、ジンきゅん。ちょっといいか?」

 

『わざわざ小声で言ってくるってのはもしかして内緒事?』

 

「まぁ、そんなとこかな」

 

 

ジンきゅんが意外と頷いてくれたから続けるか。

んで、茨華仙とやらが行ったあとにでも霊夢に伝えるか。

たぶん俺とジンきゅんだけじゃあの大図書館に引きこもるパチュリーと仲良くなるのに時間がかかりそうだしな。

 

 

(……ご主人、この性格がやけに違うらしい霊夢と仲良くやるつもりが一応はあるんだね。今んとこパチュリーと仲良くなりやすくなるための手段と考えてそうだけど。僕からすればもうパチュリーより先に霊夢と親友になってしまいそうに見えるんだよね。気のせいでもなんでもなくて)

 

 

 

 

 

「霊夢ー!ちょっとあなたの(これ)の作り方教えてもらえるかしらー!?」

 

「あー、分かったわー!」

 

 

そう叫んで倉庫っぽい場所に霊夢が行くと……必然的に俺、ジンきゅん、茨華仙しか残らないんだよな。

話の本題に移れなかったが…仕方ないか。

 

 

と思いつつ話してみたらかなり話があった。

ってなわけで霊夢と霊華が酒の仕込みが終わって一旦こっちに戻ってくるまでめちゃくちゃ動物に関して話した。

動物的な話だけだが気があう相手だと思った。

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