オルガブレイド   作:シン・ファリド

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基本オルガ視点です。たまに変わりますが。


第1話 出逢い
第1話 出逢い 第1節 「新たな異世界」


「ぐっ!ううっ…」

「オルガ」

「ああ、ミカか…」

何度繰り返したかも解らないこのやり取り。

もう大体予想は出来る。また別の世界に飛ばされたに違いない。

「オルガが寝てる間に周りの人に色々聞いた。アルストって名前らしいよ、この世界。そんで、この場所はアヴァリティア」

「おいおい…もうこの世界に順応してねえか?やっぱすげえよ、ミカは…」

改めてミカに感心した。よくよく見たらなんか体に見覚えのない石が付いてるように見えなくもないが…拾ったアクセサリーかなんかだろ、多分。後で持ち主に返すように言わねえとな…

「別に。そんな事より…次はどうすればいい、オルガ」

「そうだな…」

今までの例からして、暫くこの世界に居ることになるのは間違いない。住む場所や物資の確保と行きたいところだが…

「…どうやらこの場所、商業が活発で色んな奴が来るみてえだな。上手くやれば…今後が大きく変わる筈だ。」

 

そうだ…俺達はこんな所で止まってられねえ。別の世界に来たってんなら、その世界にある俺達の辿り着くべき場所に、辿り着くだけだ。

 

アヴァリティアをミカと歩き回っていると、港に1隻の船がやって来た。

相当なサイズの、黒色の船だ。

あれを所有してるとなると結構な組織じゃねえのか…?

 

とか思ってたら誰か出てきやがった。1人はどう見ても屈強そうな大男…それと耳の生えた女に…どう見たって人間じゃねえ生物が2体。ありゃあなんだ。この世界の動物なのか?

そんで最後に刀を背負った男が…ん?

 

「おいミカ、あれ…マクギリスじゃねえか?」

「あ、ほんとだ。なんでチョコレートの人がここに?」

その刀を背負った男は仮面を付けていやがった。そして一緒にいる連中との会話、盗み聞きのつもりは無かったが少し聞こえてきた。その声は…どう考えてもマクギリスの声だった。

「俺達みてえに飛ばされてきたのかもな…」しかし知り合いがいるのは助かった。早速情報共有と行こうじゃねえか

早速俺はそいつ…マクギリスのとこに走り出す。そして…

「おお、マクギリス。お前もこっちに来てたんだな。そこの連れは新しい仲間か?それとも…」

色々と聞いてみることにした、んだが…

「チッ…邪魔だ、どけ!」

横の大男がそう叫んだかと思ったら…俺はいつの間にか吹っ飛ばされてた。

「いきなり攻撃…すんじゃねぇぞ…」

早速1回目の死だ。幾ら何でも早すぎだろ。

だが俺は止まらねえ。異世界に飛ばされてから、俺は死にやすくなった代わりに何度でも生き返る力を得た。

「オルガ、大丈夫?」

「へっ…こんぐれえなんて事はねぇ…」

ミカも大丈夫なのは分かってるはずなのに態々聞いてくる。やっぱ根は優しいな、お前は。

 

「おっと…大して力は入れてなかったんだが…随分脆いな、お前。しかし一度気絶した様に見えたが…すぐに起き上がりやがった。そういうアーツか…?」

気絶どころじゃねえ。死んでんだぞこっちは…って言い返そうとも思ったが、また知らねえ単語が出てきた。アーツってなんなんだ…?

「ってかそんなことより、だ。マクギリスってのは何もんだ。こいつの名前はシンだぞ?」

「シン…?なんだよ、マクギリスじゃねえじゃねえか…」

「そういう事だ。俺はお前の知り合いではない。悪いが、道を開けて貰おうか。」

「ああ…分かってる」

どうやら似てるだけで別人だったみてえだ。色々聞きてえ事はあるが…これ以上足止めすんのも悪いってもんだ。大人しくどいとくか。

 

そして大男と、シンと呼ばれた男は去っていく。その後を他の奴らが付いていく…かと思ったが、耳のついた女がこっちに来た。

「あーあ…メツの奴、ここまでやる事無いだろ…人違いで攻撃されるなんて、あんたも運が無いね。見慣れない服装だけど…名前は?」

「俺は…鉄華団団長、オルガ・イツカだぞ…」

「三日月・オーガス」

聞かれたからにはしっかり名乗る。だが名乗る度に毎度死にかけるのはどうにかなんねえかって思うがな。

「って、あんたどう見てももうすぐ死ぬって顔だけど、大丈夫なのか!?」

「あぁ…こんぐれえなんて事はねえ…」

「あっそ…あ、あたしはニア。こっちにいるのはブレイドのビャッコ」

「ビャッコ、と申します」

耳のついた女と、横にいた動物が名乗る。ってかこいつ喋れるのか!?

まあ、動物が喋る世界なんて幾らでもあったからな。それよりも、それ以上に謎な事があったから早速聞いてみることにする。

「なあ…ブレイドって、なんだ?」

「…はぁ!?あんた、ブレイドも知らないのか!?」

すっげぇ馬鹿にされた。どうやらこの世界じゃ常識だったらしい。

「ま、特別に教えてやるよ。ブレイドってのはね、コアクリスタルに人が同調する事で生まれる生き物。体に青いコアが付いてるから、判別は簡単だけど…ってか、あんたもブレイド連れてるじゃん」

「は?」

「いやだから…その後ろにいる…三日月、だっけ?付いてるじゃん、コア」

マジかよ…どうやらミカはこの世界に来る時に、ブレイドになったらしい。一体どうなって…

「で…ブレイドってのは基本的にドライバーと一心同体で…あ、ドライバーってのはブレイドと同調した人の事。で、ブレイドは攻撃を受けてもコアが壊れない限り死なないんだけど…その代わり、ドライバーが死んだら一緒に死ぬ。そして、コアに戻って…次に目覚める時には、記憶が全部無くなるんだ」

 

…は?ちょっと待て!

その理屈で行くと、さっき俺が死んだ時にミカは全部忘れちまったことになる!そんな…俺が不甲斐ないばっかりに、ミカは今までの思い出を全部…!?

「でも俺、全部覚えてるよ?オルガ、さっき死んだけど」

ミカが俺の意思を読み取ったかの様に言う。

「はぁ!?さっきのあれで一回死んだのか!?ってか死んだ人間が生き返るってなんだよ!?それに…三日月は全部覚えてる!?何一つとして信じらんないよ…」

どうやら俺達にとっては常識になりつつあるこの流れも、やっぱ一般人にゃあ受け入れ難い話らしい。当然っちゃ当然だが…

「しっかしそうなると、やっぱミカはブレイドじゃねえんじゃねえか?」

「かもね…コアがあるってだけでそうかなって思ったけど違うのかも。」

謎だらけじゃねえか…こりゃあ大変な道のりになりそうだな。

「お嬢様。そろそろ戻らないと不味いのでは?」

ビャッコがニアに言う。

お嬢様って事は…いいとこの生まれなのか?それともビャッコが主人をそういう風に呼ぶブレイドなのか?

どっちにせよ、もう会うことはないだろうし、どうでもいい話っちゃどうでもいい話だな。

「じゃ、そういう訳だから。あたし達はそろそろ行くよ。ま、せいぜい頑張りなよ、謎だらけのお二人さん」

上から目線でなんか言われた。さっきから思ってたが初対面ってこと、忘れてやしねえか?しかも見た目からしてこっちの方が年上だと…

「お嬢様はこう言っておりますが、心配しているだけなのです。根は優しい方なので…」

「あっこらビャッコ!また余計なこと言って…」

なんだよ…不器用なだけじゃねえか…そう考えると中々可愛いもんじゃねえか。

 

 

そんなこんなで、2人…いや、1人と1匹も去っていく。

さて…そんじゃ俺達も、行くか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時を同じくして、名をセイリュウと言う巨神獣(アルス)の上…1人の少年がいた。

彼の名は…レックス。

彼の向かう先もまた、アヴァリティア。

出逢う筈のない2人が出逢う時、誰も知らない物語が始まる…。




どうも、作者です。
マクギリスとシンって似てない?とかいう理由から描こうと思い始めたオルガブレイドですが、どうだったでしょうか?
何故動画では無く小説にしたかと言うと…
…単純に、編集技術が無いだけです。
勿論今後も不定期ながら続けて行く予定です。もし2人の冒険を見届けてくれる人がいるのなら、どうぞよろしくお願いします。

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