オルガブレイド   作:シン・ファリド

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久々な上になんかいつもより少ないですねー?ごめんなさい


第3話 戦 第4節  「知ってる奴」

「行くぞ」

 

ヴィダールと名乗ったその男は、腰に差したレイピアを引き抜くと、一直線にこっちに向かってくる。

 

「させるかよっ!」

 

それをレックスが止める。だが、ホムラが力を送ってるにも関わらずそのパワーは互角みたいだった。

 

「天の聖杯の力を渡せ。それは俺たちにこそ必要な物だ」

「お前もホムラを物みたいに言って...そんなヤツらにホムラは絶対渡さない!」

「そうか、ならば...奪うだけだ」

 

そう言ってヴィダールは鍔迫り合いを止め飛び退くと、片方の足...否、膝に風のエーテルを集め出す。まさか...!

 

「やべぇ、さっきのモンスターを仕留めたのと同じ攻撃が来るぞ!」

「あのエーテルの量...いかん!逃げるんじゃレックス!」

「...っ!」

 

ヘルメットの中のじーさんも叫ぶ。どうやら俺の勘は間違ってなかったらしい。出来れば間違ってて欲しかったけどなぁっ!

 

「...『スターライト・ニー』!」

「させねぇよ!」

「オルガ!」

「...今の技は...」

 

俺は咄嗟に飛び出して、レックスを庇う。俺は紙屑みたいに吹き飛ばされ、死んだ。だがすぐに起き上がり、戦闘に復帰する。レックスは...無事みたいだな。ホムラの方は...なんか信じられないって感じの顔してるが、どうしたんだ...?

 

「...オルガ。俺がやる」

「ミカ...一人でやろうってのか?」

 

起き上がったばかりの俺のところに、ミカがやってくる。

 

「それが一番皆が安全だ。それにさっきのあの動き...あいつ多分、知ってる奴だ」

「ミカお前...分かった、でも無理すんじゃねぇぞ」

「うん」

 

会話を終えると、ミカは俺からメイスを受け取り、ヴィダールに向かっていく。

さて、俺達もいつミカがピンチになってもいいように構えとかねぇと...ま、大丈夫だとは思うけどよ。

 

「さっきの技...まさかあの人って...」

「ん?どうしたホムラ」

 

そういやホムラはさっきあいつの技を見て驚いてたな。何か知ってるのか?

 

「あっいえ、気にしないでください。多分、気のせいだから...」

 

...誤魔化されちまったな。まあ、いずれわかるだろ。

 

 

 

 

 

 

 

─────────────────────────

あれの正体は、多分あいつだ。

だったら...その動きもある程度読める。

 

まずはワイヤークローで牽制しにかかってみる。

けどあいつは後ろにほんの少し下がって避け、そのまま凄まじいスピードで距離を詰めて背後をとってくる。...うん、やっぱり同じだ。

だから俺も、それを読んで、ワイヤークローを飛ばした直後に振り向き、メイスを構えておいた。

さあ...どうくるか。

 

「ほう...同じ手は通じないか。ならば」

 

そしたらヴィダールは、レイピアを持たない方の手で腰の拳銃を引き抜き、散弾をまき散らすように放ってきた。

流石に全く同じ動きはしなかった...けど、この武器も知ってる。

俺はメイスを盾に銃弾を弾く。その間に距離を取られるけど、銃弾が俺に通じないのは分かってるはず。ならきっと...

 

「これはどうだ?」

「やっぱりそう来たね」

 

今度は足の先の部分にエーテルを集め、こっちに飛びかかってくる。さっきとはちょっと違うけど、大体予想通りだ。

 

「それを待ってた...『鉄華戦闘機動・ブロウ』!」

 

俺はその攻撃に合わせてメイスを構え、敵を突いた。

砲撃無しの簡易版だけど、充分傷を負わせられる筈。

そして、そのままメイスに込めたエーテルを放出し、爆発させる。これで倒せてれば楽なんだけど...どうなった?

 

「...あれ?」

 

 

─────────────────────────

ミカの一撃が、確かに決まった。

だが、爆煙が晴れる頃にはそいつはいなかった。死体とかそういう類の物も転がってねぇし...逃げられたか?

 

「ごめんオルガ、逃がしたかも」

「問題ねぇ。次来た時にまたぶっ倒すだけだ」

 

真っ先に謝ってくるミカ。いいっての。気にすんじゃねぇよ。

 

「けど、あいつ強かったね」

「トラ、見てるだけで何にも出来なかったも...」

「ご主人は役立たずだったってことですも」

「ハナァッ!?」

「案外そうでも無さそうだ」

「そりゃどういう意味なんだ、ヴァンダムさん」

 

ヴァンダムさんが妙な事を言う。

 

「レックス、オルガ。あいつ、どうもお前さん達だけを狙ってたみてえなんだ。実際、俺も今回は戦ってなかった様なもんだったしな」

「そういえば...」

 

言われてみれば、確かに戦ってたのはほぼレックスとミカだった。レックスが狙われる理由は分かるが...

 

「ミカも普通のブレイドとは思えないくらいの力持ってるし、その力が欲しかった、とかじゃないの?」

「ニア...そうだ、二アは何か知らねぇのか?」

「アタシは知らない。イーラにも入ったばっかだったし、目的とかも聞かせてもらえてなかった」

「そうか...」

 

んー、やっぱ謎だらけだな。今までの異世界の中でも謎の多さならかなり上に来るくらいだ。

けど、俺達のやることは変わんねぇ。敵をぶっ倒して、いつかどこかに辿り着く。それだけだ。

 

「...チッ、やっぱり手遅れか」

「ヴァンダムさん?」

「あれを見てみろ」

 

ヴァンダムさんが指差した先には、巨神獣(アルス)が倒れていた。だが...程なくして消滅した。

 

「確認された異常な力の反応って、あれのことだったの?」

「あぁ。ブレイドのコアってのは巨神獣(アルス)から生み出されるんだが...もうあいつに奪われた後だったみたいだな」

巨神獣(アルス)から...ブレイドが...」

 

コアって、そうやって生まれてたんだな...

 

「そして、生まれたコアは数多のドライバーと出会い、その死を経験し、そしてまた記憶を新たにして別のドライバーと同調していくんだ。巨神獣(アルス)の死、ドライバーの死...数え切れない程の死の上にブレイドはある。意志ある再生が、歴史を作ってるんだ」

「歴史を...か」

 

だとすると、コアクリスタルを奪っていくあいつらイーラの目的は...まさかその歴史を終わらせることなのか?いや...流石にそれはねぇか。あいつら、強いとはいえただのテロリストの筈だしな。

 

「さ、帰るぞ。ここまでの戦いで受けた傷を治さねぇとな」

「そうですね。...よーしお前ら、村に戻るぞ!」

「そんなに気合い入れなくても...ま、オルガらしいけどね」

「だろ?」

 

嫌な想像を頭の中から追い出して、俺は皆と村に帰ったのだった。

 

 

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