俺達は今、アヴァリティアを探索していた。
どうやらここには宿も店もあるし多くの人が来る。拠点にするにはピッタリすぎる場所だ。
この世界で使える金なんざ今は持ってねえが、働けば何の問題もねえ。幸い、力仕事のできる場所はたくさんある。
なーんて思いながら歩いてると、何処からか声が聞こえてくる。
「えーっ!そんだけぇー!?」
「ムリ言わないでも、これでも上乗せしてあげてるも」
何の会話だ?仕事の報酬とか、そういう話か?
不等な取引なんかだったら止めに入りてえところだが…
しっかし、ここではちょくちょく見かけてたが随分とちんまい種族だな。ノポン族とか言ってたっけな、確か。
「軍需物資なら割り増ししてあげるも」
…この世界の奴らも戦争はしてるんだな。こりゃあ中々穏やかじゃねえな。
「休戦してたスペルビアとインヴィディアは、今じゃ開戦準備の真っ最中だから、いくらあっても足りないも」
「スペルビアにインヴィディア…いつか、俺達がどっちかの側に乗ることになったりするかな?」
黙ってたミカが口を開く。
「確かにその可能性はあるが…まだ何とも言えねえな。もしかしたら両方とも俺達の敵って可能性だってある」
そう…かつては無能な指揮官のせいで仲間を失った事もあった。まあ、今じゃ俺も人の事は言えねえのかもしれねえがな。
辿り着くべき場所に行くために…最善の道を行く。それが今の俺に出来ることだ。
「前も言ったろ?俺はそういうのはパス」
「はー 、あんたくらいの腕があったらずんどこ儲かるのにもー。もったいなも、もったいなもー」
…どうやらあの物資を渡してる方の男は戦争だとかに関わってる訳じゃ無さそうだ。一方あのノポンの方は...ありゃ金儲けのこと考えてる目だ。間違いねえ。
そういや、鉄華団も立ち上げてすぐの頃は金に困ってたっけなぁ...懐かしい話だ。
っと、思い出に浸ってるうちに向こうの話が終わったみてえだ。男が受付のノポンに背を向けた。
そんで、どこに向かうのかと思いきや...こっちに来たじゃねえか。まさか聞いてたのがバレたか...?
「あんたたち、見かけない顔だね。名前、なんて言うんだ?」
違った。ただ初めて見る奴に話しかけてきただけだった。
「俺はぁ...鉄華団団長、オルガ・イツカだぞぉ...」
「三日月・オーガス。あんたは?」
聞かれたからにはキチンと名乗る。そんで相手の名前を聞こうと思ったらその前にミカが聞いてやがった。やっぱ考えることは同じだな。
「俺はレックス。この辺りでサルベージャーやってるんだ。それにしても、鉄華団...か...知らない名前だけど、もしかして遠いとこから仕事で来たとか?」
「まあ大体合ってるが...どっちかと言うと仕事探しだな」
遠いところから来た、だから名前も知られてないって事にはしたが、まさかその「遠いところ」が異世界とは思わねえだろうし、言ったところで信じられる筈もねえな。そこは黙っとくか。
「そっか!じゃあ折角だし、俺が案内するよ!ここ色々あるからさ!」
「そいつは助かる、少し探索はしたが、まだ全部は見て回れてねえからな」
ってなわけで、俺達はレックスにアヴァリティアを案内してもらうことになった。
「レックス」
「プニンさん。久しぶりー」
ボディーガードみたいなのを連れたノポンがやってきた。レックスの知り合いらしい。
「相変わらずイキがいい...じゃなかった、威勢がいいも」
おいこいつ何が妙なこと言いかけたぞ。実はなんか裏あるんじゃねえのか。
「まあね。で、何の用?新しい仕事?」
...レックスが意にも介してねえってことは、ノポン族ってのはそういう種族ってことなのかもしれねえな。
「そんなとこだも。ところでレックス、お前確かリベラリタス島諸群のイヤサキ村出身だったも?」
「ああそうだけど、それが何か?」
「すぐに会長室へ行ってほしいも、バーン会長がお前のことをお呼びだも」
「会長が...俺を?」
というわけで今回はここまでです。今回オルガの死に所無かったですね。まあまだ平和だし仕方ないです。
あとオルガ達にとって商会って名前はあまりいい思い出無さそうですよね。