オルガブレイド   作:シン・ファリド

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第3話最終節になると思ったら!!!なりませんでした!!!!!更新遅い!!!!!!!


第3話 戦 第9節 黄金の願い

「...醜態だな。いつまでその姿でいるつもりだ」

「どんな姿でいようと関係ない。これが今の私。あの子はどこ?」

 

カラムの遺跡。皆を置いて1人ここまで来た私は、メツに問う。

 

「ヨシツネほどゲスじゃないんでな」

 

振り向いたメツが顎で差した先を見ると、確かにイオンが眠っていた。

死んではいない。ひとまずは無事でよかった。

 

「クククッ、ゲスだってさ」

「チッ、喉元に刃物でも突き立てた方が効果的だってのに...知りませんよ?」

 

声のする方を見ると、男と浮遊するブレイドが1人ずつ。恐らく男の方がヨシツネ。

 

「俺の目的はわかってるよな?」

「あの人も...あの人達も同じなの?」

「俺はアイツらのために存在している。それが答えだ」

「そう...」

 

聞きたくなかった答えに私は俯きかけたけど、すぐにメツを見据え、睨みつけてみせる。

 

「その目...気にいらねぇ」

 

反抗心を示す私を不快に思ったのか、メツは旋棍を取り出して構え、ザンテツから送られたエーテルを使って風の斬撃を放つ。

 

「ふっ!」

「...くっ!」

「ふん!はぁっ!」

「うっ、あぁっ!」

 

私は咄嗟にエーテルバリアで防いだけれど、止まらないメツの攻撃により、最後には態勢を崩されてしまう。

 

「はぁ...はぁ...うぅ...はぁ...」

「おぉやおやぁ...どっちがゲスなんだか」

「...まだその目をするか。どこからくるんだその自信は?独りでも使えるってか!あの力を!」

 

あの力...どんな存在をも凌駕する聖杯の力...でも、私は...!

 

「私は使わない!あなたにも使わせない!」

 

そう叫び私は、身体に残るエーテルを放出して私自身よりも大きな火球を作り出し、放つ。

 

「へぇ?ドライバーなしでよくやりますね」

「ふん!俺の力を忘れたか!」

 

しかしメツは、いとも容易くそれを切り裂き、平然と同じ場所に立っている。

 

「今のお前じゃ俺は倒せんぞ」

 

今の一撃で倒せないのは分かっていたけれど、こんなにも力に差があるなんて...

流石に驚き、一歩引く私。それを追い詰めんとするメツ。

そこに...

 

「ならオレがぶっ倒してやるよ!

「小僧...!」

「レックス!皆!」

 

レックスが...皆が、現れた。

大きく飛び上がって剣を振るうレックス。それを受け止めるべくバリアを張るザンテツ。

剣は弾かれ後ろへ飛び退いたレックスは、私を守るように立つ。

 

「ヴァンダムさん、イオンを頼むぜ!」

「おうっ!」

 

オルガが叫んだその先では、ヴァンダムさんが素早くイオンの下へ駆けつけ、抱えている。

 

「ほらご覧、こうなる。...ったく世話がやけますね。カムイ!殺るよ!」

「待ってたにゃー!」

 

ヨシツネもブレイドの名を呼び声をかけ、メツの横に立つ。

 

「いつまでも増え続ける鼠共め...その命、あるべき場所へ返してやろう」

 

冷たく刺すような声と共に、何処かに控えていたヴィダールも現れる。

 

「お前らぁ!こいつらの好き勝手にやらせる訳にはいかねぇ!全力でぶつかって、勝つぞぉっ!」

 

団長の声を合図に、戦闘が開始した。

 

──────────────────────

 

「俺とミカでヴィダールの奴をやる!レックスはメツ、トラはヨシツネだ!二アは皆の傷を回復させてくれ!」

「「分かった!」」「任せるも!」

 

俺の指示に従って、皆が散開する。

俺はメイスを握り締めて、俺達の敵へと向かっていく。

 

「ホムラは渡さない!『ローリングスマッシュ』!」

「お前のそれは、蛮勇ってんだよ!『スパイラルソバット』!」

 

横でレックスとメツがアーツを撃ち合う。

だが、レックスが武器なのに対しメツは蹴りであるにも関わらず、メツの方が力で押している。

 

「余所見とは舐めた真似を。『ノーブルランサー』!」

「ぐぅぅぅっ...!」

 

一瞬の隙を突いてヴィダールが地を蹴り距離を詰め、レイピアを突き刺してくる。

それはまあ見事に突き刺さったが...お陰で銃の狙いがつけやすいぜ!

 

「喰らいやがれ...ヴぅぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

「!!」

 

咆哮と共に俺が放った銃弾は、ヴィダールの仮面に弾かれる。だが、この一撃は相手から受けた傷により強くなる、いわば反射技。

弾かれても、その威力、衝撃で一瞬態勢を崩すぐらいは出来る。

 

────その隙があれば、あいつが食らいつく。

悪魔とさえ呼ばれた、あいつが!

 

「やっちまえ、ミカァッ!」

 

直後、後ろで待機していたミカが、地面を蹴り、俺の横まで滑り込む。

それを確認した俺は即座にメイスを手放し、ミカがそれを握る。

そこに思いっ切りエーテルを流し込んで、ミカが一撃、二撃。往復する様に殴打。これは...!

 

「『鉄華戦闘機動・ブロウ』!」

 

やっぱりな!ミカが編み出した、必殺の一撃!

この前あいつと戦ったときは決まる前に逃げられたが...今度こそ、ぶちかましてやれぇっ!

 

「...同じ技が通用すると思うか?」

「ダメか...!」

 

だがあいつも、その攻撃の全てを寸前で避けてみせる。

 

「やっぱりこいつ...やばいな」

「...やはり、お前達は...」

「...は?何か言った?」

 

奴の仮面の奥から、冷め切った様な声が、聞こえてくる。

 

「やはりお前達は、何かを奪う為では無く...生きる為、居場所を守る為に戦っている。実に真っ直ぐで、人間らしい」

「どうしたいきなり...何が言いてえんだ?」

「この世界とは違うと言いたいんだ。この世界には、権力、威力、暴力、そして人間の欲...醜い物が渦巻いている」

 

その声は段々と、怒りを帯びていく。

 

「俺達の邪魔をすることは、そんな醜さを守るのと同じだ。そうだとしてもお前は、聖杯を守るのか?」

「何言ってやが...」

「さっきからうるさいなぁ、ゴチャゴチャと」

 

俺が問い返すより早く、ミカがメイスを振るう。

この世界に来て、色んな人と出会って、色んな物を見て...確かに、見るに耐えねぇ欲塗れの連中もいたが、それ以上に、助け合い、共に生きる人やブレイドを行く先々で見てきた。その中であいつは、きっとこの世界を...皆を、好きになってたんだろうな。俺と同じように。

だから、なのだろう。

 

「もういいよ、喋らなくて」

 

敵に投げかける声、獲物を見据える冷たい目には、怒りが満ちていた。

 

「...そうか、なら...」

 

一方ヴィダールも、その膝に風のエーテルを纏わせる。

 

「望み通り...歪んだ世界の礎となるがいい!『スターライト・ニー』!」

「とっとと消えろよ...『鉄華戦闘機動・ソーバイティング』!」

 

それに対するミカは、メイスの先端をレンチメイスへと変化させ、それを展開し、ソーの部分を回転させる。

凄まじい量のエーテルがぶつかり合い、辺りが爆風に包まれる。

そしてほぼ同時、近くでもう一つの爆発が起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大人しく倒れたらどうだ、小僧!」

「イヤだね!お前らこそ、さっさと諦めろ!」

「そいつは出来ない相談だなぁっ!」

 

オレとメツの武器の打ち合い。

中々いい一撃は決まらないけど、それは向こうも同じだった。

力ではオレが負けている。でも、それなら受け流すように受ければいいんだ!

 

「チッ...なら...」

「動きが止まった!チャンス!『ダブルスピンエッジ』!」

 

メツが動きを止め、構えを取った。

何をする気かは分からないけど、今一気に攻めるしかない!

 

「効かねぇよ...『チャクラバースト』!」

「うわぁっ!?」

「まだ終わらねぇぞ?『ハンマーバッシュ』!」

「がっ...!」

 

けど、いつの間にか展開されていたエーテルバリアに剣が弾かれ、更にメツのアーツの直撃で上に打ち上げられる。

そして、オレが落下するのに合わせて旋棍での追撃を決めてくる。

抵抗もできず直撃を浴びたオレは、後ろに大きく吹っ飛ばされる。

本当に、強い、けど...!

 

「オレだって、負けられないんだ!『アンカーショット!』」

「何っ!」

 

オレはメツの攻撃で吹っ飛ばされながら、咄嗟にアンカーを放つ。

それをあいつの腕に巻き付け、すぐさま回収する。

流石にそれでメツを引き寄せることは出来ない。逆にこっちが引っ張られる。でもそれはわかってる!

 

「おぉぉりゃぁぁぁぁぁっ!」

「ぐっ!?」

 

引っ張られる勢いのまま、剣を大きく降ってメツに叩きつける。

 

「このまま決めるよ!ホムラ!」

「はいっ!」

 

メツを吹っ飛ばし返したオレは、すぐにホムラに剣を渡す。

ホムラもオレの意図を察して、エーテルを解放していく。

 

「『フレイムノヴァ』!」

 

放たれた炎がメツに直撃し、爆発を引き起こす。

それと同時に、オルガ達の方ではより大きな爆発が起きていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっしゃあ!見たかお前らぁっ!」

「ホムラは渡さない!誰だろうと絶対!」

 

ミカとヴィダールの激突を制したのは...ミカだった。

完全勝利とまではいかなかったが、それでも押し返してみせたんだ。

続いてレックス達も、メツに一撃お見舞いした。

これでくたばってくれれば、後はあの声の腹立つ野郎をぶっ倒せば...!

 

「ちぃっ...やってくれるじゃねぇか...」

「どうやら、想定以上の強さの様だな」

 

...まだ、足りねぇか...!だがここで折れる訳にはいかねぇ!

 

「ミカ、メイスを...」

「...おやおやぁ、随分苦戦しているみたいですね?」

「...ヨシツネ...!?おいトラ、無事か!?どこにいる!?」

 

散開した後、トラが相手していた筈のヨシツネがメツ達の前に現れる。

 

「オルガ...気をつけるも...」

「トラ!...ボロボロじゃねぇか...!二アはどうしたんだ!?」 

 

声のする方に振り向くと、トラが傷だらけで倒れていた。見渡してみると、ニアとビャッコまでやられている。俺はすぐさま駆け寄ったが...一体何が...!?

 

「まとめてあいつにやられたも...あいつのブレイドが何かした瞬間、トラたちのブレイドが...!もっ!?」

「危ねぇ!」

「オルガッ!」

 

トラが一言ずつ、言葉を繋げるのを阻むように、雷のエーテルが放たれ、迫り来る。俺は咄嗟にトラを庇い、死ぬが...大したことはねぇ!

 

「はい、そこまでです。ネタバレは大迷惑なんですよ。...ま、こんな陳腐な物語には過ぎた演出なのですが...カムイ!次はこの辺り一帯、全部だ!」

「へいへーい♪最終章、かにゃ?」

 

カムイと呼ばれた奴のブレイドが、ヨシツネから武器を受け取り空へ舞い上がって、空中で翼を畳む。力を貯めた後、翼を展開すると同時に赤い波動の様な物を放つ。

だが...

 

「...あぁ?何ともねぇぞ?」

「こんな、こけおどし...!」

 

レックスがすぐさま突撃を仕掛ける。

俺もそれに続こうと思ったが...

 

「ダメだ、レックス...!」

「ニア!起きたか!」

「アタシのことなんていいから、早くアイツを止めろっ!返り討ちに...うっ!」

「ニア!...わかった、お前らはそこでじっとしてろよ!」

 

ニア達に声を掛けて、俺は戦いの場に戻る。

レックスは、ヨシツネを倒さんと飛びかかっていた。

 

「何だよ、何も起きてな...!?」

 

だが、その剣は、ヨシツネの、武器も持たぬ素手で、いとも簡単に受け止められてしまった。

 

「ブレイドは、空間に存在するエーテルエネルギーを武器のクリスタルへ送り込んで力を発生させている...僕達には、その流れさえも操ることができる!」

 

ヨシツネの言葉の直後、メイスから力が抜けていくのが分かった。つまり、奴らは今、本当にエーテルを操っている...!

 

「こうなってしまえば、力の差は圧倒的になる...私も先程、お嬢様に力を送れずに...!」

「ビャッコ!そうか...それでお前らはやられたのか...!」

 

いつぞやの戦いの時の、ヴァンダムさんの判断は正しかった...!けどヴァンダムさんはイオンを避難させてるし、戻ってきてくれたとしてももう、あいつの能力は乱せない...!

 

「今更気づいても遅いぜ!おらぁっ!」

「させねぇよ!」

 

メツが俺達の息の根を完全に止めようと、飛びかかってくる。

メイスでその一撃を受け止めるが...明らかに押されてる。押し返せない。

 

「お前ら!何でホムラを欲しがるんだ!」

「愚問ですね、天の聖杯の力が欲しいからですよ!」

 

一方でレックスの方はと言えば...押し返されるも、負けずに立ち向かおうとしている。だが、呆気なくヨシツネの双剣に武器を弾かれ、追い詰められる。

 

「悪く思うな。俺達はこの道を進むと決めた」

「ヴィダール...!お前ら、天の聖杯の力で何をしようってんだ!」

「シンの望み...そして、俺達の望みを叶える。全ての人間の...抹殺だ」

「何だと...!?」

 

全ての人間の抹殺...並大抵の覚悟で掲げるような目標じゃない。こいつらに、一体、何があったってんだ...!

 

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