オルガブレイド   作:シン・ファリド

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希望の華以外を技名にしても別に問題ないのだろう?


第1話 出逢い 第6節 「反撃開始」

時はオルガが三日月と合流する、数分前...

 

 

 

 

 

 

「どこだ、ここ」

 

俺は目が覚めると、やけに広い草原にいた。

空は一面晴天で、ところどころ木も生えてる。

そして絶えず、鐘の音が鳴っている。

レックスも一緒に来てるみてえだ。死後の世界、ってやつか?

だったらとっとと戻らねえとな...レックスはともかく俺は...ん?丘の上の木の陰に人がいるな。ありゃあ...天の聖杯とか呼ばれてた...

 

「さっきの女じゃねえか...」

「みたいだね...取り敢えず、話しかけてみる?」

「そうすっか」

 

俺達は早速その女に話しかけにいく事にした。

 

「あ、あの...」

「...哀しい音...」

「えっ?」

「止まないの、ずっと、ずっと昔から...」

 

レックスが話しかけてみると、女は鐘の音の話をしだした。なんかあったのか...?

 

「止まないって...この鐘の音?法王庁(アーケディア)でも近くにきているのかな。ねえ、ここって...」

「ここは...楽園。遥かな昔、人と神とが共に暮らしていた場所...そして...”私達”の故郷」

 

楽園...そういや、ウズシオに乗ってるときにレックスから聞いたっけな。なんでも、昔はその楽園に人間が住んでたんだが、神に追い出されたって伝説があるらしい。

住む場所を失った人間を見て流石に気の毒になった神が、巨神獣(アルス)って生物を遣わして、人間がその背中とかで暮らすようになったんだと。だが、その巨神獣(アルス)も寿命で死んだりして数が減ってるらしい。だからレックスは、伝説の楽園を見つけだせれば...って考えてたそうだ。

 

「え、嘘!ここが...」

「いい景色じゃねえか...」

 

青空の下、でっかい草原を見下ろせる丘。こんな場所で、団員の皆と馬鹿笑いするのも、いいかもしれねぇな...。

 

「ってそれ、コアクリスタル。君は...ブレイド?」

 

一方レックスの方は、女と話していた。どうやら服の緑色の飾りはコアクリスタルだったらしい。

 

「私の名前はホムラ」

「え?あっ、オ、オレは...」

「知ってます。レックス、でしょ?そしてそちらの人はオルガ」

「なんだよ...自己紹介いらねぇじゃねえか...」

 

いつものあれをやろうと思ったら、どうやら名前は知られてたらしい。いつの間に...?

 

「どうしてオレ達の名前を?」

「さっき、私に触れてくれた時に」

「さっき...」

 

あの赤い剣にレックスが触った時か。まあ、俺は触ってねえけどな...

 

「あれ?そういえばオレ、何でこんな所に...」

「死んだからだぞぉ...俺はこんぐれえ何て事はねえがな」

「その通りです。あなた達は...死んだ。シンに胸を刺し貫かれて...」

「シン?胸を...?」

 

段々思い出してきたのか、レックスの顔が青さめてくる。まあ死になれてる俺はまだしも、普通自分が死んだの思い出したらそうなるよな...

 

「思い出した...俺達はあいつに...大変だ!皆が!このままじゃ商会の皆が!」

 

そう言ってレックスは走り出すが、すぐに頭を抱えて止まる。

 

「だめだぁっ!オレ死んでるんだったぁ...くっそぉ!死んでさえいなきゃあんな奴...」

 

真っ先に人の心配をするのはいいが、肝心なこと忘れんじゃねぇぞ...

ここは俺とミカに任せとけ。さっきはすぐに復活できなかったが、それは多分ここに来るためだ。ならもう行ける筈だ!

早速戻ろうとすると、ホムラが何か決めたような顔で俺達に近付いてくる。

 

「レックス、オルガ、お願いがあります。私を、楽園に連れて行って」

「楽園...って、ここじゃないの?」

「そうだぞ...さっき自分で言ってたじゃねぇか...」

 

突然の正直ピンと来ない申し出に、俺達は疑問をぶつける。

 

「ここは記憶の世界。遠い、遠い私達の記憶の世界。本当の楽園は、あなた達の世界...アルストの中心に立つ、世界樹の上にあります」

「記憶?まぼろしみたいなもんか...でも無理だよ、オレ死んじゃったんだろ?君の手助けはできそうもない」

 

そうだそホムラ...レックスは一般人だぞぉ...俺とはちげぇぞぉ...

 

「私の命を半分あげます。そうすればあなたは生き返る。私の...天の聖杯のドライバーとして」

「天の聖杯の...ドライバー...そ、それって」

「どうします?レックス」

 

命を半分やるだと...?そんな事が出来るとか、すげぇよホムラは...

 

「ここはホムラの故郷なんだよね?」

「えぇ」

「本当に、ある?」

「レックス、あなたの考えていることはわかります。ここに来れば、アルストの運命...死にゆく大地の呪縛から、解き放たれる」

「もう、未来に怯えなくて、済む...なら答えは決まってる!」

 

どうやら、その楽園ってのが俺達の辿り着く場所らしいな。なら...やってやる!

 

「あぁ分かったよ!連れてってやるよ!この先どんな地獄が待っていようと...お前を!俺達が連れてってやるよ!そうだろレックス!」

「ああ、オレも同じ気持ち!行こう、楽園へ!オレ達がホムラを連れていってやる!」

「ありがとう。レックス、オルガ」

 

気持ちは一つだ。なら俺達にやれねぇ訳がねぇ!

 

「じゃあ、俺は先に行く。お前も、ホムラから命分けてもらったらすぐ来いよ!」

「分かってる!すぐ追いつく!」

 

そして...俺は、ホムラの記憶の世界を後にした。

 

 

 

「ねぇ、オルガ。ブレイドの武器をドライバーが持って、ブレイドは力を送ってた方がいいらしいけど...俺はどうしたらいい?」

「じゃあ俺が武器を使うぜミカ。補助は任せたぞ!」

「あぁ...任され、たっ!」

 

ミカのメイスを手にした俺は、メツとザンテツに挑む。

少し重いが...俺だって戦えるって、教えてやらぁ!

 

「こいつ...すぐ死ぬくせに、やるじゃねぇか...!」

「俺は鉄華団団長、オルガ・イツカだぞぉ...こんぐれえ何てことはねぇ...!」

「チッ...復活のアーツといい、面倒な奴だな!だが...幾ら不死身でも、海に沈められちゃあ戻ってこれねぇよなぁ!」

 

そう叫んだメツは、旋棍の横振りで俺を船の外に落とそうとしてきやがった。だがそんなもん、当たらなきゃ問題ないんだぜ!

 

「見せてやろうぜミカァ!俺達がただのガキじゃねえってな!」

「うん、分かってる」

 

声の掛け合いの後に、俺はミカにメイスを投げ渡す。

返ってきたメイスを使って、ミカは一撃、二撃と打ち込んだ後に、思いっきりメツを打ち上げる。

そして、ミカが上に放り投げたメイスを俺が掴んで、とびっきりの一撃を叩きつけてやる!

 

「喰らいやがれぇっ!レイジオブ...ダストォッ!」

 

メツが甲板に叩きつけられる。なんだよ...初めての連携でも結構うまくいくじゃねぇか...とっさに技名まで付けちまったぞ...

 

「あいつら...ブレイドも知らない異世界人なのに...凄い...」

 

俺達の戦いを離れて見てた二アも呆気にとられてるみたいだ。てかいつそれ知ったんだ。ミカが話したか...?

何にせよ、これで俺らの勝ちだ。よかったぜ...

 

「...オルガ、伏せて!」

「え?」

 

ミカが叫んだ直後、エネルギー弾みてえなのが飛んでくる。当然俺に直撃し、俺は死んだ。

 

「油断するんじゃねぇぞ、俺...」

「オルガ...まぁ、いいか」

 

まあやられたのが俺でよかったがよ...まさかまだ立ち上がるのかあいつ...?

 

「そろそろ消えてもらうぜ、お前らぁ!」

「なんだよ...結構ピンピンしてるじゃねぇか...」

 

メツはそこまで傷を負ってる様にも見えなかった。このままじゃまずいな...

メツは一瞬で距離を詰めて、俺を狙ってくる。

その上さっきのお返しとばかりにザンテツと連携してきやがる。

 

「そろそろ終わりにしてやるぜ、オルガァ!」

「こんな所じゃ、終われねぇ...っ!」

 

俺は約束したんだ、ホムラを楽園に連れてってやると!

だから、こんな所で止まれねぇ!止まるわけにはいかねぇんだ!

 

「だろ、レックスッ!」

 

俺の叫びに答えるように、メツの足元が赤く染まる。

熱で、鉄が溶けていく。

そして...!

 

「うおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉっ!!!!」

 

炎の竜巻と共に、レックスが現れる。

それとほぼ同時に、ホムラの入ったポッドが燃え始め、中からホムラが出てくる。

レックスの復活と同時に、ホムラも目覚めたって訳だな!

 

「小僧...その剣、まさか!」

「いきなり後ろからとは卑怯じゃないか...それが大人のすることかよぉ!...ホムラ!」

「はい!」

「いくよっ!」

「はいっ!」

 

メツとシンに向かって、レックスが剣を構える。

よく見たら、ホムラのコアクリスタルに似たのがレックスにも新しく付いてやがる。緑色に光り輝いて、結構かっこいいじゃねぇか...

 

「まあいい。何人増えようと俺達が相手をしてやるぜ。シンの力をそうホイホイ使わせるわけにもいかねぇからな」

「来いよ、天の聖杯ぃ!」

 

焦りを全く見せることもねぇが...俺にミカにレックスにホムラだ。こんだけいて負けるはずがねぇ!

さぁ、俺達もいくぞぉ!

 

「やめなよメツ!相手は子供じゃないか!」

「子供だぁ?冗談はよしな!こいつは...とっくに天の聖杯のドライバーだっ!」

 

ニアが止めに入ろうとするが、聞く耳を持たずにレックスと武器を打ち合うメツ。

そして剣を手足のように振るい、メツと戦うレックス。

だが流石に実力差があるのか、レックスがメツの蹴りで吹っ飛ばされる。

それに追撃を加えるべく、メツがザンテツに旋棍を投げ渡す。

 

「くらえっ」

 

それを受け取ったザンテツが斬撃を放つ。

 

「守んのは俺の仕事だ!」

 

とっさに俺は飛び出していき、その攻撃を受ける。

でっけぇ爆発が起きたが、どうってことはねぇ!

 

「ありがとうオルガ!」

「気にすんじゃねぇよ!こっから持ち返すぞ!」

「ああっ!」

 

レックスはホムラと共に、メツとザンテツに向かっていく。その間もザンテツは斬撃を放ってきたが...全部軌道が逸れてこっちに来やがった。無論...避けきれず、死んだ。

 

「足を止めるんじゃねえぞレックス...」

「何だと...!?おいザンテツ、しっかり狙ってるか!」

「当然だ!だがあいつに全部吸われた...どうなってやがんだ!」

 

そういや忘れてたぜ...俺にはそういう力があるってな!

 

「余所見なんて、随分余裕そうじゃないか!」

 

メツ達が驚いている隙をついてレックスが斬りかかる。

 

「皆、今のうちに!早く!」

 

剣を降り続けながら叫ぶレックス。

その声を聞いて、乗組員達がウズシオに戻っていった。

そういやあいつら、ずっと戦いをみてたのか...中々度胸あるじゃねえか...

 

「メツ、受け取れっ!」

「逃がすかよぉ!」

 

メツが後ろに飛び退きながらザンテツから旋棍を受け取る。そして高いところからエネルギー弾で逃げた乗組員を狙い撃とうとしてやがる。

だがな...それは俺がいる限り当たらねぇぞ!

放たれたエネルギー弾は、当然俺のところにくる。俺は死ぬが、それで皆が守れんなら安いもんだ!

 

「またか...ほんとに厄介な野郎だな!」

「オレ達を忘れんなよ!」

 

レックスとホムラが飛び上がり、一緒に剣を構える。ありゃあでっかいのぶちかます気だな!

よーし!お前らの一撃、あいつに叩きつけてやれ!

 

「「バーニングゥ...ソードォッ!」」

 

炎を纏わせた剣が直撃し、大爆発が起きた。だがメツは...それを受け止めたみたいだな。

 

「小僧...なんでお前如きが...と、言いたいところだが。その瞳の色、もっと注意しておくべきだったな」

「何のことだっ!」

「教えねぇよっ!」

 

鍔迫り合いしながらなんか喋ってるが...遠くてよく聞こえねえ。瞳の色とかなんとか言ってる気がするが...

っと、メツが反撃して、レックスとホムラが飛び退いた。こりゃ休んでもいられねぇな。

ウズシオも遠くに離れたみたいだ。存分に暴れられるなミカァ!

 

「...バルバトス、呼べないみたい」

「何!?珍しいこともあるもんだな...まあ、何の問題もねぇよ!」

 

どうやらバルバトスで瞬殺ってわけにはいかないらしい。だが、今の調子のまま行けば確実にやれる!

 

「行くぞお前らぁ!」

「うん」「ああっ!」「はいっ!」




多分次回で一話終わります
多分
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