ー???ー
ひそひそ...
見ろ、あの人が英雄の神津さんだよ
カッコいいなあ、あの人がいれば俺たちの勝利も間違いないな
でもあまりに凄すぎて声かけづらい...
まただ...英雄と持ち上げられてるせいでみんな神様を見るような目で俺を見てくる...
俺は英雄なんて気にせず普通に接してくればいいのに何でみんなそんな距離をとっている...
ん?ようお前ら!どうしたそんなに集まって!今日はどっかでかけるのか?
あ、ああ英雄様...こんにちは..,
おいおいなんだよお前らまで、いつも通り普通に接してくれや!
いや無理だよ。お前凄すぎて一緒にいると俺たち変な目でいられるしさあ。英雄様と下っ端じゃ格が違いすぎるっていうか...みんな行こうぜ...
逃げるかのように悠斗の友人たちが離れていく...
おい待ってくれよ!俺を置いてくなーー!!!
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「はっ!?」
ガバッ!
嫌な夢から醒め、起きるとそこは見知らぬ建物の中にいた。
「くそ、何であんな夢を...にしてもここはどこだ?」
辺りを見回しても誰もいない。だが建物内から人の気配は感じていた。
「見るからにボロボロの内装だなあ。でも何でだろう、ぼんやりとだが見覚えがあるなここ...もしかして何かのマンガの世界なのか?」
必死に思い出そうとするが何も出て来ない。そうこう考えてるうちに人が入ってきた。
「ああ、目が覚めたんですね!良かった...」
1人の少年が入ってきてその姿を見た瞬間悠斗に電気が走った。
「(こ、この子はベル・クラネルだと!!?じゃあこの世界はダンまちの世界ということなのか!?やべえ、ダンまちほとんど読んでないからこの先の展開とか全然分かんねえぞ...)」
はあ、とため息をつきながらも平静を取り戻し話を進める。
「あ、ああ。君が助けてくれたのか?ありがとう、君は命の恩人だよ」
「い、いえいえ!命の恩人なんてそんな!」
少年は慌てて否定する。そうか、確かこんな感じの子だったなっと軽く笑った。
しばらくして、ヘスティアも来たので一旦話し合うことになった。
「じゃあ自己紹介しますね。僕はベル・クラネル。このヘスティア・ファミリアの団員です」
「そしてボクはこのファミリアの主神であるヘスティアさ。これでも神様なんだぜ!」
「俺は神津悠斗。恐らくですが、別の世界から来た者です」
しばし沈黙が続いて...
「「えええーーーーー!!!???」」
教会全体に響き渡るほどの声を2人は出した。
「それは本当なのかい?」
ヘスティアが真顔になってそれを聞いてきた。
「恐らくですが。俺は別の場所である物の調査をしていたんですが、その時の事故に巻き込まれてしまい気付いたらここにいたんです」
「...嘘はついてないようだね」
神に嘘は通じない。それは知っていたし、悪いキャラではなかったので正直に話すことにした。
「別世界ですか。とんでもない話ですね」
「ボク自身も信じられない話だけど嘘はついてないし信じるしかないね」
「そういっていただけると助かります」
信じてもらえなかったら話が永久に前に進まないし、疑り深い連中じゃなくてよかったよ...
「それでキミはこれからどうするんだい?」
「とりあえず元の世界に戻る方法を探します。向こうに大切なものも残してきてますんで」
「そうか...じゃあ元の世界に戻れるまでボクのファミリアに入らないかい?」
「それいいですね神様!」
ファミリアか...確かに元の世界に戻るには情報が足らなすぎるし情報を仕入れるには丁度いいかもしれないな...
それにこのベル・クラネルは個人的にどう成長するか興味あるしな...よし!
「分かりました。じゃあ元の世界に戻れるまで限定でよければあなたのファミリアに入れて下さい!」
「やったーーー!!!眷属2人目だーー!!」
「やりましたね神様!」
2人して抱き合って喜びあっていた。それを見ると何故かほほえましくなってくる。
「それじゃあさっそく神の恩恵を刻もう!さあ、上着を脱ぐんだ!」
恩恵はたとえ同じファミリアであろうとも見てはならない。そんな決まりがあるのでベルが退室した後、そそくさと上着を脱いでうつぶせになる。
「...ユート君けっこう鍛えてるね。傷もそこそこあるし」
悠斗の筋肉質で傷ついた体を見てヘスティアは不思議そうに尋ねた。
「まあ修行や戦場を経験しちゃってますから。自然とついちゃったんですよ...」
そう、この体は師匠との鍛錬や戦場でついたもの。傷についてはほぼ師匠のせい。師匠は女性だけど超鬼畜のドSなんだもんなあ...それでいてチートクラスの強さだし...
「キミは相当の修羅場をくぐり抜けてきたんだねえ...」
「憐れんだような言い方やめてください...」
ヘスティアは悠斗とそんな言い合いをしながら背中に神の恩恵を刻み始めた。
「...よし!これでユート君は本当にボクのファミリアの団員となった訳だ!」
「...特に変化があるわけじゃないんですね」
「そういうものさ。じゃあステータスをってなんじゃこれはーーー!!!」
「ん??」
恩恵を刻み終わったと思ったら急にヘスティアが奇声をあげた。
「ちょっと紙に書くから待っててくれ」
そう言うとヘスティアは真剣な顔をして紙にステイタスを書き込んでいく。
「あのーどうしました?」
「すまないユート君。これを見てくれるかな?」
ステイタスを書かれた紙を渡されそれを拝見する。
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神津悠斗
Lv.1
力:S999
耐久:S999
器用:S999
敏捷:S999
魔力:S999
《魔法》
【ファイヤーボール】
【ウインドカッター】
【スプラッシュ】
【ネガティブゲイト】
【レイ】
【バーンストライク】
【イフリートソード】
【サンダーフレア】
【ヒーリング】
【破道の四 白雷】
【破道の九十 黒棺】
【縛道の八十一 断空】
【その他多数】
《スキル》
【英雄の力】
・全ステイタス大幅強化
・全ての魔法が詠唱破棄可
・精神枯渇無効
・精神異常完全無効化(常時発動)
~~~
「・・・」
「ユート君、キミのステイタスははっきり言って異常すぎる。レベル1とはいえ初めからカンストしてるし、人間でありながらレベル1で魔法が発言してる上に複数個以上発現している。おまけにスキルの【英雄の力】はレアスキルどころかもはやチートスキルと言ってもいいだろう。ユート君、キミはもしかして元の世界では英雄と呼ばれていたのか?」
「まあ...そうですね。望んだわけではありませんが数々の戦場を巡る内に勝手にそう呼ばれるようになりました。でも俺は英雄が嫌いです。ただ人々から畏れられ、避けられていく...そんな英雄を嫌悪します」
「ユート君...」
俺は英雄と呼ばれてからみんなが離れるようになった。英雄は常に孤独だと思い知らされた。だから俺は英雄が嫌いだ。だが、それでも師匠だけは英雄と呼ばれてる俺にも普通に接してくれた。それが何よりも嬉しかったんだ。だからこそここまでやってこれた。
「俺は英雄なんて柄じゃないんです。1人じゃ大して何もできない無力な人間だし、誰かに支えられなければすぐ壊れてしまう脆い男です」
「だったら!孤独な英雄じゃなく、常にかけがえのない仲間もいる強い英雄になれるようにベル君を支えてやってはくれないか?」
「え?」
「ベル君はおじいさんがモンスターに殺されたことがきっかけにみんなを守れる英雄になりたがってる!そんなベル君をここにいる間だけでいい。ベル君を支えてくれ!」
ヘスティアはそう言い頭を下げる。戸惑ったがここまでされたら引くわけにはいかない。
「分かりました。俺にどこまでできるかは分かりませんが、あいつが孤独な英雄にならないようサポートしますよ」
悠斗はそう微笑むように答えた。
「ありがとうユート君!!」
2人はがっちりと握手を交わした。
「あ、分かってはいると思うけど君のスキルはくれぐれも秘密にね?ほかの神々に間違いなく狙われるから」
「了解」
当然だ、俺は目立つのが嫌いなんだ。自分から爆弾投下するバカはいないんだよ。
その後、ベルに自分が英雄であることを話したら心底驚かれ、離れるどころかよりグイグイ来るようになった。
今までにないことだったので戸惑ったが、やはり面白い子だ。
俺は可能な限りの時間を使ってこの子を陰に日向に導いていてやるさ。